明確な領域設定と視認性の確保により、人の目と防犯設備で複合施設の安全を守る

17 名川町立N中学校(青森県)

校舎(右手)と体育館及び町民ホールを繋ぐアトリウム

キーワード

  • ゾーニングの工夫で学校を常時開放
  • 建物への出入口に防犯カメラと人の目を配置
  • 非常押しボタンとPHSで緊急連絡手段を確保

基本方針と主な取組

ゾーニングの工夫で学校を常時開放

 町民ホールと複合化するとともに、学校施設を積極的に地域住民に開放する学校として計画された(写真上)。
 町民の学校をめざし、広場や運動場へ自由に入れるように計画された。そのため、建物による死角を無くし、周囲の地域の目が届くようにするとともに、建物内への出入り管理を徹底して安全を確保している。
 学校が活動している時間帯にもホールや図書室の利用者が訪れることから、学校活動に支障が無いようにゾーニングを工夫している。各施設は一体的でありながら、学校専用部分及び地域利用部分(学校開放部分及び地域施設部分)にゾーンを区分し、地域利用部分には専用玄関を設けてゾーンごとの利用者動線が重ならないようにした。

建物への出入口に防犯カメラと人の目を配置

 敷地がオープンであることから、建物への各出入口に防犯カメラを設置するとともに(写真2)、昇降口付近には職員室を、職員・来客用玄関付近には事務室を、また地域利用玄関付近には図書室の司書コーナーとPTA室(地域のボランティアスタッフが使用する)を配置し、人の目を確保している。

非常押しボタンとPHSで緊急連絡手段を確保

 危機発生時に速やかに校内連絡ができる緊急通報システム(各教室の窓側に設置された通報ボタンを押すと、廊下の表示装置と職員室の警報装置が作動)を導入している(写真3、4、5)。
 また、教職員は校内用のPHSを所持することにより、緊急時の連絡を可能にしている。

防犯対策に取り組むきっかけ

 教育と文化の振興や住民活動の拠点として、地域施設との複合化や積極的な学校開放を実施するにあたり、生徒の安全が脅かされる危険性が検討の段階で議論となり、これらを考慮した施設計画が立てられた。

評価と今後の課題

 防犯対策に係るハード面での整備が終了した段階であり、運用における評価と課題の発見・対応はこれからである。教職員のみでは目が届きにくい箇所に、地域住民の協力を要請し、地域全体で子供たちを育てていく姿勢が大切であると考えている。

  1. 配置概略図
    1.配置概略図
  2. 防犯カメラ
    2.防犯カメラ
  3. 緊急通報システムのボタン
    3.緊急通報システムのボタン
  4. 廊下に設置されている表示装置
    4.廊下に設置されている表示装置
  5. 職員室の警報装置(異常が発生した場所がわかる)
    5.職員室の警報装置(異常が発生した場所がわかる)

お問合せ先

文教施設企画部施設企画課

-- 登録:平成21年以前 --