10章 報告書の作成

10.1.1 適用

 この章は,地盤調査業務における報告書の作成に適用する。

10.1.2 報告書

 報告書は,次の項目のうち,当該業務に該当する項目について,その成果の とりまとめを行う。

(1) 調査の目的

(2) 調査の位置,調査項目,調査方法

(3) 調査地周辺の地形及び地層性状の概要

(4) 敷地周辺の土地利用状況及び地下水,湧水等の利用状況

(5) 機械ボーリングによる土質柱状図表
 ア) 各地層の標高,深さ及び層厚
 イ) 土質記号,土質名,相対密度及びコンシステンシー,色,におい,そ  の他の観察記録
 ウ) 標準貫入試験(N値)結果
 エ) 孔内水位及びその変動
 オ) 試料の採取位置及び土質試験結果(サンプリングを行った場合のみ)

(6) 推定地層断面図(ボーリング位置を柱状図で示したもの)

(7) サウンディングの結果
 ア) 標準貫入試験
 1) 試験位置・地盤高さ,調査日の天候及び地下水位
 2) 本打ち開始深さ及び本打ち終了深さ
 3) 打撃数と累計貫入量との関係を示す図から読みとった本打ち30cmに 対する打撃数に近い整数値(N値)
 4) 採取試料の観察結果
 イ) オランダ式二重管コーン貫入試験
 1) 試験位置・地盤高さ,調査日の天候及び推定地下水位
 2) 深さ及びコーン貫入抵抗測定値(Qrd)
 3) 貫入中に土の硬軟,土質変化があったと思われるとき又は内管若し くは内外管が自重で沈下するときの状況
 4) 深さと土の静的貫入抵抗(qc)との関係を示す図
 ウ) スウェーデン式サウンディング試験
 1) 試験位置・地盤高さ,調査日の天候及び推定地下水位
 2) 荷重の大きさ(Wsw),貫入深さ及び貫入量又は半回転量(Na),貫  入探さ,貫入量及び貫入量1m当たりの半回転数(Nsw)
 3) 貫入の速さが急激に増大したり減少したりする場合の貫入状況
 4) 貫入探さとWsw又は貫入探さとNswとの関係を示す図
 5) 推定柱状図
 エ) ポータブルコーン貫入試験
 1) 試験位置・地盤高さ及び調査日の天候
 2) 測定位置ごとのコーン貫入抵抗値

(8) 載荷試験の結果
 ア) 孔内水平載荷試験
  1) 試験位置・地盤高さ及び調査日の天候
  2) 測定装置の概要及び測定系統図
 3) 測定記録及び荷重強度‐変位曲線等
 イ) 平板載荷試験
 1) 試験位置・地盤高さ及び調査日の天候
 2) 測定装置の概要及び測定系統図
 3) 測定記録及び載荷圧力‐沈下量曲線,時間‐沈下量曲線等

(9) 物理探査・検層の結果
 ア) 速度検層(PS検層)
 1) 調査位置・地盤高さ
 2) 測定装置の概要及び測定系統図
 3) 測定記録,走時曲線,各地層の解析断面図等
 イ) 弾性波探査
 1) 測線配置・地盤高さ
 2) 測定装置の概要及び測定系統図
 3) 測定記録,走時曲線,各地層の解析断面図等
 ウ) 常時微動測定
 1) 調査位置・地盤高さ
 2) 測定装置の概要及び測定系統図
 3) 測定記録,地盤卓越周期
 4) パワースペクトル又はフーリエスペクトル
 5) 測定の状況を示す写真及び気象記録

(10) 地下水調査の結果
 ア) 現場透水試験
 1) 試験位置・地盤高さ
 2) 試験方法,地層構造・地下水位の状況
 3) 試験結果,各地層の透水係数等

(11) サンプリングの結果
 1) サンプリング位置・地盤高さ
 2) サンプリングの目的
 3) サンプリングの方法,地盤状況等

(12) 土質試験の結果
 1) 試験項目ごとの測定記録
 2) 試験結果一覧表

(13) 総合解析の結果
 1) 調査結果に基づく土質定数の設定
 2) 地盤の工学的性質の検討及び支持地盤の設定
 3)地盤の透水性の検討結果
 4) 基礎形式の概略検討結果
 5) 設計・施工上の留意点に関する一般的な検討結果
 6) 地盤調査業務の総合的なとりまとめ

(14) 土質標本
 採取したコアの標本箱及び全コアをカラー撮影した写真を,次のア)からウ)により整理したもの
 ア) 標本箱及びコア写真は,調査件名,調査年月日,ボーリング番号,深度,土質名等を記入する。なお,標本箱及びコア写真が複数となる場合は,地表に近いものから順に整理番号を付す。
 イ) コアは,透明なビニールシート又はビニール袋に密閉して標本箱に入れ,コア写真と合わせて提出する。
 ウ) 未固結な試料は,1mごと又は地層ごとにプラスチック製の標本ビンに密封し,標本箱に入れて提出する。

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部

-- 登録:平成23年05月 --