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実施団体名【　牧之原市教育委員会　】

平成20年度に実施した取組の内容及び成果と課題

1．研究事項（テーマ）

外国人児童生徒が日本人児童生徒と共に生き生きと活動できる学校・地域にするための指導・支援のあり方

2．事業の実施体制（地域連絡協議会の構成員等）

（1） 牧之原市帰国・外国人児童生徒支援地域連絡協議会の構成メンバー
　牧之原市国際交流協会代表、学識経験者（2）、牧師、教育委員代表、社会教育委員代表、PTA代表、自治会代表者（2）、静西教育事務所指導主事、企業代表（3）、教育長、市教育相談員代表、校長代表、幼保園長代表（2）、センター校校長、市子育て支援室担当、市協働推進室担当、市民室担当、バイリンガル巡回相談員、バイリンガル相談員代表、市教育委員会学校教育室長の計25人

（2） 帰国・外国人児童生徒教育センター校
　牧之原市立細江小学校を「帰国・外国人児童生徒教育センター校」に設定した。

（3） 日本語指導教室「ワールドルーム」
　センター校に日本語指導教室「ワールドルーム」を設置した。

（4） プレスクール
　バイリンガル相談員及び日本語指導協力者を置き、就学前の外国人園児等に対して、基礎的な日本語指導や基本的生活習慣指導等を行った。

（5） バイリンガル相談員及び日本語指導協力者の派遣
　バイリンガル相談員4名と日本語指導協力者6名を置き、学習支援・教育相談及び外国人児童指導担当教員や学級担任とのティームティーチング指導を行った。

（6） バイリンガル巡回相談員の指導
　市内のセンター校以外の小・中学校を巡回し、巡回指導及び巡回相談を行った。

（7） 日本語指導協力者及びバイリンガル相談員研修会
　帰国・外国人児童生徒への支援体制向上のため、年間2回の研修会を開催した。

（8） 帰国・外国人児童生徒教育推進研修会
　市内各学校の担当者が集まり、受入体制の整備や支援体制の充実に向けた研修を行った。

3．研究内容 〈具体の取組内容〉

（1） 地域連絡協議会（研究テーマ：関係機関による支援策の協議）
　国際交流協会、PTA、自治会、企業代表等関係機関の代表者により、年間2回、授業参観による事業内容理解や外国人児童生徒及び保護者の支援策協議を行った。

（2） 就学支援（研究テーマ：関係機関の連携による就学支援）
　関係機関と連携し、就学啓発活動や就学案内、就学指導、進路指導を行った。また、就学リーフレットの整備を行った。

（3） 受入体制の整備（研究テーマ：センター校を中心とした受入体制整備）
　教育推進コーディネーターの配置、ワールドルームにおける指導、外国人児童のための総合学習の実施、市内外国人児童交流会の実施、ブラジル人学校との交流、外国人保護者参観・懇談会の実施を行った。

（4） 初期指導教室（研究テーマ：牧之原市型プレスクールの整備）
　バイリンガル相談員や日本語指導協力者による巡回指導型のプレスクールを実施し、保育所や幼稚園の外国籍園児への日本語指導や生活適応指導、保護者との相談活動等を行った。

（5） 指導補助者（研究テーマ：学習支援・相談活動の充実）
　バイリンガル相談員等を配置し、日本語指導及び生活適応指導、保護者との相談活動等を行った。
　また、日本語指導教員研修会を開催し、日本語指導に関わる研修を行った。

4．成果と課題

（1） 地域連絡協議会
○関係機関による情報交換が行われたことにより、外国人児童生徒を支援するためのネットワークが構築され、センター校での授業参観等にも参加していただくことができた。
△協議会が2回だけの開催となるので、事業内容の理解と情報交換が主になり、課題解決のための協議をすることは難しい。

（2） 就学支援
○バイリンガル相談員等との連携による就学支援の取組により今年度の5月と比較し、外国人児童生徒の就学率が増加した。
△進学希望者に対する進路説明会については、関係機関との調整がつかず開催することができなかった。

（3） 受入体制の整備
○日本語取出指導及び生活支援により、少しずつ学力が向上し、学校への適応が図られた。
△学力保障と進路指導については十分な支援ができていない状況である。

（4） 初期指導教室
○バイリンガル指導員等の巡回指導により、園児や保護者との意思疎通が深まってきた。
△保育活動を通しての指導になるので、計画的に日本語を指導することが難しい。

（5） 指導補助者
○バイリンガル相談員等を配置したことにより、外国人児童生徒の日本語能力の向上と学校生活への適応が図られた。また、外国人児童及び保護者の学校教育への理解が深まった。
△外国人児童生徒への対応だけでなく、急な転校や帰国への対応業務が増加し、負担が増加している。

5．その他（今後の取組等）

課題を受け、今後の取組内容として、以下のことを検討している。

• 関係機関の連携を更に深め、子どもと共に保護者の支援に取り組む。
• 外国人児童生徒のための進路説明会を開催する。
• 翻訳文書に関わる情報共有を行う。
• センター校を中心とした支援体制については継続する。
• 牧之原型プレスクールの在り方については研究を進める。
• 学校に慣れるための「プレ登校」制度について研究を進める。
• 「就学促進員」を置き、外国人集住地区を中心にした家庭訪問や就学案内を行う。
• 市内各学校の担当者が集まり、受入体制の整備や、支援体制の充実に向けた研修を行う。