公共事業コスト縮減対策これまでの経緯
平成16年10月1日
文施参事官
1.経緯
- 平成9年4月4日 「公共工事コスト縮減対策に関する行動指針」の決定
概要;公共工事コストを3年間(平成9年度から平成11年度)で平成8年度比10%以上縮減
- 平成9年4月22日 文部省の「公共工事コスト縮減対策に関する行動計画」を策定
- 平成12年9月1日 「公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針」の決定
概要;平成12年度から平成20年度まで総合的なコスト縮減対策を実施(数値目標はなし)
- 平成12年9月21日 文部省の「公共工事コスト縮減対策に関する新行動計画」を策定
- 平成13年2月28日 省庁再編に伴い、文部科学省の「公共工事コスト縮減対策に関する新行動計画」を策定
2.公共事業コスト構造改革プログラムについて
- 平成14年7月19日 閣僚懇談会で内閣総理大臣より国土交通大臣へコスト縮減指示
- 平成14年11月29日 平成15年度予算編成の基本方針 閣議決定
- 公共投資の効率性・透明性の向上に向け、コスト縮減の数値目標を早急に定め、・・(中略)・・コスト構造改革に取り組む
- 平成14年12月20日 コスト構造改革の目標数値、目標期間を国土交通省が公表
- 平成15年度から5年間で平成14年度比15%の総合コスト縮減
- 平成15年1月23日 公共工事コスト縮減対策関係省庁連絡会議幹事会
- 3月中旬を目途に数値目標を含む政府全体の公共事業コスト構造改革プログラムを策定
- 平成15年6月27日 経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003 閣議決定
- 公共投資については、景気対策のための大幅な追加が行われていた以前の水準を目安に、その重点化・効率化を図っていくとの「改革と展望」を踏まえつつ、更なる重点化・効率化を推進し、コストの縮減等を図る。
- 今後5年のコスト縮減目標の達成に向け、コスト構造改革に取り組み、その効果を予算に反映する。
- 平成15年7月28日 内閣官房より公共事業コスト構造改革プログラム(案)及び『公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針』平成14年度の実施状況とりまとめ(案)協議
- 平成15年9月18日 公共工事コスト縮減対策関係省庁連絡会議
- 政府全体の「公共事業コスト構造改革プログラム」の決定
- 『公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針』平成14年度縮減実績公表資料の決定
- 平成15年11月14日 文部科学省の「公共事業コスト構造改革プログラム」の策定
3.行政効率化推進計画について
- 平成16年2月5日 行政効率化関係省庁連絡会議設置(公共工事コスト縮減対策関係省庁連絡会議を吸収廃止)
- 平成16年6月16日 「文部科学省行政効率化推進計画」報道発表
- 平成16年9月17日 行政効率化関係省庁連絡会議公共事業コスト構造改革推進WG
- 平成16年10月1日 内閣府より「公共事業コスト構造改革」平成15年度の実施状況とりまとめについて報道発表
文部科学省の「公共工事コスト縮減対策に関する新行動計画」の概要
- 基本的考え方
新行動指針を踏まえ、工事コストの低減だけでなく、施設の品質の向上によるライフサイクルコスト低減等も含めた総合的なコスト縮減施策を展開。
- 具体的施策
文部科学省として実施可能な5分野についての具体的施策(22施策)を明示。
- 1)工事コストの低減に関する施策
- 2)工事の時間的コストの低減に関する施策
- 3)ライフサイクルコストの低減(施設の品質の向上)に関する施策
- 4)工事における社会的コストの低減に関する施策
- 5)工事の効率性向上による長期的コストの低減に関する施策
- 目標期間
平成12年度から平成20年度までの9年間
- 毎年、フォローアップを実施
公共事業コスト構造改革プログラムの概要
- コストの観点から公共事業のすべてのプロセスを見直すもの
- 見直しのポイントは、「事業の迅速化」、「計画・設計、管理の最適化」、「調達の最適化」
- 従来からの工事コスト縮減に加え、(ア)規格の見直しによるコストの縮減、(イ)事業の迅速化による便益の向上、(ウ)将来の維持管理費の縮減をも評価する「総合コスト縮減率」を設定
- 平成15年度から平成19年度までの5年間で、平成14年度比15%の総合コスト縮減率の達成を目標
- 各省庁ごとのプログラムを策定し、実施状況をフォローアップし、その結果を公表
4.縮減率の内訳
1)総合コスト縮減率(平成15年度(基準年:平成14年度))
文部科学省
平成15 総合コスト縮減率 |
工事コストの縮減※ |
事業便益の早期発現 |
将来の維持管理費の縮減 |
間接的な効果 |
合計 (物価下落除き) |
合計 (物価下落含み) |
文部科学省 |
2.2% |
0.0% |
0.1% |
0.2% |
2.5% |
3.7% |
- ※ 工事コストの縮減には、規格の見直し分が含まれる。
- ※ 四捨五入の関係で、0.0%となっている項目がある
政府全体
平成15 総合コスト縮減率 |
工事コストの縮減※ |
事業便益の早期発現 |
将来の維持管理費の縮減 |
間接的な効果 |
合計(物価下落除き) |
合計(物価下落含み) |
政府全体 |
4.9% |
0.0% |
0.4% |
0.2% |
5.5% |
6.7% |
- ※ 工事コストの縮減には、規格の見直し分が含まれる。
- ※ 四捨五入の関係で、0.0%となっている項目がある
注)縮減率は、平成14年度における標準的な公共事業のコストを基準とし、施策適用がなかった場合における仮想的な工事積算額と実際の積算額との比較により効果を計上している。
四捨五入の関係で数値が合わないことがある
2)工事コストの低減のこれまでの経緯
(平成9年度~平成14年度(基準年:平成8年度))
文部科学省
|
平成9年度 |
平成10年度 |
平成11年度 |
平成12年度 |
平成13年度 |
平成14年度 |
縮減率 |
実際の工事コスト |
2.6% 9.7% |
6.0% 1.7% |
9.5% 14.1% |
13.5% |
15.2% |
17.7% |
施策効果部分 |
2.3% 9.4% |
5.2% 0.9% |
7.5% 12.1% |
8.1% |
8.5% |
10.0% |
- 注1)縮減率は、平成8年度における標準的な公共事業のコストを基準とし、各年度毎に、施策適用がなかった場合における仮想的な工事積算額と実際の積算額との比較により効果を計上している。
- 注2)表中平成9年度から平成11年度の上段は文部省、下段は科学技術庁である。
政府全体
|
平成9年度 |
平成10年度 |
平成11年度 |
平成12年度 |
平成13年度 |
平成14年度 |
縮減率 |
実際の工事コスト |
3.3% |
6.5% |
11.6% |
15.6% |
17.9% |
20.6% |
施策効果部分 |
3.0% |
5.7% |
9.6% |
10.2% |
11.2% |
12.9% |
3)建設物価等の推移(対平成14年度)
|
平成15年度 |
企業物価指数(国内) |
マイナス0.6% |
建設物価 等の推移 |
建設資材 |
0.1% |
建設機械 |
マイナス3.6% |
労務単価 |
マイナス3.9% |
加重平均 |
マイナス1.4% |
企業物価指数下落を除いた 建設物価等の推移 |
建設資材 |
0.7% |
建設機械 |
マイナス3.0% |
加重平均 |
マイナス0.2% |
注)最下段の数値が、「間接的な効果」の実績(コスト縮減対策の対象となっていない労務単価の低減及び物価変動要因(企業物価指数の変動)を除いて推測したもの)