学校教育においてキャリア教育を推進していくためには、キャリア教育の意義を理解するとともに、校長のリーダーシップのもと、学校経営方針にキャリア教育を位置付ける必要がある。また、キャリア教育は地域との連携が不可欠なことから、校外の諸機関との連携を図りながら、適切な組織をつくることが重要である。
このようなことから、各学校においてキャリア教育を推進していくためには、次のような手順例が考えられる。
校内組織、異校種間連携組織、地域の組織との連携
授業公開、学校だよりの発行等
キャリア発達には、児童生徒が行う全ての学習活動等が影響するため、キャリア教育は、学校の全ての教育活動を通して推進されなければならない。
従来、進路指導を中心とする学校教育の取組においては、発達課題の達成を支援する系統的な指導・援助といった意識や観点が希薄であったり、実践を通した指導方法の蓄積が少なかったりしたことなどから、取組が全体として脈絡や関連性に乏しく、多様な活動の寄せ集めになってしまいがちとなり、生徒の内面の変容や能力・態度の向上等に十分結びついていかないきらいがあった。こうした課題を克服するためには、教育課程の改善が不可欠である。
例えば、各教科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間の取組が、児童生徒のキャリア発達を支援する観点に立って、有機的に関連付けられているのかどうか。児童生徒の発達段階や発達課題を踏まえた上で、具体的な活動計画が立てられ、全体として体系的な取組が展開できるようになっているかどうか。あるいは、高等学校の各学科における類型やコースが、各学校の生徒の実態や進路、学習ニーズ等に応じたものになっており、生徒が自己の将来を見通す中で、科目選択等を行うことができるような仕組みが工夫されているかどうか。そのためのガイダンスの場や機会は十分かどうかなど、各学校において点検し見直すべき事柄もあると考えられる。
教育課程は、各教科と道徳、特別活動、総合的な学習の時間からなり、また、高等学校の教科・科目は、普通教育と職業教育を中心とする専門教育とに大別できる。これらとキャリア教育の関係は、大まかに下図のように示すことができる。

(キャリア教育報告書から)
高等学校については、普通教育で行う活動や取組もあれば職業教育で行う場合もある。普通教育においては、各教科の学習を通して、自己の生き方を探求したり、将来就きたい職業や仕事への関心・意欲を高めたりすること、また、社会や産業の変化、労働者の権利や義務についての理解を深める取組を通して、将来目指すべき職業や上級学校の学部・学科を選択する力を身に付けさせる指導が望まれる。
職業教育においては、生徒が自己の目指す将来の職業やその分野に関する知識や技能を習得したり、具体的な情報を得たりすることを通し、必要な資質・能力をより深く自覚し、専門的な知識・技能を一層高めようとする意欲や姿勢を身に付けさせる指導が大切である。
また、特別活動、道徳、総合的な学習の時間は、それらが各教科の学習で学んだ成果等を様々な体験活動や話し合い活動等を通して深化・発展、統合させたり、逆に、その成果を教科の学習に還元し反映させていくというねらいを持っている。このため、そこで展開される職業や進路に関連する学習活動は、キャリア教育を進める上で、直接的かつ中核的な取組として最も重要な役割を担うものであり、その計画等を改善、充実することが求められる。
現行の学習指導要領におけるキャリア教育に関連する事項は相当数に上る。指導計画の作成や内容の取扱い、教育課程の編成・実施に当たっての配慮事項等にも、生き方にかかわる指導や体験活動の充実及びそれらの計画的、組織的な実施を求める記述がなされている。
小学校学習指導要領においても、中学校・高等学校のように進路指導に特化した記述はないが、全教育活動を通して行う生き方の指導や勤労観、職業観の育成等にかかわる内容は、かなり充実したものとなっていることを理解しておきたい。例えば、「第1章総則 第5 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項」には「2(4)各教科等の指導に当たっては,児童が学習課題や活動を選択したり,自らの将来について考えたりする機会を設けるなど工夫すること」とあるが、この趣旨については、「小学校学習指導要領解説 総則編」で次のように述べられている。
各学校においては、活動相互の関連性や系統性に留意するとともに、発達段階に応じた創意工夫あるキャリア教育の展開が必要である。キャリア教育の計画を立案する際には、どのような場や機会においてキャリア教育にかかわる内容を取り上げるのか、教育課程上の位置付けを明確にする必要がある。しかし、小学校・中学校・高等学校にはそれぞれの学習指導要領があり、取り上げる内容・方法もそれぞれ学校によって異なるため、教育課程への位置付けの在り方は一律に考えることができない。また、キャリア教育の取組は、その内容を特別活動の学級活動・ホームルーム活動や学校行事だけではなく、各教科や道徳、総合的な学習の時間においても取り上げたり、関連させたりすることが考えられる。さらに高等学校については、専門教育にかかわる各教科・科目の学習、あるいは学校設定教科・科目(「産業社会と人間」等)に位置付けることも考えられる。
各学校においては、地域の状況、児童生徒の実態を踏まえ、組織的、系統的なキャリア教育が実施できるよう、教育課程を見直し、改善、充実していくことが求められる。その際、各教科の指導に当たっては、それぞれの目標や内容と、将来の職業や生活との関連や見通しを与えるなど、学ぶことや働くこと、生きることの尊さを実感させ、学ぶ意欲を高めることを重視する必要がある。
なお、次の表は参考として、小学校・中学校・高等学校の学習指導要領におけるキャリア教育に関連する主な目標や内容等を抜粋したものである。
| 総則 | 第3 総合的な学習の時間の取扱い 2 総合的な学習の時間においては,次のようなねらいをもって指導を行うものとする。 (2) 学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考えることができるようにすること。 6 総合的な学習の時間の学習活動を行うに当たっては,次の事項に配慮するものとする。 (2) 自然体験やボランティア活動などの社会体験,観察・実験,見学や調査,発表や討論,ものづくりや生産活動など体験的な学習,問題解決的な学習を積極的に取り入れること。 第5 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項 2 以上のほか,次の事項に配慮するものとする。 (4) 各教科等の指導に当たっては,児童が学習課題や活動を選択したり,自らの将来について考えたりする機会を設けるなど工夫すること。 |
|---|---|
| 道徳 | 第1 目標 (略〜)学校の教育活動全体を通じて、道徳的な心情、判断力、実践意欲と態度などの道徳性を養うこととする。 第2 内容
|
| 特別活動 | 第1 目標 望ましい集団活動を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図るとともに、集団の一員としての自覚を深め、協力してよりよい生活を築こうとする自主的、実践的な態度を育てる。 第2 内容 A 学級活動 学級活動においては,学級を単位として,学級や学校の生活の充実と向上を図り,健全な生活態度の育成に資する活動を行うこと。 (1) 学級や学校の生活の充実と向上に関すること。 学級や学校における生活上の諸問題の解決,学級内の組織づくりや仕事の分担処理など (2) 日常の生活や学習への適応及び健康や安全に関すること。 希望や目標をもって生きる態度の形成,基本的な生活習慣の形成,望ましい人間関係の育成,学校図書館の利用,心身ともに健康で安全な生活態度の形成,学校給食と望ましい食習慣の形成など D 学校行事 学校行事においては,全校又は学年を単位として,学校生活に秩序と変化を与え,集団への所属感を深め,学校生活の充実と発展に資する体験的な活動を行うこと。 (5) 勤労生産・奉仕的行事 勤労の尊さや生産の喜びを体得するとともに,ボランティア活動など社会奉仕の精神を涵養する体験が得られるような活動を行うこと。 第3 指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。 (2) 学級活動などにおいて,児童が自ら現在及び将来の生き方を考えることができるよう工夫すること。 |
| 各教科の「目標」の中でキャリア教育に関連が深いと思われる箇所 | |
|---|---|
| 国語 | 国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し、伝え合う力を高めるとともに、思考力や想像力及び言語感覚を養い、国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる。 (1) 相手に応じ,経験した事などについて,事柄の順序を考えながら話すことや大事な事を落とさないように聞くことができるようにするとともに,話し合おうとする態度を育てる。〔第1学年及び第2学年〕(他学年略) |
| 社会 | 社会生活についての理解を図り、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て、国際社会に生きる民主的、平和的な国家・社会の形成者としての必要な公民的資質の基礎を養う。 (1) 地域の産業や消費生活の様子,人々の健康な生活や安全を守るための諸活動について理解できるようにし,地域社会の一員としての自覚をもつようにする。〔第3学年及び第4学年〕 |
| 算数 | 数量や図形についての算数的活動を通して、基礎的な知識と技能を身に付け、日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考える能力を育てるとともに活動の楽しさや数理的の処理のよさに気付き、進んで生活に生かそうとする態度を育てる。 |
| 理科 | 自然に親しみ、見通しをもって観察、実験などを行い、問題解決の能力と自然を愛する心情を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を図り、科学的な見方や考え方を養う。 (2) 光,電気及び磁石を働かせたときの現象を比較しながら調べ,見いだした問題を興味・関心をもって追究したりものづくりをしたりする活動を通して,光,電気及び磁石の性質についての見方や考え方を養う。〔第3学年〕(他学年略) |
| 生活 | 具体的な活動や体験を通して、自分と身近な人々、社会及び自然とのかかわりに関心をもち、自分自身や自分の生活について考えさせるとともに、その過程において生活上必要な習慣や技能を身に付けさせ、自立への基礎を養う。 (1) 自分と身近な人々及び地域の様々な場所,公共物などとのかかわりに関心をもち,それらに愛着をもつことができるようにするとともに,集団や社会の一員として自分の役割や行動の仕方について考え,適切に行動できるようにする。〔第1学年及び第2学年〕 (2) 自分と身近な動物や植物などの自然とのかかわりに関心をもち,自然を大切にしたり,自分たちの遊びや生活を工夫したりすることができるようにする。〔第1学年及び第2学年〕 (3) 身近な人々,社会及び自然に関する活動の楽しさを味わうとともに,それらを通して気付いたことや楽しかったことなどを言葉,絵,動作,劇化などにより表現できるようにする。〔第1学年及び第2学年〕 |
| 音楽 | 表現及び鑑賞の活動を通して、音楽を愛好する心情と音楽に対する感性を育てるとともに、音楽活動の基礎的な能力を培い、豊かな情操を養う。 (1) 楽しい音楽活動を通して,音楽に対する興味・関心をもち,音楽経験を生かして生活を明るく潤いのあるものにする態度と習慣を育てる。〔第1学年及び第2学年〕(他学年略) |
| 図画工作 | 表現及び鑑賞の活動を通して、つくりだす喜びを味わうようにするとともに造形的な創造活動の基礎的な能力を育て、豊かな情操を養う。 (1) 豊かな発想や創造的な技能などを働かせ,その体験を深めることに関心をもつとともに,進んで表現する態度を育てるようにする。〔第3学年及び第4学年〕(他学年略) |
| 家庭 | 衣食住などに関する実践的・体験的な活動を通して、家庭生活への関心を高めるとともに日常生活に必要な基礎的な知識と技能を身に付け、家族の一員として生活を工夫しようとする実践的な態度を育てる。 (1) 衣食住や家族の生活などに関する実践的・体験的な活動を通して,家庭生活を支えているものが分かり,家庭生活の大切さに気付くようにする。〔第5学年及び第6学年〕 (2) 製作や調理など日常生活に必要な基礎的な技能を身に付け,自分の身の回りの生活に活用できるようにする。〔第5学年及び第6学年〕 (3) 自分と家族などとのかかわりを考えて実践する喜びを味わい,家庭生活をよりよくしようとする態度を育てる。〔第5学年及び第6学年〕 |
| 体育 | 心と体を一体としてとらえ、適切な運動の経験と健康・安全についての理解を通して、運動に親しむ資質や能力を育てるとともに、健康の保持増進と体力の向上を図り、楽しく明るい生活を営む態度を育てる。 (2) だれとでも仲よくし,健康・安全に留意して運動をする態度を育てる。〔第1学年及び第2学年〕(他学年略) (2) 協力,公正などの態度を育てるとともに,健康・安全に留意して最後まで努力する態度を育てる。〔第3学年及び第4学年〕(他学年略) (3) けがの防止,心の健康及び病気の予防について理解できるようにし,健康で安全な生活を営む資質や能力を育てる。〔第5学年及び第6学年〕(他学年略) |
| 総則 |
第4 総合的な学習の時間の取扱い |
|---|---|
| 道徳 |
第1 目標
|
| 特別活動 |
第1 目標 |
| 各教科の「目標」の中でキャリア教育に関連が深いと思われる箇所 | |
|---|---|
| 国語 |
国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し、伝え合う力を高めるとともに、思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにし、国語に対する認識を深め国語を尊重する態度を育てる。 |
| 社会 |
広い視野に立って、社会に対する関心を高め、諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め、公民としての基礎的教養を培い、国際社会に生きる民主的、平和的な国家・社会の形成者としての必要な公民的資質の基礎を養う。 |
| 数学 | 数量、図形などに関する基礎的な概念や原理・法則の理解を深め、数学的な表現や処理の仕方を習得し、事象を数理的に考察する能力を高めるとともに、数学的活動の楽しさ、数学的な見方や考え方のよさを知り、それらを進んで活用する態度を育てる。 |
| 理科 | 自然に対する関心を高め、目的意識をもった観察、実験などを行い、科学的に調べる能力と態度を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を深め、科学的な見方や考え方を養う。 [第1分野] (4) 物質やエネルギーに関する事物・現象を調べる活動を通して,日常生活と関連付けて科学的に考える態度を養うとともに,自然を総合的に見ることができるようにする。 [第2分野] (4) 生物とそれを取り巻く自然の事物・現象を調べる活動を行い,自然の調べ方を身に付けるとともに,これらの活動を通して自然環境を保全し,生命を尊重する態度を育て,自然を総合的に見ることができるようにする。 |
| 音楽 | 表現及び鑑賞の幅広い活動を通して、音楽を愛好する心情を育てるとともに、音楽に対する感性を豊かにし、音楽活動の基礎的な能力を伸ばし、豊かな情操を養う。 (1) 音楽活動の楽しさを体験することを通して,音や音楽への興味・関心を養い,音楽によって生活を明るく豊かなものにする態度を育てる。〔第1学年〕(他学年略) (2) 楽曲構成の豊かさや美しさを感じ取り,表現の技能を伸ばし,創造的に表現する能力を高める。〔第2学年及び第3学年〕(他学年略) |
| 美術 | 表現及び鑑賞の幅広い活動を通して、美術の創造活動の喜びを味わい美術を愛好する心情を育てるとともに、感性を豊かにし、美術の基礎的能力を伸ばし、豊かな情操を養う。 (1) 楽しく美術の活動に取り組み美術を愛好する心情を培い,心豊かな生活を創造していく意欲と態度を育てる。[第1学年](他学年略) (2) 対象を深く見つめる力,感性や想像力を一層高め,独創的・総合的な見方や考え方を培い,豊かに発想し構想る能力や自分の表現方法を創意工夫し創造的に表現する能力を伸ばす。[第2学年及び第3学年](他学年略) |
| 保健体育 | 心と体を一体としてとらえ、運動や健康・安全についての理解と運動の合理的な実践を通して、積極的に運動に親しむ資質や能力を育てるとともに、健康の保持増進のための実践力の育成と体力の向上を図り、明るく豊かな生活を営む態度を育てる。 [体育分野] (1) 各種の運動の合理的な実践を通して,課題を解決するなどにより運動の楽しさや喜びを味わうとともに運動技能を高めることができるようにし,生活を明るく健全にする態度を育てる。 (3) 運動における競争や協同の経験を通して,公正な態度や,進んで規則を守り互いに協力して責任を果たすなどの態度を育てる。また,健康・安全に留意して運動をすることができる態度を育てる。 [保健分野] 個人生活における健康・安全に関する理解を通して,生涯を通じて自らの健康を適切に管理し,改善していく資質や能力を育てる。 |
| 技術・家庭 | 生活に必要な基礎的な知識と技術の習得を通して、生活と技術とのかかわりについて理解を深め、進んで生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる。 〔技術分野〕 実践的・体験的な学習活動を通して,ものづくりやエネルギー利用及びコンピュータ活用等に関する基礎的な知識と技術を習得するとともに,技術が果たす役割について理解を深め,それらを適切に活用する能力と態度を育てる。 〔家庭分野〕 実践的・体験的な学習活動を通して,生活の自立に必要な衣食住に関する基礎的な知識と技術を習得するとともに,家庭の機能について理解を深め,課題をもって生活をよりよくしようとする能力と態度を育てる。 |
| 英語 | 外国語を通じて、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、聞くことや話すことなどの実践的コミュニケーション能力の基礎を養う。 |
| 総則 |
第1款 教育課程編成の一般方針 |
|---|---|
| 特別活動 |
第1 目標 |
| 各教科の「目標」の中でキャリア教育に関連が深いと思われる箇所 | |
|---|---|
| 国語 | 国語を適切に表現し的確に理解する能力を育成し、伝え合う力を高めるとともに、思考力を伸ばし心情を豊かにし、言語感覚磨き、言語文化に対する関心を深め、国語を尊重してその向上を図る態度を育てる。 「国語表現1」 国語で適切に表現する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力を伸ばし言語感覚を磨き,進んで表現することによって社会生活を充実させる態度を育てる。 「国語総合」 国語を適切に表現し的確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力を伸ばし心情を豊かにし,言語感覚を磨き,言語文化に対する関心を深め,国語を尊重してその向上を図る態度を育てる。 |
| 地理歴史 | 我が国及び世界の形成の歴史的過程と世界・文化の地域的特色についての理解と認識を深め、国際社会に主体的に生きる民主的、平和的な国家・社会の一員として必要な自覚と資質を養う。 |
| 公民 | 広い視野に立って、現代の社会について主体的に考察させ、理解を深めさせるとともに、人間としての在り方生き方についての自覚を育て、民主的、平和的な国家・社会の有為な形成者として必要な公民としての資質を養う。 「現代社会」 人間の尊重と科学的な探究の精神に基づいて,広い視野に立って,現代の社会と人間についての理解を深めさせ,現代社会の基本的な問題について主体的に考え公正に判断するとともに自ら人間としての在り方生き方について考える力の基礎を養い,良識ある公民として必要な能力と態度を育てる。 「倫理」 人間尊重の精神に基づいて,青年期における自己形成と人間としての在り方生き方について理解と思索を深めさせるとともに,人格の形成に努める実践的意欲を高め,生きる主体としての自己の確立を促し,良識ある公民として必要な能力と態度を育てる。 「政治・経済」 広い視野に立って,民主主義の本質に関する理解を深めさせ,現代における政治,経済,国際関係などについて客観的に理解させるとともに,それらに関する諸課題について主体的に考察させ,公正な判断力を養い,良識ある公民として必要な能力と態度を育てる。 |
| 数学 | 数学における基本的な概念や原理・法則の理解を深め、事象を数学的に考察し処理する能力を高め、数学的活動を通して創造性の基礎を培うとともに、数学的な見方や考え方の良さを認識し、それらを積極的に活用する態度を育てる。 「数学基礎」 数学と人間とのかかわりや,社会生活において数学が果たしている役割について理解させ,数学に対する興味・関心を高めるとともに,数学的な見方や考え方のよさを認識し数学を活用する態度を育てる。 「数学1」 方程式と不等式,二次関数及び図形と計量について理解させ,基礎的な知識の習得と技能の習熟を図り,それらを的確に活用する能力を伸ばすとともに,数学的な見方や考え方のよさを認識できるようにする。 |
| 理科 | 自然に対する関心や探求心を高め、観察、実験などを行い、科学的に探求する能力と態度を育てるとともに自然の事象・現象についての理解を深め、科学的な自然観を育成する。 「理科基礎」 科学と人間生活とのかかわり,自然の探究・解明や科学の発展の過程について,観察,実験などを通して理解させ,科学に対する興味・関心を高めるとともに,科学的な見方や考え方を養う。 「理科総合A(B)」 自然の事物・現象に関する観察,実験などを通して,エネルギーと物質の成り立ちを中心に(生物とそれを取り巻く環境を中心に),自然の事物・現象について理解させるとともに,人間と自然とのかかわりについて考察させ,自然に対する総合的な見方や考え方を養う。 |
| 保健体育 | 心と体を一体としてとらえ、健康・安全や運動についての理解と運動の合理的な実践を通して、生涯にわたって計画的に運動に親しむ資質や能力を育てるとともに、健康の保持増進のための実践力の育成と体力の向上を図り、明るく豊かで活力ある生活を営む態度を育てる。 「体育」 各種の運動の合理的な実践を通して,運動技能を高め運動の楽しさや喜びを深く味わうことができるようにするとともに,体の調子を整え,体力の向上を図り,公正,協力,責任などの態度を育て,生涯を通じて継続的に運動ができる資質や能力を育てる。 「保健」 個人及び社会生活における健康・安全について理解を深めるようにし,生涯を通じて自らの健康を適切に管理し,改善していく資質や能力を育てる。 |
| 芸術 | 芸術の幅広い活動を通して、生涯にわたり芸術を愛好する心情を育てるとともに、感性を高め、芸術の諸能力を伸ばし、豊かな情操を養う。 |
| 外国語 | 外国語を通して、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、情報や相手の意向などを理解したり自分の考えなどを表現したりする実践的コミュニケーション能力を養う。 「オーラル・コミュニケーション」 日常生活の身近な話題について,英語を聞いたり話したりして,情報や考えなどを理解し,伝える基礎的な能力を養うとともに,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。 「英語1」 日常的な話題について,聞いたことや読んだことを理解し,情報や考えなどを英語で話したり書いたりして伝える基礎的な能力を養うとともに,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。 |
| 家庭 | 人間の健全な発達と生活の営みを総合的にとらえ、家族・家庭の意義、家族・家庭と社会のかかわりについて理解させるとともに、生活に必要な知識と技術を習得させ、男女が協力して家庭や地域の生活を創造する能力と実践的な態度を育てる。 「家庭基礎」 人の一生と家族・福祉,衣食住,消費生活などに関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,家庭生活の充実向上を図る能力と実践的な態度を育てる。 「家庭総合」 人の一生と家族,子どもの発達と保育,高齢者の生活と福祉,衣食住,消費生活などに関する知識と技術を総合的に習得させ,生活課題を主体的に解決するとともに,家庭生活の充実向上を図る能力と実践的な態度を育てる。 「生活技術」 人の一生と家族・福祉,消費生活,衣食住,家庭生活と技術革新などに関する知識と技術を体験的に習得させ,生活課題を主体的に解決するとともに,家庭生活の充実向上を図る能力と実践的な態度を育てる。 |
| 情報 | 情報及び情報技術を活用するための知識と技能の習得を通して、情報に関する科学的な見方や考え方を養うとともに、社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ、情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる。 |
| 専門教育に関する各教科 |
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学校の教育活動全体を通してキャリア教育を推進するためには、校長がキャリア教育の意義を十分に認識し、キャリア教育を学校経営計画の中核に据えることが考えられる。各学校においては、校内の関係する分掌すべてを有機的にかかわらせながら、学校全体でキャリア教育を推進する「キャリア教育推進委員会」などの組織を設けることが有効と考えられる。また、キャリア教育が学校内にとどまらず、家庭や地域との連携・協力を必要とする教育活動であることからも、学校の代表者としての校長の姿勢は、それらの連携・協力関係を深め、よりよい成果を生み出す上でも重要である。
キャリア教育の推進には、全ての教員が、キャリア教育のベースになる児童生徒のキャリア発達や児童生徒を取り巻く社会環境の変化、さらに学校の教育活動全体を通して進められるキャリア教育の在り方などについて、十分な理解を深めることが重要となる。そして、それらを前提として、教員一人一人の資質の向上が、様々な面で求められる。
例えば、一人一人の児童生徒のキャリア発達を促すキャリア教育においては、児童生徒の個々を理解し、その変容を的確にとらえて発達を支援する「キャリア・カウンセリング」や、校外での様々な体験活動場面で、家庭、地域、企業、関係機関・団体の関係者と円滑に連携を進める際にも不可欠な「コミュニケーション能力」の向上などがすべての教員に求められる。さらに、キャリア教育の指導者的な立場の教員には、他に必要な能力として、「プログラム開発・運営・評価能力」、「調整能力(コーディネーション能力)」、「指導・助言能力(インストラクション・コンサルテーション能力)」等が考えられる。(P57参照)
キャリア教育の正しい理解や教員の資質・能力の向上を図るためには、いままでの校内研修の在り方や内容を再検討していく必要がある。また、様々な研修の機会を教員に提供することも求められている。
既に、国においては「キャリア教育を推進するための指導者の養成を目的とした研修」を実施し、各都道府県等から指導的立場の教員が参加している。地域や学校では、この研修に参加した教員を招き研修会等を実施し、広く普及・啓発することが望まれる。
キャリア教育の研修を計画する際には、次のような観点を参考にし、自校の研修課題に加えていくことが大切である。

「キャリア教育報告書」では、職場体験やインターンシップ等の体験活動には、「職業や仕事の可能性や適性の理解、自己有用感の獲得、学ぶことの意義の理解と学習意欲の向上等、様々な教育効果が期待される」と、その意義を述べている。また、職場体験やインターンシップの他、「企業見学や社会人・職業人講話・インタビュー、大学等上級学校等の見学、聴講及び大学等からの出前授業、図書館や美術館、博物館での調査研究活動、福祉施設や幼稚園、保育所等でのボランティア体験等々」と、体験活動の具体例を幅広く示している。
そして、実施に当たっては、体験活動が一過性の行事に終わってしまわないよう、「事 前指導において子どもたちに体験活動の意義をしっかりと理解させるとともに、職業調 べやインタビューと組み合わせたり、事後にまとめの話し合いや討論会、発表会等を計 画したりするなど、周到な準備と計画のもとに実施することが望まれる」と、事前・事 後の指導の重要性を指摘している。
この事前・事後の指導の大切さにかかわって、次の3点を強調したい。
「キャリア教育報告書」は、調査研究協力者会議で検討されたキャリア教育の指導内容にかかわって、これまでの中学校・高等学校における進路指導において必ずしも十分には取り上げられていなかった次のような点に言及している。
一つは、社会の仕組みや経済社会の構造と働きについての基本的理解の促進であり、もう一つは、キャリアを積み上げていく上で最低限持っていなければならない知識、例えば、労働者としての権利や義務、雇用契約の法的意味、求人情報の獲得方法、人権侵害等への対処方法、相談機関等に関する情報や知識等の習得である。
前者で、「社会の仕組みや経済社会の構造」についての基本的理解とは、今日の経済社会が社会的な分業によって成り立っており、人は職に就き、働くことを通して、その一端を担っていること、また、そのような社会的な分業の下で、相互に支え合っていることを理解するということである。児童生徒が、学習や体験を通して、このような理解を得ることができるようにすることは、働く意義や目的が見い出せないままに、就職活動等にいっさい取り組まない生徒・学生が少なくないという現状にあって、彼らに働く意義を理解させ、積極的に社会参加しようとする意欲・態度を養う上で欠くことができない学習内容である。
また、後者の学習内容は、高等学校の中途退学者や卒業時に進路が決まらないままに卒業する者が少なくない現状にあって、その後の生活や進路を考え、築く上で、また、高等学校の中途退学や卒業後に職に就き、働く上で不利益な扱いや不当な差別を受けないようにするために不可欠な学習内容である。
「キャリア教育を十全に展開するためには、家庭、地域や企業等との連携を積極的に進め、学校外の教育資源を有効に活用することが不可欠である」との「キャリア教育報告書」の指摘については、改めて説明を要しないであろう。教育委員会や各学校がキャリア教育に取り組むに当たっては、今日、国が取り組んでいる「若者自立・挑戦プラン」の一環に位置付けられ、厚生労働省や経済産業省等関係府省との協力・連携の下で進められていること、これらの関係機関、例えば労働・福祉・経済産業等の関係部局やハローワーク等の協力が得られてきていることを理解しておくことも大切である。
キャリア教育を推進していく上で重要なことは、社会的自立・職業的自立が、児童生徒の発達課題の達成と深くかかわりながら、順次段階を追って発達していくことを踏まえて、児童生徒の全人的な成長・発達を支援する視点に立って行うことである。
人間の成長・発達の過程には、いくつかの段階(節目)と各段階で取り組まなければならない発達課題があるが、これをキャリア発達の視点から見れば、学校段階別に表1のように考えられる。また、こうした発達には、自己理解、進路への関心・意欲、勤労観、職業観、職業や進路先についての知識や情報、進路選択や意思決定能力、職業生活にかかる習慣や行動様式及び必要な技術・技能などといった様々な側面が含まれる。
| 小学校 | 中学校 | 高等学校 |
|---|---|---|
| <キャリア発達段階> | ||
| 進路の探索・選択にかかる基盤形成の時期 | 現実的探索と暫定的選択の時期 | 現実的探索・試行と社会的移行準備の時期 |
|
|
|
(国立教育政策研究所生徒指導研究センター「児童生徒の職業観・勤労観を育む教育の推進について」から一部改訂)
キャリア教育は、子どもたちがそれぞれの発達段階に応じて、自己と働くこととを適切に関係付け、各発達段階における発達課題を達成できるよう取組を展開するところにその特質がある。このため、キャリア教育を進めるためには、学校教育の実情を踏まえるとともに、一人一人のキャリアが多様な側面を持ちながら段階を追って発達していくことをあらためて深く認識し、必要とされる諸能力を意図的、継続的に育成していくことが重要である。
小学校・中学校・高等学校において、キャリア教育を理解し、進めていくためには、児童生徒のキャリア発達を支援する観点に立って、各領域の関連する諸活動を体系化し、計画的・組織的に実施することができるよう、各学校が連携を図りつつ、教育課程の編成の在り方を見直していく必要がある。すなわち、児童生徒のキャリア発達を促す能力・態度を育成するため、それぞれの学校に応じた適切な支援をしていくことが重要である。
次の表は、「キャリア教育報告書」に示されている「職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例)」(国立教育政策研究所生徒指導研究センター)で、社会的自立・職業的自立に向けて、キャリア発達にかかわる諸能力の育成の視点から、小学校の低・中・高学年、中学校、高等学校のそれぞれの段階において身に付けることが期待される能力・態度が、どの程度身に付いているか等児童生徒の発達をみていく見取図として作成したものである。
この枠組み(例)を参考にするなどしながら、小学校・中学校・高等学校においては連携・協力しつつキャリア教育を推進していくことが重要である。
※ 太字は,「職業観・勤労観の育成」との関連が特に強いものを示す
| 小学校 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 低学年 | 中学年 | 中学年 | |||
| 職業的(進路)発達の段階 | 進路の探索・選択にかかる基盤形成の時期 | ||||
| ○職業的(進路)発達課題(小〜高等学校段階) 各発達段階において達成しておくべき課題を,進路・職業の選択能力及び将来の職業人として必要な資質の形成という側面から捉えたもの。 |
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| 職業的(進路)発達にかかわる諸能力 | 職業的(進路)発達を促すために育成することが期待される具体的な能力・態度 | ||||
| 領域 | 領域説明 | 能力説明 | |||
| 人間関係形成能力 | 他者の個性を尊重し,自己の個性を発揮しながら,様々な人々とコミュニケーションを図り,協力・共同してものごとに取り組む。 | 【自他の理解能力】 自己理解を深め,他者の多様な個性を理解し,互いに認め合うことを大切にして行動していく能力 |
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| 【コミュニケーション能力】 多様な集団・組織の中で,コミュニケーションや豊かな人間関係を築きながら,自己の成長を果たしていく能力 |
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| 情報活用能力 | 学ぶこと・働くことの意義や役割及びその多様性を理解し,幅広く情報を活用して,自己の進路や生き方の選択に生かす。 | 【情報収集・探索能力】 進路や職業等に関する様々な情報を収集・探索するとともに,必要な情報を選択・活用し,自己の進路や生き方を考えていく能力 |
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| 【職業理解能力】 様々な体験等を通して,学校で学ぶことと社会・職業生活との関連や,今しなければならないことなどを理解していく能力 |
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| 将来設計能力 | 夢や希望を持って将来の生き方や生活を考え,社会の現実を踏まえながら,前向きに自己の将来を設計する。 | 【役割把握・認識能力】 生活・仕事上の多様な役割や意義及びその関連等を理解し,自己の果たすべき役割等についての認識を深めていく能力 |
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| 【計画実行能力】 目標とすべき将来の生き方や進路を考え,それを実現するための進路計画を立て,実際の選択行動等で実行していく能力 |
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| 意思決定能力 | 自らの意志と責任でよりよい選択・決定を行うとともに,その過程での課題や葛藤に積極的に取り組み克服する。 | 【選択能力】 様々な選択肢について比較検討したり,葛藤を克服したりして,主体的に判断し,自らにふさわしい選択・決定を行っていく能力 |
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| 【課題解決能力】 意思決定に伴う責任を受け入れ,選択結果に適応するとともに,希望する進路の実現に向け,自ら課題を設定してその解決に取り組む能力 |
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| 中学校 | |||
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| 職業的(進路)発達の段階 | 現実的探索と暫定的選択の時期 | ||
| ○職業的(進路)発達課題(小〜高等学校段階) 各発達段階において達成しておくべき課題を,進路・職業の選択能力及び将来の職業人として必要な資質の形成という側面から捉えたもの。 |
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| 職業的(進路)発達にかかわる諸能力 | 職業的(進路)発達を促すために育成することが期待される具体的な能力・態度 | ||
| 領域 | 領域説明 | 能力説明 | |
| 人間関係形成能力 | 他者の個性を尊重し,自己の個性を発揮しながら,様々な人々とコミュニケーションを図り,協力・共同してものごとに取り組む。 | 【自他の理解能力】 自己理解を深め,他者の多様な個性を理解し,互いに認め合うことを大切にして行動していく能力 |
|
| 【コミュニケーション能力】 多様な集団・組織の中で,コミュニケーションや豊かな人間関係を築きながら,自己の成長を果たしていく能力 |
| ||
| 情報活用能力 | 学ぶこと・働くことの意義や役割及びその多様性を理解し,幅広く情報を活用して,自己の進路や生き方の選択に生かす。 | 【情報収集・探索能力】 進路や職業等に関する様々な情報を収集・探索するとともに,必要な情報を選択・活用し,自己の進路や生き方を考えていく能力 |
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| 【職業理解能力】 様々な体験等を通して,学校で学ぶことと社会・職業生活との関連や,今しなければならないことなどを理解していく能力 |
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| 将来設計能力 | 夢や希望を持って将来の生き方や生活を考え,社会の現実を踏まえながら,前向きに自己の将来を設計する。 | 【役割把握・認識能力】 生活・仕事上の多様な役割や意義及びその関連等を理解し,自己の果たすべき役割等についての認識を深めていく能力 |
|
| 【計画実行能力】 目標とすべき将来の生き方や進路を考え,それを実現するための進路計画を立て,実際の選択行動等で実行していく能力 |
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| 意思決定能力 | 自らの意志と責任でよりよい選択・決定を行うとともに,その過程での課題や葛藤に積極的に取り組み克服する。 | 【選択能力】 様々な選択肢について比較検討したり,葛藤を克服したりして,主体的に判断し,自らにふさわしい選択・決定を行っていく能力 |
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| 【課題解決能力】 意思決定に伴う責任を受け入れ,選択結果に適応するとともに,希望する進路の実現に向け,自ら課題を設定してその解決に取り組む能力 |
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| 高等学校 | |||
|---|---|---|---|
| 職業的(進路)発達の段階 | 現実的探索・試行と社会的移行準備の時期 | ||
| ○職業的(進路)発達課題(小〜高等学校段階) 各発達段階において達成しておくべき課題を,進路・職業の選択能力及び将来の職業人として必要な資質の形成という側面から捉えたもの。 |
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| 職業的(進路)発達にかかわる諸能力 | 職業的(進路)発達を促すために育成することが期待される具体的な能力・態度 | ||
| 領域 | 領域説明 | 能力説明 | |
| 人間関係形成能力 | 他者の個性を尊重し,自己の個性を発揮しながら,様々な人々とコミュニケーションを図り,協力・共同してものごとに取り組む。 | 【自他の理解能力】 自己理解を深め,他者の多様な個性を理解し,互いに認め合うことを大切にして行動していく能力 |
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| 【コミュニケーション能力】 多様な集団・組織の中で,コミュニケーションや豊かな人間関係を築きながら,自己の成長を果たしていく能力 |
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| 情報活用能力 | 学ぶこと・働くことの意義や役割及びその多様性を理解し,幅広く情報を活用して,自己の進路や生き方の選択に生かす。 | 【情報収集・探索能力】 進路や職業等に関する様々な情報を収集・探索するとともに,必要な情報を選択・活用し,自己の進路や生き方を考えていく能力 |
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| 【職業理解能力】 様々な体験等を通して,学校で学ぶことと社会・職業生活との関連や,今しなければならないことなどを理解していく能力 |
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| 将来設計能力 | 夢や希望を持って将来の生き方や生活を考え,社会の現実を踏まえながら,前向きに自己の将来を設計する。 | 【役割把握・認識能力】 生活・仕事上の多様な役割や意義及びその関連等を理解し,自己の果たすべき役割等についての認識を深めていく能力 |
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| 【計画実行能力】 目標とすべき将来の生き方や進路を考え,それを実現するための進路計画を立て,実際の選択行動等で実行していく能力 |
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| 意思決定能力 | 自らの意志と責任でよりよい選択・決定を行うとともに,その過程での課題や葛藤に積極的に取り組み克服する。 | 【選択能力】 様々な選択肢について比較検討したり,葛藤を克服したりして,主体的に判断し,自らにふさわしい選択・決定を行っていく能力 |
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| 【課題解決能力】 意思決定に伴う責任を受け入れ,選択結果に適応するとともに,希望する進路の実現に向け,自ら課題を設定してその解決に取り組む能力 |
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調査研究報告書「児童生徒の職業観・勤労観を育む教育の推進について」(国立教育政策研究所生徒指導研究センター 平成14年11月)
キャリア教育の実践が、その教育的目標を達成し、さらにより効果的な活動の実践に発展させていくためには、適切な評価を行うことが重要である。
現在、マネジメント・サイクルとして、計画(Plan)を実行(Do)し、評価(Check)して改善(Action)に結びつけるPDCAサイクルが提案されている。学校運営・教育活動において有効であると考えられることから、キャリア教育の全体計画等においても、適切に評価するとともに、その評価が改善に結びつき、次期目標へ反映されることが重要である。

また、評価に当たっては、「終了時の評価」として行う目標の達成状況の評価だけでなく、課題を客観的に検討すると同時に、「実践過程での評価」として、前もって計画した活動が、効果を上げつつあるかどうか、予測しなかった問題や課題が起きていないかを確認し、必要な場合には計画の修正を考慮することなども大切である。
このようなことを踏まえ、キャリア教育全体の評価では、その前提として次のような点が考えられる。
なお、キャリア教育を進めていくためには、各学校が創意工夫をこらして、実践していくことが大切であるが、その際、自校の取組や校内研修の在り方等について「チェックシート」を作成し点検していくことも大切である。次の表はその「簡易チェックシート(例)」として参考とされたい。
| 項目 | チェック |
|---|---|
| 学校教育目標にキャリア教育を位置付けている | |
| キャリア教育の全体計画を立てている | |
| 校内にキャリア教育推進委員会等を設置している | |
| キャリア教育の校内研修を実施(計画)している | |
| 教職員全体がキャリア教育について共通理解している | |
| 小学校・中学校・高等学校でキャリア教育に関し連絡協議会を設置するなど連携を図っている | |
| 職場体験、インターンシップ等を実施している | |
| 職場体験、インターンシップ等の事前・事後指導を計画的に行っている | |
| 各教科における指導も含めて、キャリア教育を教育活動全体で行っている | |
| 学校だより、PTAだより等でキャリア教育の広報活動を行っている | |
| 社会人講師等、地域の教育力を活用している | |
| ハローワーク等関係諸機関と連携している | |
| 単独あるいは、学校評価等でキャリア教育の評価を行っている | |
| 評価結果に基づき、指導等の改善を図っている |
キャリア教育を進め、児童生徒一人一人の評価を行う場合、児童生徒のキャリア発達の速度や様相は個人差が大きく、また環境の影響も大きいこと、特定の時間帯で実施されるとは限らないこと、さらに、目標も個々の児童生徒の状況や学校・地域によって多様であることに留意しなければならない。また、指導と評価の一体化を進めるためにも、キャリア教育の視点を踏まえた授業、活動の一層の工夫・改善が求められる。
このようなことから、現状においては、個々の児童生徒に対するキャリア教育の評価については次のように考えられる。
○ 各教科(科目)、道徳、特別活動、総合的な学習の時間等の目標やねらい、また、各教科(科目)等の評価の規準にキャリア教育の視点を盛り込むこと
○ 進路指導の評価にキャリア教育の観点や内容を取り入れること
また、児童生徒の変化に視点を当てた場合、定量的評価だけではなく、担当教員が児童生徒の行動を観察したり、取り組んでいる時の児童生徒自身の感想など定性的な資料も大切である。このようなことから、評価には児童生徒が取り組んだ課題や、進路指導などで行った検査や調査、学業成績など、児童生徒の全資料を一括したポートフォリオが、キャリア教育を通しての児童生徒の変化や教員の取組の評価にも極めて有効な情報として活用できる。そこで、次に基本的な評価の観点について例示する。
なお、「職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例)」は、各学校において、児童生徒がどのような能力・態度をどの程度身に付けているか等について点検したり、評価したりする際の一つの参考として、活用することも考えられる。しかし、本来この枠組み(例)は、4つの能力を観点として児童生徒の発達を見ていく見取り図として作成されたことに留意しておく必要がある。したがって、現在行われている各学校の一つ一つの活動が、どのような能力の育成を目指したものなのかを明確にしたり、全体としてバランスのとれた取組となっているか、どの能力・態度の育成にかかわる取組が不足しているのか等について、点検・見直しを行ったりする際の参考として活用することが望まれる。
今後、キャリア教育についての評価をどのように進めていくかについては、文部科学省で実施しているキャリア教育推進地域事業等の実践研究等を参考にしつつ、研究・検討していくことが求められる。
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