第3種ホルムアルデヒド発散建築材料(F☆☆☆)の使用量を床面積の2倍以下に抑えた場合、体育館の必要換気回数は、令20条の5第1項第三号により0.3回毎時以上0.5回毎時未満になります。さらに、天井の高さによる緩和(告示273号)によると、天井高に応じて次のような必要換気回数の緩和が可能となります。
表2‐2 建築基準法に係る天井高による必要換気回数の緩和
天井の高さ(メートル) | 3.5以上6.9未満 | 6.9以上13.8未満 | 13.8以上 |
---|---|---|---|
換気回数(回毎時) | 0.2 | 0.1 | 0.05 |
したがって、天井高が10メートルの体育館では機械換気の容量は0.1回毎時となります。
ちなみに、第3種ホルムアルデヒド発散建築材料(F☆☆☆)を床面積の4倍以下まで使用した場合には、天井高による緩和を加味して必要な機械換気設備の容量は0.2回毎時となります。(第1章(4)1)建築基準法への対応参照)
体育館の床面積を700平方メートル、天井高を10メートルと仮定すると、機械換気設備の容量は前者の条件で700立方メートル毎時、後者の条件で1,400立方メートル毎時となります。
機械換気設備の方式としては、第1種機械換気設備、第2種機械換気設備、第3種機械換気設備、いずれの方式も考えられます。
第1種機械換気設備を採用する場合においては、給気扇又はダクトの吹出し口の配置について、居住域(競技スペースや観客席等)に近く、かつ冬期において冷気による不快感の発生が避けられるような工夫が必要です。床面から3メートル程度の高さが設置のひとつの目安になります。
第2種機械換気設備を採用する場合においても、給気扇又はダクトの吹出し口の配置に関しては第1種機械換気設備と同様な工夫が必要です。排気口(排気用の開口部)の位置については、居住域がまんべんなく換気できるように、給気扇等との位置関係を考慮する必要があります。
第3種機械換気設備を採用する場合には、居住域の近くに給気口(給気用の開口部)を設けますが、冬期の侵入冷気の影響を抑えるために、床から3メートル程度の高さを目安に設置することが勧められます。排気扇又はダクトの吸込み口は、建物の上部に設けることによって煙突効果(暖かい屋内空気が上昇する効果)により効率よく換気をすることが可能になります。ただし、換気設備の点検や修理に不都合が生じないように、位置を考える必要があります。
また、床のワックスかけを行った直後等においては、通常より多量の換気を行う必要が生じることもあるため、窓開放による換気量の増加や余裕を持たせた機械換気設備の設置を検討する必要があります。
第1種換気設備
第2種換気設備
第3種換気設備
図2‐5 体育館における換気扇の設置例
文教施設企画部施設企画課
-- 登録:平成21年以前 --