CLARINETへようこそ

平成24年度「帰国・外国人児童生徒受入促進事業」に係る報告書の概要(芦屋市)

平成24年度に実施した取組の内容及び成果と課題
1.事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)
(1)市教育委員会は,本事業を実施するため,日本語指導連絡協議会を設置する。
(2)市町教育委員会は,連絡協議会の設置に際し,委員長及び委員を定め,本事業が組織的,計画的に実施されるよう努める。
(3)連絡協議会は,市教育委員会学校教育課長1名,市長部局国際交流担当課長1名、小・中学校の教職員(校長2名、教頭2名、教諭2名),学校教育課主査1名により組織する。
(4)連絡協議会はセンター校の取組に指導助言を行ったり,必要に応じて支援員等を紹介する。
(5)市教育委員会と連携する関係機関等は,センター校に情報や教材の提供を行う。

2.具体の取組内容 
2域内で情報共有するための連絡協議会の開催
日本語指導連絡協議会を年2回開催し,外国人児童生徒を受け入れる際の留意点や効果的な支援方法を検討した。 また,実際にセンター校の就学支援や日本語指導の状況を視察し,適宜助言指導を行い,成果と課題を検証するとともに,その取組内容を市内他校へ広報した。
6センター校等の設置
 市内で比較的多くの日本語指導が必要な帰国・外国人児童が在籍する潮見小学校をセンター校と位置づけ,学習支援や心の安定をはかる交流の場として「こくさいルーム」を設けた。その際,個人差の大きい日本語力に対応するため,児童をよく理解した担任と母語の話せる指導補助員が協同で指導にあたった。また,入学前の保護者の疑問や心配の相談に応じる機能を果たした。
7教育委員会と関係機関との連携による就学支援
 外国人児童生徒が就学する上での課題や効果的な支援について子ども多文化共生センターと相談して進めた。また,地域の日本語教室である「こくさい広場」と情報共有や人的交流をし,外国人児童の就学の問題について同じ見解で取り組める土壌を整えた。さらに,国際交流協会が実施する日本語教室について,実施状況を把握し,必要とする児童生徒,保護者に紹介した。

 

3.成果と課題

域内で情報共有するための連絡協議会の開催
 地域の日本語指導を必要とする外国人児童生徒に共通する課題と個々の生活背景に起因する課題を整理し,効果的な支援方法を研究することができた。連絡協議会の委員が地域の日本語教室を実際に見て,協議を進めたことで,地域の課題に即した支援の方法について協議を深めることができた。
6  センター校等の設置
 センター校の学習室では学年や国籍を超えた外国人児童生徒同士の人間関係が形成され,自分の生活や悩みについて話しのできる居場所を作ることができた。また,楽器などを通して自国の文化に興味を持つなど,自分の文化背景を肯定的に見直すきっかけを与えたり,同じ体験をした先輩の話を聞くことで,現在の自分の課題に向き合い乗り越えようとする雰囲気が児童の間に広がった。さらに,自己紹介や作文指導を通して,児童に勇気を持って自分のことを周囲の人々に伝えようという気持ちを育むことができた。センター校では,これらの取組の成果を市内の研究協議会において発表し,市内で外国人児童生徒の少ない学校の教員に対し,今後の転編入を想定した準備を啓発することができた。
7教育委員会と関係機関との連携による就学支援
地域の日本語教室と教材の共有化を進めることで,センター校と地域の日本語教室が関連した学習内容を指導でき,双方で学ぶ児童にとって学習課題が解決しやすくなった。また,地域の日本語教室の運営上の課題を市教育委員会が聞き取ったり,地域の日本語教室から今後就学予定の児童の情報提供が学校に対してあるなど,連携が深まったことで,地域の外国人児童生徒の情況の把握が進んだ。さらに就学予定の児童生徒の中で,日本語教室への入級希望者に対して,国際交流協会と連絡を取り,本人の日本語習得状況等を伝えるなどの調整をはかることで,通級につなげることができた。

 

4.その他(今後の取組等)
 ・外国人児童生徒の保護者に提供する情報を市内である程度整理,統一して,すべての学校で一定の対応ができるよう研修する必要がある。
 ・就学手続きがわからないなどの理由で外国人児童が不就学となることのないよう,地域の日本語教室を含めた関係団体に広く情報提供を呼びかけることが有効である。
 ・就学時に学校は,家庭の考えや今まで受けてきた教育の実態と子どもの理解の度合い,進路の希望等を聞き取った上で,個別の支援の計画を立てる必要がある。
 ・異なる文化背景のある児童生徒を受け入れ適切に支援をするためには,教員だけでなくその子どもの母文化を理解した地域人材等やボランティアに助力を求めることが効果的である。
 ・現在,市国際交流協会が開催している日本語教室は就学年齢の児童生徒を対象としていないが,大人の日本語指導のノウハウを持っていることから,積極的に助言を求めていくことが望まれる。
 ・外国人の保護者が日本語や日本文化への理解不足から学校や教師への誤解や不信を招くことのないよう,日本では当然と思われている学校の規則や行事であっても,就学時にはていねいに説明をするように,入学までにできれば複数の回数の面談を実施するようにする。
 ・外国人児童生徒の就学時に生活日本語の学習の希望を聞き取り,地域や国際交流協会の主催する日本語教室を紹介するなど,適切に関係団体に引き継げるようにする。

お問合せ先

総合教育政策局国際教育課

電話番号:03-6734-2035

-- 登録:平成25年09月 --