学校施設の換気設備に関する調査研究報告書 第1章 学校施設における換気計画の基本的な考え方(4)2)

2)学校環境衛生の基準への対応

a)学校環境衛生の目的

 学校環境衛生管理は、学校教育法等に定められた学校教育の目標を達成するため、学校保健法に基づいて行われており、その主な目的は次のとおりです。

  • 健康の保持増進を図る。
  • 学習能率の向上を図る。
  • 情操の陶冶を図る。

b)学校環境衛生の管理

 学校においては、児童生徒等や職員の健康診断、環境衛生検査、安全点検その他の保健または安全に関する事項について計画を立て、これを実施しなければならないこととされています。(学校保健法第2条)
 また、換気・採光・照明及び保温を適切に行い、清潔を保つ等環境衛生の維持に努め、必要に応じてその改善を図る必要があります。(学校保健法第3条)

学校環境衛生 環境衛生検査
事後措置
日常における環境衛生

 環境衛生検査、事後措置、日常における環境衛生については、学校保健法施行規則で規定されています。

c)学校環境衛生の基準に基づく検査について

ア.学校環境衛生の基準に基づく教室等の空気環境の検査について必要となる検査項目、検査事項及び判定基準は表1-6のとおりです。

表1-6 学校環境衛生の基準に基づく教室の空気の検査項目等
検査項目 検査事項 判定基準 備考
(1)温熱及び空気清浄度 ア 温度 冬期大なりイコール10℃、夏期小なりイコール30℃であることが望ましい 最も望ましいのは、冬期18~20℃、夏期25~28℃
イ 相対湿度 30~80%
ウ 二酸化炭素 小なりイコール1500ppm(0.15%)であることが望ましい
エ 気流 人工換気の場合、小なりイコール0.5メートル毎秒
オ ー酸化炭素 小なりイコール10ppm(0.001%)
カ 二酸化窒素 小なりイコール0.06ppmであることが望ましい
キ 浮遊粉じん 小なりイコール0.10ミリグラム毎立方メートル
ク 落下細菌 小なりイコール10コロニー
ケ 実効輻射温度 黒球温度と乾球温度の差小なり5℃であることが望ましい
(2)ホルムアルデヒド及び揮発性有機化合物 ア ホルムアルデヒド(夏期に行うことが望ましい) 小なりイコール100マイクログラム毎立方メートル(0.08ppm)
イ トルエン 小なりイコール260マイクログラム毎立方メートル(0.07ppm)
ウ キシレン 小なりイコール870マイクログラム毎立方メートル(0.20ppm)
エ パラジクロロベンゼン 小なりイコール240マイクログラム毎立方メートル(0.04ppm)
オ エチルベンゼン 小なりイコール3800マイクログラム毎立方メートル(0.88ppm)
カ スチレン 小なりイコール220マイクログラム毎立方メートル(0.05ppm)
(3)換気 換気回数(40人在室、容積180立方メートルの教室の場合) 幼稚園・小学校大なりイコール2.2回毎時、中学校大なりイコール3.2回毎時、高等学校等大なりイコール4.4回毎時

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