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文部科学省創生実行本部(第2回)議事要旨

日時:平成30年12月26日(水曜日)8時30分~10時30分
場所:文部科学省11階 省議室

出席者

柴山大臣(本部長)、樫谷構成員、菊地構成員、城山構成員、
冨山構成員、牧野構成員
永岡副大臣、浮島副大臣、中村大臣政務官、白須賀大臣政務官
(事務方)藤原事務次官、山脇文部科学審議官、芦立文部科学審議官、生川官房長、瀧本総括審議官、ほか事務担当官

議題

(1)文部科学省からの報告
・文部科学省未来検討タスクフォース報告について
(2)意見交換

概要

・文部科学省より、未来検討タスクフォース報告について説明の後、意見交換

〔総論〕

○ 未来検討タスクフォースの報告書はよくできていると思う。こういうものを若い人に作らせるというのが大事なポイントで、若い人はまだ先があるので、真面目に長時間考えられるし、上から見えていないものも見えている場合も多い。
○ 未来検討タスクフォースの報告書は大変素晴らしいものになっているが、実行に移していくことが大事。これはゴールではなく、ここからがスタートなので、ひとつひとつ、できることからやっていかなければならない。
○ いつも疑問に感じていることが二つある。一つは建前の議論、立場上の議論がほとんどであること、二つ目は、実に立派な報告書を出してもなかなか実行されることが無いし、報告書の提出にものすごい時間がかかること。報告書を出すことのみならず実行することが大事で、コンプライアンスを遵守しながらミッションを達成することが本創生実行本部のポイントだが、これらは決して別々のものではなく車の両輪である。それぞれやれることをやるのではなく、やるべきことをやることが必要。やるべきことはミッションなり政策にして議論しなくてはならない。
○ 報告書を実行するにはアクションプランを作成する必要があるが、何を誰がいつまでにどういう方法で達成するかが具体的に明確になっていないとアクションプランではない。アクションプランはテーマごとにブレイクダウンされた体系的な内容でなければならず、特に文部科学省が取り扱うテーマは人間の育成、教育といったソフトかつ長期的なテーマであり、何十年という期間で見なければいけないことが多い。従って、政策効果を確認しながら実施することが望ましく、明確なマイルストーンの設定も必要。もちろんこれは時代に応じて見直さなければならないが、まずこれが創生実行には必要。
○ 政策の達成にはミッションを真に理解しなければならず、建前であってはならない。そのためには、政策の理解を十分にしたうえで、建前ではなく本音の議論が必要。本音というのは身勝手な主張ではなく、ミッション等の達成のために必要と考えることを自由に議論し、やるべきことを実行できる環境のこと。そのためには議論がエビデンス・データに基づくものでなくてはならず、これらに加えて現場がどうなっているかを真に知ることが非常に大事。そこで初めて地に足の着いた議論ができる。
○ ビジョン・ミッションステートメントについてはその通りだと思うが、これを表に出したら文科省は変わったと思ってもらえるわけではない。インプットをいくら言っても、アウトカムがしっかり出ないと、文部科学省は変わったと認められない。必要なのはアウトカムで、これをやったので文部科学省は変わったなというものを一つでも出してほしい。
○ 事務次官に着任した際に職員に対して3つ求めた。議論をすべきときには議論する、一旦全員で決めた決定には従う、むやみに正当な理由なくそのプロセスは外に出さない。つまり、面従腹背をやめようということ。また、OBの影響の排除、旧文部省系・旧科学技術庁系の人事の一体化、若手の登用の3つを約束した。
今回残念ながら幹部系職員が2名、逮捕・起訴されており、その原因としては彼ら自身の責任、あるいは文部科学省の組織文化があるが、今の組織文化を作ったのは現役の職員だけでなくOBである。OBがどのように関与し、そういった人たちを育て、人事配置したのかを検証する必要がある。
○ 幹部から実態や本音の意見を聞けるようになったことが本創生実行本部の一つの成果。若手や中堅から声があった時に、上司が率直に受け止めて、形だけの会議でなくて本気でこれをやろうとする姿勢が、アウトカムに繋がる文部科学省の本気度だと思っている。

〔組織体制・組織文化の在り方〕

○ こうした一連の改革をやるのは当然で、その後それをどう持続させるかが大事。日本の場合はサラリーマン型なので、終身年功組織で働いており、組織への所属度が高い。そういった人たちが組織のミッション、職員個別のミッション(Shall)、職員の動機づけ(Will)、職員の能力・スキル(Can)、この重複部分でしか、人間は長期持続的にやることはできない。これがずれてくると、短期では頑張れるが、20,30年やるとなると難しい。問題が繰り返し起きるというのは、多くの場合、外部、内部の環境変化でShallとWillとCanの重複しない部分が大きくなっていて、どこかで無理が起きているという場合が少なくない。そうすると、常に環境は変化しているので、Shall、Will、Canがどう重なっているかを常に検証し、それをどう持続的に重ねていくかということが官僚機構として重要なミッションである。
例えば、ミッションに忠実かつ正しい動機づけで行動する人間が必ずしも評価されないという「動機づけの罠」をどう脱却していくかということが大事。未来検討タスクフォース報告で、「健全な議論をせずに内外の権威ある者に対して必要以上に気配りする組織風土」と書いているが、職員は皆、これまでの経験の中で、どういう人が偉くなり、仕事が与えられるのかを観察しているので、私はこういう組織の場合、極めて人事が大事であると感じている。つまり、Shall、Will、Canの重複がずれないために360度評価をやったりするのは、全てそれが目的だと思っている。Canは能力の問題もあるが、少なくともShallとWillは重なっていなければならない。
次に「評価の罠」について。次のステップでのCan(その人の潜在能力)と前のステップでの成果は必ずしもイコールではなく、人間は偉くなればなるほどミッションが難しくなるため無能になっていく。そのため、昇進が主な報酬の組織においては、現職での仕事ぶりで昇格の是非を決めるようにすると、リーダーとしての真の資質を試し、見極める仕組みが欠如している場合がある。部下として優秀な人が必ずしもリーダーとしては優秀ではないので、昇格が強い動機付けになっている以上、どういう人が評価されていくかということは相当考えて作りこまないといけない。成果で評価するのが楽であるし、今成果を出しているので昇格させるというのは納得感があるが、難しい仕事をしており成果が出ていない人の方が伸びている可能性がある。100の負け戦を50で留めた、というのは50にした戦略があるわけで、絶対値で50負けたということと、誰でも勝てる戦で100勝ったというのは意味合いが違う。最近は役所の仕事もチャレンジングになっているので、タフなリーダーをつくっていくためには、こういったことが大事だと考えている。
次に、「組織の罠」の1つ目について。組織というのは閉じた生態系であるので、そこでの常識は世の中の非常識となってしまうことが多い。あるいは組織のフェアネスが世の中に出るとアンフェアネスになっていることがある。特に中央官庁のような権力的・独占的・終身年功組織ではこのズレが起きやすい。そのため、組織でいたって真面目に、常識的にやっていても外に出ると大きくズレているということがどうしても起きてしまう。このズレは常に修正し続けなければならず、そのためには、外の世界とのズレや緊張を組織内部化する仕組み・ガバナンスシステムが必要。
また、「組織の罠」の2つ目として、組織能力は従来の環境に適応して進化するため、古い環境に過剰適応する傾向がある。そうすると、外部の組織能力の取り込みとその成果への正しい動機付けをやっていかないといけない。未来検討タスクフォースに記載のある政策コンテストについては、外部からも参加させてはどうかと思う。また、改善に関しては絶対に外部の人を使った方がいい。ある会社では、社内では改善に向けた組織能力が醸成されないので、別の会社からミスター改善の人材を招いているが、この数年間の業績回復の半分くらいは彼の業績。
  最後に、「変革の罠」について。これから外部環境と内部環境の両方が変化していく。例えば、内部環境として、若い人の意識が変化していくが、そうした変化の中で、組織として変えるべきこと変えざるべきDNAをちゃんと見極めることが大事。私も20年ほど様々な官庁と付き合ってきているが、それぞれ変えるべきではない素晴らしいDNAを持っている。一方で変えたほうがいいこともあるわけで、得てして変革が目的となってしまうと、これが逆転して、良いものが破壊されて、悪しきものがむき出しになることが少なくない。これが変革の罠で、若い人を含めて旧文部省、旧科学技術庁それぞれに、おそらく良きDNAと変えたほうがいいことがあると思うのだが、そこはぜひとも虚心坦懐に議論をしてもらいたい。DNAの長所は何かということと、どう最大化して、DNAが短所として発現するリスクはあるのかということを、マネジメントする必要がある。
○ 世の中の変化も激しく、必ずしも日本全体がその変化についていけていない中で、変化をすることにはリスクが伴うが、文科省の色々な政策について、リスクの高い政策領域が増えている。今出来上がったシステムをメンテナンスしながら守る業務と、その一方で、変える、イノベーションに挑むということはリスクを伴う。組織文化との齟齬が激しいのはその領域だと思っている。リスクをとることに対して組織が組織能力や文化の面でどう適応していくか、今回の変革の中でそれをどう転換していけるかが本質的な議論ではないかと思う。
最終的なリスクを抱えられるのは、会社であれば、株主に選ばれたボードメンバーであって、普通の社員には取れない。国家の場合に、最終的にそこでどうリスクをとっていくかは本質的な問題。
○ コミットメントしたものに対しては、とにかく頑張るという姿勢を多くの省庁は見せる。彼らはリスクマネジメントを常に考えながら政策を打っており、だからコミットメントに自信を持っている。
これに対して、文部科学省は凄く真面目で、自信がないもの、リスクが取れないものはコミットメントを弱めようというところから入る。これはある意味素晴らしく、壊してはいけないDNAではあるが、ディールの部分もある。コミットメントをどうやっていくか、その後達成できなければもう一度チャレンジするために何処が原因だったのか明らかにしていくことで、もう一回コミットメントしていくこともあり得ると思うが、そこが直線的、真面目というイメージがある。
例えばAIの発達をベースに新たな教育をやっていく、これは今までと全然違う教育の枠組みでやっていくと文部科学省が旗を振ったとなると、これについては現在のものにプラスアルファでオンしてやることになるので、地方公共団体の責任というよりは、本来言い出しっぺの文部科学省がしっかりやらないといけないということになる。
○ 職員にとって、コミットメントした場合のリスクを考えると、それをきちんと責任を持って受け止めてくれる人が必要だと思っている。
○ 4点申し上げたい。1点目として、幹部職員が今の文部科学省の状況をどう捉えていて、いろいろな不満を持っている職員に対してどういう発信をしているのか。このような組織がダメージを受けた危機的な状況の中で、自分の考えを部下に述べることは控えるべきと考えている方もいるかもしれないが、各々の立場でどう考えているかについて、部下に肉声で語りかける機会を持ってほしい。
2点目として、中堅幹部、課長クラスの職員にも同様のことをお願いしたい。業務に関することは日常的に打ち合わせしていると思うが、それだけではなく、仕事をしていく上で感じる様々なジレンマを苦しみながらもどう切り抜けていくのか、そこに倫理的な課題も含めた職場での教育をしていただけるとありがたい。人を集めて訓辞を垂れたりすることだけが研修ではなく、日々のジレンマへの対応の仕方、その姿勢、それから実際にどうやって貫いていくかという信念を見せることがまさしく倫理研修になると思う。そういう機会を作っていただき、本来の人材育成につながるとよい。
3点目として、室長級、課長補佐級職員が、オフィシャルであろうとなかろうと、職場の悩みを持ち寄りながらどこかで定期的にフランクに話し合える場所を作れたらよいのではないか。そういう風に話し合い、同じ悩みを抱えていることがわかることにより、元気も出るし知恵も出る。
4点目として、法令違反の恐れや倫理規程上問題となる恐れのある働きかけがあった場合に相談できる窓口を作れないか。そこに話をしても決して不利な扱いにはならず、秘密が守られるということを何らかの形で保証し、職員に徹底していただきたい。コンプライアンス、業務改革専属組織の設置も検討するとのことなので、その中でそういう仕組みを構築していただきたい。
○ コンプライアンスの遵守において必要なのは、なぜコンプライアンス違反が生じ、機能不全に陥るのかを考えること。組織が機能不全に陥る原因は、信頼の欠如、衝突への恐怖、責任感の不足、説明責任の回避、結果への無関心の5つ。
また、コンプライアンス違反のトライアングルとして、機会、動機、正当化がある。機会とは、不正行為等の実行を可能とする意思を容易にする客観的環境をいい、内部統制の整備をしなければならないということ。不正に導く動機、例えば経済的に苦しいことや家族が病気になることなどに対して組織として対応することが必要。正当化は、家族のためとか組織のためとか、正当化してしまうということ。
従って、これらのコンプライアンス違反が生じる原因を踏まえた組織体制・ルールの構築が必要。そうしないとがちがちの組織、かえって非効率な組織となるばかりでなくその有効性も疑問となってしまう。
○ 恒常的な第三者機関を設け、不断のチェックをする仕組みを作る必要がある。
○ 不祥事は起こるものなので、起こった時にそれをどうコントロールするかが重要。市役所にとって最大の危機は、市民の信頼や信用を失うことなので、起こったことへどう対応するかで、いかに市民の信頼や信用を失わずに済むかが決まる。そのために、危機管理体制を市役所の中に整え、即公表すべき、隠すと隠すだけ傷が深くなるという考えで、危機管理部署からも各部署にアドバイスしている。
○ 組織は必ず問題を起こす危険がある。例えば、悪意のある人間が、想定しているケーススタディーを越えて騙しにきた場合などについて、対応をどうするのかに力を注いでいただきたい。
○ 未来検討タスクフォースのメンバーの意見に共通しているのは、風通しがよくないということ。幹部が下の人達と話をしてあげる等の場を持つことや、外の方と触れあうことが重要。
○ 現場と上司との間の目詰まりが起きないようしっかりとコミュニケーションをとる体制を整えることや、外部から理不尽な圧力を受けたりした場合にどう対応すればいいかを、例えばケーススタディーやロールプレイングを通じて危機管理することができる組織にしていかなければならない。

〔人事政策上の対応、行政官としての在り方〕

○ 3点申し上げたい。1点目は、旧文部省系職員と旧科学技術庁系職員、事務系職員と技術系職員の分断的な人事運用の改善が大事。現在も融合がないわけではないと思うが、旧文部省系、旧科学技術庁系の仕事がそれぞれどのような性格のもので、どう進めるのが望ましいのかを可視化した上で、各々の業務に即して具体的な対応を考えていくことが必要。単にそれぞれの仕事を経験したというだけでなく、課題の政策がどういうもので、だとすればどういう手法が望ましいのかということを幅広い観点から再設計していくことや、そういうことをより進めてやっていく必要がある。
 2点目は、未来検討タスクフォースの報告書でも現場との政策対話とあり、また、様々な形での出向や外部人材の活用はあると思うが、どうやって現場に出ていくのかということは重要。そういったときに、より多様なステークホルダーなり関係者とやりとりしながら政策を作っていくような部門、地方自治体でも一般の政策部門に出向するなど、通常とは違うような経験を増やしていくことが重要。
 3点目は、省全体に関わる横断的な事項を議論するような官房機能の強化も必要。例えば公募型のプロジェクトチームでいえば、単に横断的なタスクフォースを作るときに一部公募により人を入れるという話なのか、より長期的な話について、現場はその場の課題に注力せざるを得ないので、長期的観点から議論するようなチームを作って準備をしておくということを考えるのか。あるいは政策コンペティションも研修というか頭の体操という側面もあると思うが、現場の担当者がいるときに違うチームがもう一個案を考えてみるというようなやり方もある。これらを現実的にどう扱うかは難しいこともあるが、いい意味で緊張感を持って動かせるということに意味がある。同時に、行政官の個人の能力を確保することも必要。各職員が興味のあるテーマについて学位取得等を通してある程度継続的に勉強したり、担当外のテーマについても勉強できる仕組みをどう作るかが重要。
○ 省内で人材育成ができているのであれば、これまでのような事案は生じていない。もっと早くから、若手が外に出ていく仕組みを作っていくべきで、他省庁はそうしている。市役所では、職員を若いうちに地域の公民館に派遣しているが、そこで鼻っ柱を折られて初めて、地域のことを何も知らないことを思い知り、地域住民の側を向いて仕事をするということがどういうことかを学ぶことができる。そのような考え方ができる職員を、ある程度のボリュームを持って確保する必要がある。
○ やや私もこだわっているのだが、例えばある省庁から会社に出向している職員がいるが、交渉をやっている。このような場で相手方に囲まれ、罵詈雑言を浴びる。それまでは相手方に対して上から目線でやっているが、ぼろくそいわれる。現場はそういう世界で、お上品な世界だと、たぶん行政官として成長しないと思う。
人材育成の考え方として、教育行政の世界では経営がキーワードだとすれば、大学に出向した際に経営にどう貢献できるかがポイントだと思うが、高尚なことではなく、まずは例えば帳簿が読める、色々なことが起きる生々しい世界である労務管理ができるなどの経験でよい。そういう管理をやらせた方が、実際の教育現場で起きている生々しいところと若いうちに接点を持つことができる。エリートを鍛えるのは修羅場だと思うので、文部科学行政の中でも、政治家からも現場からも怒鳴られるような厳しいことを回していくことが大事。
○ 外部との交流はもちろん重要だが、全て外にということだけでなく、旧文部省系と旧科学技術庁系の交流も重要。これらも考えながら人事交流等を進めてほしい。
○ 360度評価の確立が大事。頑張ってきたこと、成果は上がらないがやろうとしていることを誰かが見ていて、しっかり見ていた人の意見が反映されるような評価システムができ、それがエコシステムになっていけば、内部的には努力がきちんと評価される仕組みができていくのではないか。

〔政策立案・実行機能の強化〕

○ 今回の不祥事に対する対応ということで、コンプライアンスは当然一つのベースになるが、より本質的な問題は、政策形成の能力をきちんとどうつけるかということ。必要以上に気配りする組織風土は、政策の背景や現状に対する職員の理解不足、あるいは事実や客観的根拠に基づく十分な政策議論より権威ある者の意見を必要以上に尊重するということによって生じるが、それはつまりきちんと理解していないからである。従って、行政官の基礎となる部分を育成することが必要であり、重要。
また、今回の不祥事の一つの側面はステークホルダー、関係者との不適切なやりとりだったが、かといってステークホルダーから隔離されればいいのかというとそういうわけではない。省内外ネットワークの形成促進、すなわち受け身になって殻にこもるのではなく、きちんと透明な形で関わりを持って現場を知って政策形成能力を身に付けていくことが重要。
○ 旧文部省と旧科学技術庁は良くも悪くも対照的な政策形成のスタイルをもっていた。文部省は現場の関係者、先生方の意見を伺ってボトムアップに積み上げていく方式。一方、科学技術庁は企画型、トップダウンの側面があり、対照的な分野だった。実際の世の中の環境も、そういった二つの分野を融合的に取り扱うということが必要になるという変化があったのだと思う。教育の分野も従来のステークホルダーだけの話ではなくなりつつあるし、他方、科学技術の分野も単なる研究開発の特定の分野だけでなく、実際に社会実装していく際に各省庁や現場との関わりは当然重要になっていく。あるいはAIといったある種の技術開発において、それができたときに人間にしかできない基礎的なリテラシーをどう身につけるかということを考えることが必要になってくるので、実質的にも研究開発と教育とを連携するという必要性も可能性も増えていくだろう。その中でどうやって政策形成の能力をつけていくのかが重要。
○ 外から文部科学省を見ると、政策的な特徴が二つある。
一つは内向きの思考で、省内の論理でやっており、外から見ていて発信力がないということ。提案型になっておらず、政府レベルの政策にしていこうとか、成長戦略にこれを打ち込もうという積極性が出てこない。従って、省内の調整に時間がかかっており、なかなか出てこないので、結果、外から言われて対応するのにどうしようかと内向きになってくるという悪循環になっていると感じている。少しでも政府レベルの政策を打ち出すとかいう形にしていかないといけないが、そのためには外との接触が重要で、民間企業はどう考えているのか、産業はどうなっているのか、あるいは成長戦略はどこに注力しようとしているのかということを肌で感じないとなかなかできない。そのためには、外との接触ルールが大事で、民間企業でも大学でも、あるいは自治体でも、外に出て行かないとわからない。大学や教育委員会などにばかり行っていると内側の論理になりがちなので、外から見てどうなのか考えないと、そのようなマインドにはならないのではないか。
もう一つは、縦割り、サイロ型になっているので、行政が追い付いていない部分がある。例えば、大学改革は高等教育局だけではできず、研究力向上は科学技術部局とも連携しなければできない。若手の育成にしろ、研究費の問題にしろ研究環境にしろ、局をまたぐ連携が必要となっているので、その横串をどうしていくのかが非常に重要な課題だと思っている。同時に、幹部レベル、課長レベルも組織内の調整が多く、すごく時間がかかる。意思決定をどう早くするか、若手が意見を言いやすくするためにどうするのかなど、スピード感を持って進めるという意識に変える必要がある。そのような方向性を議論しながら、人事制度、政策立案、調整機能について組織的に対応していくことが必要ではないかと感じている。
○ 情報収集能力あるいは調査能力を高めていくためには、どれだけ現場に精通した人を知っているかが重要。政策プランを作った後にちゃんとチェックをして事業が回っているかを見て、改善なりアクションをしていくというPDCAを踏む必要がある。そのために、目玉的な政策をやった際には、実際にモデル的な事業をやったところに人を出すということを他省庁はやっているが、文部科学省はやっていないように思う。

以上

お問合せ先

大臣官房総務課

-- 登録:平成31年01月 --