改築・改修で見通しと領域性を確保し、防犯設備とあわせて児童の安全を守る

13 O大学附属I小学校(大阪府)

常に児童に目が行き届く教員コーナー(手前)

キーワード

  • 校舎、教室配置を工夫し、見通しと領域性を確保
  • 正門と校舎玄関で来訪者を二重にチェック
  • 防犯カメラ、センサー等の防犯設備を採用
  • 総合的な防犯対策の実施

基本方針と主な取組

校舎、教室配置を工夫し、見通しと領域性を確保

 外部からの不審者侵入防止等のため、同一敷地内にある中学校と高等学校への出入りを正門1ケ所に限定した(写真2)。
 小学校全体を見渡せるよう、中央部に管理部門を設け、西棟に普通教室、東棟に特別教室を配置している。西棟は様々な授業形態への対応とともに、防犯対策上の配慮からオープン型とした。また、事務室や保健室など、教職員が常駐している部屋を分散するとともに、各学年の教室の横に教員コーナーを配置することにより、常に児童へ目が行き届くようにしている(写真3、4、写真上)。

正門と校舎玄関で来訪者を二重にチェック

 正門には警備員を複数配置している。また、校舎玄関は、教職員と保護者が携帯している写真入りIDカードにより開錠するオートロック方式とし、事務室のパソコンに入退校記録が残るようにしている。教職員と保護者を含む全ての来校者は、正門の警備員室と玄関横の事務室で二重のチェックを受けることとなる(写真2、5、6)。

防犯カメラ、センサー等の防犯設備を採用

 正門にカメラ付きインターホンや赤外線センサー等の防犯設備を設置し、その映像は職員室と事務室でモニターしている。
 また、各教室、廊下、トイレには非常押しボタンを設置し、作動した場合にその場所を職員室で確認できるようにしている。警察への直通電話も設置している(写真7)。

総合的な防犯対策の実施

 避難訓練や下校指導、施設設備の安全点検、教職員を対象とした不審者対応訓練を年に数回行い、教職員の危機管理意識の維持と高揚を図っている。

防犯対策に取り組むきっかけ

 過去に発生した侵入事件を踏まえ、安全な校舎に改築するため、学外の専門家、大学職員及びPTA代表等で構成される「校舎改築検討委員会」を設置して検討を重ねた。PTAによる全保護者を対象としたアンケート調査も行い、その結果を校舎改築に反映した。
 さらに、学校長の諮問機関として教員および保護者の代表で構成する「校舎設計諮問会議」を設けた。そこで具体的な設計プランについて話し合い、保護者説明会を経て、新校舎の整備が進められた。

評価と今後の課題

 教職員の危機管理意識を継続させるとともに、保護者や周辺学校との連携、登下校時の安全確保、防犯設備の定期的なメンテナンス等を実施・充実させていくことが重要であると考えている。

  1. 配置概略図
    1.配置概略図
  2. 同一敷地にある附属小学校・中学校・高等学校共通の正門
    2.同一敷地にある附属小学校・中学校・高等学校共通の正門
  3. クラスルームはお互いに見えるようワークスペースをはさんで配置
    3.クラスルームはお互いに見えるようワークスペースをはさんで配置
  4. 運動場が見渡せる職員室
    4.運動場が見渡せる職員室
  5. 事務室前の校舎玄関扉は二重
    5.事務室前の校舎玄関扉は二重
  6. IDカードによる校舎への入退管理
    6.IDカードによる校舎への入退管理
  7. 警察署への直通電話
    7.警察署への直通電話

お問合せ先

文教施設企画部施設企画課

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