平成16年7月の局地的な集中豪雨による新潟県中越(ちゅうえつ)地域から福島県にかけての地域を中心とした豪雨災害について,文部科学省は,下記のとおり科学研究費補助金を交付することとした。
研究課題 | 平成16年7月新潟・福島、福井豪雨災害に関する調査研究 |
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研究代表者 | 高濱 信行(タカハマ ノブユキ)(新潟大学教授)
電話:025-262-7059 |
研究組織 | 新潟大学、京都大学、東北大学、大阪市立大学、長岡技術科学大学、金沢大学、福井大学、同志社大学の研究者(21名) |
研究経費 | 1,000万円(科学研究費補助金(特別研究促進費)) |
○ | 研究課題 | 平成16年7月新潟・福島,福井豪雨災害に関する調査研究 |
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○ | 研究代表者 | 高濱信行(新潟大学積雪地域災害研究センター) |
○ | 研究目的 7月12日夜から13日夜にかけて新潟県中越(ちゅうえつ)地域から福島県にかけて,梅雨前線の活発化による記録的な集中豪雨にみまわれ,死者・行方不明者16名,浸水家屋2.2万棟,避難者2万人という大きな災害が発生した。被害はとくに信濃川の支流五十嵐川と刈谷田(かりやた)川が決壊した三条市,見附(みつけ)市,中之島町で甚大であった。引き続いて,7月17日夜から18日にかけて福井県を中心とした北陸地域でも豪雨となり,死者・行方不明者5名,全半壊178棟,浸水家屋1万棟,上流部で鉄道を含む落橋7カ所,という大きな被害が発生した。両災害とも災害救助法が適用されることとなった。 今回の災害の特徴として,いずれも記録的な豪雨であったことはもとより,新潟では五十嵐川と刈谷田川の堤防が一気に決壊して被害を急激に拡大したこと,また,死者・行方不明者のほとんどが老齢者で,いわゆる「災害弱者」に属することが上げられる。本研究では,これらの災害の実態を詳細に調査し,破堤・洪水や土砂災害のメカニズムを解明し,洪水災害対策,土砂災害対策,また穀倉地帯の洪水・土砂対策のあり方について,緊急提言を行うことを目的とする。 |
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○ | 調査内容
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研究代表者 | |||
高濱 信行 | 新潟大学・積雪地域災害研究センター・教授 | 地質学 | 総括・堤体基礎地盤の検討 |
研究分担者 | |||
和泉 薫 | 新潟大学・積雪地域災害研究センター・教授 | 水圏防災学 | 既往豪雨の特性解明 |
河島 克久 | 新潟大学・積雪地域災害研究センター・助教授 | 防災気象学 | 降雨特性の解析 |
大熊 孝 | 新潟大学・工学部・教授 | 河川工学 | 増水氾濫過程・堤体決壊原因の解明 |
立川 康人 | 京都大学・防災研究所・助教授 | 水文学 | 福井豪雨の水文学的評価 |
牛山 素行 | 東北大学工学研究科 講師 | 災害情報学 | 福井豪雨の水文・気象学的評価 |
大川 秀雄 | 新潟大学・工学部・教授 | 地盤工学 | 堤体材料の調査分析 |
高田 直俊 | 大阪市立大学・工学部・教授 | 地盤工学 | 破堤機構の解明 |
卜部 厚志 | 新潟大学・積雪地域災害研究センター・助教授 | 地質学 | 洪水被害の調査 |
陸 旻皎 | 長岡技術科学大学・環境・建設系・助教授 | 水文学 | 洪水水理の解析 |
田崎 和江 | 金沢大学・自然科学研究科・教授 | 地球環境科学 | 洪水堆積物の調査 |
山岸 宏光 | 新潟大学・理学部・教授 | 斜面防災学 | 斜面災害地形の解析 |
丸井 英明 | 新潟大学・積雪地域災害研究センター・教授 | 斜面防災学 | 斜面災害の発生機構の解 |
渡部 直喜 | 新潟大学・積雪地域災害研究センター・講師 | 斜面防災学 | 斜面災害の地球化学的検討 |
福山 利範 | 新潟大学・フィールド科学教育研究センター・教授 | 育種学 | 農作物被害の実態調査と対策 |
三沢 眞一 | 新潟大学・農学部・教授 | 農業水理学 | 冠水被害と排水対策の検討 |
服部 勇 | 福井大学・教育地域科学部・教授 | 地質学 | 被害地調査・地質調査 |
荒井 克彦 | 福井大学・工学部・教授 | 地盤工学 | 地盤の安定性解析 |
山本博文 | 福井大学・教育地域科学部・助教授 | 第四紀学 | 崩壊・土石流の調査分析 |
林 春男 | 京都大学・防災研究所・教授 | 災害心理学 | 災害情報・人間行動に関する調査 |
立木 茂雄 | 同志社大学・文学部・教授 | 社会学 | 災害弱者に対する行政対応の検討 |
(研究振興局学術研究助成課)
-- 登録:平成21年以前 --