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7 音読・朗読

7‐1 音読と朗読

  1. 「音読」は、黙読の対語(たいご)だから、声に出して読むことは広く「音読」である。
  2. 「音読」は、正確・明晰・流暢(正しく・はっきり・すらすら)を目標とする。
  3. 「朗読」は、正確・明晰・流暢に以下を加える。
    • ア 作品の価値を音声で表現すること
    • イ 作品の特性を音声で表現すること
       (読者の受け止めた作者の意図・作品の意味・場面の雰囲気・登場人物の性格や心情を)
       〔参考〕
      • 平成10年版「学習指導要領」では、以下となっている。
         「音読」 小1~4の理解領域
         「朗読」 小5、6の表現領域
      • 平成10年版「学習指導要領」では、「音読」「朗読」の文言が削除された。
         しかし、補習授業校は「学習指導要領」の拘束下にない。むしろ、国語学力として価値があり、なおかつ、補習授業校の子ども達に有益な学習は積極的にすべきであるとの観点にたつと、積極的に「音読・朗読」をさせるのがよい。

7‐2 音読指導の形態

  1. 繰り返して音読をさせるためには、マンネリに陥らないよう次の点に留意する。
  2. その都度、内容面・技能面から目標を設定し、それに向けて意識づけを図ったうえで始めさせる。
  3. 方法や形態に変化をつける。
    • ア 一斉読み ‐全員で声を揃えて読む。斉読(せいどく)。小1から中3まで必要であり、有効である。
    • イ 円陣読み ‐円陣を組んで読む。人数の少ないクラス、おとなしい子ばかりで声の出ないクラスに有効。円の中央で声がハモり、協同して何かを作っている快感を味わえる。
    • ウ 共(とも)読み ‐教師と子ども達が共に(一緒に)に読む。いわば伴走。語句の読み・アクセント・速さ・抑揚(よくよう)・間(ま)を教えるのに有効。「指導案集」では、新しい教材に入ったとき必ず行うようにしている。「毎日読みましょう」「なん回読んできなさい」という宿題を出すにはこれをしておくことが前提となる。
    • エ 追いかけ読み ‐教師が一文、または、一節を区切って読み、子ども達がそれに倣(なら)って読む。
    • オ 一文読み ‐一人一文のリレー読み。長い文と短い文があるが、リレーの継ぎ目のところに段差ができないようにすること。それを目指して練習すること自体が集中した読みを誘う。
    • カ 段落読み ‐一人一段落のリレー読み。
    • キ 分担読み ‐全文をクラス全員が分担して読む。
    • ク 役割読み ‐物語・小説で行う。会話文と地の文、また、登場人物を担当して読む。日本語力の差、声の高さや話し方の速さ等に配慮して適所を各人に割り振ることによって、誰にも成就感を味あわせることができる。
    • ケ 拡大語(かくだいご)読み ‐‐‐ 重要な語・フレーズ・文を、声量をあげて読む。説明的文章(説明文・意見文・論説文・評論文)の要旨をつかんだり確認したりするのに有効。
    • コ 速(はや)読み ‐できるだけ速く読む。文脈を大づかみするのに効果がある。できるだけ息継ぎを我慢させるようにすると、苦しくなったとき自然と息を腹に入れようとすることになり、腹式呼吸を覚える。
    • サ 唇(くちびる)読み ‐唇だけを動かして読む。黙読では、難しい語を飛ばして読んだり、誤読に気づかなかったりする。ほとんど聞こえないくらいの声量だが、唇を動かすことでそれらが防げる。ほかの人が読むのを聞いているときは、これをさせる。
    • シ 微音(びおん)読み ‐唇読みよりも少し大きい声。声を出すのを避けたがる子どもにも抵抗感が少ない。
    • ス 指さし読み ‐教師がいま読んでいるところに人差し指を当てて読む。小1の1学期、および、日本語力の低い子どもに有効。

7‐3 すらすら読み/回数記録

  1. 文学的文章・説明的文章とも、すらすら読めることがその後の学習の前提である。
  2. すらすら読めること自体が国語学力である。
  3. すらすら読めるようにさせる簡単で確実な方法は、繰り返し読ませることであり、その方法を工夫しなければならない。
  4. 何回読んだかを記録させるのは、繰り返し読むことの動機づけとなる。
  5. 方法:一回読むたびに題名の横に印をつける。(音読‐○(まる)、黙読・微音読△(さんかく)など)

7‐4 初読の形態‐新しい教材に入ったときに読み方を確認させる方法

  1. CD・テープを聞かせる。
  2. 教師が全文を範読する。
  3. 文節ごとの追いかけ読みをする。
  4. 一文ずつの追いかけ読みをする。
  5. 段落ごとの追いかけ読みをする。

 「繰り返し読む」という家庭学習の前段階として、学年や教材に応じて使い分ける。

7‐5 発音・発声の指導

  1. 小さな声、不明瞭な発音は、その都度指摘する。「みんなに聞こえるように読む」ことは「教室での読み方」の技能の一つであるから、教室で指導されないと身に付かない。
  2. 矯正(きょうせい)方法‐ 2メートルほど前に掌(てのひら)をかざし、それをマイクに見立てて声をぶつけるようにさせる。少しでもよくできたら、大いにほめること。

7‐6 音(おん)の特徴に関心を向けさせる

  • 音の特徴に関心を向けさせると、そこから一語一語を大事にした朗読をするようになる。

     「しとしと」 …音 シャープな感じ
     「ぴちぴち」 …P音・ch音 軽く、弾力的な感じ
     「キラキラ」 …K音 金属的な感じ
     「ママ」 …M音 温かい感じ
     「アカサタナ…」 …ア段の音 口を大きく開ける晴れやかな感じ

7‐7 腹式呼吸の習得法

  • 物理的に、腹中の空気を押し出す。
     腹部に手を当て、凹ませるように押しながら、息の続く限り句読点を無視して声を出して読む。限界になって大きく吸うと、自然と腹に息が入る。これを数回繰り返すと、コツが分かる。

7‐8 腹式呼吸の効果

  1. 声がよく通る。
  2. 読点から読点までの長い部分を読むとき、声がぶれない。
    例 「学校の時計塔の向こうに一面に広がる真っ赤な夕焼け空をながめながら、子ども達は歩いていった。」(下線部 41音節)
     (ちなみに、これが作文だったら次のようにするのが適切である。)
     「学校の時計塔の向こうは、真っ赤な夕焼け空が一面に広がっていた。それをながめながら、子ども達は歩いていった。」

7‐9 読み方の指導1‐子どもの読みに対する評語

  • 指名読みをさせたとき、評語の中に基本的な留意事項をそれとなく交えていくこと。それによって子ども達に自己点検をうながすことができる。(5人目までに5項目を指摘すると、6人目以降は5人目までの項目に留意し、あるいは、こなして読むようになる。
     例 姿勢がよい/正しく本を持っている/よく聞こえる/発音が明晰だ/間(ま)のとり方がよい/速さが適当だ 等

7‐10 読み方の指導2‐相互評価

  1. 相互評価を取り入れると、教師から指摘される以上の刺激や励みになる。
  2. 項目毎に3点満点法で評価させる。
    ア 指で示させ、合計何点かを告げる。
    イ 拍手させ、盛大か、まばらかを本人に聞かせる。
     例 「声の大きさはどうでしたか?」「読む速さはどうでしたか?」
  3. 評価の理由を述べさせること。特に、評価の低かった子どもに対しては、よい点や修正のヒントを言ってあげること。

7‐11 読み方の指導3‐聞く側への指導

  • 話し手、または、読み手に注意をすると、緊張を招いてかえって失敗することがある。したがって、むしろ聞く側を指導し、話し易い状況、読み易い状況をつくってあげるのがよい。クラスの学習ルールをつくるという観点からも意義があり、全員で上手になろうという意識が生まれてくる。

7‐12 読み方の指導4‐朗読の特性

  1. 朗読は、各自が別々の楽器を鳴らすように、優劣や正答・誤答を気にしないで読み手なりに楽しめるのが特長の一つである。
  2. 上手な点をほめてあげ、子ども達がこれから先、声に出して読むことをいやがらずに行う動機づけをすることが大切である。

7‐13 読み方の指導5‐切らないテン

  1. 物語/小説の場合は、「切らずに続けて読むテン(読点)」を設けることが大切である。
  2. 読点(とうてん)は、目で読むときの読みやすさや誤読を防ぐために打たれている場合もある。したがって、音読/朗読をするとき忠実に切る必要はない。
  3. 読点・句点・段落の変わる部分でとる間(ま)は、次の3段階になる。
    • 大きい間
    • 小さい間
    • 間をとらない

7‐14 読み方の指導6‐声に表情をつける

  1. 声に表情をつけるとは、冷たい声・温かい声、硬い声・柔らかい声、とがった声・穏やかな声、濁った声・澄んだ声、沈んだ声・張り切った声などで読むことをいう。
  2. 目的は、そうしようとすることによって、言葉の意味・重み・味わいに鋭敏になることであって、実際に声で表現できているかどうかは問わなくてよい。国語教育と声優養成とは違う。
  3. 朗読と読み聞かせを混同しないこと。男児の声や老婆の声に似せて声色(こわいろ)を使うのは、読み聞かせの技術であり、幼児から低学年までを対象に教師や母親が行うものである。

7‐15 読み方の指導7‐声の出ない子どもへの指導

  • 人数が少ない、おとなしい子が多い、リーダー格の子が欠席した等の理由によって読みに元気のないときは、円陣を作って声を揃えて読ませるとよい。初めは教師が加わり、調子が出てきたらそっと抜ける。さらに調子が出てくれば「もっと声を張って」との叱咤(しった)にも応えらる。

7‐16 朗読発表会に向けて1‐姿勢・発声・発音

  1. 姿勢・発声・発音は、音読・朗読の基礎的基本的技能である。
  2. 特に朗読発表会が近づいたら、第1校時の冒頭で行い、以降、音読のたびに留意するよう促す。
    • ア 立ち方 … 肩の力を抜き、足は肩幅に開いて立つ(自然体)。
    • イ 息の仕方 … 腹式呼吸をする。
      息を(胸でなく)腹に入れる。吸ったときに腹をふくらませ、吐いたときに腹をへこませる。
    • ウ 声の出し方 … ア段~オ段を、正しい口形(こうけい)で発音する。
       伸ばして読む アー、イー、ウー、エー、オー
       切って読む ア、イ、ウ、エ、オ
    • 参照:関連資料「発声・発音・滑舌(かつぜつ)練習題材」(PDF:12KB)

7‐17 朗読発表会に向けて2‐ストップウォッチ・テープの利用

  1. ストップウォッチを使うことにより、緩急(かんきゅう)(速い・遅い)に目を向けさせる。それがきっかけとなって、高低・強弱・間(ま)・イントネーションなどに関心をもつようになる。
  2. カセットテープに吹き込ませると、声を通すことに関心を持つとともに、マイクの使い方も考えながら自分の発表を仕上げていく意識が生まれる。

7‐18 朗読発表会に向けて3‐自己点検させる問い

  1. 「いちばん工夫したところはどこですか?」
  2. 「なぜあそこをあのように読んだのですか?」

7‐19 朗読発表会に向けて4‐早口になってしまう子どもへの指導

  1. 題名の後に(スタートのところで)たっぷり間(ま)をとらせる。
     例‐「桃太郎☆☆☆(3拍とる)むかし、むかしある所に……」
  2. 直前練習で問題点を指摘するのは、修正する時間がない状態で不安のみを抱かせることになる。発表会を目指すのでなく、来年を目指すつもりで、よい点を指摘してあげる方がよい(先生もクラスメートも)。

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初等中等教育局国際教育課

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