小学校、保育所、子育て支援施設、児童会館の複合施設であり、また、繁華街という立地や周辺環境を考慮して、施設の防犯対策については設計段階から様々な検討がなされた。
建物と運動場側のネットフェンスとで敷地を囲い、幼児・児童や施設利用者の出入口は1ヶ所に限定している。それぞれの施設の利用時間帯が異なることから、登下校時や施設利用時の動線の混乱は特にない(写真上、写真2)。
他の通用口や搬入口は電子錠によって自動的に
施錠され、解錠はカメラ付きインターホンを通じて、警備員によって行われる(写真3)。避難階段は、外側からは開かないようにし、幼児や児童が活動する場所への不審者の侵入を防いでいる。
幼児・児童を対象にした複合施設であることから、警備員2名が常駐し、施設内への入館管理を行うとともに、出入口や建物内外の死角となる箇所に設置された防犯カメラによる監視及び施設内の巡回警備等を行っている(写真3、4)。
なお、交番のすぐ横にメインエントランスを配置している(写真5)。
教室は2~4階に配置し、本施設の出入口のある1階から2階への日常のアクセスは大階段1ヶ所に限定するとともに、この唯一の通路に職員室からの見通しを確保している(写真6)。また、1階の北側は全面が透明ガラスになっており、道路から、半地下の体育館の様子、さらに運動場まで見通すことができる。
不審者の侵入により内部の大階段が使用できない場合も避難ができるよう、全ての普通教室が屋外デッキで避難階段へ接続している(写真7)。
施設計画にあたって、多くの市民が出入りすることや、繁華街に隣接することから、不審者侵入等への対応が課題とされ、検討が進められた。
設計時には使用を予定していたサブエントランスを使用しないこととし、出入口を1ヶ所に限定する等、運用を検討する中でさらに防犯意識が高められた。
今後はハード及びソフト面の問題点を再確認するとともに、避難訓練等の実施を通じて防犯意識の醸成や実効性の向上に努める。なお、統廃合された学校が地域との連携をいかに進めていくかは、防犯のみならず教育等のあらゆる面で共通の課題と考えている。
文教施設企画部施設企画課
-- 登録:平成21年以前 --