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平成24年度「帰国・外国人児童生徒受入促進事業」に係る報告書の概要(浜松市)

平成24年度に実施した取組の内容及び成果と課題
1.事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)
【浜松市外国人子ども支援協議会】・15人
・静岡文化芸術大学教授(会長) ・静岡県教育委員会指導主事 ・市教育長 ・教育委員会学校教育部長・ハローワーク専門官 ・企業内保育所園長 
・保護者代表  ・NPO代表 ・企画部国際課長 ・浜松国際交流協会専門理事   ・市立高校校長県立高校校長(定時制)
・市立小中学校校長代表・市立幼稚園園長代表 
 ※事務局 教育委員会指導課長 学校教育部副参事 指導主事 協力員
・浜松市教育委員会学校教育部指導課 教育相談支援センターが拠点となり、関係機関(国際課、各学校、 浜松国際交流協会、NPO団体等)と連携しながら、浜松市における外国人児童生徒就学支援を推進した。
 

2.具体の取組内容 
1受入れにあたっての指導・支援の在り方を協議する運営協議会の設置・開催
様々な立場の委員15名が外国人の子どもの教育課題、教育支援の在り方について協議した。 外国人労働者に求められる日本語力、外国人の子どもたちが進路選択をしていくために必要な支援や情報、リソースの共有について、 浜松の地域性を踏まえて意見交換をした。年間3回実施。
3就学促進員の活用
ベトナム語、中国語、タガログ語、インドネシア語のバイリンガル4人を就学促進員として委嘱し、就学相談や入学説明会における通訳、入学準備ガイダンスにおける通訳を行い多言語での情報提供を行った。また、学校生活への適応に心配な子どもに対し、円滑な適応ができるよう学校を訪問し支援した。さらに、高校入学の手続きにおける保護者への説明において通訳を行った。
4指導補助者・支援員等の配置
指導補助者の配置
外国人生徒が多数在籍している中学校10校に、指導補助者15名を派遣し、外国人生徒の実態に応じて、日本語指導、授業補助、放課後学習支援等を実施した。
外国人児童生徒就学サポーターの派遣
外国人児童生徒就学サポーター(ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、中国語、ベトナム語インドネシア語   のバイリンガル)45人を支援の必要な小中学65校に派遣し、児童生徒の学習支援や文書等の翻訳、保護者   との面談や電話対応等を行った。
7教育委員会と関係機関との連携による就学支援
教育支援センターにバイリンガル相談員、協力員、外国人の受入や諸課題の指導・相談役としての相談員を各1人配置し、既配置の相談員との協力体制の中、就学ガイダンス・学校訪問等を行った。各学校と教育相談支援センターとの連携強化を図り、編入児童生徒がスムーズに学校生活に適応できるよう支援体制を整えた。多文化共生事業実行委員会との連携により不就学児童生徒の就学を勧めた。
9その他(支援者の資質向上を目指した研修会の実施)
第1回 「外国人児童生徒のための進路支援について」(講話・グループワーク)
第2回 「発達支援を必要とする子どもの見立て方」  (講話)
第3回 「はじめての日本語とクラスの仲間づくり」  (講話、実践演習)
 

3.成果と課題
1受入れにあたっての指導・支援するための運営協議会の設置・開催
成果 それぞれの外国人と関わる機関・部署から委員を選出したので、子どもたちを取り巻く生活環境や学力の 向上、リソースの共有に関して、様々な立場からの意見が集められ、関係機関間の情報交換が具体的に行われた。
課題 保幼小連携、バイリンガル支援者等の人材確保の難しさ、受入から学校生活に適応する上で必要な支援が 明らかになった。
3就学促進員の活用
成果 学校側からの要請に迅速に対応することができ、児童生徒への適応支援にあたることができたり、親の学校生活への不安を和らげたりすることができた。
課題 フィリピンからの編入が増えており、タガログ語に対応できる支援者の人材確保が難しい。
4指導補助者・支援員等の配置
成果 指導補助者:(学校からの報告書より一部抜粋)3年生の作文指導や面接指導により、入試に対して自信を持って取り組むことができるようになり、希望校へ合格することができた。外国人児童生徒就学サポーター:浜松市にはブラジルを始め、ペルー、フィリピン、ベトナム、中国など様々な国につながる外国人児童生徒が散在している。この就学サポーターは、それぞれの言語に対応し、子どもの学習支援や日本語の基礎指導の補助、保護者とのコミュニケーションを図る上で一助となった。
課題 優秀な人材を継続的に確保できるシステムの構築や必要とされる資質を高めるための研修が必要。
7教育委員会と関係機関との連携による就学支援
成果 浜松に来た外国人の子どもが安心して、スムーズに学校に入ることができるようになってきた。就学に結びつける拠点として、教育相談支援センターが機能してきた。
 課題 日本語の分からない子どもや保護者に対しては、母国語による丁寧な説明が欠かせない。日本の文化と母国文化の違いやそれぞれの良さを理解し、保護者に対して毅然とした態度で接することができる。バイリンガル相談員の存在は、大変重要。
9その他
成果 多くの支援者は、実際に今接している児童生徒を思い浮かべながら研修会に参加したため、より具体的・実践的な話し合いが行われた。
課題 子どもたちの日本語力だけでなく、母語の習得状況や学習適応状況も千差万別であり、子どもたちへの対応は多岐にわたる。支援者の資質向上は急務である。しかし、教員に比べ支援者への研修機会は少ないため、拡充していくことが必要である。
 

4.その他(今後の取組等)
 ・より質の高い支援を継続的に実施していくために、指導補助者の登録制度や計画的な研修を確立していく。
 ・今後外国につながる児童生徒に対する特別の教育課程の制度化が進んでいくものと思われる。国の方針を 受けながら、浜松市としての支援体系を構築することが重要である。子どもたちを取り巻く状況の変化をとらえながら、「自ら学ぶ力」を育てるために必要な支援体制を構築することに重点を置いていきたい。

お問合せ先

総合教育政策局国際教育課

電話番号:03-6734-2035

-- 登録:平成25年09月 --