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量子ビーム

(5)どんな役に立っているの?

 量子ビームとは何か、何ができるか、どこで使えるのかを見てきましたが、ではそれが実際にどういった役に立つのかを紹介します。
 イネにビームを当てて塩害に強いイネを生み出したり、詳しい構造を調べて鉄の5倍強いプラスチックを作ったり、小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」から持って帰って来たとても小さい物質を分析したり、ある素粒子の振るまいを調べてノーベル物理学賞受賞に貢献したり。本当に「夢みたいな話」のように思えますが、実は先ほど紹介した量子ビーム施設で既に実現されている研究成果です。
 またこの他にも、警察の犯罪科学捜査(和歌山毒物カレー事件の毒物鑑定:平成10年)、マスクのフィルターの開発(ウイルスを通さないフィルター:平成11年)、新元素の合成(113番目の元素の合成:平成16年)など、ここで全てを紹介できませんが、生活に身近なところから、夢のある壮大な実験まで、様々な分野で量子ビームは活躍しています。

 水の25%の塩分で育つイネと枯れている既存品種。

炭素のイオンビームをイネに当てて、塩分を多く含む土地で栽培できる新種のイネを生み出す※1

 新プラスチックの強さの秘密である鎧モデル構造。

プラスチックの新しい構造をナノレベルで観察して同じ重さの鉄の5倍強いプラスチックを作る※2

 イオンビームで輪切りにされた微粒子。

小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ってきた小惑星「イトカワ」の微粒子を分析※3

 B 中間子と反B 中間子の寿命。

B中間子と反B中間子を観察して、振るまいがわずかに違うことをつきとめてノーベル物理学賞受賞に貢献※4

※1 理化学研究所がRIビームファクトリーを使って平成18年に作成
 (図:海水の25%の塩分で育つイネ(右)と枯れている既存品種(左)/提供:理研)

※2 広島大学がSPring-8での観察をもとに平成22年に開発
 (図:新プラスチックの強さの秘密である鎧モデル構造/提供:広島大)

※3 平成23年から複数の大学・機関によりKEKやSPring-8などで分析開始
 (図:イオンビームで輪切りにされた微粒子/提供:岡山大・JAXA)

※4 KEKBで実験が行われ、平成20年の小林・益川氏のノーベル物理学賞受賞に貢献
 (図:B中間子と反B中間子の寿命/提供:KEK)

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(6)今後どんな役に立つの?

お問合せ先

研究振興局基盤研究課量子放射線研究推進室

 

(研究振興局基盤研究課量子放射線研究推進室)