平成19・20年度JSLカリキュラム実践支援事業実施報告書【まとめ】
実施団体名【久留米市教育委員会】
回 | 日時 | 会場 | 授業者 | 内容 |
1 | 9月21日(金曜日) 13時30分~17時 |
久留米市立金丸小学校 | 久留米市立金丸小学校 教諭松山由美 |
第6学年理科「水溶液の性質」 在籍学級の授業に先行して指導し,自信をつけさせた等の意見を交換。理科で使う言葉の指導について話し合った。 |
2 | 10月5日(金曜日) 13時30分~17時 |
久留米市立荘島小学校 | 久留米市立荘島小学校 教諭井上久子 |
第3学年算数「あまりあるわり算」 対象児に身近な物を教材にしたことや1対1の授業より複数の児童の授業での効果を話し合った。 |
4 | 10月17日(水曜日) 13時30分~17時 |
久留米市立金丸小学校 | 久留米市立金丸小学校 教諭松山由美 久留米市立日吉小学校 教諭大久保佐恵子 |
第6学年社会「明治維新から世界の中の日本へ」 3人の共同作業を仕組み,用語カードや短冊等の工夫が理解を深めることを確認。保護者に日本語指導の意義を理解してもらう手だても紹介された。 第5学年社会 「日本での食生活と食料生産」 日本と自国との違いを調べ,知識と自分の考えを深める活動の有効性を確認。 |
5 | 11月7日(水曜日) 13時30分~17時 |
久留米市立西国分小学校 | 久留米市立西国分小学校 教諭角田敬二 |
第5学年国語「物語を作ろう」 「いつ」「どこ」「だれ」「何をした」について発表・言葉のやりとり・操作活動により理解が深まる実態を確認。初期指導の時期を経過させる必要性を話し合った。 |
6 | 11月21日(水曜日) 13時30分~17時 |
久留米市立日吉小学校 | 久留米市立日吉小学校 教諭大久保佐恵子 |
第1学年算数「ものとひとのかず」 身近な物,ことばに置き換えて言葉におけるつまずきを避ける効果を確認。問題文の提示にも配慮する必要性を話し合った。 |
7 | 1月9日(水曜日) 13時30分~17時 |
久留米市立西国分小学校 | 久留米市立西国分小学校 教諭角田敬二 久留米市立荘島小学校 教諭井上久子 |
・第5学年算数「円周と円の面積」 円,円周などの言葉の学習をくり返し行い,頭の中で映像化することの有用性を確認。ロシア語通訳とのTTが有効と話し合った。 ・第1学年国語「かんじのはなし」 対象児の持つ文化や言葉のイメージを深く考慮する必要性について話し合った。多様な教具の開発が有効であったと確認。 |
回 | 日時 | 会場 | 授業者 | 内容 |
1 | 9月10日(水曜日) 13時30分~17時 |
久留米市立金丸小学校 | 久留米市立金丸小学校 教諭森茂男 |
第2学年国語「声に出して読もう」 擬態語・擬音語の楽しさを味わわせ,さらに,「自分でも詩を作ってみたい」という意欲を持たせる様々な工夫の有効性について話し合った。 |
2 | 10月17日(金曜日) 13時30分~17時 |
久留米市立荘島小学校 | 久留米市立荘島小学校 教諭井上久子 |
第4学年国語「いろいろな意味をもつ言葉」 校区プラン(学力保障校区事業)の公開授業でもあり,小中連携の必要性や外国人児童の日本語支援のみならず丁寧な学習支援について話し合い,JSLカリキュラムの考え方について指導助言を受けた。日本語指導員参加。 |
3 | 10月29日(水曜日) 13時30分~17時 |
久留米市立日吉小学校 | 久留米市立日吉小学校 教諭藤木佐恵子 |
第2学年国語「何がどうした」 主語と述語の色分けや言葉カードの表す動詞を動作で表現させたことなどの効果を確認。最後に主語と述語で感想を言わせるなど学習を生かしたまとめを仕組むことなどについて話し合った。 |
4 | 11月28日(金曜日) 13時30分~17時 |
久留米市立金丸小学校 | 久留米市立荘島小学校 教諭井上久子 久留米市立日吉小学校 教諭藤木佐恵子 久留米市立金丸小学校 教諭森茂男 |
第4学年社会「わたしたちの県のようす」 自国と日本の比較から入ったこと,写真や実物を見せてイメージを確かにすることの効果等を確認。内容を精選し,考える時間をより多く確保することなどについて話し合った。 第4学年理科「とじこめた空気や水をおしてみよう」 実際の動作から「手ごたえ」等の言葉の意味を理解させる大切さ等を確認。自分の言葉で実験の結果を文でまとめ「水はちぢまない」に到達させること等について話し合った。 第6学年国語「形容詞の正しい使い方」 日本語支援員との連携で行った学習の効果を話し合った。 |
平成19年8月22日~24日参加者37名(3日間のべ90名)
会場久留米市立南薫小学校
平成20年8月20日~22日参加者34名(3日間のべ81名)
会場久留米市立南薫小学校
外国人児童生徒の日本語学習を支援する指導員の派遣を実施した。
10校13人の児童生徒に対して日本語指導員10人を配置
11校15人の児童生徒に対して日本語指導員12人を配置
平成19年7月4日「JSLカリキュラム実践支援事業講演会」
会場久留米市立金丸小学校
内容「外国人児童生徒・帰国児童生徒の教育上の特質と学校の受入体制づくり」-多文化の子どもとJSLの実践-
講師九州大学大学院人間環境学研究院吉谷武志教授
対象者日本語指導教員配置校校長及び日本語指導担当者
日本語指導が必要な児童生徒在籍学級担任等
平成20年2月18日「JSLカリキュラム実践支援事業特別講演会」
会場久留米市立金丸小学校
内容「多文化共生次代の国際理解教育と学校の活性化」
講師東京学芸大学国際教育センター佐藤郡衛教授
対象者日本語指導が必要な児童生徒が在籍する学校の管理職及び在籍学級担任,日本語指導加配教員,JSL日本語指導員,他
【1】授業公開,授業検討会を実施し,JSLカリキュラム実践授業の検証を行うことで,日本語指導の授業力向上を図った。各回において,授業を公開したが,日本語指導教室の児童の数が1~3人のため,参観される児童に負担がかからないよう,録画した授業の様子をみる形式も取り入れた。また,校区プラン実践交流会と併せて授業研究会を持つことで,広く実践を公開し,JSLの基本的な考え方を伝え,意見交流することができた。
【2】九州地区で初めてJSLカリキュラムの基本的な考え方についてのワークショップを開催することができ,学校における外国人児童生徒の受入の在り方やJSLカリキュラムの基礎から実践的な授業の組み立て方まで,各地からの参加者の理解を促進することができた。九州のみならず遠くは大阪からの参加者もあり,意見交流を深められた。
ワークショップ後のアンケートから
○帰国・外国人児童生徒の置かれている現状の厳しさや複雑さを認識できた。
○JSLカリキュラムの基本的な考え方を理解できた。
○JSLカリキュラムの考え方を使って,学習活動の構成の仕方がわかった。
○帰国・外国人児童生徒のみならず,学習についていけない子どもへのきめ細やかな支援の在り方,子どもの実態に合わせた指導の大切さについて,深く考えることができた。
○実践発表から具体的な示唆やアドバイスを得た。
○日本語指導担当の悩み等を共有できるネットワークを作ることができた。
【3】日本語指導加配教員は19年度4校4名,20年度3校3名である。それ以外の学校を中心に,外国人児童生徒が在籍している13校(20年度)に,日本語指導員の活用を行っている。19年度は2学期からはじめ,その需要に従い,20年度は4月当初から申請の受付を開始した。学級担任及び教科担当との連携を行いつつ,学習言語の習得と授業内容の理解に効果をもたらした。19年,20年ともに開催したJSL実践支援ワークショップでは,日本語指導員に参加を促し,久留米市の指導員のJSLカリキュラムによる教科指導の研修を行った。また,久留米市JSLカリキュラム実践支援事業の顧問である東京学芸大学国際教育センター吉谷武志教授による相談指導の場も作った。
【4】講演会の開催については,久留米市立の小中学校を中心に福岡市からの参加者も加え,外国人児童生徒の日本語指導に係る学校の校長及び担当者が,外国人児童生徒の受入の在り方と日本語指導の在り方を理解する機会とした。外国人児童生徒教育は,担当者や学級担任などの一部の教員のみに任される現状があり,学校としての体制づくりに校長の理解とリーダーシップが必要であること,JSLカリキュラムの基本的な考え方は授業改善の道であり,一人一人をきめ細やかに支援していく教育の基本となる(アンケートより)など理解が深まった。
【1】各学校の日本語担当教諭の連携,交流を今後継続していく方策が必要である。また,JSLカリキュラム実践及び日本語指導の研究の成果を,市内の他の学校にいかに伝え広げていくかが課題である。
【2】担当者同士の研修の場であるとともに交流の場としても有効であるワークショップだが,次年度の開催を望む参加者の声が多かったことから,どのようにつないでいくかが課題である。
【3】日本語指導員の指導方法研究については,試行錯誤しながら指導している場合が多く,指導員同士のネットワークが作り出す必要がある。
【1】日本語指導加配教員の継続的な連絡会の開催
【2】久留米市JSLカリキュラム実践研究及び教材・資料のまとめ作成と配布
【3】次年度以降の取組について方針決定(別事業への移行等)
総合教育政策局国際教育課
-- 登録:平成22年01月 --