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1 在外教育施設への教員派遣制度


1-1 在外教育施設への教員派遣の意義
   海外子女教育は,我が国の主権の及ばない外国において展開されており,国内とは異なる教育環境におかれた日本人の子どもに対し,国内における教育の機会均等及び義務教育無償の精神に沿って,日本国民にふさわしい教育を行うとともに,併せて国際性を培うことを目的としています。
 教育の基本が,よい教師を得ることにあることはいうまでもありません。特に,国内に比して教育条件が十分ではない在外教育施設においては,教師の果たす役割は極めて大きいといえます。在外教育施設で必要とする教員を国の責任で確保し,派遣することとしている理由もここにあります。
 一方,派遣教員にとっては,国内とは異なる環境において教育実践を行うという意義は大きく,貴重な教員研修の機会となっています。外国の地で教育を行うという利点を生かし,我が国教育の基本理念の一つである国際性豊かな日本人の育成に積極的に寄与することが期待されています。

1-2 教員派遣制度の沿革
   日本人学校への教員派遣は,昭和37年度に国立学校教員1名をバンコク日本人学校に外務公務員に併任して派遣したことに始まり,昭和39年度からは国立学校に日本人学校派遣教員の定員措置が講じられました。昭和40年代に入り,国際化の進展に伴う海外子女数及び日本人学校数の増加に対応するため,昭和44年度からの国内の第3次教員定数改善,更に,昭和49年度からの第4次教員定数改善において,公立学校に派遣教員の定数措置を講じ,これら公立学校教員の国内給与費の2分の1を国が負担することとしました。そして各都道府県の自発的協力を基礎に,公立の義務教育諸学校の教員を派遣してきました。
 しかし,それ以後,海外子女数の急増と地方財政の逼迫等により,在外教育施設において必要とされる教員数の確保が年々困難になるとともに,派遣教員の身分取扱いも各都道府県にゆだねられていたため,教員の処遇面で種々問題を生じてきました。
 そのため,昭和53年度からは,国が派遣教員の確保に要する経費を教員派遣に協力する都道府県に交付し,国の責任において在外教育施設で必要とする教員数を安定的に確保することを目的として「在外教育施設派遣教員経費交付金」制度が新設されました。これに併せて派遣教員の身分取扱いを長期の研修出張扱いに統一して処遇面の改善が図られるとともに,選考方法も従来の一般公募・推薦方式から国内所属機関の推薦方式に一本化されました。
 また,昭和56年度からは,従来,外務省予算に計上されていた教員派遣経費(赴任・帰国旅費及び在勤手当)が文部省に移管されたことに伴い,文部大臣が派遣教員を委嘱し派遣することとなり,教員派遣業務が文部省において統一的に行われることとなりました。
 昭和63年度には,私立学校からの派遣教員の確保に要する経費について,公立学校教員と同様に国が学校法人に対し交付金を交付する措置が新たに認められたことにより,昭和63年度から派遣される私立学校教員についても処遇面の改善が図られることとなりました。
 平成15年度において、海外子女教育,帰国・外国人児童生徒等の支援を一元的に推進すること及びこれまでどおり国が責任をもって派遣教員を確保する等の観点から,「在外教育施設派遣教員委託費」が新設され,これまでの「在外教育施設派遣教員経費交付金」は平成14年度をもって廃止されました。

1-3 教員派遣の仕組み
   文部科学省は,国内の義務教育諸学校の教員の中から,各都道府県教育委員会等が選考して推薦する教員について選考を行い,適任者を決定し,これらの教員を対象に研修を行った上で原則として2年間の期間で文部科学大臣による派遣教員の委嘱を行い,毎年度当初に各在外教育施設に派遣しています(「在外教育施設教員派遣規則」昭和56年,文部省訓令第27号)。
 
(1)  派遣教員の資格
  7

 

 派遣教員は,次の(1)から(6)の一に該当し,かつ(7)から(10)までの各条件を満たしている者でなければ ならない。

(1) 校長として派遣される者にあっては,次のいずれかに該当する者
ア  現に義務教育諸学校の校長として勤務し,学校運営上の業績があると認められる者
イ  現に義務教育諸学校の副校長又は教頭として勤務し,学校運営上の業績があり,派遣時に義務教育諸学校の副校長又は教頭として2年以上の経験を有し,かつ,校長としての能力があると認められる者
ウ  現に教育委員会の指導主事・管理主事等の事務局職員として勤務し,勤務成績が優秀であり,かつ校長としての能力があると認められる者
エ  学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)に定める校長の資格を有する者で,文部科学省初等中等教育局長が適当と認める者
(2) 副校長として派遣される者にあっては,次のア,イ,ウ又はエのいずれかに該当する者
ア  現に義務教育諸学校の副校長として勤務し,勤務成績が優秀な者
イ 現に義務教育諸学校の教頭,主幹教諭又は指導教諭として勤務し,勤務成績が優秀であり,派遣時に義務教育諸学校の教頭,主幹教諭,指導教諭又は教諭として通算で15年以上の経験を有し,かつ副校長としての能力があると認められる者
ウ  現に義務教育諸学校の教諭として勤務し,教務主任等として学校運営上優れた能力があり,派遣時に義務教育諸学校の教諭としての経験を15年以上有し,かつ副校長としての能力があると認められる者
エ  現に教育委員会の指導主事・管理主事等の事務局職員として勤務し,勤務成績が優秀であり,かつ副校長としての能力あると認められる者
(3) 教頭として派遣される者にあっては,次のア,イ,ウ又はエのいずれかに該当する者
ア  現に義務教育諸学校の教頭として勤務し,勤務成績が優秀な者
イ 現に義務教育諸学校の主幹教諭又は指導教諭として勤務し,勤務成績が優秀であり,派遣時に義務教育諸学校の主幹教諭,指導教諭又は教諭として通算で15年以上の経験を有し,かつ教頭としての能力があると認められる者
ウ  現に義務教育諸学校の教諭として勤務し,教務主任等として学校運営上優れた能力があり,派遣時に義務教育諸学校の教諭として15年以上の経験を有し,かつ教頭としての能力があると認められる者
エ  現に教育委員会の指導主事・管理主事等の事務局職員として勤務し,勤務成績が優秀であり,かつ教頭としての能力があると認められる者
(4) 主幹教諭として派遣される者にあっては,次のア,イ又はウのいずれかに該当する者
ア  義務教育諸学校の主幹教諭として勤務した経験を有し,勤務成績が優秀な者
イ  現に義務教育諸学校の教諭として勤務し,教務主任等として学校運営上優れた能力があり,派遣時に義務教育諸学校の指導教諭又は教諭として15年以上の経験を有し,かつ主幹教諭としての能力があると認められる者
ウ  現に教育委員会の指導主事・管理主事等の事務局職員として勤務し,勤務成績が優秀であり,かつ主幹教諭としての能力があると認められる者
 (5) 指導教諭として派遣される者にあっては,次のア,イ又はウのいずれかに該当する者
ア  義務教育諸学校の指導教諭として勤務した経験を有し,勤務成績が優秀な者
イ  現に義務教育諸学校の教諭として勤務し,派遣時に義務教育諸学校の主幹教諭又は教諭として15年以上の経験を有し,かつ指導教諭としての能力があると認められる者
ウ  現に教育委員会の指導主事・管理主事等の事務局職員として勤務し,勤務成績が優秀であり,かつ指導教諭としての能力があると認められる者
(6) 教諭として派遣される者にあっては,次のア又はイのいずれかに該当する者
ア  現に義務教育諸学校の教諭として勤務し,勤務成績が優秀であり,派遣時に3年以上の義務教育諸学校教諭経験を有する者
イ 義務教育諸学校の教諭として優れた資質を有し,かつ,3年以上義務教育諸学校の助教諭又は講師(常時勤務の者に限る。)としての経験を有し,当該教員としての勤務成績が優秀な者
(7) 校長,副校長,教頭,主幹教諭又は指導教諭に昇格して派遣される者にあっては,帰国後も引き続き同等に処遇される者であること。
(8) 海外子女教育について深い理解と熱意を有すること。
(9) 現地各国の厳しい生活環境,教育条件からくる困難な状況においても,忍耐強く同僚と協調して,職責を遂行する堅固な意志と気力を有すること。
(10) 同伴家族とも,心身ともに健康であり,よく周囲と協調して,長期間の海外勤務生活に耐えることができること。
 

(2)   派遣教員の推薦及び選考
  1  文部科学省は,毎年,所属機関の長(国立大学附属学校教員等にあっては学長,公立学校教員等にあっては都道府県教育委員会教育長,私立学校教員等にあっては都道府県知事をいう。以下同じ。)に対し,在外教育施設に派遣する教員の推薦を依頼する。
 各所属機関の長は,面接等による選考の上,派遣教員として適当と認める者を文部科学省に推薦する。
2  文部科学省は,各所属機関の長から推薦された者について,書類審査及び面接による選考試験を行う。

(3)   派遣教員候補登録者等の決定
  1  管理職候補登録者
 文部科学省は,各所属機関の長から管理職(校長及び教頭をいう。以下同じ。)として推薦された者の中から,選考試験の結果に基づき派遣教員候補登録者を決定し,在外教育施設派遣教員(管理職)候補登録者名簿(以下「管理職候補登録者名簿」という。)に登録するとともに,その旨を所属機関の長に通知するものとする。
 管理職候補登録者名簿の有効期間は,作成後2年間とする。
2  教諭候補登録者
 文部科学省は,各所属機関の長から教諭として推薦された者の中から,選考試験の結果に基づき派遣教員候補登録者を決定し,在外教育施設派遣教員(教諭)候補登録者名簿(以下「教諭候補登録者名簿」という。)に登録するとともに,その旨を所属機関の長に通知するものとする。
教諭候補登録者名簿の有効期間は,作成後2年間とする。
3  教諭候補者
 文部科学省は,上記(3)2のほか,当分の間,各所属機関の長から教諭として推薦された者の中から,選考試験の結果に基づき派遣教員候補者を決定し,在外教育施設派遣教員(教諭)候補者名簿(以下「教諭候補者名簿」という。)に記載する。
 教諭候補者名簿の有効期間は,作成後1年間とする。

(4)   派遣教員の決定
  1  管理職候補登録者
   文部科学省は,管理職候補登録者名簿に登録された者を対象に,初等中等教育局長が別に定める登録者研修を行い,当該研修を修了した者の中から派遣教員を決定し,所属機関の長に通知するものとする。
 派遣教員を決定するに当たっては,あらかじめ所属機関の長の承諾を得るものとする。
 文部科学省は,アの派遣が決定された者に対して,初等中等教育局長が別に定める派遣前研修を行う。
2  教諭候補登録者
   文部科学省は,教諭候補登録者名簿に登録された者を対象に,初等中等教育局長が別に定める登録者研修を行い,当該研修を修了した者の中から,教育職員免許状の種類,教科,年齢,性別その他の要件を考慮して,派遣教員を決定し,所属機関の長に通知するものとする。
 派遣教員を決定するに当たっては,あらかじめ所属機関の長の承諾を得るものとする。
 文部科学省は,アの派遣が決定された者に対して,初等中等教育局長が別に定める派遣前研修を行う。
3  教諭候補者
   文部科学省は,2の定めによるほか,当分の間,教諭候補者名簿に記載された者の中から,教育職員免許状の種類,教科,年齢,性別その他の要件を考慮して,派遣教員内定者を決定し,これらの者を対象に,初等中等教育局長が別に定める派遣前研修を行う。
 派遣教員内定者を決定するに当たっては,あらかじめ所属機関の長の承諾を得るものとする。
 
 文部科学省は,アの研修を修了した派遣教員内定者の中から派遣教員を決定し,所属機関の長に通知するものとする。

(5)  派遣教員の委嘱,派遣
  1  文部科学省は,上記(4)で派遣教員として決定された者に対し,各在外教育施設の校長,教頭又は教諭を委嘱する。
2  派遣教員の派遣期間は,原則として2年間(評価に応じて最大2年間の延長が可能)とする。

(6)   派遣教員に対する在勤手当及び旅費の支給
     派遣教員には,文部科学省が定める規則等により,その派遣期間中の在勤手当及び赴任・帰国の旅費を支給する。

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