4‐2 窓・出入口

(1)接地階に位置する教室、廊下等の窓・出入口については、容易に破壊されにくいものとするよう留意するとともに、非常時の避難にも配慮しつつ、適確な施錠管理を行うことが重要である。

(2)職員室や事務室等の建具のガラスを透明なものとし、教職員等の視線が常に周囲に行き届き、校内の状況を把握できるようにすることも有効である。

(1)室内からの視認性の確保

  • 教室内の椅子に座っている児童生徒等から、外や廊下など周辺の様子が感じられ、緊急時にどの方向へ避難すべきか判断がつくよう、室内からの視認性を確保することが重要である。
  • 教室のドアまで不審者が近づいてきているのに気がつかないという事態を避けるため、ドアや廊下の壁の一部を適切な強度を持ったガラス等で計画し、見通しが利くようにすることも有効である。
  • 事務室や職員室等の教職員や大人が比較的集まる場所は、常に周囲の様子を把握できるように視認性を確保することが重要である。
  • 調理室や主事室など、これまで比較的校舎の裏手に位置し、視認性が意識されてこなかった室も、学校の裏手への視認性の確保に有効となる。
  • 視認性を確保できない場合には、改修等によって視認性を確保したり、防犯カメラやセンサー、カーブミラーを設置したりする方法も有効である。

写真4‐2‐1 職員室からの視認性の確保の例
 写真4‐2‐1 職員室からの視認性の確保の例

  • 教職員諸室の壁もガラスにすることで、視認性を高めることができる。

写真4‐2‐2 校長室からの視認性の確保の例
 写真4‐2‐2 校長室からの視認性の確保の例

  • 校長室の窓からグラウンドや人の出入りが十分見渡せる。

写真4‐2‐3 調理室からの視認性の確保の例
 写真4‐2‐3 調理室からの視認性の確保の例

  • 調理室等から学校内を見渡せる。

(2)複数の出入口

  • 火災・地震・不審者侵入に備え、複数のドアから複数の避難方向を確保することが望ましい。また、不審者侵入に対しては、内側から施錠コントロールできる事が望ましい。

(3)建物の出入口

  • 玄関及び非常口については、利用状況及び管理体制等を考慮した上で、時間帯に応じた開閉及び施錠方法について検討することが重要である。玄関は、扉に透明なガラス面を大きくとる等、受付から来訪者が見通せる構造にすることが望ましい。扉にガラスを使用する場合は、事故防止及び侵入防止のため、容易に破壊されにくいガラスや防犯フィルムを使用することが望ましい。
  • 校庭に面した教室の出入口については、侵入防止のため、適確な施錠管理を行うことが重要である。また、外部からの侵入者が接近しにくいように、管理諸室等からの見通しを確保することや、外部に面した教室の出入口の前に植栽を配置することも有効である。
  • 渡り廊下への出入口等、常時開放状態にしておく必要のある出入口については、周囲の教室等からの見通しを確保するとともに、不審者を識別することができるように、ゾーニングを明確にし、動線計画を工夫することが重要である。具体的には、来訪者が利用する門からの通過動線が当該出入口に接近しないよう、動線計画や路面の舗装、植栽帯・柵等の設置について検討することが有効である。また、必要に応じて防犯カメラ等の設置を検討することも有効である。

写真4‐2‐4 視認性が高い出入口の例
 写真4‐2‐4 視認性が高い出入口の例

  • 玄関の扉をガラスにすることによって、高い視認性を確保している。

写真4‐2‐5 教室の外部出入口付近の植栽の例
 写真4‐2‐5 教室の外部出入口付近の植栽の例

  • 侵入者が接近しにくいよう、外部に面した教室の出入口の前に植栽を配置している。

(参考)防犯性能の高い建物部品について

 工具類等の侵入器具を用いた侵入行為に対して建物部品が有する抵抗力が高いものとして、防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議が防犯性能試験を実施した上で指定したドア、錠などのこと。
 (出典:「防犯性能の高い建物部品の開発・普及の今後の在り方」平成16年3月 防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議(警察庁、国土交通省、経済産業省、関連団体))

【参照】

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-- 登録:平成21年以前 --