量子ビーム

【祝・新元素発見】理研が113番元素の合成に成功!

 元素周期表
図:元素周期表(提供:理化学研究所)

 理研・仁科加速器研究センターの森田浩介准主任研究員らのグループが長年取り組んできた新元素合成の実験で、新たな成果が生まれました!
 2004年、2005年に続き、今年8月に3度目の合成とその新たな崩壊経路を確認することに成功しました。これは、新元素の発見の「確定」につながる成果であります。
 今回の合成は、実に7年ぶりの成功であり、実験開始からこれまで、元素合成のために原子を衝突させた回数は100兆回を超えます。森田准主任らの努力と忍耐の結晶と言える、すばらしい成果です。

 今回新たに確認された113番元素の崩壊経路とその時間経過
図:今回新たに確認された113番元素の崩壊経路とその時間経過(提供:理化学研究所)
113番元素は、合成されてわずか0.667ms(約1万分の7秒)で次の元素へと姿を変えます。またその元素も次の姿へ、と次々に姿を変えていき、わずか135秒の間に6回の変身を行います。

 そして、今回の成果により新元素の命名権が国際的に認められれば、元素周期表に初めて日本が命名する元素が載ることになります。日本そしてアジア初の元素への命名権獲得に期待しましょう!

【詳細は下記ホームページからご覧下さい】
3個目の113番元素の合成を新たな崩壊経路で確認(※理化学研究所へのリンク)

参考 理化学研究所仁科加速器研究センターについて

◆仁科加速器研究センターってどんなところ?

 埼玉県和光市にあり、重イオンビームを用いて新元素の合成や植物の育種等を行っている研究施設です。詳細は下記のホームページや動画を御覧下さい。

○仁科加速器研究所センター 一般向けページ(※仁科加速研究センターへのリンク)
○【動画】科学のフロンティア RIビームファクトリー(※サイエンスチャンネルへのリンク)

◆仁科加速器研究センターって最近どんな成果出しているの?

○重イオンビームで2つのサクラ新品種を作出 ―花の大きい「仁科春果」とぼんぼり咲きの「仁科小町」、9月末より販売開始―(※理化学研究所へのリンク)
 2つのサクラの新品種
図:開発された新たな2つのサクラ。左が仁科春果、右が仁科小町。(提供:理化学研究所)

○物理学史上、最も精密な理論計算値 -電子の磁気能率の大きさを1.3兆分の1の精度で決定-(※理化学研究所へのリンク)

お問合せ先

研究振興局基盤研究課量子放射線研究推進室

(研究振興局基盤研究課量子放射線研究推進室)

-- 登録:平成24年09月 --