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国立大学法人等が寄附及びライセンス対価として新株予約権を取得する場合の取扱いについて(通知)

20文科高第260号
平成20年7月8日

各国立大学法人学長 殿
各大学共同利用機関法人機構長 殿

文部科学省高等教育局長
清水 潔
(印影印刷)

文部科学省研究振興局長
とく永 保
(印影印刷)

 国立大学法人及び大学共同利用機関法人(以下「国立大学法人等」という。)が、寄附又は特許等の譲渡若しくは実施権の設定等(以下「ライセンス」という。)の対価により株式を取得する場合の取扱いについては、「国立大学法人及び大学共同利用機関法人が寄附及びライセンス対価として株式を取得する場合の取扱いについて」(16文科高第1012号平成17年3月29日付け文部科学省高等教育局長・研究振興局長通知(別紙参照)。以下「17年通知」という。)等により連絡しているところです。
 今般、寄附又はライセンスの対価として新株予約権(株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。)を取得する場合の取扱いについては、17年通知等によるものに加え、下記のとおりといたしましたので、遺漏のないようお願いいたします。

1.寄附又はライセンスの対価として新株予約権を取得する場合

(1)寄附又はライセンスの対価として新株予約権を取得することについて

 国立大学法人等が、寄附により新株予約権を取得すること又はライセンスの対価として現金に代えて新株予約権を取得することは可能であると解されること(17年通知別添1.参照)。
 なお、ライセンスの対価による新株予約権の取得の場合、ライセンスの対価を現金で支払うことが困難な大学発ベンチャー企業等を対象として想定しているものであり、現金による支払いが可能な企業等について、現金に代えて新株予約権を取得することは、法の趣旨に照らして妥当な取扱いとは解されないこと。

(2)取得した新株予約権の会計処理について

 寄附又はライセンスの対価として新株予約権を取得した場合の会計処理については、国立大学法人会計基準に特段の規定がないため、公正妥当な企業会計の基準に準拠することとなること。その際、取得した新株予約権の時価が把握できる場合には、時価評価し資産計上するとともに同額を収益計上することとなり、当該新株予約権の時価が把握できない場合には、ライセンスの対価に見合う額を参考にすることとなること。ただし、時価及びライセンスの対価に見合う額のいずれも把握できない場合には、備忘価額にて資産計上することとなること。

2.新株予約権の権利行使を行う場合

(1)新株予約権の権利行使について

 国立大学法人等が、寄附又はライセンスの対価として取得した新株予約権を現金化する過程において、当該新株予約権の権利行使を行って株式を取得することは、国立大学法人法(平成15年法律第112号)第35条において準用する独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第47条における業務上の余裕金の運用制限の対象とはならないため、可能であると解されること。

(2)新株予約権の権利行使に要する経費について

 新株予約権の権利行使に要する経費は、当該新株予約権の現金化の過程における必要経費の支出であって、業務上の余裕金の運用制限の対象とはならないものであるため、当該所要額の支出は可能であること。
 また、この場合における当該所要額の支出については、議決権の行使など株主として株式発行元の会社の経営に参加する権利(経営参加権)などいわゆる共益権の行使を前提とするものではないため(17年通知別添2.(2)参照)、国立大学法人法第22条第1項第6号及び第29条第1項第5号に規定する出資に相当するものではないと解されること。

(3)新株予約権の権利行使の際の会計処理について

 新株予約権の権利行使による株式取得時の会計処理について、当該株式は有価証券の取得として処理され、当該株式の取得価額は、新株予約権の計上額及び権利行使時における払込額の合計額となること。
 また、当該株式の売却時の会計処理については、有価証券の売却として処理され、取得価額と売却価額との差額が売却損益となるが、当該取引に係る損益は、通常の有価証券の売却損益とは意味合いが異なるため、ライセンスの対価としての損益であること等、必要事項を注記などにより明らかにする必要があること。
 なお、上記1.(2)の処理も含め、これらの会計処理については、事前に会計監査人と協議されたい。

3.新株予約権の権利行使による株式取得後の留意点

(1)新株予約権の権利行使によって取得した株式の保有上の留意点

 寄附又はライセンスの対価として現金に代えて取得した新株予約権の権利行使により取得した株式の保有については、新株予約権の権利行使による株式の取得後、特段の事情なく保有し続けることは法の趣旨にかんがみ適切ではないことから、原則として、換金可能な状態になり次第可能な限り速やかに売却することが求められること(17年通知別添2.(1)参照)。

(2)新株予約権の権利行使によって取得した株式の株主としての権利行使上の留意点

 新株予約権の権利行使によって取得した株式の株主としての権利行使については、利益配当請求権や残余財産分配請求権等のいわゆる自益権を行使することは、特段の法令上の制約がないため可能であること。
 一方、議決権の行使など経営参加権等のいわゆる共益権を行使することは、国立大学法人等の業務の範囲を超えるものであり、原則認められないこと(17年通知別添2.(2)参照)。
 なお、この場合において、保有する株式の比率によっては、共益権を行使しないことによって、当該企業の経営に著しい影響を与える場合があることに十分留意すること。

[お問い合わせ先]

高等教育局国立大学法人支援課法規係
電話:03-6734-3760
研究振興局研究環境・産業連携課
技術移転推進室企画調査係
電話:03-6734-4075


(研究振興局研究環境・産業連携課技術移転推進室)