前谷地小学校は、平成16年度に改築して校舎が整備された。整備するにあたり、地域の要望に応え、PTA・各種団体・区長・保護者の代表からなる校舎整備促進委員会を設置し検討を重ねた。
本校は、機能性・経済性・環境性・デザイン性・開放性・安全快適性の6つの事項について配慮し計画された。特に環境性については、校舎内装に町有林の杉を使用し、昇降口に、10メートルの杉丸太を、腰壁には杉の羽目板が施され、自然素材である木材を使用することで、心やすらぐ空間を実現している。また、児童用の机・いすの導入にあたっては、「みやぎ木のやすらぎ空間確保対策事業(宮城県木材産業振興事業補助金)」を活用している。
地域開放用の部屋を設置し、地域づくりの核、生涯学習の場として地域のコミュニティ形成の活動が期待されている。
全学年で使用されている机・いすは、県産材の杉材を使用している。
机・いすは、日本工業規格(JIS規格S1021「学校用家具-教室用机・いす」)の1号~5号の寸法に準拠している。サイズごと(1号~5号)の家具導入個数は、全児童の身長分布から決定している。(1号2セット、2号40セット、3号59セット、4号54セット、5号5セット、計160セット)また、家具の重量については、なるべく軽量になるように配慮した。(5号机5.8キログラム・いす3キログラム、3号机5.4キログラム・いす2キログラム、1号机5.2キログラム・いす1.8キログラム)
また、校舎内の造りつけ家具については、町有林の杉(間伐材)を使用している。
※標準身長:日本工業規格(JIS規格S1021「学校用家具-教室用机・いす」)より(参考)
1号 1,050ミリメートル 2号 1,200ミリメートル 3号 1,350ミリメートル 4号 1,500ミリメートル 5号 1,650ミリメートル
地域開放型学校として改築する小学校において、地域材(町有林)を活用した内装の木質化に、県産材を使用した木製机・いすを整備、調和させ、快適な学習空間及び豊かな教育環境をつくりだすことを目的とした。そのために「みやぎ木のやすらぎ空間確保対策事業(宮城県木材産業振興事業補助金)」を活用し、県推奨のみやぎブランド材(くりこま杉)を、みやぎ材ブランド化促進協議会に所属する製材工場が生産する製材品で、尚かつ、独自の品質基準(JIS S1021に準拠)に合致するものを選定した。
使用している児童(6年生)の感想は、「掃除・行事等で、机・いすを運ぶ際、軽くて運ぶのに楽である。」「木の香りがして心が和み、箱(天板の下)が大きく教科書などの収納が楽である。」等があった。また、天板が柔らかく傷がつきやすいため、表面塗装を3回行い傷つきにくくするなど導入時の検討が活かされている。
また、児童には、校舎で使用されている木は、前谷地のおじいさん方が戦後に植林した杉であるということを話しており、学校施設を大切に使おうとする意識も高い。
外観 |
正門入口 |
昇降口 |
多目的ホール |
机・いす:教室に配置されている様子 |
JIS規格1号の寸法に準じた机・いす |
JIS規格5号の寸法に準じた机・いす (JIS規格1・3号より脚部の補強部材が1本多い) |
JIS規格1号・3号・5号(右から)の寸法に準じた机・いす |
JIS規格1号~5号までのサイズが記入された定規 |
県の補助事業を活用したことを示す表記 |
木を使ったサイン表示 |
文教施設企画部施設企画課
-- 登録:平成21年以前 --