換気設備の風量や静圧が大きくなると換気設備等から発生する騒音が大きくなる場合があります。
換気設備等から発生する騒音については、消音ダクトや低騒音型機器の使用、複数台設置することにより1台の換気風量を小さくする、換気設備の固定状況を確認することにより共振による騒音を小さくする等の配慮が必要です。
吹出音の抑制対策として消音ダクト、消音グリル等の消音部材を使用することが有効です。
ア 消音ボックス
イ 消音ダクト
ウ 消音グリル
図1‐9 ダクト方式の消音対策の実施例
換気設備の固定の状態が悪いと取り付けパネル等との共振により騒音が発生することがあります。施工監理時(第3章2)換気設備の固定状況の確認参照)及び運用時の定期点検(第4章(1)換気設備の定期点検・清掃方法参照)により換気設備の固定状況について確認することが必要です。
また、低騒音型機器を選定することや防振ゴムの取付け等も換気設備からの騒音の対策として有効です。
図1‐10 窓・壁取付けの場合の騒音対策の実施例
給気口を設ける場所については、給湯器や自動車等からの排気ガス等が教室内に侵入しないように給湯器の排気筒等から離れた位置に設ける等の配慮が必要です。
ショートサーキット(第1章(4)1)建築基準法への対応参照)を生じさせないためには、給気から排気までの空気の流れを考慮して給排気口の位置を計画することが重要です。また、給気流によって在室者に寒さ等の不快感を与えないように給気口の取付け高さや給気方法等に対する配慮(第1章(5)各種の条件に対する換気計画の考え方参照)も必要となります。
従って、給気の位置、方向、吹出し速度(到達距離)等が非常に重要となります。
第1種機械換気設備の例
第2種機械換気設備の例
第3種機械換気設備の例
図1‐11 ショートサーキットを生じさせない給排気口の設置例(断面図)
第1種機械換気設備の例
第2種機械換気設備の例
第3種機械換気設備の例
図1‐12 ショートサーキットを生じさせる可能性がある好ましくない給排気口の設置例(断面図)
第2種機械換気設備及び第3種機械換気設備とする場合の換気経路となる部分(給気口、排気口)には、ガラリ等を設けて換気設備の風量に見合った通気量を確保する必要があります。
ウェザーカバーやフード等の屋外端末部材については、雨水侵入の可能性などを考慮して選定する必要があります。また、ダクトの勾配や長さ等の製品の仕様書記載事項を必ず守ることが重要です。特に、給気側については、吸込み気流に乗って雨水が侵入する可能性があるため、対外風形フードや深形フードを選定する等の配慮が必要となります。
ウェザーカバーの設置例
ベントキャップの例
丸型フードの例
深形フードの例
対外風形フードの例
図1‐13 屋外端末部材の設置例
機器の設置位置については、定期点検のためのスペースを確保しておく必要があります。また、天井等の点検口については、機器の仕様書に指定された範囲内に設け、また、ダクト配管等が点検の邪魔にならないよう配慮しておくことも重要です。(第3章 換気設備の施工監理時の留意点参照)
文教施設企画部施設企画課
-- 登録:平成21年以前 --