平成19年1月
平成19年最初のGPナビをお届けします。本年も、高等教育に関して、皆様に役立つ情報の発信に努めていきますので、引き続きよろしくお願いします。
平成19年の年頭にあたり、特色GP実施委員会の絹川正吉委員長及び現代GP選定委員会荻上紘一委員長からのご挨拶を紹介します。
平成15年度から始まった「特色GP」は、当初の予定通り平成19年度をもって終了します。最後の年度になりますので、満を期している多くの大学の参加が期待されています。
「特色GP」は、他の競争的資金配分プログラムとは趣を異にするものとして出発しました。すなわち、日本の大学教育の優れた事例を共有して、大学相互に教育の質向上を図ることを目的としたプログラムであることに特徴が置かれてきました。そのことを、「特色GP」はFD活動である、ということで表現してきました。そして、優れた事例紹介を中心とする「特色GP」フォーラムを重視してきました。多くのフォーラム参加者から、「特色GP」はFD活動である、という趣旨に賛同していただけたことは幸いでした。
したがって、「特色GP」には、各大学が応募という形で参加することに中心的意味があります。「特色GP」に申請することによって、それぞれの大学が、自分の教育を顧みて、更なる充実を図るまたとない機会に恵まれるわけです。
平成19年度「特色GP」に、日本のすべての大学が応募して、日本の大学教育の充実振りを世界に示そうではありませんか。
本年もよろしくお願い申し上げます。
昨年末決定された平成19年度政府予算案では、現代GPに約51億円の事業費が認められています。これは、対前年度比5億円増であり、これまで現代GPが積み上げてきた事業実績が高く評価されてのことと思いますが、非常に厳しい財政状況の中で、予算増を獲得して下さった文部科学省の努力に敬意を表します。
仕事で多くの大学を訪問してみて、「GP効果」が着実に現れつつあることを実感しています。この勢いを今後に繋げるべく、我々選定委員会も、さらに迅速で公正な審査やGP事業への理解の向上に努めていきたいと考えております。大学・短期大学・高等専門学校の皆様におかれましても、現代的ニーズに応える教育の実質化に向けた取組の充実発展と成果の明示に努められ、引き続き、教育改革の推進に御尽力下さるようお願いいたします。
19年度の公募テーマにつきましては、現在、文部科学省で検討中ですが、テーマ等を正式に決定した後、公募の通知を2月上旬、申請の受付を4月中旬に実施したいと考えております。これまで以上に多くの大学等からの申請をお待ちしております。
高等教育に関する最新の話題などについてお届けします。
前号でもお伝えしましたが、12月24日(日曜日)19年度政府予算案が閣議決定されました。
厳しい財政事情の中、財政当局や関係者のご理解をいただき、特色GP、現代GP、グローバルCOEプログラムなどの各プログラムの実施に必要な経費が総額で615億円(予定額。以下同じ。)認められたところです。
文部科学省では、更なる高等教育の活性化を推進すべく、各プログラムの実施に向け準備を進めています。
今回は、「国公私立大学を通じた大学教育改革の支援の充実」の各プログラムの中から、特色GP、現代GPとともに、新規プログラムの「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」についてご紹介します。
平成19年度予定額31億円(18年度予算額35億円)
平成15年度から実施してきた本プログラムですが、平成19年度は、特色GPとしては最後の新規公募を学士課程、短期大学士課程で行い、教育内容・方法の高度化・豊富化に資する特色ある優れた取組を選定・支援するとともに、フォーラムの開催、事例集の作成などの情報発信を行う予定です。
なお、修士課程については、次回のGPナビで紹介予定の新規プログラム「大学院教育改革支援プログラム」で対応予定です。
平成19年度予定額51億円(18年度予算額46億円)
平成19年度は、地域活性化、環境教育、キャリア教育関連等の公募テーマに加え、現在新規のテーマについて検討中です。今後の選定委員会資料等で皆さんにも公表して行く予定です。勿論「GPナビ」でも適時報告していきます。
また、フォーラムの開催による情報発信も引き続き積極的に行う予定です。
平成19年度特色GP・現代GPのスケジュールや説明会等については次号以降の「GPナビ」で随時紹介していきますのでお見逃しなく。
両プログラムを活用した高等教育全体の活性化が図られるよう、大学、短期大学、高等専門学校の関係者の皆様には、申請に向けた積極的なご検討をお願いします。また、読者の皆様におかれては、19年度も各大学、短期大学、高等専門学校の積極的な取組に注目していただければと思います。
平成19年度予定額18億円
政府が推進する「再チャレンジ支援総合プラン」の関係施策の一つとして、平成19年度から実施する予定の新規プログラムです。このプログラムは、大学・短期大学・高等専門学校における教育研究資源を活用しつつ、さらに産業界や関係団体等と連携しながら、社会人(現職者・求職者に加え、子育て等により就業を中断した女性、ニート・フリーター等を含む)の「学び直し」のニーズに対応した、再就職やキャリアアップ等につながる実践的かつ体系的な比較的短期間の教育プログラムを開発・実施する優れた取組を支援するものです。
現在、文部科学省において平成19年度からのプログラムの実施に向け、具体的な募集要綱や実施スケジュール等について鋭意検討中です。
次号では、平成19年度に実施する、大学院を対象としたプログラムについて紹介したいと思います。
(高等教育企画課高等教育政策室長 鈴木 敏之)
中央教育審議会大学分科会は、昨年12月25日(月曜日)に会議を開催しました(会議資料は近日当省Webサイトに掲載予定)。この会議では、教職大学院制度の創設に伴う専門職大学院設置基準の改正や評価機関の認証に関する答申内容が決定されました。
また、学士課程教育の在り方等に関する制度部会及び大学教育部会におけるこれまでの審議を踏まえ、
の6つの柱の下、重要な論点の例を提示しました。今後、これらに関する検討を進め、本年夏頃を目途に学士課程教育の在り方等に関する審議をまとめていく方針が了承されました。
さらに、上記の6に関連して、大学設置基準等の今後の見直しについても、基本的な方針に関して了承されました。これを受け、以前の「GPナビ(35号)」で紹介したFDの実施義務化などについては、できるだけ早期に見直しを行うこととなりました。その際、大学の質の保証や学習者保護等の面で最低限の条件が明確に規定されているか、各大学の特色化や個性化に柔軟に対応できる内容となっているか等の観点から検討していく方針です。
文部科学省としては、これらの方針や今後の大学分科会での審議を踏まえて、大学設置基準等の改正に加え、学士課程教育を対象とするGP事業の在り方など制度面、予算面それぞれに関して、検討作業を進めていく予定です。
文部科学時報1月号(発行 株式会社ぎょうせい)では、これまでに特色GP・現代GPで選定された取組の活動状況等について、以下の大学からの報告を紹介しています。
「大学改革GPナビ-Good Practice-」メールボックス(daikaika@mext.go.jp)に対して、よくいただく質問にお答えします。
(Q)
平成18年度に特色GPや現代GPに選定された取組に関して詳しい情報を入手したいのですが、今年度は事例集やリンク集は作成されますか。
(A)
平成18年度に特色GPや現代GPに選定された取組についても、これまでと同様に事例集やリンク集を作成すべく準備を進めています。
特色GPや現代GPに選定された取組を実施する各大学等が開設するWebサイトへのリンク集については、現在各大学等からの登録を受け、以下のWebサイトで公開中です。
また、例年作成している特色GPの選定取組の事例集ですが、現在大学基準協会にて作業を進めており、2月以降に各大学や関係機関に配付される予定です。
2007年が始まりました。今年も引き続き、GPナビをよろしくお願いします。皆様、年末年始はいかがお過ごしでしたか。私は今年は近所で初詣に行くなどのんびり過ごしました。しかし、年末年始ののんびりな気分も休み明けには一転し、特色GPや現代GPの公募開始-説明会-受付準備と、事務局は年度末に向けて慌ただしい毎日が続きそうです。
現在、文部科学省では平成19年度の特色GP、現代GPの公募に向けた検討が急ピッチで進んでいます。各プログラムの委員の皆様には今年もご協力お願いします。また、各プログラムの対象となる大学等の関係者の皆様におかれても、各プログラムの申請に向けた検討で忙しくなると思われますが、冒頭の絹川特色GP実施委員会委員長の挨拶にもあるとおり、「各大学が応募という形で参加することに中心的意味がある」GPに積極的に申請(参加)し、プログラムの成功と高等教育の活性化に向け、その一翼を担っているという意識の下で本年も頑張りましょう。
大学改革GPナビ-Good Practice-
編集長: 文部科学省高等教育局大学改革推進室長 伊藤 学司
発行: 文部科学省高等教育局大学改革推進室
〒100-8959 東京都千代田区丸の内2-5-1
電話:03(5253)4111(代表)(内線:3319、3321)
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