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平成25年度「公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」に係る報告書の概要(北九州市)

平成25年度に実施した取組の内容及び成果と課題【実施主体 北九州市教育委員会】

1.事業の実施体制(運営協議会・ 連絡協議会の構成員等)
(1)北九州市帰国・外国人児童生徒教育推進協議会
・協議会事務局…教育委員会事務局
(指導第一課長・指導第一課教育振興担当課長・指導第一課指導主事)
帰国・外国人児童生徒教育センター校
(会長1名・副会長4名はセンター校の校長)
(幹事1名・副幹事5名はセンター校の専任教員)
・運営委員会…事務局に北九州市内小・中学校の教諭30名が運営委員として加わって構成される
(2)連絡協議会の構成員帰国・外国人児童生徒教育連絡協議会
・協議会事務局
・日本語指導対象児童生徒の担任

 

2.具体の取組内容
[1]運営委員会・連絡協議会の実施
・国際理解教育講習会の開催
6月14日(金曜日)ウェルとばた 教育委員会指導第一課・市内小中特別支援学校管理職
「北九州市の国際理解教育」
・帰国・外国人児童生徒教育推進協議会の開催
6月21日(金曜日)ウェルとばた 協議会事務局・日本語指導対象児童生徒の担任
「北九州市の帰国・外国人児童生徒教育について」「日本語指導について」
校種別の情報交換会
・ふれあい国際交流教室運営委員会の開催
7月26日(金曜日)あやめが丘小学校 協議会事務局・運営委員
「ふれあい国際交流教室」(8月開催)の打合せ
・センター校会議
年4回実施 教育委員会・センター校
年間計画の審議及び事業の実施

[2]初期指導教室やセンター校等の設置
・小学校3校:小倉中央小・あやめが丘小・光貞小(各小学校に専任教員1名配置)
・中学校2校:菊陵中(専任教員2名)・浅川中(専任教員1名)

[3]日本語能力測定方法の活用
・教育研修センター「外国人児童生徒等に対する日本語指導指導者養成研修」
6月11日(火曜日)~14日(金曜日)専任教員1名が受講
研修後、日本語能力測定方法DLAについて、専任会議で研修
・各センター校で日本語能力を測定  
9月から10月に研究授業対象児童生徒を中心に測定
・JSLカリキュラムに基づく授業公開・協議
10月から12月に各センター校で専任教員による研究授業・協議会を実施
※授業の詳細については別添資料参照

[4]日本語指導ができる支援員の派遣
・センター校及び居住区の学校への支援員の派遣
センター校5校、訪問校14校に日本語指導員を派遣
・中国語、韓国語、フィリピノ語、インドネシア語の支援員9名を委嘱・派遣

[5]児童生徒の母語が分かる支援員の派遣
・就学時や学期の個人懇談会等で、通訳を実施。(要望がある際にできるだけ対応)

 

3.成果と課題
[1]運営委員会・連絡協議会の実施
<成果>
・センター校会議を年間4回開くことにより、北九州市帰国・外国人児童生徒教育推進協議会の事業を計画的に進めることができた。
・国際理解教育講習会は、市内全ての小・中・特別支援学校の管理職を対象としたため、本市の国際理解教育、帰国・外国人児童生徒の受入れ、日本語指導についての理解を管理職に促すことができ、その後の受入れも順調に進めることができた。
・連絡協議会で日本語指導対象児童生徒の担任が集まって情報を交換することにより、担任の持つ不安や悩みを共有するだけでなく、それぞれが工夫していることを紹介しあう場になった。また、中学生の進路について情報提供ができた。
<課題>
・連絡協議会や国際理解教育講習会の開催回数や対象等について検討していく必要がある。

[2]初期指導教室やセンター校等の設置
<成果>
・今年度は昨年度に比べ、中学校のセンター校が1校増えたため、中学生に対する日本語指導及び進路指導をきめ細かく行うことができた。
<課題>
・北九州市は日本語指導対象児童生徒が市内の広域にわたって在籍しており、センター校への通学が無理な場合、初期指導は専任教員又は日本語指導員が訪問して行うことになっている。センター校以外で訪問指導を必要とする児童生徒の人数が年々、増加している。しかし、センター校在籍児童生徒の人数で専任教員の人数が決まるため、専任教員の人数が不足する状況にあることから、今後も福岡県に加配の希望を継続的に示していく必要がある。

[3]日本語能力測定方法の活用
<成果>
・授業前に対象児童生徒の日本語能力を把握することができたため、その結果をもとに授業の中でどのような支援が必要であるかが明確になった。
・DLAを活用することにより、4領域の中でどの力が不足しているのかが分かり、それを補うための手立てを工夫することができた。
<課題>
・日本語能力測定をするために、多くの時数を要した。今年度は授業の対象児童生徒のみの実施だったので測定できたが、日本語指導を必要とする全員に行うとなると、そのための時間確保が難しい。
・細かい観点がたくさんあり、測定者によって評価の度合いが違ってくる。文科省の研修を受けた専任教員が専任会議で測定法についての研修を行ったが、今後は更に正確に測定するための専門的な事前研修が、専任教員及び当該学級担任に対しても必要である。

[4]日本語指導ができる支援員の派遣
<成果>
・中国、韓国、フィリピン、インドネシアからの児童生徒については、母語を話せる支援員を派遣することができたため、初期日本語指導及び適応指導が順調に進んだ。
<課題>
・今年度日本語指導対象指導生徒の滞在国は19か国に及んだ。北九州市は児童生徒が多国籍なため、できるだけ全ての言語に対応するよう、北九州国際交流協会との連携を更に深めていく必要がある。

[5]児童生徒の母語が分かる支援員の派遣
<成果>
・保護者が外国人の場合、母語が分かる支援員が懇談会に入ることで、担任と保護者の話を円滑に進めることができた。
・高校進学に関する情報を保護者に説明する場合、母語での説明が不可欠であった。入試制度が国によって違うため、センター校では支援員に通訳をしてもらうことで説明することができた。
<課題>
・日本語指導対象児童生徒及びその保護者については、学校からの要請に応じて母語が分かる支援員を必要なときに派遣することができるが、児童生徒が日本語指導対象となっていないときには外国人保護者に対しての通訳要請に応じることは難しい。よって、この件に関しても北九州国際交流協会との連携を密にし、通訳業務等を早めに知らせ、協力を仰いでいく必要がある。

 

4.その他(今後の取組等)
以上のような成果と課題を受け、来年度は「個別の指導計画」の作成に関することやDLAに関することを周知する研修会を実施する必要がある。その際の対象や内容の詳細については、今後、帰国・外国人児童生徒教育センター校会議で検討していく。

お問合せ先

総合教育政策局国際教育課

電話番号:03-6734-2035

-- 登録:平成26年10月 --