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ITER(イーター)計画推進検討会(第3回)議事録・配付資料


1. 日時
  平成17年9月28日(水曜日)13時~15時

2. 場所
  科学技術館6階 第1会議室

3. 議題
 
(1) ITER(イーター)計画推進検討会(第2回)議事録について
(2) 我が国で実施すべき幅広いアプローチのプロジェクトについて
(3) その他

4. 資料
 
資料1   ITER(イーター)計画推進検討会(第2回)議事録(案)
資料2 我が国で実施すべき幅広いアプローチのプロジェクトについて(案)

5. 出席者
  有馬座長、高村委員、田中委員、松田委員、本島委員
(オブザーバー)
吉田科学官、山田学術調査官
(事務局)
森口研究開発局長、木谷審議官、藤木審議官、板倉核融合開発室長

6. 議事概要
 
(1)  ITER(イーター)計画推進検討会(第3回)議事録(案)について
 資料1に基づき事務局から説明を行い、議事録について委員会の了承を受けた。

(2)  幅広いアプローチについて
 資料2に基づき事務局より、我が国で実施すべき幅広いアプローチのプロジェクトについて説明を行った。質疑応答は次のとおり。
田中委員) いろんな論点が箇条書きされているが、最終的にはこの形を報告書としては想定しているのか。

板倉室長) これを特に補充するのではなくて、箇条書きのスタイルのまま報告書として完成させたいと考えている。

松田委員) 2ページのサテライトトカマクの記述について、本体改修の6年が終わってから、さらに機器調整・整備に6年かけるという意味ではなく、ある時期オーバーラップしてという理解でよいか。

板倉室長) 前回、菊池委員の方から御説明いただいた資料にも、オーバーラップするような形で説明があり、我々の理解としてはオーバーラップするという前提。

高村委員) 日欧交渉と本検討会との関係で、どれくらいのスパンで最終的な内容固めをするのか。また、国内の核融合研究者からの意見聴取という文言があるが何か具体的な考えがあるのか。

板倉室長) 日欧の協議は、ITER(イーター)機構設立のための国際協定の協議と同時並行で行っている。ITER(イーター)機構設立のための国際協定、6極による協定については、今のところ、年内交渉終了を目途に進めているので、日欧の幅広いアプローチについても、同じタイミングを目途としている。ただし、6極の方の協定のスケジュールが、交渉の内容によって若干流動的であるため、それに連動して流動する。いずれにしても、ここ数か月ないし半年ぐらいを目途に考えている。

高村委員) それに応じて、日欧の交渉の途中段階でもこの検討会を開くということもあり得るのか。

板倉室長) 今のところ、交渉の内容を逐次ここで御議論いただくということは考えていない。最終的にある一定の形ができ上がった段階で御報告をするということになると思う。コミュニティからの意見聴取については、ブローダアプローチを具体化する際、毎年の予算要求の過程で一つ一つまたプロジェクトの内容を詳細に詰めていくことになるため、ここ一、二か月というような短期スパンではなくて、比較的長いスパンで、核融合コミュニティの方からも意見をお聞きできるような形で場を設けていきたい。

田中委員) 午後2時頃に退席するため、先に発言させていただく。全体的にはいろいろな難しい議論を行った結果をよくまとめていると思う。その上で、炉工センターの重要性についても触れるとともに、アジア地区でのセンターであるということで、特に中国、韓国との間で炉工センターを有効に使っていっていろんな研究ができるということは良い。次に、サテライトトカマクのことで、5ページ目のところで「装置の整備」とあるが、例えば2ページのサテライトトカマク装置の第1パラグラフで、「ITER(イーター)を補完する研究」となっている。整備が研究を含むのか、研究が整備を含むのか、もっとはっきりしておいたほうが良い。その次に、材料照射装置関係について、私の理解したところでは、加速器の一部についてはどこかのセンターで行うが、炉工関係の様々な研究については、センターで一括して行うのではなく、別の形で行うという説明だったかと思う。その場合、3ページ目の真ん中あたりに、「工学設計活動は」云々というのがあって、「センター活動の一環として実施」とあり、これは広く解釈すれば良いとしても、「スケジュールとしては、同センターの研究棟が開始しだい開始」という点が、先ほど述べた点とマッチしないと思われる。次に、2ページ目の一番上について、設計・調整センターにおいて、各国で検討されている次世代の何々設計を評価し、「統一的な概念設計」とあるが、何かもう世界でここが統一的、代表的なことをするように見えるため、果たしてそれでいいのかどうか疑問。

板倉室長) まずJT60の運転期間との関係について、前回菊池委員に説明頂いた資料に基づけば、最初の6年間で本体建設をし、残りの2年間は機器調整・整備と重なっている。機器調整・整備も6年間で、同じく2年間だぶっているのでトータル10年の中にちょうどおさまるという説明だったと思う。その機器調整・整備が単に調整・整備だけではなくて、実際にはそれを半分運転しながら行うため、その過程でいろんな補完的な研究ができるのではないかとの理解でこの案を作成している。もし必要であれば松田理事のほうから補足を頂きたい。それから、IFMIF(イフミフ)については、炉工学の一部を別に行う可能性がある。これは今回示した議事録にも書いているが、松井先生のほうからは、例えば液体リチウムの取り扱いについては、場合によっては既存の大洗の研究施設を活用することもあり得るのではないかという私見が述べられていた。御指摘の点はその点だと思うが、あくまでも実験の場所は他で行う可能性があるということであるが、設計活動の主体的な部分はこの国際核融合エネルギー研究センターで行うという趣旨でこのように書いた。それから、あとは原型炉の統一的な概念設計を確立するとの記述について、これはそういうことを目指してということであるが、ほかの活動を除外するというものではないので、当然のことながら、関係の研究機関、大学などとも連携しながら、さらには、炉型を選択するに当たってはいろんな議論もあると思うので、そういったところとも連携を図って研究を進めていくということを想定している。

松田委員) 今、田中先生がおっしゃった件に関係して、確かにJT60のこの5ページの表現だと整備だけと読まれる人が多いかと思うので、「整備と研究」とか何か、そういう方がいいのではないかと思う。実験も入らなかったら、当然、ヨーロッパは合意するはずないし、実験があるからこそ機器整備もやるのだと思うので、そういう意味では、文言を追加したほうが誤解がないように思う。サテライトトカマクのところは、5ページの最初の丸のところで「以上のことから、サテライトトカマク装置の整備を幅広いアプローチの」と書いてあるが、サテライト装置の「整備と研究を幅広いアプローチのプロジェクトとして実施すること」に直せばよい。それから、2点目の概念設計をやはり「統一的な」というのはやや私もひっかかる。概念設計の段階というのはいろんな可能性を追求して、こういう概念だとこういう問題点がある、こういう概念だったらこういういいところもあるけどという、その長所短所の評価をやるようなところが意義があると思うので、それからさらに進んでいって世界で一基をつくる場合には統一的な設計を求める形になるので、そういう意味ではちょっと「統一的」というのは限定的過ぎるので、もう少し幅広く読める言葉のほうがいいという気がする。

高村委員) これは事務局のほうでまとめられているが、大変精力的にいろんな意見を取り入れながらまとめられたということで敬意を表したい。素案の段階で私が幾つかコメントした点についても、かなり取り入れてもらっている。その上で申し上げたいのは、4ページの「各プロジェクトに対する考え方」のところで、これは多分なかなか難しいと思うが、核融合研究開発というのは長期的な課題であるということを勘案すると、今回の検討対象というのは、DAとして建設期間中というある限定された期間ではあるけれども、研究の継続性というキーワードを入れていただくのが望ましい。財務省との関係もあると思うが、何らかの形でその言葉が入らないかなと思う。

板倉室長) 幅広いアプローチは、10年間については920億円という枠があるが、その後、実際の10年間終わった後どうするかという議論は実はまだ検討中である。

有馬座長) 高村先生の指摘のとおり、連続性は考えてほしい。

本島委員) 委員会での2回の審議の結果が十分に反映されていると思う。あとは、いかに遅滞なく実施するかというところの表現的なもので、工夫できるところはやはり今日の意見として付けて頂くとか、そういうことが必要になると思う。

有馬座長) 今日は大学の先生が3人いらっしゃるが、この計画について研究者は皆これで了解されるのか。現場の研究者の方たちはこれに大いに関心を持っておられ、その集約を文科省の方でもやっておられるかもしれないが、この検討会では、やはり各先生方が現場の研究者の代表者として入っておられて、その現場の意見を聞いておられると思う。田中先生も高村先生も大丈夫ですか。

本島委員) 幾つかの例を申し上げたいと思う。私どもの分野では、核融合にネットワークを持っており、そこでサイエンスの部分と工学の部分の2つの大きなネットワークがある。そこでの議論というのは、時間的にはもちろん限られたところがあるが、特に研究をリードされておられる先生方を中心としての議論というのは必要なレベルではされている。もちろん、意見はスペクトラムがあるので、いかにまとめていくかということと、できることとできないこと、これは非常にクリアな点があると思うので、そういう観点で大きな枠組み、この議論の枠組みというか境界条件は御理解いただけているのではないかと思う。この点については、やはり特に高村先生は学会長もされているので、そういう観点で意見をお願いしたい。

高村委員) 本検討会の1回目、2回目についても、核融合フォーラムと、それから、本島先生がおっしゃったネットワーク、そこで特に文科省のWebサイト等を見ていただいて、それで、それに対していろんな意見を出してもらうということをやっている。もちろん、文字通りスペクトラムがいろいろあるということと、それから、まさに本島先生がおっしゃったように、できることとできないことということがあるので、そういう観点からある程度私なりの考えで採用して、ここでもそういう意見を取り入れる形で発言させていただいたこともある。それから、日本原子力研究所の核融合研究委員会というのがある。ここでは30名ぐらいの方が、特にJT60を中心とした原研の活動に関するアドバイザリーみたいなものだけれども、そこでもブローダアプローチについて時間をとって、いろんな意見交換をした。その後、BAに関するいろいろなプロジェクトを採用するに当たっての判定条件といったらちょっときつい言い方になるが、そういうものを少し出してもらい、メール等でプラズマ関連の主導的研究者の方々とやりとりしたということがある。なかなか難しいが、そのような形で、機会あるごとにコミュニティの多様なチャネルからいろんな意見を取り入れていくということは大切じゃないかなと思っている。例えば例を申し上げると、遠隔実験センターについてはかなり厳しい意見があって、本当にちゃんと機能するものができるのだろうかとの指摘がある。例えば10年後にはIT技術というのが非常に発達している。各研究所がそれぞれセンターに相当するものになるのではないかというような話もあった。ただし、ここで議論したように、そこが実験条件を設定して安全を確認して、それで、オペレーションできるということではやはり性格が違ってくるのが1点と、それから、遠隔実験センター、ここにも相乗効果ということも触れられているけれども、センターとしての役割、それから、シンボリックな意味での役割、そういうことをいろいろ勘案すると、やはりそれは一定の意味を持つのではないかと私は判断して、特に遠隔実験センターは意味がないという意見は必ずしも取り上げないというか、強く申し上げなかったという、例えばそういうような議論が背景にあったということを知っていただければと思う。

田中委員) 短い期間ではあって、本当に十分に意見を聞けたかどうかについてはやや心配な点もあるが、短い時間の中でそれなりに意見が聞けたと思うし、そういう様々な炉工学関係の先生方、あるいは、研究者の御意見も含め、私が発言したこともあるし、また、私の研究の半分ぐらいは燃料サイクルとか高速増殖炉とか、原子力全体のことをやっているので、そういうふうな方々からの御意見なんかもここに反映させていただいたところである。ITER(イーター)がフランスに決まり、なおかつ、原子力の研究開発をめぐる予算がどんどん厳しくなっていく状況の中で、本当に核融合研究者が核融合炉の21世紀の中段あるいは後段のある時期に実現に向けて、どれだけ意識があるのかというと、ややその辺の考えが最近薄まってきているのが心配。そういう観点で、いろいろな議論の中で、やっぱり21世紀の後半の時期には核融合炉が候補の一つとなっていくためにも、この研究をしなきゃいけないんだということを理解してもらいながらいろいろ意見を聞いた。

松田委員) どういう視点でこの議論をするかというところについて、3ページの3.のところで、選定の基本的な考え方として、ファーストトラックと同じような考え方だと思うが核融合エネルギーの早期実現の視点、並びに、「我が国で幅広いアプローチを実施することにより、ITER(イーター)を通して、かつ原型炉に向けて我が国の実力が発揮できる」という視点が書かれている。そういう視点で見ると、最後の4ページの下の原型炉に向けての研究開発がはっきり読めない。例えば、1のところに「サテライトトカマク装置は、ITER(イーター)における試験研究を効果的・効率的に行い核融合エネルギーの早期実現を図るという視点から意義がある」と書いてあるが、このまま読むとITER(イーター)だけと読まれる危険性があるので、後のほうの「核融合エネルギーの早期実現を図る」を「効率的に行うとともに、原型炉における核融合エネルギーの早期実現を図る」とか、そういうふうにすると非常にはっきりと目的がわかると思う。1ページの丸ポツのサテライトトカマク装置というのは今ある装置というものを念頭に置いたのではなくて、新たなプラズマ実験装置という視点で書かれているので、そういう意図とも合致する。それから、このセンターは日本に作られる。最後は幾つかのプロジェクトが選ばれるのだと思うが、その意義は何かというと、ITER(イーター)はカダラッシュにつくられたが、日本に作られるものは、ITER(イーター)の先まで見据えて行う研究を総合的に行うというのが一番強いメッセージ。そういう構成で見ると、幾つも選ばれたという印象を与えるのではなくて、そういう考えで選ばれているというストラクチャーの方が分かりやすいのではないかという気がする。そういう意味では原型炉を引っ張っていくのはやっぱりデモの設計研究開発調整センターだと思う。そこがコーディネーションの役割をしながら、一方ではITER(イーター)のデータを取り入れて設計なりR&Dに反映させる。それから、そういうR&Dの中にはIFMIF(イフミフ)みたいな大きなものも入ってくると、サテライトトカマクからのデータも吸い上げて設計に反映させる、何かそういう構成上の図が1枚あると非常にわかりやすいという気がする。そういう意味では、IFMIF(イフミフ)というのは非常に大きいから、それ単独で判断されているのはいいが、構成としては、核融合エネルギー研究センターの中に含まれるほうが分かりやすい気がする。それから、もう一点、細かいことだが、2ページの3番目の丸に、「また、核融合計算センターのスーパーコンピュータは開発済みのものを調達する」とあるが、その上の丸は計算センターのスパコンについて言っているので、わざわざ丸で挙げるのではなくて、続けた文章にしたほうが分かりやすいと思う。

板倉室長) 御指摘のとおり修正させていただく。

山田調査官) 有馬先生の御懸念であったコミュニティからの合意については、私自身は何を選ぶかということについてはそれほど大きな異論はなくて、それよりもどのようにやっていくかという点で、不満が出てくる可能性はあると思う。それに対して幾つか書き込んでいただいている点があって、4ページの上のほうから、例えば「国内の核融合研究者等からの意見も聴取し」云々のところと、あと、その下のなお書きの点あたりで、文部科学省という立場から書いていただいていると思うが、2つの懸念を申し上げたい。上の点で、「国内の核融合研究者等からの意見も聴取し反映に努める」と書いてあるが、やるのは私であって、核融合研究者から話を聞いてあげようというこれは表現になっている。しかし、実際、どのようにやるかと実施するのは核融合研究者だと私は信じているので、そのあたり、ちょっと立場の違いで文部科学省としての報告書としてはこうなるのかなということも理解はできるが、そこが気になった点である。もう一つ、その下にある「オールジャパンで」という点について、これは吉田先生とよくお話しして二人で心配している言葉だが、有馬先生には、必要条件と必要十分条件の違いというのはよく御理解いただけると思うのだが、オールといった場合、これは必要であるということは間違いないと思うが。

有馬座長) その前に私の方からコメントがある。オールジャパンなんて言わなくたっていいのではないか。スポーツか何かみたいに、全日本でもいいのではないか。なぜスポーツ新聞みたいな書き方をするのか。

山田調査官) その「全」でもよろしいが、その「全」と言った場合、こういったことをするということは必要条件であるということは疑いないが、「全」を必要十分条件ととられ、これをやれば済んでしまうとなると、この「オールジャパン」という表現は危険だという少し懸念を感じる。

有馬座長) でも、ここの文章は素直に読んで、ここでやる施設を利用することは、全日本のすべての研究者は平等に使えますよということを言っているわけで、各大学、各研究所でまた別個にやっている研究については、また別の話ではないか。

山田調査官) おっしゃるとおり。そうするとすべての方がそうとっていただければ私は何も申し上げることはない。

高村委員) 私も有馬先生と同じで、活用できるという表現になっているので。少なくともここに関して、この文言に関してはいいんじゃないかなと思う。

松田委員) 今の御議論というのは、排除するものではないという理解をすれば良いのではないか。要するに、研究というのは一方では競争。競争にアプライするのはだれもができる。しかし、結果として平等に割り振られるのではない。それはいろんな委員会がつくられて、この研究プログラムは重要だねとか、そういう重要度の判断をされて割り振られるわけ。そうすると、その結果として、ある人は提案したけれどもできなくなる場合もある。要するに、重要なのは、アクセスする権利がありますよということじゃないかと思うが、それでよいか。

山田調査官) 私が申し上げたかったのはそのことではなくて、この「オール」という言葉のとり方。

吉田科学官) 今、山田先生から大体要点を言っていただいたと思うが、二点だけ別の観点から述べたい。まず、3ページに「基本的考え方」の記述があって、1)に核融合エネルギーの早期実現、2)に我が国のプレゼンスが高まるということとある。この2つが重要であることはもちろんだが、2つが同じことを導出しないということが厳しく見ればどうしても起こりうる。早期実現というのはある意味で理想論だが、2)に書いてあることは、どちらかというと戦略論だ。この報告書にまとめている内容は基本的には戦略論。特にITER(イーター)、ブローダアプローチを輔弼する原研が責任を持ってやっていく戦略として大変妥当なものになっていると思う。しかし、同時に核融合エネルギーが早期実現するための理想論を、研究者コミュニティーをあげて真摯に議論する必要がある。例えば、ある部分がボトルネックになっているとか、ある部分が弱いとか、そういうところを頑張っていかないといけないといったときに、国際戦略としては優先度が下がるというのでは、やはり困る。せっかくこういった委員会が設置されているので、1)の早期実現ということについて、広く専門家の方の意見を聞いて検討することも大事だ。田中先生が懸念を御発言になったが、工学設計の部分が少し遅れ気味になっていると思う。それからもう一つ、第1回、第2回でも何度か触れられたポイントだが、これは大きなプロジェクトであるから、単に国際的ということではなくて、学際的にも注目を浴びて、学問全体に資する牽引力になることが非常に重要だろうと思う。文部科学省が推進するプロジェクトであるから、広い学術分野の方々、とくに物理学、材料科学、計算科学などと十分に交流し議論しつつ進めていくべきだと思う。これは、第一義的には現場の研究者のアクティビティの問題だけれども、行政としては、どんな施策をするともっと活性するかをいろいろ工夫していただきたいと思っている。

有馬座長) ありがとうございました。では、私から幾つかお聞きしたいと思う。原子力予算というのはずっと減ってきているが、原子力特会の今後の動向はどうなるのかというところを一つまずお聞きしたい。核融合もその中に入ってくると思うが、今回のブローダアプローチと直接・間接に関係する原子力総予算、特別会計は一体今後どうなるのか。

森口局長) 原子力予算は御承知のとおり、いわゆる電源特会、電力の料金から一部徴収した中で行われているいわゆる利用勘定というのがあって、この原子力の一部をまかなっている。これまでの動向として、まず電源特会の方は、電気料金の一部を定率というか定額で収集しているものであるから、この規模はひとえにどれだけ国民の方が電気を使うかということになるわけだから、今までの傾向としては、ほぼ横ばい、ないしは、年度ででこぼこしているけれども、ほぼ横ばいぐらいとなっている。一般会計のほうは、御承知のとおり、非常に国の予算が厳しい状況で減になってきているという状況である。したがって、両方足すと、結果的には一般会計の減が効いてきているという状況になっている。核融合研究については、これは従来、日本原子力研究所の部分については一般会計でやっている。もちろん、大学等の研究についても一般会計でやっているという状況であるので、今後ITER(イーター)がスタートするにしても、やはりこれは基本的には一般会計の予算でやるということになろうかと思っている。一般会計のほうは御承知のように非常に厳しい状況なので、これまでは工夫としてなるべく発電にかかわるもので一般会計で従来見ていたものが、フェーズが進んだので特別会計でやれるものは特別会計に移して、それによって一般会計のほうに多少すき間ができて、そういう中で一般会計の仕事をやってきた、そういう状況にあるので、その傾向は今後も変わらないと思う。

有馬座長) ヨーロッパの人たちは、このブローダアプローチに対して要望を持っておられると思うんですね。我々は直接ヨーロッパの人たちと直接協議をしてやったわけじゃないけれども、ヨーロッパのほうの希望というのがあるんじゃないかと思う。例えば、ローエン・スミスあたりからIFMIF(イフミフ)のことを盛んに聞いてくる。それから、今はIFMIF(イフミフ)の話を申したけれども、一般論として、ヨーロッパの人たちと我々日本側の研究者は、今後どこでどう協議をしていくのか。ここで勝手に決めてしまっていいのかどうか。どこかでヨーロッパとのすり合わせがあるはず。これはどの段階でやることになるか。それが第2問。

板倉室長) ヨーロッパからの要望に関し、今、有馬先生がおっしゃったように、IFMIF(イフミフ)についてヨーロッパは非常に高い関心を持っている。これはファーストトラック、核融合を早期に実現するという観点から、ITER(イーター)と並んでIFMIF(イフミフ)の重要性をヨーロッパ側は非常に強く認めている。しかし、ヨーロッパ自身はサイト交渉の過程でも、IFMIF(イフミフ)の建設そのものはヨーロッパでやる用意があるということを何度か言っている。また、ITER(イーター)建設期間中の10年に関しては、この時間を無駄にすることなく、できればブローダアプローチの中で、IFMIF(イフミフ)の工学設計、すなわち、建設の一歩手前まではここでやるのが望ましいという希望は述べている。あとは、今お示ししたブローダアプローチのプロジェクトの中では、特にシミュレーションについては非常に高い関心を有していて、核融合専門のこのようなシミュレーションができるスーパーコンピュータができれば、これは非常に核融合全体にとって意義があると。もちろん、これはヨーロッパからもアクセスできるわけであるので、これについては高い期待を表明している。また、欧州との今後のすり合わせ、特に学術コミュニティを交えたすり合わせについても、ヨーロッパとの協議の中では、まさに有馬先生がおっしゃったスミス博士なども協議の場に参加したりしていて、そういう意味では、ヨーロッパ側はコミュニティの意見を反映しながら我々との協議に臨んでいる。そういう意味では、我々もこの検討会の報告書を、しかるべき段階でヨーロッパにきちんと示した上で、これは日本の核融合コミュニティの意を踏まえたものであるということで、向こうにぶつけていきたいと考えている。

有馬座長) 今後このプロジェクトについてこの検討会としての意見が出ますよね。これは、この検討会の意見でかなり裏側には日本の研究者の意向が入ってはいるが、ヨーロッパの人たちと必ずしも完全に意見が一致するとは思えないところもある。例えば重点をここに置いてくれとヨーロッパは言うかもしれないし、ある場所に置いてくれというかもしれない。そういうことに関して、今後、我々としてはこういう案をつくったけれども、欧州とのすり合わせの結果、多少の変更があり得ると考えておいたほうがいいのか。それとも、もうこれはきちんと決まったものだという進め方をするのか。

板倉室長) その点については、事務当局としては、今回のこの検討会の報告書を踏まえて、これが日本側の総意であるということを明確に向こうに伝えたいと考えている。もちろん、この後、文部科学省としてプロジェクトの選定をするわけだが、その結果を向こうに提示することになろうかと思う。この後、さらにもう一回白紙に戻してとか、もう少し立ち戻って議論するということは今のところ考えてない。また、技術的レベルでの議論については、まずはサテライトトカマク、それから、IFMIF(イフミフ)の工学設計については、具体的にどういうものがあり得るのかという検討を開始している。

有馬座長) 技術的には良いが、資金規模について、例えば数百億規模ということが書かれている。これに対して、ヨーロッパと一緒に議論し始めたらば、例えば、計算センターをもっと金を出せとか、そういうことはあり得ると思うが、その政策決定というか、そういう決定は、日本側だけでやれるものではないのではないか。

森口局長) 先の合意のときに、少なくともブローダアプローチの何をやるかということについては日本側がイニシアチブをとって決められるということになっているので、そこはその合意に従ってやれていくものだと思っている。ただ、何度も議論があったように、具体的なその中身はもちろんヨーロッパもやはり半分お金を出すわけだから、そういう中身の詰めは当然今後やっていく必要があるが、今回まとめられた基本的な項目については、我々としてはやっていけるものだと思っている。強いて言うと、ほかの4極もあるわけで、それに絡む分が若干あるため、それについては今後さらに関係者と話をしていかなきゃいけないと思うが、原則としては、今回御提案いただいた項目について、これは我々として最終的に決めれば、これはやれるものだと思っている。

有馬座長) それから、一番私が気になるのは、原研のJT60に今までの投資が非常に大きなものがあるところに、多少ヨーロッパからのお金又はものが入ってくる。そのことによって、原研の主体性というのはどこまで保てるか。例えば、マシンタイムの割り振りの上で考慮されると伺っているが、それはそれで良いか。

松田委員) そういう考えで、もともとこの計画というのは国内計画でやってきていて、国内コミュニティの研究をまずやるというのが前提。一方、ブローダアプローチになると、ヨーロッパのやりたいことというのは、それはまだはっきりとは読めないのだが、そこでやっぱり一番現実的な方法はマシンタイムで割るというのが非常にすっきりしたやり方で、そうすれば双方の投資に対し実験もできるということで、満足できるんじゃないかと考えている。欧州の研究リーダーあたりとのインフォーマルな意見交換では、そういう考えは理解できるというような感じだった。

有馬座長) セルンの場合は、測定器を中心に、日本が随分手伝っていた。測定器を中心に手伝えば、それは非常に物理がはっきり分かれているから、そこの物理のこの測定器はこういう目的のためだよと言えば、マシンタイムはビームの部分をもらうけれども、測定自身は独立してやれる。だけど、私がちょっと気になるのは、今度のJT60のレベルアップの場合には、皆が使えるかなりの部分がヨーロッパからも入ってくるんじゃないかと思うが、その辺はどうなのか。

松田委員) それは調整ができると思っている。実験をやる場合も、運転員というのは現在だと原研の運転員の人たちがやる。そこからデータを計測計とコンピュータで取り込むので、マシンタイムさえ確保できれば、いろんなデータにはアクセスできるし、そういう意味では問題はないんだと思う。

有馬座長) 持ってきたものをJT60のレベルアップの中に埋め込んでいく上でのマンパワー等は必要。これはヨーロッパが入ってきてやってくれるのか。

松田委員) それはケース・バイ・ケースで調整が必要になると思うが、装置への取りつけそのものはやはり原研のほうがやらないと、ほかの機器を壊したりとか、そういうのがあるから。そういう点ではやはり協力して調整するということになろうかと思う。

有馬座長) 今細かいことを申し上げたのは、もうちょっと後ろにある大きな問題が気になっているため。まず、ブローダアプローチ全体は組織体としては何になるのか。特殊法人や独立行政法人作ることはとても不可能な時代。しかし、ここは非常に国際的な機関なので、純粋な国際機関というものをどうやって新しい組織体としてつくれるんだろうかという疑問がある。そうしたら、国際性を持った機関をどういうふうに、例えば原研なら原研の中に入れ込んでいくのか。それはいまだかつて日本にはなかったと思う。だから、それは具体的にはどうやるのか。国際性を十分保たせながら、国内の機関で運営していくということは本当にできるんだろうかという質問である。それが一番大きな問題。その上で、JT60の運用は、そのブローダアプローチ全体の国際機関の中でどういう地位を占めるのか、特に原研との結びつきが非常に強いところはどうするのか、それから、2本立てにするのか、1本でいくのか。その辺について、もしお考えがあればお聞かせいただきたい。

板倉室長) 事務局からお答えする。幅広いアプローチの実施の形、対応については、欧州側と協議をしていく過程で具体的に検討していくものだと考えてあって、そういう意味ではまだ決まった考え方はない。ただ、このブローダアプローチについては、サテライトトカマクや国際核融合エネルギー研究センターなど、いずれもかなり大規模な施設・実験装置の維持・管理を行うこと。また加速器も使う可能性があるので、そういった意味からいえば、安全規制の対象にもなり得る。そういったことを勘案すると、ITER(イーター)機構のような国際機関を新しくつくるというのはあまり現実的ではないのではないかと私は思っている。そういう意味では、ITER(イーター)を支える極内機関、各6極がそれぞれ国内にITER(イーター)を支える極内機関というのを作るわけであるが、それはおそらく新しくできる日本原子力研究開発機構になろうかと思うが、それと同じように、幅広いアプローチについても、その実施主体については、同じ極内機関を担う新法人が、ブローダアプローチについても担うというのが、制度としてはシンプルであり、かつ、現実的ではないかと考えている。他方、この新法人、日本原子力研究開発機構は、私が聞いている限りでは、施設の維持管理のようなアドミニストレーションの部門と、それから、研究プログラムをマネージする部門、2本柱の組織体制にすると聞いているので、そういう意味では、この幅広いアプローチの実施に当たっては、施設の維持管理をする部門でしっかり管理するとともに、この研究プログラムを管理する側に、国際的な考え方を反映する部分の場を設ける。具体的には日本とヨーロッパの協同の運営委員会のようなものを設けるとか、そういうような形にして、研究プログラムの実施、すなわち、実際に実験施設ができた後、それをどういうふうに研究者に開放していくかという問題について、日欧協同で運営していくというようなことができるのではないかと考えている。いずれにしても、この形については、今後ヨーロッパとよく調整し、また日本国内でも十分調整をして考えていきたいと思っている。もし、松田理事のほうから補足があればお願いしたい。

松田委員) ヨーロッパの立場というか、彼らがよく言っている言葉を使うと、国際機関的役割を担うわけことになる。そうすると、オーガニゼーショナル・インディペンデンシーを非常に強く求めるから、原研の中にすっぽり入ってしまうというようなのは多分受け入れられないと思う。

有馬座長) そのことに対して非常に心配している。

松田委員) そうすると、ファンクションとしては、インディペンデンシーが保たれるような形をつくらないといけないと。それをどういう形でつくるかという場合に、国際機関をつくれば一番シンプルで単純だが、一方それはまた難しい問題がある。そうすると、既存のリーガル・エンティティを使いながらという形になると、一つのスタイルは、ITER(イーター)のEDAのスタイル。それは所長を置いて中央チームというのが組織されるが、今度の場合、それと違うのは、大きな資金が動くこと。資金のマネジメントをどこかしっかりしたリーガル・エンティティにゆだねないといけない。監督は日欧の執行委員会なり運営委員会なりがちゃんと監督しないといけないが、そこが決める計画に従って、このお金はこのプロジェクトにこういうふうに使いなさいよと、その監督をする必要がある。多分、新法人、原研みたいな立場は、その執行委員会の依頼を受けて、ある部分のものを作ったり、あるいは、JT60だと改修計画を実施するという、そういう立場になるんじゃないかと思う。それから、もう一つ、会計的な意味で、資金管理を新法人の会計と全く別にしっかりやらないと、向こうから見たときに、透明性がないとやっぱり難しいと思うので、その会計管理を新法人にゆだねるにしろ、やらないといけない。新法人の理事長とオーガニゼーションとの厳密な意味でいうといろんな責任問題とかそういうのが出てくるが、それはアグリーメントをつくる段階で何とか処理できるんじゃないかなと思っている。

有馬座長) まだ具体的に分かりにくい。新法人は、今までの原研部門と、それから、核燃料サイクル機構の部分と、やっぱり2つ下に置かれるんだろうと思う。それと同じくらいのウエートでもう一つ核融合国際施設というようなものがそこにつくんですかね。原研の傘の下に置くとすれば、そういう格好になるのかなと、その辺はどうなのか。

森口局長) 具体的な施設を作り、その維持管理を行い、あとはそれをどう運営していくかということがある。前者のほうはやはりどこかに属さないと、これは宙ぶらりんにいかないものであるから、そういう意味でいうと、新法人の中で、新法人は御承知のように、新法人の中の旧原研部門、旧サイクル部門と分けるようにはしないようにしているので、現実には「もんじゅ」は「もんじゅ」ということになるが、なるべく組織を融和していく。いずれにしても、今回のブローダアプローチはやはり旧原研の部分に属することにはなると思う。ただ、その運営の仕方等は、今、松田委員が言われたように、いろいろと工夫して、国内のまさしくオールジャパンを代表して、国際的にもどういう形で運営していくかというのは、もうちょっと今後少し詰めていく必要があるのではないかなと思う。

有馬座長) その辺が具体的にどうできるか、非常に大きな問題がある。

高村委員) 私もコミュニティといろいろ議論しているときに、遠隔実験センターの管理主体というか、そこが議論になったことがあって、これはITER(イーター)リーガル・エンティティと非常に密接に関係するわけですね。されど、多分今のお考えだと、日本の我が国のドメスティック・エージェンシーというか、極内機関に置かれるという位置づけだろうと思うが、やはりそういうふうに理解してよいか。

板倉室長) その点については、まさに6極で交渉中。確かに高村先生のおっしゃるように、ITER(イーター)本体のほうに所属するような形もあり得るかと思うが、そうした場合には、ITER(イーター)本体の運営費が非常に高くなるので、そちらの、そういう意味では、ほかの4極との関係も微妙になっていく。そういうこともあるので、我々としてはまずはヨーロッパと十分意見調整した上で、どういうやり方が一番6極で合意をするのに適当なのかということを模索している段階である。

有馬座長) それから、これは山田さんが言っておられたことだけれども、この検討会でこういうものを作ろうということを決めますよね。文科省としても、これを認めたとしますよね。では一体だれがやるのか。こうやって山田さんが実際計画を作り、お金のほうは文科省が世話してくれるのだろうが、だれがどうやって組織化して、例えば、遠隔実験センターはこういう人々がやる、スーパーコンピュータはこういう人々がやると。そういう人々はどこからどうやって集めてくるのか。すなわち、各大学に依頼するというのは一つの方法だが、最初に話が出て私が仰天したのは、200人ぐらいのスタッフ数ということをおっしゃったと思う。あのくらいの大きな規模をやろうとすると、そう簡単に集まるものではない。200人規模の人を、外国人半分、日本人半分としても100人。そうはいかない。多分、200人とすれば、日本人は150人要ると。そういう人を具体的に遠隔実験センターにはこのくらい、核融合計算センターはこのくらい、JT60の補強にはどのくらいと、こういうふうなことを決めて動いていかなければいけない。これはいつの段階に、だれがどうやって組織する。これは山田さんがちょっと言っておられたことに関連すると思うが、その辺の見通しはどうなのか。

板倉室長) まずは、このブローダアプローチのプログラム、この報告書の中にも少し言及しているが、プロジェクトによって始まる時期が微妙にずれている。特に遠隔実験センターはITER(イーター)ができ上がる直前にならないとこれは動かす意味がないとか、そういうふうにものによってちょっとずつずれている。そういう意味では、200人というのはある程度希望的な観測の数字であるが、いきなりそういう大規模な研究所が立ち上がるというイメージではなくて、少しずつ施設が増強するにしたがって人が集まってくる、そういうイメージかと思う。その人たちはどこから来るのかということであるけれども、これはもちろん仮に幅広いアプローチを新法人が担うとすれば、新法人がかなりそのメインの部分を受け持つことになると思うが、それだけではなく、できれば大学や核融合研究所にも協力を仰ぎながら、それこそオールジャパンで支えていただければと思っている。

松田委員) 那珂研究所の職員が321人という時代が数年前にあった。そのときに、ITER(イーター)が来たとき、来ないときの人員がどれぐらいかかるかという検討をやった。ITER(イーター)が来たときは、もちろん、当然増えないといけないが、来ないときは、ほぼ現有の人員、三百二十何人で何とかやれるだろうと。それが基本にある。一方、場所によって異なるが、ブローダアプローチをやるときに、場所が分散した場合、どうしても人が余分にかかる。その分は多分数十人規模の30人とか。場所はまだ決まってないから、そういう想定はなかなかできないけれども、そういう人員というのは、これまでは単純にサイトが来るか来ないかだけの議論だが、いろんな政治的な意味も含めて、ブローダーの考えが出てきて、そのときに、じゃあ、どれくらいの人手がかかるかという検討を始めている段階であって、そういう人をやはり新法人の中から集めると同時に、大学、国内の研究機関を含めて、協力して進めていかないとこのプロジェクトはなかなか難しいと思っている。

本島委員) 私どもの研究所にも今150人のドクターがいるが、これは創設のときのことを振り返ると、いきなりそういう優秀な人を集めることはなかなか難しかった。そのためには、かなりの、今で言えば、組織論的にはミニ行政改革というか、ある組織はつぶしてということを実際にやった。おそらく、今の非常に厳しい財政状況からいうと、単純膨張型に足りないからといって人数は増やせられないだろうと、そういうふうにも楽観を戒めなきゃいかんという意味で思うわけだが、そこは数年間かけるという覚悟で、開発もしっかりやり、かつ、アカデミックな学術のにおいのする、しっかりしたにおいのすると言っていいと思うが、そういう組織というのは作っていけるのではないかと思う。そのために、まさしく他の分野にも発信しながら、核融合とプラズマのコミュニティで今まで一生懸命人材養成もしてきて、いろんなところに人を出しているわけだから、そういうことを、もちろん、数年規模というのが年月的には必要かつ適切な時間になるんではないかと思うが、そういう意味では、かなり楽観的に考えている。

高村委員) この報告書案にも、「各プロジェクトに対する考え方」というところで、「専任の研究スタッフ及び支援フタッフの採用形態やポスドクの採用方策を明確化する」云々という項目があるけれども、いろんな研究者の方々、大学の研究者の方々の意見を聞いていく中で、例えば大学の教員を客員のような形でシミュレーションセンターに採用してもらうとか、それから、ポスドクに関しても、やはり現在かなりのポテンシャルがコミュニティにもあるし、それから、名大のSTE研の関係もしていますが、そこの宇宙、スペースの方面では、MHDのシミュレーションや最近ではパーティクルシミュレーションなんかもやられているし、PDにもかなりのポテンシャルがある。そういうポスドク、それから、客員、あるいは、特に重要なのは、若干の専任の研究スタッフというのも何らかの形で考えていかないとうまくコーディネートできない部分があるのではないかなと思う。それらを総合的に考えていって、すぐには難しいだろうけれども、若干時間をかけてやっていければ対応がつくのではないかと私も希望的に考えている。

有馬座長) それで安心したけれども、私がなぜこのことにこだわったかというと、要するに、普通の大きな研究所をつくるのとやや違ったスタイル。普通は、核融合研究所を作ろうと、核融合を一生懸命やってる連中が集まってきて作っていく。原子力研究所にしてもそうだったけど、そういうときにはそれほど心配しない。しかし今回は、IFMIF(イフミフ)はどうもやらないようだけれども、IFMIF(イフミフ)だとか、JT60は心配しないけども、やれ、計算機だとか、幾つかのものがポンと上からくるわけね。そういう意味で、それに対して十分なボトムアップ的な体制がまだ十分できてないんじゃないかという心配を持ったものだからお伺いした。今お二人からお聞きしたところだと、そういうものが始まればさっと集まるだろうという感じではある。いい計画であるにしても、ヨーロッパとの話し合いでにわかにでき上がったというわけではないけれども、やはりある程度早急にまとめていったから、それに対して十分な研究者層の、自分はこれをやりたいという層が自然体で集まってくればいいと思う。その辺がちょっと心配で、やはりこれは専門家の先生方が少しこういう計画が動き始めたらば直ちに手を打って、自分ならどういうことをやってみたいというようなことで、少しそういう方向に向かっていくような感じの人をお集めいただく必要があろうかと思う。そうしないと、これだけ大きなものだから、なかなかうまく動かないと思うので、いい人をやはりここに投入していただくべく御努力を賜りたいと思う。JT60は心配ないか。もう既にいる人たちでかなりやれると思うか。

松田委員) JT60のような計画の場合はいいが、コンセプトの基本は、施設を作る、それから、ちゃんと機能するように作るということ。だけど、そこに来て研究する人は自弁で来てくださいよというのが基本。自弁というのは、派遣国が持ってきてくださいよと。派遣国がそこに出す費用というのは、それぞれ送り出し側の責任でという考えでなっていて、もちろん、計算機の運転とかそういうのは費用の中に入っているけれども、そこへ来た人全部サラリーまで含めて持つとなったら、ほとんどサラリーで消えてしまって実際にできないので、したがって、日本の場合も、さっき高村先生なんかがおっしゃったのは非常に重要だと思うが、例えば派遣する費用の負担、費用が発生するけれども、それはやはり別の日本国内のメカニズムで考える必要があると思う。そうしないと、なかなか人を集めるのが難しいというような気がする。

有馬座長) おっしゃるように、ヨーロッパ側との話し合い、それから、さらに広くアジアに向かってセンターとするならば、アジアに向かっての働きかけも要る。それにしても、やはり中核は日本人がいなければならないことが多いと思うので、やはりそれぞれの分野での熱心な、分野という意味は、計算機のエキスパートであるとか、そういう意味でのそれぞれの人が最も働きやすいようなところが幾つかあると思うから、それぞれの人の好みに応じた格好で、大勢日本人も参画できるようにしていただくといいと思う。その上に、そこにさらに全く平等な格好でヨーロッパ人や、場合によっては、アジアの人を呼ぶことになろうと思う。先ほど山田さんが具体的にどうするのとちょっと心配しておられた、その辺私も大変気になるので、文科省のほうも少しその辺について、今後お進めなさる上で考えていただきたいと思う。これで大体、大きな議論は済んだと思うが、いかがか。全体として、まだここは是非直してほしいというようなことがあるだろうか。

松田委員) 一か所だけ、質問というか確認だが、4ページの一番下の丸だが、「韓国や中国が新しく超伝導プラズマ装置を建設している中で、JT60の超伝導化等により臨界プラズマ」云々のところだが、「等により」というのがちょっと何を意味しているのか、私はよく分からなかったが。

有馬座長) レベルアップの幾つかのことを問おうとしたのでは。

松田委員) ここはサテライトトカマク装置のことに関して書いてあって、超伝導化のことを書いているんだと思って読んでいて、「等」というのが何かほかの装置を意味しているのか、「等」というのは要らないんじゃないかという気がした。

高村委員) 技術、準備が要るとか、要するに、形状のことだとか、そういういろんな内容のことを言って、私はそういうふうに理解した。

板倉室長) アスペクト比やその辺を考慮して、超伝導化だけではないので、そういう意味で「等」をつけた。

有馬座長) 予算を増やすときに、「等」がついていたって言えば良いので、入れておいたほうが得だと思う。

松田委員) 私は減らす懸念をして質問した。超伝導化しないというオプションをここに入れ込む意図があるんじゃないかというような見方をしたものだから。

板倉室長) そういう趣旨ではない。

有馬座長) それはないと思うけども、「超伝導化はもちろん、それ以外の」ではどうか。これは官僚のいい方法であるが、予算要求するときに、あそこにも書いておいたと説明できるから「それ以外」は入れておいたほうがいい。

松田委員) それから、先ほど田中先生がおっしゃった「統一的な」というところ。少し限定的過ぎるからという意味では、今非常に一般的な言葉であるけど、「魅力的な概念設計を確立する」とか、そんな言葉にしてはいかがだろうか。2ページの一番上だが。「統一的な」原型炉の「概念設計を確立する」というのは、原型炉自身を国際協力でつくるというのがもう既に決まっているんだったらこのままで結構だが、選択の余地というのは先にあるものだと思うので。

吉田科学官) 有馬先生が何度も御懸念を表明されていることだが、実際に実施していくプロセスについては、特に文部科学省が中心になっていろいろ整合性をとってやっていくということで、是非進めていただければと思う。

本島委員) やはりこの報告書をおまとめいただくことによって、いろいろな課題はあることは私も理解しているが、速やかに実施段階に入るということは非常に大事ではないかとも思う。

板倉室長) 本日の委員の先生方の御意見を踏まえ、事務局で修文の案を考えてみたので、ここで御議論いただければと思う。
 2ページ目であるが、今、松田理事のほうから「魅力的な概念設計」という案を頂いたが、なかなか「魅力的な」というと一体具体的にはどういうものかというのは分かりにくいので、私どもとしては、「核融合炉(原型炉)の概念設計を評価し、原型炉の概念を具体化するとともに、それをもとに」と修正したらどうか。「統一的な」という概念はそれ一つに絞るということにつながるということであれば、「具体化する」というようなことで止めてはどうか。

吉田科学官) 「合理的な概念設計」としてはどうか。「ITER(イーター)等の研究成果を踏まえて、より合理的」という意味で。

板倉室長) それでは「概念設計を評価し、合理的な概念設計を確立するとともに、その設計をもとに」ということで修正をさせていただきたいと思う。それから、その下の丸は2つの丸を一つに。スーパーコンピュータのところについては、「ITER(イーター)の運転シナリオの最適化や次世代炉の設計等に反映させる。」の後にすぐ続けて、「また、核融合計算センターの」と続けるということである。それから、(2)「サテライトトカマク装置」については、原型炉に向けての研究も概念の中に含めるという松田委員の御指摘を踏まえ、ちょっと長くなるが、「スケジュールとしては、本体改修と機器調整・整備を合わせて約10年を予定、なお、最後の4年程度は実際の運転研究を行いながら、調整・整備を行うことと想定。」とちょっと具体的に書いて、全体が10年におさまるということ、それから、研究も行うということを合わせてここに書き込みたい。さらに、次の4ページでは、山田委員のほうから、6行目の「国内の核融合研究者等からの意見も聴取し反映」すると、やや一方的ではないかということなので、この「聴取し」というような言葉を削除して、単純に「意見の反映に努めるとともに」としてはどうかということを提案したい。さらに、その3行下になるけれども、「幅広いアプローチの実施に当たっては、我が国の研究者・機関が連携協力する」の「連携協力」の前に、「学際的な」という言葉を入れて、「学際的に連携協力するとともに」という言葉を入れて、これは吉田委員のほうからのコメントだったと思うが、学際的な概念を盛り込みたい。それから、さらにその2つ下の「オールジャパン」、これについては、「我が国全体で活用できるように」と修正してはどうか。また、4ページの上から5行目であるが、高村先生から、継続性の概念を入れてほしいという御指摘があって、これについては、5行目の「実施スケジュール等も勘案し」の「スケジュール」と「等」の間に、「実施スケジュール、研究の継続性等も勘案し」ということにしてはどうか。これは関係部局とも調整させていただくが、一応そういう案を考えたいと思う。また、5ページ、上から4行目、「以上のことから、サテライトトカマク装置の整備を幅広いアプローチ」云々とあるが、整備だけではなくて研究もということで、ここに「整備・研究を」と入れたいと思う。以上であるが、御意見あればお願いしたい。

有馬座長) いかがだろうか。適切な修正だと思うが。

松田委員) 4ページのサテライトトカマク、1ポツ目の目的というか意味というか、ITER(イーター)のことと、それから、その後に、「効率的・効果的に行うとともに、原型炉における核融合エネルギーの早期実現」……。

板倉室長) 4ページの下から3行目、ここに2ページと同じ記述を入れて、「ITER(イーター)における試験研究を効果的・効率的に行うとともに、原型炉に向けたITER(イーター)の補完的研究を国際的に行うことにより」と同じ言葉をつなげようかと思う。短時間しかないので、若干前後のコンテクストと合わないところは微修正させていただくが、このような形で考えたいと思う。

有馬座長) よろしいか。それでは、これで御了承いただいたと理解。既に板倉さんが言われたように、今日いろいろ御議論いただいた若干の修正は、いずれにしても事務局のほうでもう一度整理して、最終版を先生方にお送りするということのようなので。

板倉室長) はい。

有馬座長) 今日は大きな御議論を頂き感謝。概ねこの場で御同意いただいたけれども、さらに事務局のほうで至急修正したものを最終版として、まず私のほうに御一任いただいて作成した上で、また事務局のほうから皆さんにお知らせすることにしたいと思う。それでは、今後どういうふうにしていくか、手続きについて、事務局から説明ありたい。

板倉室長) 今後の日程について、現段階では決まってないが、今後開催することになれば、事務局より御連絡を差し上げたい。なお、本日の議事録については、後日、先生方に案文を送付しコメントを頂いた後、御了解いただけたら、それをもって最終版として文部科学省のホームページのほうに掲載したいと考えている。

森口局長) 最後に一言お礼を申し上げたいと思う。今回、ITER(イーター)計画推進検討会、非常に短期間に精力的に御審議いただいて、本日おおむねおまとめいただいて本当に感謝。中断していたITER(イーター)の協定交渉が再開しており、9月12日に再開第1回があった。私の両サイドにいる審議官2人が出席している。そういう形で協定を何とか年内にまとめる努力をしていきたいと思っている。それから、ブローダアプローチについては、本日おまとめいただいた報告書をまず我々としてしっかりと受けとめるとともに、具体的に立地の問題があるので、これは関係地元と御相談させていただいた上で、最終的に我々としてこう決めたいと思っている。先ほどより議論があるように、具体的にどういう施設をということまでは決まったが、中身はまだこれからであって、またその運営の仕方や、国内的あるいは国際的にいろいろ課題があるので、それらは引き続き先生方の御意見を伺いながら進めてまいりたいと思っている。引き続きよろしくお願い申し上げたいと思う。短期間であったが、本当に感謝。

有馬座長) では、これで閉会する。

(研究開発局原子力計画課核融合開発室)