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実施報告書【まとめ】堺市教育委員会

実施団体名【堺市教育委員会】

2年間の取組内容及び成果と課題

1.具体の取組内容

【1】JSLカリキュラムを活用した授業実践(実践校1中学校2小学校)

・実践校は,実践研究の内容や研究成果を効果的に普及するための方策について情報交換及び実践報告を行う。
・JSLカリキュラムの教材活用による効果的な実践事例の発信と普及を図るため,堺市JSLカリキュラム研究推進会議を開催し,実践校での実践研究について,教育委員会,実践校の担当者,研究協力者による協議,情報交換等を行い,事業の円滑な実施を図る。

【2】JSLカリキュラムに関するワークショップ(堺市JSLカリキュラム研修会)の開催

・小学校・中学校において日本語指導の役割を担う教員等を対象に,JSLカリキュラムによる指導方法等を含めた日本語指導を必要とする児童生徒への教科指導について,演習等によるワークショップを実施。

(平成19年度)

(1)「JSLカリキュラムの概要と実践事例」
(2)「日本語指導のあり方とJSLカリキュラムについて(実践報告)」
(3)「JSLカリキュラムの指導案・教材作成の講義とワークショップ」
(4)「日本語指導の実際とJSLカリキュラムの実践について」
(5)「JSLカリキュラムの実践について(実践報告)とワークショップ(教材・教具についての交流)」

(平成20年度)

(1)「JSLカリキュラムとは何か  ~概論と考え方~」  「実践報告 小学校における取組」
(2)「JSLカリキュラムとは何か  ~概論と考え方~」  「実践報告 中学校における取組」
(3)「JSLカリキュラムにつなげるための日本語指導 ~日本語教育の基礎~」
(4)「小・中学校実践報告」 「実践校の取組を通して」

2. 成果

【1】研修会参加者による情報交換,課題などの共有化を図ることができた。

【2】研修会での実践報告においては,授業の様子や教材・指導案作りの発表内容についてプレゼンテ‐ション資料やビデオ映像を多用し,指導実践を視覚化することができた。これらは,日本語指導の初心者の教員に指導のイメージを伝えることに有意義であった。

【3】研修会では,参加者が,JSLの観点を踏まえて教材を作成する過程を通じて,教科の知識の獲得や概念の理解の場で,子どもの理解に応じた学習支援と日本語指導を踏まえた教材のあり方の必要性を認識することができた。

【4】実践校での実践においては,理解支援に加え,表現支援と記憶支援に意識的に取り組む研究実践 を行ったことは教科指導や日本語指導に有効であった。

3. 課題

【1】JSLカリキュラムについては,一定の理解は進んだが,実践校以外での学校教育現場での活用はまだ不十分である。

【2】先行学習を実施するには,在籍学級担任や各教科担当との連携や情報交換をさらに進め,児童生徒の理解状況を確認しながら指導を継続し,学級担任や教科担当がJSLカリキュラムを理解し,授業に取り入れる工夫が必要である。

【3】日本語で学ぶための学習者の自立の基盤となる日本語指導と,さらにJSLカリキュラムにつなげるために,教科学習につながる日本語指導のあり方を検討する必要がある。

【4】最初に子どもの実態をつかむために,学校現場で分かりやすい日本語力診断テストが必要である。

【5】母語も日本語も不十分なJSL児童の言語的支援には,学校現場での日本語指導や母語教育への理解,教員への日本語指導研修,日本語指導カリキュラムや教材の整備,教材情報へのアクセス体制の確立等が必要である。 

4.その他(今後の取組等)

【1】日本語指導教員研修会の充実

・日本語指導を必要とする児童生徒の増加傾向や外国にルーツを持つ児童生徒の多様化に対応した日本語指導研修やJSLカリキュラムの研究等の研修会の内容の充実や開催回数の確保に努める。

お問合せ先

総合教育政策局国際教育課

-- 登録:平成22年01月 --