国立大学等のキャンパス整備の在り方に関する検討会(第3回)議事要旨

日時

平成24年11月28日(水曜日)13時40分~15時30分

場所

東京海洋大学 楽水会館2階特別会議室 (品川キャンパス)

議題

(1)国立大学法人等のキャンパス整備の在り方について

(2)その他

出席者

(委員)古山主査,小林副主査,伊香賀委員,石黒委員,上野委員,田村委員,鶴崎委員,中西委員,山重委員

(特別協力者)齋藤特別協力者

(文部科学省)清木文教施設企画部長,長坂技術参事官,山下計画課長,山﨑参事官(技術担当),笠原計画課整備計画室長,堀田企画官,阿部補佐 他

議事要旨 

○:委員の発言 ●:事務局の発言

(1)国立大学法人等のキャンパス整備の在り方について

・事務局より,資料1に基づき,本検討会の位置付けを説明。
・主査より資料2に基づき,検討事項の審議を効率的に行うため,ワーキンググループを設置することについて提案があり,了承。

 

・鶴崎委員より資料3に基づき,現地視察について報告。

○11月20日から21日の2日間,特色あるキャンパスを持つ立命館アジア太平洋大学,北九州市立大学,九州工業大学を視察。
[立命館アジア太平洋大学のキャンパス]

  • 中央に東西を貫くモールが走り,教育施設・運動施設・学生寮の大きく3つのゾーンに分かれている。
  • 図書館の中にラーニング・コモンズを設け,学生の自学自習やプレゼンテーションスキルを高める場として活用されている。
  • 言語自主学習センター(SALC)では,様々な学生が交流できる環境を整えている。
  • 国際学生と国内学生が共に居住する形で約1,310室の学生寮がある。
  • 別府湾を見おろせるビューポイントなども活かしながら,魅力的なキャンパスをつくっている。
  • 地域との連携では,設置当時に別府市・大分市や産業界から多くの資金提供を受けた経緯もあり,現在まで良好な関係が維持されている。

[北九州市立大学ひびきのキャンパス]

  • 北九州学術研究都市の中にあり,北九州市立大学のほかに早稲田大学や,九州工業大学,福岡大学が立地し,共同で研究教育を行っている。
  • 国際環境工学部は環境負荷低減技術を導入し,環境への取組とともに,研究や教育の材料として建物自体も活用している。
  • 学術情報センターは,図書館機能やスタジオ,サーバールームがあり,それらを大学が共同で使用している。
  • 図書館には3大学が所蔵する専門図書が約9万冊あり,また,市民に開放している一般図書が約5万冊ある。
  • 北九州学術研究都市は,北九州産業学術推進機構が,学術情報センターの運営やインフラの提供,サービスの提供を行っている。各大学からの分担金等はない。
  • 維持管理は,4大学で指定管理者に委託をしてマネジメントを行っている。

[九州工業大学 戸畑キャンパス]

  • 先端教育コラボレーションプラザは,趣があるものの,老朽化が進み,中庭空間が使われていなかった施設を,総合教育棟,情報学習プラザ,学生支援プラザ,学術交流ホールという4つの学生が交流できる機能を備えた施設に再生。
  • キャンパスを複数のクラスターに分け,段階的に改修していき,それが面的に広がってキャンパス全体が良い状態に変わりつつある。
  • 整備計画をきちんとつくり,学長,理事や整備担当者がそれを共有し,同じスタンスや方向性をもって整備が行われている。
  • 学生のアクティビティが高いところに資金を投入するなど,大学にとって費用対効果の高い改修を行っている。

 

○九州工業大学におけるキャンパス整備の方法について,具体的にはどのようなことを行っているのか。
○キャンパスの診断を行い,ポテンシャルは高いけれど活かされてない場を発見し,そこを改善している。そのような場がキャンパス内に点在しており,それらがネットワーク化されて,面的によくなっている。
○立命館アジア太平洋大学も学研都市を目指す北九州市立大学も明確な目標があり整備が行われている。九州工業大学のキャンパスでは整備がうまくいっている要因はどういうところにあるのか。
○財源が厳しい中,一番効果的な教育・研究活動を支えるキャンパス整備に資金を集中的に投入している。
○施設整備担当者と学長,施設担当理事のコミュニケーションがきちんと取れている。また学生の視点に立って整備をしている。
○キャンパスの「これから」をよく考え,その内容を学内で共有している。
○キャンパス整備はキャンパス内を複数のクラスターに分け,大規模改修を計画的に実施している。それが連鎖し,新しい特徴や質を持つキャンパスに再生させている。

 

・事務局より,資料4,資料5,資料6,資料7について説明。

○骨子案1章「これまでの取組」について,何ができて,何ができていないのか明確にする。
○今までのキャンパス整備がうまくいかなかった理由はマネジメントができていなかったのではないか。創造的再生を進めていく上で,マネジメントの必要性を記載する。
○骨子案3章の1と2の位置付けが分かりにくい。骨子案3章で,創造的再生を1つのキーワードとしてまとめてあるが,2章までは創造的再生について記載されていない。タイトルを見ただけで流れがわかるようにする。
●2章はキャンパスの持つ機能・役割を整理している。2章を受けて具体的な場を整備していく際の方向性を,3章の1に示している。2章と3章1の関係が分かりにくいところがあるので,御指摘を踏まえて整理する。
○前回と今回の目次案で大きな違いは,創造的再生という言葉が出てきたこと。この言葉の意味を記載する。
○骨子案に,ミッションや使命,ビジョンという言葉が出てくるが,使い分けを整理した方が良い。また,資料1「キャンパスマスタープランの策定」において,経営戦略とアカデミックプランが記載されているが,この上位に,ミッションやビジョンといったものがあるのではないか。
○骨子案1章3(2)「地球環境問題への対応」を受ける部分が,2章以降に出てこないので,記載する。
○キャンパスが地域に開かれる中で安全性を確保するには,地域の人たちが,防犯活動など,一緒に関わっていく仕組みづくりが大事。ハード面とソフト面の取組で安全を確保するということが必要である。
○地域との連携を具体化するためには,計画の段階から行政や地域の人が関わる仕組みが必要である。
○骨子案3章1(1)に企業・地域からも魅力あるキャンパスへ再生することが重要という記載があるが,海外から見ても魅力的であるという記載が必要である。海外の大学に比肩し得るキャンパス環境の整備は,海外の学生や研究者を引き付けるという意味で重要である。
○大学側の立場で,マネジメントする際に課題となることを意識しながら,骨子案4章の推進方策を組み立てる必要がある。また2章までに,大学側の問題として,キャンパスのマネジメントについて課題や必要性を記載する。

(2)その他

・事務局より資料8に基づき,次回以降の日程について説明。

 

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部計画課整備計画室

(大臣官房文教施設企画部計画課整備計画室)

-- 登録:平成25年02月 --