量子ビーム

(4)どんな成果があるの?パート2

 2つ目は、物質や宇宙の起源に迫る、ニュートリノの実験について紹介します。
 2002年に小柴昌俊博士がノーベル物理学賞を受賞した研究対象は「ニュートリノ」でした。ニュートリノは、宇宙をたくさん飛び交っていますが、ほとんど物質にぶつからずに通り抜けてしまいます。そのため、観測が難しく、その性質が良く分かっていない謎の粒子です。J-PARCでは、この謎を探る壮大な実験(T2K:Tokai to Kamioka実験)を行っています。
 T2K実験では、岐阜県にあるニュートリノの観測装置「スーパーカミオカンデ」に向けて、J-PARCで作り出したたくさんのニュートリノを送り出します。ニュートリノは、地球の中を通り抜けるうちに、違う種類のニュートリノに変身します。その変身をとらえることで、ニュートリノの謎に迫ります。
 平成25年7月、世界で初めてミュー型ニュートリノが電子型ニュートリノへ変化する「電子型ニュートリノ出現現象」が存在することを示す決定的な測定結果が得られました。引き続き研究を進め、物質の根源の謎を探っていきます。

J-PARC で行う「T2K」実験のイメージ画像。

図:J-PARCで行う「T2K実験」(イメージ)

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(5)J-PARCのこれから

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-- 登録:平成24年02月 --