学校名 山口県萩市立田万川中学校
所在地 山口県萩市大字下田万1070番地
電話番号 08387-3-0556
地域に開かれた信頼される学校づくりの推進の在り方
-学校・家庭・地域社会の連携、協働の取組を通して-
月 | 事業内容 | 月 | 事業内容 |
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4 | 第1回推進委員会 教育方針の承認 PTA総会説明 | 10 | 第6回推進委員会 教育懇話会 教育講演会 |
5 | 第2回推進委員会 ふるさとクリーン作戦 | 11 | 第7回推進委員会 文化祭協力 地域参観日 |
6 | 第3回推進委員会 教育懇話会 地域参観日 | 12 | 第8回推進委員会門松制作 評価と構想 |
7 | 第4回推進委員会教育講演会 | 1 | 地域参観日教育講演会 |
8 | 地域開放学習講座学校環境整備作業 | 2 | 第9回推進委員会教育懇話会 |
9 | 第5回推進委員会 運動会競技参加 | 3 | 第10回推進委員会 年度末評価と構想 |
本校は、平成15年4月に生徒数の減少、校舎の老朽化により、地域内の2つの中学校が統合して開校した学校である。平成17年1月に完成した新校舎は、地域専用玄関や地域図書館、地域研修室等を完備した、地域への施設開放を念頭において建築された校舎となっている。校舎設計の段階から学校、地域、行政、建築関係の代表が知恵を出し合い、地域開放を目ざして建築された経緯があり、コミュニティ・スクールとして学校運営を行うことはごく自然の流れであったといえる。
コミュニティ・スクール推進委員会では、以上の学校づくりの経緯と、「地域に開かれた信頼される学校」を実現するため、研究初年度は以下の4点について重点的に取り組んできた。
(地域住民との日常的な交流による社会性の育成と学習交流を目ざす)
(学校、家庭、地域社会の三者の役割分担・責任意識の高揚を目ざす)
(保護者や地域住民の学校理解と教育活動の評価による学校の活性化を目ざす)
(地域の子は地域で育てる意識の高揚と、ふるさとのよさを感じる教育を目ざす)
コミュニティ・スクール推進の取組に対する年度途中の学校評価として、保護者対象にアンケート(平成17年11月)を実施した。主な意見は次のとおりである。
保護者意見(原文のまま掲載)
○学校の中で生涯学習団体等が日常的に活動しておられることは、子ども達の教育環境としては素晴らしいことだと思います。また、地域の人材を活用した授業もとてもよいことです。
○地域開放型の学校として様々な行事が仕組まれ、地域の方々がたくさん学校に足を運ばれることは大変よいことだと思います。生徒との学習交流もでき「地域で子どもを育てる」ことの基盤になっていると思います。
○いくつかの行事に参加し、楽しい体験、素晴らしい話、親である自分を見つめ直す講演を聞かせていただき、反省したり、自信を持ったりすることができました。
○地域開放学習講座(中学校の授業体験)など、様々な取組がどんどんなされ、地域と一緒に子どもを育てていくんだという強い願いが感じられます。
保護者の意見の90パーセントは取組に対する賛同意見であった。残りの10パーセントは前向きな提言、要望となっており、評価の高い結果を得ているものと考えている。この好結果を生んだ背景には、新校舎が「地域に開かれた学校」として誕生した経緯があり、地域住民のニーズを的確に反映した取組となっていたからであると考えられる。
生徒の変容については、地域住民との日常的な交流により、明るい挨拶が自然にできるようになった。また、地域の方々との学習交流により、豊かな人間関係が形成され、社会性が身に付くとともに、ふるさとの人々の心の温かさを直接肌で感じ取ることができるようになってきた。
教職員の変容については、地域に開かれた学校づくりに理解を示し、地域人材を活用した授業を積極的に推進するようになってきた。また、校内で活動される生涯学習団体との交流により、地域のよさを把握し、特色ある学校づくりを積極的に展開していこうとする意欲を感じるようになった。
保護者意見(原文のまま掲載)
○いろいろな経験ができて子ども達には良いことだと思いますが、週休日の地域クリーン作戦の行事で振替休日があったが、授業時間の確保は大丈夫でしょうか。
○「地域開放学習講座(中学校の授業体験)」は地域住民に大変好評でしたが、保護者の参加が少なかったように思います。参加しづらい面があったのでしょうか。
○子ども達自身がもっと地域の人とふれあって活動できる行事を増やしてほしい。
○子ども達が地域の人と一番交流したいことはスポーツではないかと思います。来年度は企画してやってください。
保護者意見の中で、推進事業に対しての振替休日についての意見が出たが、総合的な学習の時間での「地域交流授業」であることの学校の説明不足があった。この時間を授業として捉えていただくために来年度は説明責任を果たしていきたい。また、授業時数確保のため新規事業を増やしていくことに不安をもたれる保護者もあり、推進事業の精選が必要であることがわかった。
地域開放学習講座(中学校の授業体験)の保護者参加の低さについては、「先生から質問されて答えられなかったら恥ずかしいから」「子どもと比較されそうで」「地域の方が優先だと考えていた」等の保護者の声が聞かれた。今回の実施で受講者から大好評を得ることができたので、これらの不安も解消され、次回は安心して保護者も参加できるものと考えている。
コミュニティ・スクール推進委員会の課題としては、推進委員会議と職員会議との意思疎通と滑らかな連携体制づくりの強化である。両会議での意見が建設的に融合され、互いの意思が的確に反映された学校運営を推進していくことが最大のキーポイントと考えている。また、コミュニティ・スクール推進委員会が学校運営及び自らの活動をチェックする機関として働くよう、P-D-C-Aサイクルに基づく評価活動の充実に努めていかなくてはならないと考えている。
これまでの取組を総括してみると、調査研究1年目でもあり、暗中模索ながら推進してきたが、地域との連携、交流を主に考え、「教育講演会」「教育を考える懇話会」等、家庭や地域の教育力を喚起する事業を中心に取り組んできた。来年度は、生徒を中心に据えた事業を多く企画し、生徒の変容を強く意識した取組を展開していきたいと考えている。
コミュニティ・スクール推進委員会では、本年度の成果と課題をふまえ、「地域に開かれた信頼される学校」づくりを更に推進していくために、来年度に向けて下記の事業を計画、準備中である。
○保護者の全員参加が期待できる「学年別PTA活動」とコミュニティ・スクール推進事業の一体化による事業を企画する。
○商工会青年部の方々と生徒とのスポーツ交流活動を実施する。
○「学習ボランティア」を地域から募り、夏休みの補習授業で指導の補助をしていただく。
○生徒が先生役となって地域住民のための授業を行う。(パソコン教室等)
○文化祭を地域の生涯学習フェスティバルと合体させ「地域文化祭」へと拡大を図る。
○夏季休業中に「教員の職場体験」を地域内事業所で実施し、地域との一体化を図る。
本校は、来年度、萩市教育委員会からコミュニティ・スクールとして指定を受ける予定である。このことをふまえ、本年度の取組の成果と課題を再度詳細に分析し、来年度の推進事業に生かしていきたいと考えている。
今後も「地域立中学校」として、また「地域を生かし、地域から生かされる学校」の実現のために学校、家庭、地域社会が一体となった教育活動を展開していきたいと考えている。
-- 登録:平成23年11月 --