旧蚕糸試験場の移転跡地利用について、豊かな自然のある屋外環境の活用、地域防災拠点としての機能、学校施設の開放など様々な観点から行政と地域が一緒に検討し、公園と一体となった学校を建設した。
敷地は地域住民が駅へと向かう通過動線になっている(写真2)。
学校敷地への出入りが自由であることから、校舎への部外者の侵入を防ぐことに重点を置いている。
出入口及び死角になりやすい位置に防犯カメラを設置するとともに(写真3)、職員室からは運動場が、事務室からは昇降口・玄関と運動場が見渡せる配置としている。校舎への通常の出入口は昇降口1ヶ所に限定し、出入りの管理を行っている(写真上)。
また、緊急時に備え、警察署直通の非常通報システムを設置している(写真4)。
学校の呼びかけに応じて地域ボランティア団体が結成されている。ボランティアは交代制で1名が常駐しており、職員が対応しにくい時間帯(主に授業が行われている時間帯)に、出入りのチェックや施錠管理、パトロール等が行われている(写真5)。これにより、ボランティアの知り合いが学校を訪ねてくるなど学校と地域の環が徐々に広がり、地域と子どもたちが顔見知りになっていくという効果もある。現在は、ボランティアの活動拠点として、会議室の一つを地域に開放している。
また、周辺住民や保護者等による地域の防犯パトロールが行われている。
学校を現場とした事件の発生等を受け、学校設置者及び学校において、それぞれ現状の課題の整理・分析を行った。学校設置者は総合政策としてまとめ、学校は置かれている状況を踏まえた対策を検討した。
職員が常に防犯カメラで監視することは難しいため、人間を感知して反応するチャイム等により職員が気付きやすいよう配慮している。今後、その効果について検証していきたいと考えている。
常駐している学校サポーターの経験がボランティア日誌によって蓄積されており、学校側としても貴重な声を聞くことができる(写真5、6)。
文教施設企画部施設企画課
-- 登録:平成21年以前 --