学校施設の換気設備に関する調査研究報告書 第2章 換気設備計画の立案(1)3)

3)設備(換気扇)の性能と種類

 換気扇等のファンの性能は、P‐Q特性というもので示されています。Pは換気扇の前後の圧力差、Qは風量です。これは、図2‐1に示すように大きな部屋(チャンバー)にファンを取り付け運転した場合の風量(Q)と部屋間の圧力差(P)の関係を示したものです。
 同じ換気能力の換気扇の場合、圧力差(P)が小さくなると風量(Q)は大きくなります。

図2‐1 P‐Q特性の設定モデル
 図2‐1 P‐Q特性の設定モデル

 図2‐2にファンのP‐Q特性の例を示しています。ファンを選定する際は、その能力である圧力差(P)と風量(Q)がこのP‐Q特性の曲線より下の範囲にあるものを選定する必要があります。
 Pが0の時の風量はファンに全く抵抗が無い場合の風量です。また、Qが0の時のPは締切静圧と呼ばれ、ファンが空回りしている状態を示します。従って、換気扇等のファンによる風量は、換気経路に沿った圧力損失とファンのP‐Q特性が分かれば計算できることになります。ファンのP‐Q特性と換気経路の圧力損失を計算して、必要換気量に見合ったファンを選定することが重要です。

図2‐2 ファンのP‐Q特性の例
 図2‐2 ファンのP‐Q特性の例

 P‐Q特性は、換気扇の機種等により異なりますが、メーカーのカタログ等により確認できます。
 図2‐2の矢印は、風量の切替え(強中弱の運転)ができるタイプで、静圧(ダクトやフードによる抵抗)が150立法メートルで強運転の場合に、8立方メートル毎分(480立方メートル毎時)の風量が得られることを示しています。

換気扇(ファン)の種類

  • プロペラファン:壁付きの換気扇として使用されるファンで、居室に設置して排気や給気に使用されます。価格は、3つのファンの中で最も安価で、比較的大風量であること(400立方メートル毎時程度)、圧力差が取れない為外の風が強い地域や高層階では使用出来ない等の特徴があります。
  • シロッコファン:円筒状のファンの遠心力で送風するもので、台所のレンジフード等に使用される。大きな静圧が取れるので、ダクトに接続する場合や外部風速の影響を受ける部分でも、有効に排気や給気が出来ます。又、騒音が大きいこと、価格が比較的高いこと等の特徴が有ります。
  • 斜流ファン:プロペラファンとシロッコファンの中間の静圧が取れ、ダクト方式とする場合にダクトの途中に使用されます。

プロペラファン<エクストラファン>
 プロペラファン<エクストラファン>

シロッコファン
 シロッコファン

斜流ファン
 斜流ファン

図2‐3 ファンの種類の例

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