CLARINETへようこそ

平成21年度帰国・外国人児童生徒受入促進事業に係る報告書の概要(甲賀市)

実施団体名 【甲賀市教育委員会】

平成21年度に実施した取組の内容及び成果と課題

1.事業の実施体制(運営協議会・地域連絡協議会の構成員等)

甲賀市の支援体制

2.研究内容 〈具体の取組内容〉

1.就学支援

  • 教育委員会事務局に相談窓口を設置し、母語のできる支援員(ポルトガル語とスペイン語)を配置し、外国人児童生徒に対する就学相談や教育相談を行っている。
  • 今年度は、外国人児童生徒向けの就学ガイドブック(ポルトガル語版)を作成した。

2.外国人の子どもの就学状況調査

  • 必要な外国語が使える方を「就学促進員」に委嘱し、外国人の子どもの就学状況調査を実施して、不就学児童生徒に対して就学への働きかけを行っている。
  • 今年度は8月の調査の結果、中学3年生男子生徒1名の不就学が判明したが、就学の働きかけを行ったところ、9月1日付けで市内の中学校へ転入した。

3.母語支援員の活用

  • 外国人児童生徒が在籍する小中学校へ母語支援員(ポルトガル語・スペイン語・中国語)を派遣し、日本語指導や授業の補助・学校配布文書の翻訳・懇談会や家庭訪問などの行事における通訳等を行っている。
  • 支援員は現在5名で、ポルトガル語3名、スペイン語1名、中国語1名である。児童生徒の在籍数に応じて、毎週時間割を決めて定期的に学校へ派遣している。

4.受入体制の整備

  • 市内の外国人児童生徒が多く在籍する2つの学校(綾野小学校・水口中学校)を、「帰国・外国人児童生徒教育センター校」と位置付け、「日本語指導教室」において、外国人児童生徒に対する日本語指導や適応指導を通して、学習面・生活面・情緒面の安定を図っている。また、外国人日本語指導加配教員と母語支援員が協力し、日本語の教材開発、指導法の開発や研究などを通して、外国人児童生徒の日本語のハンディ克服、自尊感情の育成に努めている。
  • センター校以外の学校にも母語支援員を派遣し、日本語指導非常勤講師と協力しながら、日本語指導や生活適応指導を行い、外国人児童生徒の心の不安を取り除きながら、日本語学習に集中できる体制を整備している。
3.成果と課題

(成果)

  1. 就学支援の充実
     母語の話せる支援員1名を教育委員会事務局に配置したので、急な保護者への対応や翻訳等に対応できた。また、就学ガイドブック(ポルトガル語版)を作成できた。
  2. 母語支援の充実
     昨年度までは、ポルトガル語に対応できる支援員3名という体制だったが、今年度は、スペイン語1名、中国語1名増員でき、支援が充実した。
  3. 日本語指導教材の配布
     事業の経費の一部で日本語指導教材を購入し、日本語指導を行っている小中学校へ配布できた。

(課題)

  1. 日本語指導担当教員の指導力向上
     センター校以外の学校では、日本語指導は主に非常勤講師が担当している。非常勤講師は県の研修会に参加することができず、研修の機会がなかなか持てない状況である。センター校加配教員の指導法を伝達したり、担当教員が互いに情報を交流できる場を設定することが今後の課題である。
  2. 効果的な教材の開発
     日本語指導のための教材はたくさん市販されているが、教材を購入する予算が十分にないため、各学校で苦心しながら指導していただいている状況である。効果的な教材を紹介したり、購入する予算をつけていくことが今後の課題である。
  3. 母語支援体制の充実
     今年度は支援員5名体制で学校への派遣回数も増やすことができたが、来年度は予算不足のため時間数減となる。限られた予算の範囲でいかに支援を充実させることができるかが大きな課題である。
4.その他(今後の取組等)
  1. 外国人児童生徒及び保護者への進路説明会の開催
     今年度は人権センター及び湖南市と共催で年に2回開催したが、参加者は少なかった。来年度も継続して行う予定である。
  2. 就学ガイドブック(スペイン語版・中国語版)の作成
     今年度はポルトガル語版のみ作成したが、来年度はスペイン語及び中国語も作成したい。

お問合せ先

総合教育政策局国際教育課

-- 登録:平成22年07月 --