文部科学省創生実行本部(第3回)議事要旨

日時:平成31年3月25日(月曜日)11時00分―13時00分
場所:文部科学省11階 省議室

出席者

柴山大臣(本部長)、樫谷構成員、菊地構成員、城山構成員、冨山構成員、牧野構成員、山田構成員
永岡副大臣、浮島副大臣、中村大臣政務官、白須賀大臣政務官
(事務方)藤原事務次官、山脇文部科学審議官、芦立文部科学審議官、生川官房長、瀧本総括審議官、ほか事務担当官

議題

(1)文部科学省からの報告
・文部科学省創生実行計画(案)について
(2)意見交換

概要

・文部科学省より、文部科学省創生実行計画(案)について説明の後、意見交換

〔組織風土改革及び組織体制・ガバナンスの強化〕

○ 若手が中心となって立ち上がった未来検討タスクフォースのような、若手が自分達で文部科学省を何とかしようとする流れは評価したい。
○ 一番評価したいのは、政務三役や事務方の幹部の皆さんが率直な意見を出しており、この問題に対して誠実に向き合ったことがこの報告書の価値ではないかと思う。
○ 文部科学省が自虐的になり、いいところが無くなってしまうのは惜しまれること。文部科学省のいいところを残していくという提案もしてもらいたい。
○ コンプライアンスチームを作っても、その後の運用が大切なので、運用のシステムを考えないといけない。
○ 去年に比べて省内の雰囲気が明るくなってきたが、これは不祥事で言われていることが過去のものになりつつあるという側面もあると感じている。計画を実施するにあたって、危機感を維持することが重要で、そのためには当時起こったことや世の中から強い批判を受けたことを伝承していく必要がある。

〔文部科学省を担う人材の強化〕

○ 採用区分ごとの壁が、人材育成の支障になっているのなら、文部科学省だけでできることではないが、採用区分をなくすよう関係各所に働きかけることも一計ではないか。
○ 国家公務員制度においては、年功序列や俸給制は比較的厳格だが、事務系、技術系といった採用区分は多少柔軟になってきており、運用で変えられる面も多いのではないか。
○ 行政組織の組織能力を今の時代に合わせて多様化・総合化していく、あるいは官民や地方とのボーダーレス化や現場化を真剣に進めていくなら、根本的な公務員制度のあり方を、人事の制度を含めて変えていかないといけない。幹部になればなるほど仕事が難しい一方で、政治家や民間に比べて役所の人は人事異動が早いので、本来は行政官が持つべき専門性が保てない。突き詰めていくとやはり公務員の人事制度の根幹に手を付けないといけない。民間もトップの任期は長くなっていて、1年ごとに変わるというのはありえない。
○ 民間企業との人事交流について、スポーツ分野であればスポーツ団体ではなくスポーツチームに行かせるべき。現場に行って生々しいレベルで経験しないといけない。その場合、できる、優秀な人材を派遣し続けないと、受け入れる現場も迷惑だし、人事交流が途中で廃れてしまうことになる。目の前の大事な仕事を遂行しつつ、中長期的に新しい環境に適応できる人材を育てていくことは、ジレンマでトレードオフの関係となっているが、この両方ができない組織は滅んでいく。
○ 団体への派遣が一概にダメなのではなく、有効な団体や場合もあると思うので、見極めることが重要。
○ 職員の専門化については、入口である採用区分では変に決めつけず、色々なことをさせてから専門性を身に付けさせたほうがよい。
○ 職員が、所属が変わっても継続して専門性を高められる仕組みを作ることが重要。提案型政策形成も活用できるのではないか。
○ 例えば国立大学の理事出向の削減も非常に厳しい取組だが、こういったところからやっていくのは重要である。
○ 国立大学の理事出向の半減については、数の問題ではなく、理事として何をするかという観点から考えていくことが大事。

〔現場に根ざした政策立案機能強化〕

○ 提案型政策形成でよい提案を上げてもらうためには、報奨制度が必要だと思う。
○ 基本的には国民目線が重要で、文部科学省にはもっと現場と近い存在であってほしい。現場の最前線の市町村と本音の議論ができるような関係を全国に築いていってもらいたい。そうしてこそ「文部科学省は変わったな」という感覚を持てる。
○ 文部科学省は現場から遠い、話しにくい、上から目線だという声を現場からは聞く。計画に書いていることをしっかり実行していくことが大切。
○ 現場主義といっても様々な現場があるので、現場が多様でジレンマがあるときに国全体の見地に立って複眼的に捉えて検討していくことが大事。
○ 提案型政策形成は職員単独での提案を念頭にしているが、省外の人と連携して提案するということも含めて検討してもらいたい。
○ 科学技術の分野では、若手を主たるプレーヤーとして、外部講師を呼んで、政策課題に対して議論する場を設定している。
○ これまでの経験から、ディテールを勉強することの大事さを痛感した。ディテールが分かるとそれだけで議論をする際にも役に立つ。課長以下の職員も、自らの政策のディテールをしっかり考え、理解することが必要。

〔業務改善の徹底〕

○ 業務改善について、組織として自己研鑽するためには働き方改革が大事だが、目標だけ作ってやろうとするとうまくいかなくなるので、どこから戦略的に改善していくかを詰めて考えてもらいたい。業務改善を徹底し、業務プロセスを変える際には、行政組織内部の業務だけの話にとどまらないことから、組織の中だけでなく関係するステークホルダーの意見も踏まえ、全体を最適化することが大事。

〔今後の取組の重要性〕

○ 報告書には非常に率直に反省をされた文章が並んでいるが、今回の問題に区切りをつけて、まさしく創生をしていくのだという決意の表れだと思う。
○ ここまでしっかり計画がまとまったので、着実に実行してもらいたい。
○ この計画は若手職員が手を上げて意見を採用しながらできたものだが、これから新しい人も入ってくるので、1年、2年で途切れてしまってはいけない。
○ どこの企業も素晴らしい体制案をつくるが、実行段階で息切れするのが大体のパターンなので、随時チェックをしてもらいたい。
○ 計画の実施にあたっては、今後、1年ではなく、超長期的な観点からもブレイクダウンしていかないといけない。
○ これまでの文部科学省は、いい計画を策定しても実行されなかった。変革するためには、責任ある人が何年も同じことを言い続けないといけない。
○ 創生実行本部ができた当初は、不祥事に悩む文部科学省ということで、皆意気消沈しているのではないかという意見もあったが、これからの文部科学行政を運営するための組織の在り方について真摯な議論をするなかで、よくやってくれているな、という思いがしている。特に、若手のみずみずしい感性・やる気を、今回の創生だけでなく本来的業務も含めて、いかにおさえつけるのではなく伸ばしていくかが大事。
○ 今回の計画案については、例えば組織文化や柔軟な人事制度などについてたくさん議論があったが、まずはできるところから着実にやっていくことが大切。計画の発表後は、文部科学省自身が公務員改革のフロントランナーとなっていくという自負と気概をもって、力を合わせて取組を進めていきたい。

以上

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大臣官房総務課