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平成19年度帰国・外国人児童生徒受入促進事業に係る報告書の概要 実施団体名【牧之原市教育委員会】

平成19年度に実施した取組の内容及び成果と課題

1 研究事項(テーマ)

「外国人児童生徒が日本人児童生徒と共に生き生きと活動できる学校・地域にするための指導・支援のあり方」

2 事業の実施体制

(1)牧之原市帰国・外国人児童生徒教育推進連絡協議会
《構成メンバー》
国際交流協会代表、学識経験者(2)、牧師、教育委員、社会教育委員、PTA代表、静西教育事務所指導主事、企業代表(2)、教育長、市教育相談員、校長代表(2)、幼保園長代表(2)、センター校校長、市子育て支援課、市企画開発課、市民課、バイリンガル相談員(2)、学校教育課長 (計23人)
(2)帰国・外国人児童生徒教育センター校
牧之原市立細江小学校を設定
(3)日本語指導教室
センター校に「日本語指導教室」を設置。
(4)日本語指導協力者及びバイリンガル相談員の派遣
 日本語指導協力者7名とバイリンガル相談員2名を置き、学習支援・教育相談及び外国人児童指導担当教員や学級担任とのTT指導を行う。
(5)指導協力者及びバイリンガル相談員の巡回指導・通級指導
 市内のセンター校以外の小・中学校及び幼稚園等を巡回し、巡回指導及び巡回相談を行う。
牧之原市帰国・外国人児童生徒受入促進事業

3 研究内容〈具体の取組内容〉

  • (1)教育推進コーディネーターとバイリンガル相談員の配置
    • 1市内各小中学校の外国人指導についての情報収集及び指導助言を行う「教育推進コーディネーター」をセンター校である細江小学校に配置
    • 22名のバイリンガル相談員について、1名はセンター校に配置し、もう1名はセンター校以外の学校を巡回
  • (2)学習指導及び学習支援
    • 1市内1中学校4小学校へ非常勤講師として「日本語指導協力者」を配置
    • 2JSLトピック型学習を意識した新カリキュラム「J World」の実施
    • 3センター校の日本語指導教室「ワールドルーム」の充実
    • 4各校の外国人指導担当または国際理解担当による「教育推進研修会」を年間2回実施
  • (3)国際理解教育の充実
    • 1地区の研修会の開催
    • 2センター校における国際理解教育の実施
  • (4)外国人児童生徒及びその保護者への配慮
    • 1外国人児童生徒の就学にかかわる手続きについて整備
    • 2外国人保護者懇談会の実施
    • 3センター校からの情報発信(ポルトガル語版の通知表、日本語指導教材の共有化、通知票のポルトガル語版、「学校からの通信」のポルトガル語版等)

4 成果と課題

【成果】

  • (1)外国人児童生徒の日本語能力が向上。また、学校生活への適応が図られるようになった。
  • (2)外国人児童生徒及び保護者が市内の小中学校の教育活動を理解し、協力的になった。
  • (3)外国人児童生徒の保護者が子どもたちの教育について困った時に、気軽に学校へ足を運び、学校職員やバイリンガル相談員に相談するようになった。
  • (4)センター校においては、「学校が楽しい」「楽しみにしている授業がある」という意見が多く聞かれるようになり、明るく元気に学校生活を送るようになった。
  • (5)これまで指導が不十分だったセンター校以外の外国人児童生徒が在籍する小中学校において、センター校での実践を意識した受入体制を整備できるようになった。

【課題】

  • (1)外国人児童生徒の日本語指導の成果を把握する評価問題が共有化されていないため、客観性のある評価が行えていない。
  • (2)センター校においてはバイリンガル相談員が毎日勤務しているため、外国人児童及び保護者への適切な対応がとれるが、センター校以外のバイリンガル相談員の勤務が固定的でない。バイリンガル相談員を多くの学校に配置し、的確な支援を行えるようにしたい。
  • (3)外国人指導担当教員及び日本語指導補助員による指導方法の研修が必要である。他市の先進的な教室へ視察にいって指導のあり方を学ぶ必要がある。
  • (4)教員の外国人指導についての意識の差がある。特に、在籍外国人児童生徒が少ないまたはいない学校では、他校の授業を見るなどして、外国人指導についての理解を深めていく必要がある。
  • (5)増加傾向にある外国人児童生徒の中には、日本語能力がないため小中学校への適応が困難な場合がある。そのような子供たちを集めて日本語初期指導を行う「プレスクール」を設置し、小中学校への入学を踏まえた日本語初期指導を行う必要がある。

5 その他(今後の取組等)

課題を受け、今後の取組内容として、以下のことを検討している。

  • (1)市内各校で統一された外国人児童生徒の日本語能力の習熟状況を把握する評価問題の作成
  • (2)受入体制をさらに充実させるためのバイリンガル相談員の適正配置
  • (3)先進校視察による日本語指導教室のあり方の研修
  • (4)市内各校の外国人指導担当教員による教育推進研修会の計画的開催
  • (5)外国人児童生徒を対象とした「プレスクール」の効果的な設置のあり方の検討

(初等中等教育局国際教育課)

-- 登録:平成21年以前 --