キャリア教育は、学校教育の実状を踏まえるとともに、一人一人のキャリアが多様な側面を持ちながら段階を追って発達していくことを改めて深く認識し、子どもたちがそれぞれの発達段階に応じ、自己と働くこととを適切に関係付け、各発達段階における発達課題を達成できるよう取組を展開するところに特質がある。そして、これらのキャリア発達を促進するために、必要とされる諸能力を意図的、継続的に育成していく必要がある。
各学校がキャリア教育に取り組むに当たっては、児童生徒が、小学校・中学校・高等学校の各発達段階にあって、どのようなキャリア発達上の課題を抱えているか、それを達成するために、どのような能力・態度を育成することが期待されているのかを理解するとともに、発達課題と育成すべき能力・態度とがどのように関連しているかを理解する必要がある。
もとより、勤労観、職業観の育成は、各教科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間等、学校の全教育活動を通して行われるものである。このことを前提とし、国立教育政策研究所生徒指導研究センターによる「職業観・勤労観を育むための学習プログラムの枠組み(例)」(第2章参照)は、小学校・中学校・高等学校における取組の参考例として、計画的、組織的かつ系統的に推進されるよう研究開発したものである。
「職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例)」から各学校がキャリア教育にどのように取り組んでいくかについての具体的な方法には、「人間関係形成能力」「情報活用能力」「将来設計能力」「意思決定能力」の「4つの能力」の育成などを通して、児童生徒がそれぞれの発達段階におけるキャリア発達課題を達成することができるよう取り組むことが考えられる。
各学校がキャリア教育を推進するためには、児童生徒のキャリア発達課題及びその達成のために育成すべき能力・態度の理解と、キャリア教育の推進の要ともなるべき校内組織を確立した上で、その計画を立案することが不可欠である。しかし、各学校がキャリア教育を推進するに当たっては、計画の立案に先だって、児童生徒の生活や意識あるいは家庭、地域の実態などから、自校の児童生徒のキャリア発達を促す上で、何が課題か、どのような能力・態度の育成に重点を置くべきかなどを検討し、自校の児童生徒に育成すべき「能力・態度」に焦点を絞った、自校用のキャリア教育の「学習プログラムの枠組み」を作成することも考えられる。
「職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例)」では、キャリア発達を促すために育成することが期待される具体的な能力・態度が網羅的に示されている。表1は、A中学校第1学年において育成する能力・態度を学校の教育目標、生徒の実態等に照らして、焦点化した例である。
| 人間関係形成能力 | 自他の理解能力 |
|
|---|---|---|
| コミュニケーション能力 |
|
|
| 情報活用能力 | 情報収集・探索能力 |
|
| 職業理解能力 |
|
|
| 将来設計能力 | 役割把握・認識能力 |
|
| 計画実行能力 |
|
|
| 意思決定能力 | 選択能力 |
|
| 課題解決能力 |
|
また、「職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例)」では、「身のまわりの仕事や環境への関心・意欲の向上」に関して、低・中・高学年それぞれについて、複数の「育成が期待される能力・態度」が示されているが、その中から、自校では、どのような能力・態度の育成に重点を置くべきかを明らかにしていくという視点から、B小学校として例にまとめたものが表2である。
このように、自校用のキャリア教育の「学習プログラムの枠組み」を作成することによって、自校が取り組むキャリア教育について、育成すべき「能力・態度」のレベルで焦点化することができ、また、キャリア教育の全体像を把握することができることにもなる。
| 発達課題 | 発達を促すために育成する能力・態度 | ||
|---|---|---|---|
| 低学年 | 中学年 | 高学年 | |
| 自己及び他者への積極的関心の形成・発展 |
【人間関係形成能力】
|
【人間関係形成能力】
|
【人間関係形成能力】
|
| 身のまわりの仕事や環境への関心・意欲の向上 |
【情報活用能力】
【将来設計能力】
|
【情報活用能力】
【将来設計能力】
|
【意思決定能力】
|
| 夢や希望,憧れる自己イメージの獲得 |
【将来設計能力】
|
【意思決定能力】
|
【将来設計能力】
|
| 勤労を重んじ目標に向かって努力する態度の形成 |
【意思決定能力】
|
【情報活用能力】
|
【情報活用能力】
|
各学校は、自校の児童生徒のキャリア発達を促す上で、何が課題で、どのような能力・態度を育成すべきかを焦点化し、把握した上で、目標や内容・方法などから構成されるキャリア教育の計画を作成することとなる。このようなことから、次のようなことに留意しておく必要がある。
学校が行うキャリア教育が目指すところは、児童生徒が社会生活・職業生活に円滑に移行し、よりよく適応するために必要な「能力・態度」を育成することにあり、端的には、「児童生徒一人一人の勤労観、職業観を育てる」ことにある。各学校が、キャリア教育の計画を立案するに当たっては、まず、このような共通的な目標を踏まえつつ、自校の児童生徒のキャリア発達上の課題、育成すべき「能力・態度」の明確な把握とその焦点化に基づいて、自校のキャリア教育の目標を明らかにする。
キャリア教育の計画を立案するに当たって、次に、学校は、目標を実現するための教育内容・方法を明らかにしなければならない。すなわち、「自校のキャリア教育の学習プログラムの枠組み」を作成する過程で、自校の児童生徒に育成すべきことが明らかになった「能力・態度」を、どのような教育内容や方法で育成するかの計画を立てなければならない。
それは、「身のまわりの仕事や環境への関心・意欲の向上」という発達課題を、「身近な職業人の働く様子を見学したり、手伝ったりした体験を持つ。」ことなどによって達成するわけであるが、そのために、どのような指導内容・方法があるかを考え、具体的な手立てを含めて立案するということである。
例えば、5、6年生の子どもと保護者の学習・体験活動として、午後児童が家で家事や家業を手伝い、保護者が学校でキャリア教育に関する学習を受ける「半日、親子逆転体験」や、「親子で綴るお手伝い日記」、あるいは家族や身近な大人の1日職場見学・訪問を実施することなどが考えられる。また、「いろいろな職業・産業があることが分かる。」という「能力・態度」の形成を、3、4年生の社会科の学習として計画したり、「身近で働く人々の様子に興味・関心を持つ。」という「能力・態度」の形成を、1、2年生の生活科の体験活動などで計画したりすることも考えられる。
キャリア教育はこれまでの中・高等学校が取り組んできた進路指導の枠組みにとどまるものではないが、「職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例)」で示されている「人間関係形成能力」「情報活用能力」「将来設計能力」「意思決定能力」の「4つの能力」は、中・高等学校学習指導要領の学級活動・ホームルーム活動の内容(3)で示されている「進路適性の吟味(理解)と進路情報の活用」「望ましい職業観・勤労観の形成」「主体的な進路の選択(決定)と将来設計」の3つの項目及び学校行事の「勤労生産・奉仕的行事」の内容と、言葉の上で、多くが共通している。また、「4つの能力」として育成すべき「能力・態度」には、これまで中・高等学校が学級活動・ホームルーム活動における進路学習や「勤労生産・奉仕的行事」での体験活動で育成してきた「能力・態度」が多く含まれている。
同様に、「職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例)」で示されている「人間関係形成能力」は、言葉としては、学習指導要領の特別活動の学級活動・ホームルーム活動の内容(2)で示されている「望ましい人間関係の確立」などと共通しており、さらに、「4つの能力」として育成すべき「能力・態度」には、学級活動・ホームルーム活動の(1)で示されている「学級(ホームルーム)内の組織づくりや仕事の分担処理」のなかで育成してきた「能力・態度」と重なっている。
このように、「職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例)」で示されている「4つの能力」、それを育成するためのキャリア教育の内容は、学習指導要領の特別活動で示されている学級活動・ホームルーム活動や「勤労生産・奉仕的行事」の内容と、少なからず共通していることから、各学校が計画するキャリア教育の内容について、特別活動の同事項に位置付けることができるのである。
また、キャリア教育における道徳性の育成にかかわる体験は、「道徳の時間」との関連を意図し内容を工夫することによって、道徳的価値の大切さを自覚し人間としての在り方や生き方についての思考を深める上で効果的にはたらく。例えば、4つの能力領域の「人間関係形成能力」の育成は、「道徳」の学習内容である「主として他の人とのかかわりに関すること」と深くかかわる。このように、キャリア教育における活動は、社会の構成員として求められる思いやりの心、奉仕の精神、公共の福祉、心身の健康、協力・責任、公徳心、勤労などにかかわる道徳性の育成に資するものである。そして、それらの内容項目を「道徳の時間」で取り扱うことは、キャリア教育の視点からみても児童生徒の内面的価値の形成を図ることにつながる。
さらに、中学校における「情報活用能力」として、「生き方や進路に関する情報を、様々なメディアを通して調査・収集・整理し活用する。」ことが期待されるわけであるが、このような能力の育成は、「技術・家庭」の学習内容である「情報とコンピュータ」に位置付けることも考えられる。また同様に、中学校における「将来設計能力」として、「将来の夢や職業を思い描き、自分にふさわしい職業や仕事への関心を高める。」ことが期待されるわけであるが、このような興味・関心の育成は、ただ単に進路に関する学習としてではなく、各教科の学習に対する興味・関心と深く結びついているのである。
ここでは、「4つの能力」で育成することが期待されている「能力・態度」について主に特別活動、道徳を中心に述べたが、各教科・科目、総合的な学習の時間における学習や活動、あるいは部活動等なども含め、学校教育活動全体で進めることが大切であることはいうまでもない。
キャリア教育には、小学校・中学校・高等学校を通じて一貫した教育活動として発展的に取り組まれることが期待されることから、小学校から中学校へ、中学校から高等学校へと段階的・漸次的な能力や態度の育成が求められる。
図は、「4つの能力」のうち「情報活用能力」を取り上げてみたときの小学校・中学校・高等学校における育成すべき能力・態度のレベルの発展性を示したものである。
小学校から中学校、中学校から高等学校へといった各学校段階間での発展的な取り上げ方について、「職業観・勤労観を育むための学習プログラムの枠組み(例)」で考えると、小学校段階での「身のまわりの仕事や環境への関心・意欲の向上」という発達課題は、中学校では、「興味・関心に基づく職業観・勤労観の形成」という発達課題に、そして高等学校では、「選択基準としての職業観・勤労観の確立」という発達課題につながる。また、同様に、「育成されることが期待される能力・態度」の「具体的な行為のレベル」では、小学校低学年での「身近で働く人々の様子が分かり、興味・関心を持つ」が、中学年での「いろいろな職業や生き方があることが分かる」に、さらに高学年での「身近な産業・職業の様子やその変化が分かる」へと、そして中学校での「産業・経済等の変化に伴う職業や仕事の変化のあらましを理解する」へと、さらには高等学校での「卒業後の進路や職業・産業の動向について、多面的・多角的に情報を集め検討する」へと、漸次発展するととらえることができる。
このように、「人間関係形成能力」や「将来設計能力」、「意思決定能力」においても同様に育成すべき能力・態度を発展的にとらえることができる。

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小学校から中学校へ、中学校から高等学校へと発展的に取り上げるためには、小学校と中学校あるいは中学校と高等学校との連携を考慮しなければならない。すなわち、小学校から見て中学校段階で育成すべき「能力・態度」の理解、中学校から見たときの小学校段階までで育成された「能力・態度」の理解が、あるいは、中学校から見て高等学校段階で育成すべき「能力・態度」の理解と高等学校から見たときの中学校段階までに育成が求められる「能力・態度」の理解が必要となる。そこで初めて、各学校段階で育成すべき「能力・態度」が系統的に再構成されて、それぞれの学校段階での発展的な取組が可能となるのである。
「職業観・勤労観を育むための学習プログラムの枠組み(例)」では、育成すべき能力・態度を、「…する。」「…取り組む。」「…分かる。」「…理解する。」などといった知識・理解や行為のレベルで提案している。そこで、小・中・高等学校の各学校段階でのキャリア発達課題の達成を、どのような能力・態度の育成を通じて行うかということについて、すなわち、「発達課題と育成すべき能力・態度との関連」の視点から、「学習プログラムの枠組み(例)」が示す「4つの能力」の具体的な知識・理解や行為について整理を試みたのが、次の表1、表2、表3である。各学校において、キャリア教育に取り組む上での一つの参考とされたい。
| 発達課題 | 発達を促すために育成することが期待される能力・態度 | ||
|---|---|---|---|
| 低学年 | 中学年 | 高学年 | |
| 自己及び他者への積極的関心の形成・発展 |
【人間関係形成能力】
|
【人間関係形成能力】
|
【人間関係形成能力】
|
| 身のまわりの仕事や環境への関心・意欲の向上 |
【人間関係形成能力】
|
【人間関係形成能力】
|
【情報活用能力】
|
| 夢や希望、憧れる自己イメージの獲得 |
【将来設計能力】
|
【将来設計能力】
|
【人間関係形成能力】
|
| 勤労を重んじ目標に向かって努力する態度の形成 |
【情報活用能力】
|
【人間関係形成能力】
|
【情報活用能力】
|
※「職業観・勤労観を育むための学習プログラムの枠組み(例)」(第2章参照)を参考に例示したものである。
| 発達課題 | 発達を促すために育成することが期待される能力・態度 | |
|---|---|---|
| 低・中学年 | 中・高学年 | |
| 肯定的自己理解と自己有用感の獲得 |
【人間関係形成能力】
|
【人間関係形成能力】
|
| 興味・関心に基づく職 業観・勤労観の形成 |
【情報活用能力】
|
【情報活用能力】
|
| 進路計画の立案と暫定 的選択 |
【情報活用能力】
|
【情報活用能力】
|
| 生き方や進路に関する現実的探索 |
【情報活用能力】
|
【情報活用能力】
|
※「職業観・勤労観を育むための学習プログラムの枠組み(例)」(第2章参照)を参考に例示したものである。
| 発達課題 | 発達を促すために育成されることが期待される能力・態度 | |
|---|---|---|
| 低・中学年 | 中・高学年 | |
| 自己理解の深化と自己受容 |
【人間関係形成能力】
|
【人間関係形成能力】
|
| 選択基準としての職業観・勤労観の確立 |
【情報活用能力】
|
【情報活用能力】
|
| 将来設計の立案と社会的移行の準備 |
【将来設計能力】
|
【情報活用能力】
|
| 進路の現実準備と試行的参加 |
【情報活用能力】
|
【人間関係形成能力】
|
※「職業観・勤労観を育むための学習プログラムの枠組み(例)」(第2章参照)を参考に例示したものである。
キャリア教育の推進には、すべての教員が児童生徒のキャリア発達や、社会環境、産業構造をよく理解し、キャリア教育の意義を十分認識することが重要である。また、キャリア教育を進めるためには、児童生徒と適切にかかわり、その変化を的確にとらえることのできる人間関係形成能力(コミュニケーション能力、コミュニケーション・スキル)や基本的なキャリア・カウンセリング能力の習得が求められる。
さらに、キャリア教育の指導的な立場の教員には、これらに加えてキャリア教育のプログラム開発・運営・評価能力や、様々な場面での連携を円滑に進めるための調整能力(コーディネーション能力)など、より専門的な能力の向上が求められる。
このようなことから、計画的・系統的な研修を実施していくことが、今後必要であることから、ここでは、以下のように「全教員を対象とする研修」と、「指導者養成研修」について具体的な研修プログラムを例示する。
| 1 全教員を対象とする研修 | 校内研修…1 |
| 都道府県等での研修…2 | |
| 2 キャリア教育の指導者養成研修 | 都道府県等での研修 |
この研修は、教員として、キャリア教育についての理解とその推進のために必要な知識の習得及び基本的な資質向上を図ることを目的としたものである。
研修で取り上げる項目例
a.)キャリア教育の求められる背景の理解
b.)キャリア教育についての理解
c.)キャリア教育を通じて育成すべき能力・態度と「学習プログラムの枠組み」についての理解
d.)小・中・高を通じたキャリア教育推進のための相互理解の深化
a.)社会動向、経済状況についての理解
b.)児童生徒の心理的・社会的な発達、キャリア発達について理解すると同時に、児童生徒理解の意味や方法について学ぶ
c.)自校の教育課程をキャリア教育の視点から見直し学習プログラムを作成する能力の習得
d.)キャリア教育の中心に据えられる体験活動の意義と生かし方、さらに家庭・地域との連携の進め方についての理解
e.)キャリア教育の推進に欠かせないキャリア・カウンセリングの基本的能力の習得
これらについての校内研修及び都道府県研修の展開例が、以下の通りである。
校内研修のプログラムは、上記の研修項目から校内で実施可能な項目を取り上げて、年間を通して5回程度で実施するものである。また、別途、授業案作りや小・中・高合同の授業研究会など、より実践的な研修についても、以下にその研修例を示してある。なお、実施においては、保護者、地域等の方々の参加についても考慮することが大切である。
| 回 | 研修のテーマ | 目的 | 内容例及び留意点 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | キャリア教育の意義 |
|
|
| 第2回 | キャリア教育の目標の設定 |
|
|
| 第3回 | 小・中・高を通したキャリア教育 |
|
|
| 第4回 | 家庭・地域との効果的な連携 |
|
|
| 第5回 | キャリア・カウンセリング |
|
|
| 研修のテーマ | 目的 | 内容例及び留意点 |
|---|---|---|
| キャリア教育の学習プログラム作り |
|
|
| 小・中・高での公開授業研究会 |
|
|
都道府県等での研修
この研修は、「講義と演習」を組み合わせ、専門的な内容構成とした集中研修プログラムである。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| キャリア教育の理解 | キャリア教育の概念について理解するともに、キャリア発達の中核となる能力についての理解を深め、日常生活での発達につなげることができるようにする。 |
| 児童生徒の心理的・社会的発達 | 児童・生徒の心理的・社会的発達について学び、小・中・高等学校段階における児童生徒理解と、それをキャリア教育の実践に生かすことができるようにする。 |
| 職業にかかわる体験活動の意義と生かし方 | 職業にかかわる体験活動の意義を理解するとともに、その活動と事前・事後の取組を通してキャリア・カウンセリングの実際を学ぶ。 |
| 児童生徒理解の意味と方法 | キャリア教育、キャリア・カウンセリングにおける児童生徒理解の意味と方法について理解する。 |
| 児童生徒の生きる社会環境 | 高等学校卒業者等の進路の現状とそれらを取り巻く社会環境制度の変化について理解するともに、職業生活に関わる制度や法規について理解する。 |
| キャリア・カウンセリングの基礎 | カウンセリング場面だけでなく、すべての教育活動における基本的能力であるコミュニケーションスキル(話す、聴く、観る)を向上させ、その上で実際のキャリア・カウンセリングの進め方についての理解を深める。 |
上記の研修項目及び内容を「講義と演習」を交互に組み合わせる形で展開したプログラム例を以下に示す。
| 区分 | 研修順 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1日目 | 研修内容 | キャリア教育についての理解 | コミュニケーションの基礎的能力・態度の修得 | 児童生徒の心理的・社会的発達について | コミュニケーションの基礎的能力・態度の修得 |
| 研修形式 | 講義 | 演習 | 講義 | 演習 | |
| 2日目 | 研修順 | 5 | 6 | 7 | |
| 研修内容 | 職業にかかわる体験活動の意義と生かし方 | コミュニケーションの基礎的能力・態度の修得 | 児童生徒理解の意味と方法 | ||
| 研修形式 | 演習 | 演習 | 講義・演習 | ||
| 3日目 | 研修順 | 8 | 9 | 10 | |
| 研修内容 |
|
|
児童生徒の生きる社会環境についての理解 | ||
| 研修形式 | 講義 | 演習 | 講義・演習 |
キャリア教育のコーディネーターや指導者として、より専門的な知識と能力の習得を目的として実施する研修例が以下の通りである。
a)キャリア教育についての理解の深化
b)キャリア教育を推進する上での課題発見・解決能力の向上
c)キャリア教育プログラムの開発運営能力の向上
d)コミュニケーション能力の向上
e)カウンセリングプロセスの理解と援助能力の向上
a)インストラクション能力の向上
b)コンサルテーション能力の向上
c)コーディネーション能力の向上
d)プログラム開発・評価能力の向上
e)グループダイナミックスについての理解
f)ポートフォリオについての理解
注
※インストラクション能力:受講者に応じて効果的かつ明確に教授する能力
※コンサルテーション能力:生徒の指導・援助に関わる担任、保護者等に対して援助する能力
※コーディネーション能力:組織内、外の活動や関係を目的に沿って効果的に働くよう調整する能力
※グループダイナミックス:集団活動における種々の関係において働く様々な力関係
※ポートフォリオ:児童生徒の学習成果を継続的に蓄積したもの
上記のような項目を3日間で展開したプログラム例は以下の通りである。なお、この研修プログラムでは、研究・協議・発表という作業を通して、様々な能力の向上に資することをねらいとしている。
| 区分 | 研修順 | 1 | 2 | 3 |
|---|---|---|---|---|
| 1日目 | 研修内容 |
|
|
|
| 研修形式 | 研究協議・演習 | 研究協議・演習 | 研究協議・演習 | |
| 2日目 | 研修順 | 4 | 5 | 6 |
| 研修内容 |
|
|
|
|
| 研修形式 | 研究協議・演習 | 演習 | 演習 | |
| 3日目 | 研修順 | 7 | 8 | |
| 研修内容 |
|
|
||
| 研修形式 | 講義・演習 | 演習 |
この研修プログラムで取り上げる具体的な内容及びその進め方としては以下のようなものが考えられる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| キャリア教育についての理解の深化と推進する上での課題の明確化 | グループに分かれ、各自がキャリア教育を推進する上での疑問や課題を発表し、その解決に向けて協議する中でキャリア教育の意義を明確にし、その理解を深め、課題の解決策を見出す力を向上する。 |
| インストラクション能力の向上 | 各グループでの討議内容を全体に発表するに当たり、プレゼンテーションや、インストラクションの技術についての能力を高める。 |
| グループダイナミックスの(集団における力学)基本 | グループに分かれての活動を通して、そのグループメンバー間の関係やその変化を見る視点を身に付ける。集団で行うことのメリット、デメリット、及び集団の効果を高めるためのポイントを実践的に理解し、小集団を通して行われるガイダンス活動や教育活動の中で生かす力を身に付ける。 |
| プログラム開発・運営能力の向上(1) プログラム開発能力の向上 |
各校種毎にグループに分かれ、各自が開発してきたキャリア教育のプログラムを全体に提案し、相互に評価し合う。その中でプログラム開発運営能力と同時に発表能力を高める実習を行う。さらに、グループとして一つのプログラムを開発・発表する活動を通して、グループダイナミックスについての理解を一層深める。 |
| プログラム開発運営能力の向上(2) プログラム評価能力の向上 |
「プログラム開発運営能力の向上1」では、自らが実践者としてプログラムを開発するために必要な知識・能力を身に付け、「2」では指導者として他者、他校が考えたプログラムを評価できる能力を高める。グループ単位で発表されたものに対して、自らの評価の視点を明確にしながら評価し、同時に他者の評価の視点を知ることで、評価の視点の幅を広げ、指導者としての評価能力を高める。 |
| コミュニケーションスキルの基礎の復習 | コミュニケーションスキルの基礎となる「話す能力」、「聴く能力」、「観る能力」について再度意識し、その意味を理解するとともに、キャリア教育におけるこの能力の重要さについての理解を深める。 |
| 援助能力の向上 職業・進路情報の活用 キャリア・カウンセリング プロセスの基本の実践 |
ビデオを通して、キャリア・カウンセリングの重要な部分である、職業・進路情報を活用して課題の明確化を図る対応のプロセスを学ぶ。 また、実際にロールプレイを通して、援助をより効果的にするためのキャリア・カウンセリング過程についての基礎を学び、教員としての援助能力を向上させる。 |
| ポートフォリオの活用 | ポートフォリオは、児童生徒の諸能力・態度・技能の習得の履歴を把握し、児童生徒のキャリア発達を評価するものであること、そして、その活用によって児童生徒自身に自己の能力や自己の成長に気付かせ、将来への目標を持たせることができることを理解する。 |
| コンサルテーション能力の基本 | キャリア教育の中核を担う教員には、個々の生徒への援助のみならず、生徒の指導・援助に関わる担任、保護者等への援助能力が求められる。この活動をコンサルテーションと呼ぶ。その留意点を理解するとともに、コンサルテーションの基本を習得する。 |
| コーディネーション能力の向上 | 学校等の組織では、組織内(例:校務分掌同士等)や組織外(例:求人先事業所、ハローワーク等)の活動や関係を、目的に沿って効果的に働くように調整(コーディネート)することが求められる。この活動を「コーディネーション」と呼び、このコーディネーションの基本を習得する。 |
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