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科学研究費補助金の適正な執行管理の徹底について

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資料3-3
1. 物品費の支出(購入物品の納品検査)について
   平成16年度会計検査院の実施検査において、複数の研究機関で「業者の物品伝票等の控えと会計事務における納品日の日付が異なっており補助事業の実施期間を越えた、事実でない会計経理が行われている。」として、物品費の不適正な会計処理が指摘されました。今後、こうした行為が発生することがないようにするため、研究機関向け使用ルール「科学研究費補助金の使用について各研究機関が行うべき事務等」の改正が行われます。(別添1「平成18年9月1日付け学術研究助成課長通知」)
(1)  補助事業に係る物品費の支出(購入物品の納品検査)については、以下により、適切に行ってください。
1  物品費の適正な執行を図るため、検収センターの設置など、納品検査を確実に実施する事務処理体制を整備すること。
2  物品費を支出する際には、購入物品について、会計事務職員が納品検査を行うか、適切な研究職員等を検収担当職員に任命し、必ず納品検査を行うこと。
3  補助金の不適正な執行に対する疑いが生じた際、適切な納品検査が行われていない場合には、研究機関が当該補助金に相当する額を文部科学大臣に返還すること。

(2)  研究機関における検収事務の実施体制については、当分の間、科研費に応募する際、所定の様式(平成19年度科学研究費補助金公募要領を参照)に従って、文部科学省及び日本学術振興会に報告してください。

2. 研究機関における補助金管理の徹底について
   総務省の「民間団体等を対象とした補助金等に関する行政評価・監視結果に基づく勧告(第2次)(平成18年8月16日)」において、アルコールへの支出など不適切な経理事務の事例が指摘されました。(別添2
 科学研究費補助金の管理は研究機関が行うこととしていますが、今後このような不適切な経理事務が行われることがないよう、次のことに留意の上、補助金管理の徹底を行ってください。

(1)  研究者自らが補助金の管理を行うことがないよう、研究機関による経費の管理を徹底すること。

(2)  経費の支払い、精算等を行う際は、研究費の使途が明確に確認できる証拠書類を徴するなど、関係書類の整理・保管を行うこと。(ただし、必要以上に証拠書類等の提出を求めることがないようにすること。)

(3)  直接経費により購入した設備等について、研究代表者及び研究分担者からの寄付手続きを行い、これを適切に管理すること。

(4)  内部監査の実施にあたっては、監査対象課題の経理執行を直接担当していない者が監査を実施することとし、その一部については、実際の補助金使用状況や納品の状況等事実関係の厳密な確認など徹底的なものとすること。

3. 研究者及び事務職員に対する適切な周知について
   上記の1.~2.について、各研究機関における研修会・説明会等を通じ、研究者及び事務職員一人一人に対し周知を徹底してください。
 その際、制度を解説した研究機関向け及び研究者向けハンドブックを積極的に活用してください。



別添1

18振学助第31号
平成18年9月1日

各研究機関経理事務責任者 殿

文部科学省研究振興局学術研究助成課長
杉野 剛

(印影印刷)

科学研究費補助金の適正な執行管理の徹底について(通知)

 科学研究費補助金(以下「科研費」という。)の適正な執行につきましては、平素より、御尽力いただいているところですが、先般実施された会計検査院の実地検査におきまして、複数の研究機関において、「業者の納品伝票等の控えと会計事務における納品日の日付が異なっており、補助事業の実施期間を越えた、事実でない会計経理が行われている。」として、物品費の不適正な会計処理が指摘されました。
 科研費では、経理事務の適正な執行について、従来より、通知や諸会議等により注意喚起するとともに、平成16年度からは、科研費に係る使用ルールを制定し、研究機関が責任を持って管理する体制を明確化したにもかかわらず、今回、このような指摘があったことは、誠に遺憾です。
 ついては、今後、こうした行為が発生することがないようにするため、研究機関向け使用ルール(「科学研究費補助金の使用について各研究機関が行うべき事務等」を改正することとしますので、各研究機関においては、下記の事項に留意して、速やかに事務処理体制を見直すなど、適正な経理事務を徹底されるようお願いします。
 なお、日本学術振興会の「学振機関使用ルール」についても同様の改正を行うこととしております。

1. 研究機関向け使用ルールの主な改正内容について
  「物品費の支出(購入物品の納品検査)について」
 補助事業に係る物品費の支出(購入物品の納品検査)については、以下により、適切に行うこと。
1  物品費の適正な執行を図るため、検収センターの設置など、納品検査を確実に実施する事務処理体制を整備すること。

2  物品費を支出する際には、購入物品について、会計事務職員が納品検査を行うか、適切な研究職員等を検収担当職員に任命し、必ず納品検査を行うこと。

3  補助金の不適正な執行に対する疑いが生じた際、適切な納品検査が行われていない場合には、研究機関が当該補助金に相当する額を文部科学大臣に返還すること。

2. 研究者及び事務職員に対する適切な周知について
   今回の会計検査院からの指摘及び納品検査の徹底に関する趣旨について、各研究機関における研修会・説明会等を通じ、研究者及び事務職員に対し周知徹底すること。
 その際、使用ルールの改正に併せて、制度を解説した研究機関向け及び研究者向けハンドブックについても追加・修正し配付することとしているので、これを積極的に活用すること。

3. 研究機関における検収事務の実施体制の報告について
   当分の間、科研費に応募する際、研究機関における検収事務の実施体制について、所定の様式(平成19年度科学研究費補助金公募要領を参照)に従って報告するものとする。

科学研究費補助金の使用について各研究機関が
行うべき事務等 (抜粋)

対象: 特別推進研究、特定領域研究、萌芽研究、若手研究(A)、若手研究(B)、特別研究促進費

学振機関使用ルールについても同様の改正を行うこととしております。

3  研究機関が行う事務の内容

 
 補助金に係る事務を、以下の各項に従い適切に行うこと。

(1) 直接経費の管理

【物品費の支出】
 
3-5  補助事業に係る物品費の支出(購入物品の納品検査)については、以下により、適切に行うこと。
1  物品費の適正な執行を図るため、検収センターの設置など、納品検査を確実に実施する事務処理体制を整備すること。
2  物品費を支出する際には、購入物品について、会計事務職員が納品検査を行うか、適切な研究職員等を検収担当職員に任命し、必ず納品検査を行うこと。
3  補助金の不適正な執行に対する疑いが生じた際、適切な納品検査が行われていない場合には、研究機関が当該補助金に相当する額を文部科学大臣に返還すること。



別添2

「民間団体等を対象とした補助金等に関する行政評価・監視結果報告書(第2次)」《抜粋》

事例 科学研究費補助金(文部科学省)

1)補助対象と認められていない経費への支出等不適正な執行となっているもの
番号 区分 説明
1 補助対象と認められていない経費への支出
 1所属機関の1研究者において、ビール等アルコール類が明記された領収書、御飲食代と記載された料理屋の領収書、金額のみが記載された料理屋の領収書、パーティー飲食代と記載された生活協同組合の領収書に基づき支出(平成16年度計308,069円うち現時点で判明しているアルコール代22,827円)している。
2 補助対象と認められていない経費への支出
 1所属機関の1研究者において、研究協力者の出張に対し旅費(30,340円)を支出しているが、旅行命令簿における用務は、財団法人による本補助金以外の研究費助成贈呈式への出席であり、交付対象となった研究とは直接関係のないものとなっている。
3 支給基準に反した支出
 1所属機関の1研究者において、平成15年度に当該研究者が国際学会へ出席した海外旅費(8泊10日)について、平成15年度取扱通知により甲地方の単価(日当6,200円、宿泊料18,800円)を適用すべきであったが、実際には、指定都市の単価(日当7,200円、宿泊料22,500円)を適用して所属機関に請求し、所属機関は請求どおりに支出している。この結果、39,600円の過支給となっている。
4 支給基準に反した支出
 1所属機関の1研究者において、旅費の支給状況をみると、当該所属機関では独自の規定ではなく、引き続き、平成15年度取扱通知に基づくこととしており、研究協力者(講師)が参加した研究会に係る日当(3日分)について、平成15年度取扱通知により講師の単価(2,200円)を適用すべきであったが、教授の単価(2,600円)を適用している。この結果、1,200円の過支給となっている。

2)補助金の取扱いが不適切となっているもの
番号 区分 説明
1 補助金の取扱いが不適切となっているもの
 1所属機関の3研究者において、研究者自らが現金の出し払いを行っており、このうちの2研究者においては、支払の必要額以上に現金を引き出し、時期によっては、最大で40万円を超える現金を手元で保有している。

3)支出の根拠が不明確となっているもの
番号 区分 説明
1 所属機関における機関管理等の仕組みが不十分なもの
 1所属機関の2研究者において、次のとおり、支出の根拠が不明確となっているものがある。
 
a)  購入物品に係る証拠書類は、「お品代」と書かれた領収書しかなく、具体的な品目名は不明であり、また、購入物品については、固定資産管理用のシール(以下「管理票」という。)の貼付や物品管理台帳等への登載など所属機関による管理も行われていない。中には、故障のため自宅に持ち帰っているとするパソコンもみられたが、所属機関では、購入の事実や現在の管理状況について全く把握していない。
b)  ガソリン代への支出(54回、計277,090円)を、研究に必要な荷物(実験機材、各種資料、調査用紙)を自宅から所属機関へ搬出するための自家用車に使用したものであるとしているが、領収書のみが保管されており、その使用目的等は明確になっていない。このほか、精肉店、薬屋、デパート及びコンビニエンスストアの領収書やハイウェイカード、バスカード等の金券の領収書があるが、領収書のみが保管されており、購入物品名や目的等は不明のまま支出されている。
 さらに、当該研究者は、旅費の宿泊料を領収書の額面どおり支出しているが、旅費請求書等は作成しておらず、旅行目的等も明確になっていない。
2 支出の証拠書類として不十分なもの
 3所属機関の3研究者において、次のとおり、支出の根拠が不明確となっているものがある。
 
a)  所属機関外の研究補助者に、4月から1月まで毎月、4日程度、データ入力、ファイル加工を依頼し謝金を支払っているが、その作業内容が確認できる証拠書類が添付されていない。
b)  海外への論文投稿料を当該研究者の立替払により小切手送金しているが、送金書類(海外向小切手申込書兼告知書等)は添付されているものの、送金額の根拠や送金先等は不明であり、当該送金額の妥当性が確認できる証拠書類が添付されていない。
c)  所属機関では、謝金の支給に関する学内規定を整備しておらず、本補助金に関する謝金は、平成15年度取扱通知に規定されている単価に基づくこととしているが、「研究に関する専門的知識の提供」に対する謝金については、当該通知に参考となる単価がないため、調査対象研究者の判断で定めているものの、その設定理由・妥当性に関する書類が添付されていない。
3 必要な納品検査が行われていないもの
 1所属機関では、本補助金により物品を購入する場合の手続については、学内規定である契約事務取扱細則によることとしており、物品の買入れ等の際、当該所属機関の職員によって納品検査を行うことが困難又は適当でないと認められる場合は、当該所属機関の職員以外の者に委託して納品検査を行うことができるとされている。
 しかしながら、1研究者(研究代表者)において、遠隔地に所在する別の所属機関の研究分担者が使用する試薬について、当該研究分担者の所属機関に納品させ、調査対象研究者(研究代表者)が支払い、研究代表者、研究分担者いずれの所属機関も納品検査を行っていないが、調査対象研究者(研究代表者)は、自分の所属機関に納品され、自らの立会いのもとに、その所属機関の職員が納品検査を行ったとする、事実と異なる証拠書類(検査調書)を作成している。

4)購入物品の管理が不十分となっているもの
番号 区分 説明
1 購入後直ちに所属機関に寄付されていないもの
 2所属機関の3研究者において、次のとおり、所属機関への寄付が行われていないものがある。
 
a)  1研究者において、電気泳動装置(1,200,000円)を平成15年度に購入しているが、当省の調査時点において、寄付手続は行われておらず、所属機関による管理は行われていない。
 なお、当該物品については、平成18年6月1日付けで寄付手続が行われている。
b)  所属機関では、取得価格が5万円以上のものを物品管理台帳等に登載し、現品に管理票を貼付して研究者に使用させることとしているが、2研究者において、平成12年度以降に購入した5万円以上の物品(4件)に係る寄付手続及び管理・利用状況をみると、寄付手続を行っていないもの(3件)があり、物品管理台帳等への搭載、管理票の貼付も未実施となっている。これら寄付手続を行っていないものの中には、現品(デジタルカメラ)を所属機関外の遠隔地で保管しているとしているものもみられた。