「産学官連携戦略展開事業(戦略展開プログラム)」実施機関一覧

3.知的財産活動基盤の強化 実施機関:19機関(17件)

人文社会系(人文科学、社会科学、教育、芸術等の分野)を含め、更なる知的財産活動を行う基盤の強化を必要としている大学等について、各大学等の特性、実態を考慮した効率的な運用体制の整備を図る。

実施機関名称 実施組織名称 採択コメント
室蘭工業大学
北見工業大学(PDF:1,031KB)
室蘭工大-北見工大・連携知的財産本部  両大学共に共同研究件数が比較的多く、また、中小企業や地域社会との連携の実績もあることから、知的財産に関する体制整備は重要と考えられる。また、小さな知的財産本部の構築とネットワークを活用した連携は、両大学の規模や位置を踏まえた妥当な事業計画となっており評価できる。
 ただし、両大学の連携によるメリットを明示的に示さなければ担当者間協力に終わる可能性もあるので検討が必要である。また、将来的には、連携により技術シーズの強化を行う研究開発プロジェクトからの成果の知的財産化と事業化シナリオを考える体制の強化が望ましい。
山形大学(PDF:422KB) 知的財産本部  「有機エレクトロニクス研究」などポテンシャルの高い大学であり、知的財産管理体制の確立は重要である。また、一元的組織体制の強化や「知財FD」の実施による人材育成など意欲的な取組は評価できる。
 なお、体制整備は意欲的であると思われるが、民間からのニーズの吸い上げやリエゾン的な部分をもう少し配慮するとともにマネジメントが実施しやすいよう、できるだけ単純な組織体制で実施するのが望ましい。また、今後は、山形県内にある技術シーズの掘り起こしのための機能充実や体制整備を期待したい。
お茶の水女子大学(PDF:330KB) 知的財産本部  女子大学としての特色をいかし、生活者、消費者の視点に注目した事業計画は、新たな産学官連携の可能性があり評価できる。
 今後は、他大学等の協力・連携を更に活用するとともに、知的財産人材として活躍している卒業生を組織的に活用するなど、恒常的な活動が展開できる基盤を構築することが望ましい。
浜松医科大学(PDF:589KB) 知財活用推進本部  小規模医科専科大学として、知的財産制度整備は比較的よく行われてきており、特許出願の狙いなどの戦略も明確で実現性があり評価できる。特に、医工連携は今後益々重要になると思われ、光と医学を融合した学際研究に軸足を置いた医工連携を期待したい。
 今後は、知的クラスター創成事業や21世紀COEプログラム等の大型プロジェクトへの知的財産活動の面での積極的な支援、推進及び広く学内に存在するシーズの発掘と育成を期待したい。また、連携で資源不足を解消しようとしている点は理解できるが、連携そのものをうまくマネジメントできる機能や人材の配置が重要である。
京都工芸繊維大学(PDF:398KB) 産学官連携推進本部  大学内の組織を一元化しワンストップ窓口を明確化するとともに、知的財産の市場性評価の機能強化を図るなど地域への成果還元を意識した事業計画となっており評価できる。
 今後は、学内組織の連携強化を図るとともに、伝統工芸と新技術を有する大学の特徴をいかした産学官連携活動を期待したい。
香川大学(PDF:468KB) 産学官連携推進機構 社会連携・知的財産センター  量的だけでなく、質的、実効的な知的財産管理の運用、体制整備が計画されており、特に、費用を節約して出願数を多くする努力やプロジェクトマネージャーの年齢層を変えるというアイディア、地域特性を踏まえたニーズの把握などの取組は評価できる。
 今後は、人文社会系に限らず、文理融合の利点をいかした取組も期待したい。
佐賀大学(PDF:381KB) 佐賀大学  アグリ、バイオテクノロジーに着目しての人文社会系学部に対する知的財産を掘り起こす取組であり、対象分野の絞り込みに伴う人員配置など評価できる。特に、TLO要員の歩合制給与の検討や地域産業支援センターとの人材交流などは、非常に積極的な取組で評価できる。
 全体的にバランスのよい、目配りの効いた事業計画であるが、今後は人文社会学系学部と知的財産活動を結びつける具体的な取組を期待したい。
大分大学(PDF:322KB) イノベーション機構  研究資源が豊富なため知的財産に関する体制整備は重要と考えられる。また、地域に根ざした産学官連携を軸に機能強化・人材育成を図る事業計画となっており評価できる。
 ただし、地域企業との連携がまだ手薄なため、今後は、本大学における中小企業との連携を支えている良い点やメカニズムに対する分析を行い、それを踏まえた対応を期待したい。
宮崎大学(PDF:563KB) 産学連携センター  農学工学総合研究科に足場を置いての、銀行を加えた「産学官金」連携体制や菌株、細胞株など研究成果を企業などに有償で提供する取組は評価できる。
 今後は、「産学官金」の連携体制を更に充実させ、ニーズの汲み上げから質の高い特許を生み出す研究開発への取組を期待する。また、医学分野での知的財産活動をはじめとする産学官連携活動や理農工との有機的な連携も期待したい。
静岡県立大学(PDF:788KB) 静岡県立大学  薬学、食品栄養科学分野の研究レベルが高く、グローバルCOEプログラムとの連携や臨床研究の利益相反マネジメントにも配慮した取組は評価できる。
 ただし、外部資金獲得と同時に地域の企業からのニーズの吸い上げやリエゾン活動にも注力するなど更なる戦略的な取組を期待したい。
青山学院大学(PDF:367KB) 知的資産連携機構 知財クリニック  知的財産をベースにしたオープンイノベーションのモデルケースである本事業計画は、独創的で知的財産マネジメントの先端を行く極めて興味深い取組であり評価できる。
 ただし、産学官連携活動自身が低調であり、事業計画がいきてくるか疑問があることから、ダイヤモンド薄膜関連事業以外の知的財産活動をはじめとする産学官連携活動の推進を期待したい。
創価大学(PDF:513KB) リエゾンオフィス  実効性のある推進・管理体制の確立、大型プロジェクトを基盤としたマネジメントや知的財産を核としたコンソーシアムの設立など、産学官連携強化のために必要な諸要素が盛り込まれた事業計画となっており評価できる。
 ただし、戦略が網羅的にあげられている一方、将来像の具体的な内容が不明確である。本大学の特色をいかし、限りあるリソースを有効活用するための選択と集中も必要と思われる。
同志社大学(PDF:922KB) リエゾンオフィス、
知的財産センター
 文系の知的財産活動をはじめとする産学官連携を強化する事業計画であり、同志社大学OBネットワークの活用や文系コーディネーターの育成などの取組は評価できる。また、著作権、商標にも意識をおいているところは、地域的な特色もとらえており評価できる。
 ただし、体制整備においては、なるべく権限を集中させるなど機動的な体制の構築を期待したい。
久留米大学(PDF:806KB) 知的財産本部  規模が小さい大学であるが、知的財産戦略が絞り込まれた事業計画は評価できる。特に、産業界のニーズにも意識をおいた取組は評価できる。
 事業計画の実施に当たっては、経験・実力あるコーディネーターの配置や学内の各センターや学外機関との有効的な連携を構築することが重要である。また、商学部研究者と学生による知的財産価値評価体制が機能するかどうかについては、適宜評価するなどして機能充実や体制整備を行うなど実効性のある取組を期待したい。
宮城工業高等専門学校(PDF:534KB) 東北地区高専知財実践・経営コンソーシアム  高等専門学校としての役割をきちんと位置づけた事業計画であり、地域におけるイノベーションセンターや現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)との連携といった地域に密着した取組は評価できる。
 東北7高等専門学校のネットワークをいかした地域企業との連携も効果的と思われるが、その実現に向けた事前の課題の抽出と対応策の検討が必要である。また、地域ニーズへの対応と事業化へ発展させる取組を期待したい。
東京工業高等専門学校
長野工業高等専門学校(PDF:1,548KB)
関東信越地区工業高等専門学校産学官連携知的財産基盤強化推進連合組織  関東信越地区工業高等専門学校の地域ネットワークを組織化し、両高等専門学校による人材育成のノウハウ等を普及しようとする取組は評価できる。
 今後は、高等専門学校のネットワークを実効性のある活動とするとともに、具体的な企業ニーズの吸い上げについても戦略を検討することを期待したい。
富山工業高等専門学校(PDF:1,537KB) 東海北陸地区高専の知的ゲートウェイ型連携組織  東海北陸地域9高等専門学校の連携により知的財産戦略の画期的展開を目指しており、二段階による体制の構築やゲートウェイによる知的財産の集中的な活用・付加価値増加などの取組は評価できる。
 今後は、高等専門学校間の連携をより効果的に機能させるため、連携する高等専門学校においても、本高等専門学校と同様に産業界で活躍する卒業生を任命するシニアフェローを配置し、全体として連絡調整を行い協力するなどの体制整備に向けた計画を立案することを期待したい。

 ※ 構想等調書は申請時のデータであり、役職者や研究費計画は変更されている場合があります。

お問合せ先

研究振興局研究環境・産業連携課技術移転推進室

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(研究振興局研究環境・産業連携課技術移転推進室)

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