5‐1 設置目的・場所

(1)防犯監視システムを設置する際は、外部からの来訪者の確認、見通しが困難な場所や死角となる場所の状況把握、犯罪企図者の侵入防止や犯意の抑制、児童生徒等の安心感の醸成等、学校や地域の状況を踏まえ、その設置目的を明確化することが重要である。

(2)防犯監視システムは、見通しが困難な場所や死角となる場所にある門、建物の出入口付近、敷地境界、敷地内や建物内で人目が届かず死角となる場所等に設置することが有効である。

  • 防犯監視システムには、出入管理システムと侵入監視システムの2つの機能がある。学校施設は、周辺環境、学校種別、規模、建物配置等がそれぞれに異なるため、システムの導入にあたっては、「何のために(目的)」「どこに(設置場所)」「何を(システム)」「どのように(運用方法)」設置するのかを明らかにすることが重要である。
  • 学校施設のタイプに応じて、次頁の警戒線の定義も参考にし、場所ごとに防犯設備の設置に係る課題を検討することが重要である。
  • 設備の運用にあたっては、機器のスイッチが常に切られたりしていないか、動作確認を含む定期的な点検を、点検担当者を決めて実施することも重要である。
  • 防犯監視システムや通報システム等の建築設備的な対応は、建築計画的な対応やソフト面の対策を補完するものとして位置付け、建築計画の検討段階から、導入の方法や運用の方法等について検討することが重要である。

表5‐1‐1 防犯監視システムの導入例

目的 設置場所 システム 運用方法
侵入防止と抑制 錠、認証装置 施錠等適切な管理
安心感の醸成 出入口付近 防犯カメラ、センサー 適切な監視
来訪者の確認 校門及び通用門 インターホン 用件の確認
状況の把握 建物付近の死角 防犯カメラ 死角のチェックと記録

表5‐1‐2 防犯設備の設置場所の例

防犯設備 設置場所
校庭
外周
校舎
入口
教室 廊下 事務室
職員室
その他
出入管理 錠(一般的な錠、電気錠) 設置 設置 設置 設置
認証装置 設置 設置 設置
インターホン 設置 設置
出入管理装置(解錠、記録等) 設置
侵入監視 センサー 設置 設置 設置 校舎周囲
防犯カメラ 設置 設置 設置 設置 エレベーター内
記録装置 設置
モニター装置 設置
センサーカメラ 非常階段口、駐車場、駐輪場等

※ 主に侵入盗対策として設置。

図5‐1‐1 警戒線の概念図

図5‐1‐1 警戒線の概念図

 

社団法人日本防犯設備協会 技術標準SES E7003‐1 に基づき作成

表5‐1‐3 警戒線の解説

警戒線の種類 警戒線の定義 場所 検討すべき課題
第1警戒線 敷地内に施設される警戒線で、その範囲は防犯上有効な塀、門などの敷地外周部と第2警戒線を除く学校敷地部を警戒範囲とする。 正門、その他の門 施錠等適切な管理やインターホンの設置等、来訪者への対応について検討する。
塀、フェンス 侵入防止のため、防犯設備の設置等について検討する。
校庭 教職員諸室等の「人の目」から死角となる場所における防犯カメラの設置等について検討する。
駐車場、駐輪場 外灯、センサーカメラの設置等について検討する。
第2警戒線 建物外周部(外壁及び開口部など)を警戒範囲とする。 校舎の各出入口 施錠等適切な管理やインターホンの設置等、来訪者への対応について検討する。
屋外階段 死角となる場所におけるセンサーカメラの設置等について検討する。
校舎の窓 施錠等適切な管理やセンサーの設置等について検討する。
渡り廊下、テラス 侵入防止のため、センサーの設置等について検討する。
第3警戒線 第2警戒線を周囲とした建物の内部を警戒範囲とする。 教室 緊急時等に速やかに通報できるよう、非常押しボタンの設置等について検討する。
廊下、階段 緊急事態の発生を知らせる非常灯や警報器の設置等について検討する。
講堂、体育館 広い場所での使用が有効であるペンダント型送信機の活用等について検討する。
教職員諸室 受信機、インターホン、校内通報、モニターの充実等について検討する。

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