大学改革GPナビ-Good Practice-(第9号)

平成17年10月28日



INDEX
[「魅力ある大学院教育」イニシアティブ採択結果]
[レポート「18年度GPについて」編集長(高等教育局主任大学改革官)山崎 秀保]
[「大学改革GPナビ」アンケート実施中(11月7日(月曜日)締切)]
[GPに関するQ&A]
[編集後記─編集部(特色GP・補助金執行担当)(大学改革推進室改革支援第2係長)川崎 宏]



「魅力ある大学院教育」イニシアティブ採択結果]

 多数の申請をいただきました平成17年度の「魅力ある大学院教育」イニシアティブについて、10月25日(火曜日)に採択結果を公表しました。
 本事業に申請をしていただいた各大学関係者の方、精力的に公正な審査を行っていただいた各委員の先生方に厚く御礼申し上げます。


 (「魅力ある大学院教育」イニシアティブ委員会石弘光委員長のコメント)

 10月20日に「魅力ある大学院教育」イニシアティブ委員会において、本事業の平成17年度採択教育プログラム97件<人社系35件、理工農系43件、医療系19件>について了承された。
 本事業は、本年9月5日に中央教育審議会において答申が出された「新時代の大学院教育-国際的に魅力ある大学院教育の構築に向けて-」の審議と並行しつつ、その提言を踏まえて行う文部科学省の17年度新規事業であった。この事業は、次のような2つの目的をもっている。

1  現代社会の新たなニーズに応えられる創造性豊かな若手研究者の養成機能の強化を図るため、大学院における意欲的かつ独創的な研究者養成に関する教育取組に対し重点的な支援を行うことにより、大学院教育の実質化(教育の課程の組織的展開の強化)を推進するとともに、
   
2  採択された取組を広く社会に情報発信することで、今後の大学院教育の改善に活用する

 平成17年度は、初年度の公募にも関わらず、7月末に147大学から338件の意欲的な教育プログラムの申請があり、その計画調書に基づき、

1  大学院教育の実質化(教育の課程の組織的展開の強化)のための方策の展開が期待できるものとなっているか、
   
2  現代社会の新たなニーズに応えられる意欲的かつ独創的な教育プログラムであり、創造性豊かな若手研究者の養成が期待されるものとなっているか、

 という2つの視点から選考にあたった。そして、大学関係者・学識経験者による分野別審査部会を設け、当該専攻の課程の目的・役割に照らし、書面審査、ヒアリング審査・合議審査を実施し、魅力ある大学院教育の構築に資する、先導的な教育プログラムを選定した。

 今年度採択された教育プログラムは、短期間の準備期間にも関わらず、若手研究者の育成に向けて、コースワークの充実強化、複合的な履修への取組や、円滑な学位授与に向けてのプロセス管理等の工夫など注目すべきものが多かった。そして、大学院教育の実質化を目指した組織的な取組を基盤とし、各大学の特色を活かした創意工夫ある魅力的な教育プログラムが多数見られた。

 答申の趣旨を踏まえた大学院教育の実質化は、緒についたばかりであるが、採択された各大学は、審査における助言を参考とし、大学院教育の先導的なモデルとして、これらの教育プログラムの実現に向けて適切に努力して欲しいと思う。そのプロセスも含めた成果の普及により、我が国の大学院教育の実質化に多大な波及効果がもたらされることを期待したい。

 大学院教育における研究者養成に着眼した支援事業は、これまでに例が無いとも言え、非常に意義ある事業である。文部科学省においては、近年の厳しい財政状況の下ではあるが、引き続き、積極的な財政支援に努めていただきたい。
 また、初回の公募であり、大学院教育の実質化の趣旨が十分徹底されていなかった状況もあった。採択結果から見ると、国立大学のいわゆる「研究重視型大学」の採択が多く見られた。しかしながら、今回のモデルを参考としつつ、今後、多くの公私立大学がその養成機能を担っている、社会・企業等との連携を意識した「実践的研究者の養成」に関した教育プログラムの公募に期待している。

 最後に、教育プログラムが採択された各大学のみならず、残念ながら今回は採択に至らなかった関係者各位にも、その協力に感謝をしたい。そして、是非、今回の申請を契機に、各大学に更なる大学院教育の実質化の推進にご尽力願いたいと思う。
 また、多忙な中、短期間にもかかわらず、精力的に審査にあたってくださった各委員・書面審査委員の先生方には厚く感謝の意を表したい。

今年度採択プログラムについては、以下URLを参照して下さい。
平成17年度「魅力ある大学院教育」イニシアティブ審査結果について(※国立国会図書館ホームページへリンク)別ウィンドウで開きます

 

 

[レポート「18年度GPについて」編集長(高等教育局主任大学改革官)山崎 秀保]

 現在、平成18年度概算要求の各事項について、財務当局と折衝を続けているところです。財政状況が非常に厳しい中、特色GPや現代GPといった国公私立大学を通じた大学教育改革支援施策も例外ではなく、事業の必要性・重要性は理解していただきつつも、財源との関係で今後どのような査定になるのかは予断を許しません。文部科学省では、年末に向けて更に一層の努力をしていきます。
 一方、並行して、来年度の特色GP・現代GPについて、両プログラムの委員会と相談をしながら、その在り方の検討を行っています。現在、論点となっている点や来年度の大まかな公募スケジュールについてお知らせします。なお、予算折衝の動向により変更があり得ますのでご留意ください。

○特色GP

 平成15年度から実施している特色GPについては、これまでも、テーマ例や評価方法の見直しなどが課題として挙げられてきました。文部科学省と実施委員会では、過去3年間の選定結果や大学・短期大学からのアンケート結果、中央教育審議会答申(本年1月の「我が国の高等教育の将来像」、9月の「新時代の大学院教育」)、学校教育法の改正(短期大学士の創設)などを踏まえ、公募の在り方等の見直しの検討を行っています。

 具体的には、

  • 中教審答申において、現在、大学は学部・学科や研究科といった組織に着目した整理がなされているが、今後は、教育の充実の観点から、学士・修士・博士といった学位を与える課程中心の考え方に再整理していく必要があると指摘されていること。
  • 新たな学位“短期大学士”の創設を踏まえた事業の在り方を検討する必要があること。
  • 課程制大学院制度の趣旨を踏まえ、「大学院教育の実質化」を図ることが必要であること。
  • アンケートにおいて、「申請しなかった」と回答した大学の約3割が「もう少し実績を積み重ねてから申請したい」との回答であったこと。
などを踏まえ、例えば

  • 修士課程、学士課程、短期大学士課程といった区分による申請と審査等を行ってはどうか。
  • 実績に加え、その実績を踏まえた今後の事業計画も評価してはどうか。
などといったことについて検討を進めているところです。

○現代GP

 現代GPについては、申請のしくみ自体を大きく変更する必要はないと考えています。申請書の項目については、求める内容の趣旨として大きな変更はないと思いますが、過去2年間の申請・審査状況や社会のニーズなどを踏まえ、「社会的要請の強い政策課題を踏まえたテーマ設定に対応する優れた教育取組を選定する」という趣旨・目的をより一層明確化する観点から、申請書の様式や審査方法等について、現在、選定委員会において検討しているところです。
 また、公募テーマについては、新規に環境教育を設定する等の変更を考えているところですが、内容等の詳細については、今後検討していきたいと考えています。
 年末の予算案確定までは流動的な部分もありますが、現代GPに申請を予定されている大学等の関係者におかれましては、今後、選定委員会の会議資料や「大学改革GPナビ」等の情報に注目していただければと思います。

 いずれにしても、これまでも申請書に記載することとされていた事項は、取組を円滑に進めていく上でも、必ず検討しておくべきポイントかと思われますので、早い時期から学内での議論・検討をお願いしたいと思います。

 なお、「現代GPフォーラム」を平成18年3月4日(土曜日)に東京ビッグサイトで開催する予定です。テーマごとのグループ・ディスカッションも予定していますので、今の段階からスケジュール調整をいただき、積極的なご参加をお願いします。

○スケジュール

 平成18年度の各GPのスケジュールについては、例年とは異なり、現代GPの申請受付を先行し、その後特色GPの申請受付を行う方向で検討中です。時期については、現代GPは17年度の特色GPのスケジュール(4月上旬申請受付)、特色GPは17年度の現代GPのスケジュール(5月上旬申請受付)を念頭に調整しています。
 今後の状況により変更はあり得ますが、申請を予定されている各大学等は、今後の「大学改革GPナビ」等の情報にも留意していただき、準備をお願いしたいと思います。

 GPへの申請について、大学改革推進室では皆様からのご質問、ご相談をお待ちしています。



[「大学改革GPナビ」アンケート実施中(11月7日(月曜日)締切)]

 創刊から5ヶ月が経った「大学改革GPナビ」を発信者側と受信者側双方向のコミュニケーションを通じた有益な情報交換の場としていけるよう現在アンケートを実施中です。

 回答は読者であればどなたでも可能です(大学あたり何件などの制限はありません)。このアンケートには大学としての意見・要望だけでなく読者の方の自由な感想・意見・要望もお寄せください。
 いただいたご意見・ご要望などは、「大学改革GPナビ」の充実・改善に関してのみ利用し、他の目的には利用しません。

 締切は平成17年11月7日(月曜日)です。皆様のご意見、ご要望をお待ちしております。
 ご協力をお願いします。

 下記URL上の様式にてアンケートに回答の上、daikaika@mext.go.jp(メール) 又は03-6734-3387(FAX)まで送付してください。
 回答については記名等は必要ありませんが、メールで回答いただく場合はセキュリティの関係上、件名は必ず「大学改革GPナビ(アンケート)」の形式でお願いします。

「大学改革GPナビ」アンケート様式掲載ページ



[GPに関するQ&A]

 「大学改革GPナビ-Good Practice-」メールボックス(daikaika@mext.go.jp)に対して、よくいただく質問にお答えします。


(Q)
 私は最近今の部署に異動してきました。
 初歩的な質問ですが「ペーパーレフェリー」について教えてください。

(A)
 「ペーパーレフェリー」とは、氏名非公開の書面評価員のことで専門的な見地から書面による評価を行っていただいております。
 ペーパーレフェリーの先生方の評価の意見も踏まえ審査を行うことで、特色GP・現代GPの審査の客観性を高めています。
 今年度は、特色GPでは117名、現代GPでは82名の先生方にペーパーレフェリーとしてご尽力いただきました。


 「GPに関するQ&A」でとりあげてほしい質問を随時募集しています。daikaika@mext.go.jp、03-6734-3335(直通)又は03-6734-3387(FAX)までお寄せください。メールでお送りいただく場合セキュリティの関係上、メールの件名は「大学改革GPナビ(Q&A)」の形式でお願いします。



[編集後記~編集部(特色GP・補助金執行担当)(大学改革推進室改革支援第2係長)川崎 宏]

 「魅力ある大学院教育「イニシアティブ」」の選定結果を公表しました。担当である隣の大学院係では、ここ何日かすごくバタバタしていて大変そうです。実はこれからが正念場‥‥数え切れない位の業務で繁忙を極める時期に突入です。

 24日(月曜日)の特色GP福岡フォーラムに参加してきました。大学などの方々と色々お話したいと思ってのぞみましたが、我々のブースの前を資料片手に、まるで競争しているかのように足早に立ち去る方々を前に、やっぱり声をかけづらいオーラを出しているからなのか、はたまた敷居が高いと思われているからなのか・・・反省です。それでも幾人かの方々とのお話はとても有意義で楽しかったです。現場の重要性をあらためて認識させていただきました。ありがとうございました。残りの会場ではもっとお話できるよう勇気!?を出してお声をおかけしてみたいと思います。

 先日、横浜フォーラムの会場にご参加いただいた高等学校の先生と電話でお話をさせていただく機会がありました。普段なかなかお話する機会が少ない我々としては、参加された率直な感想や学校現場への反響など、大変興味深いお話を伺うことができました。機会があれば是非ご感想などご紹介できないものかと、次のGPナビ編集会議にかけてみます。

 GPをはじめとする「国公私を通じた大学教育改革の支援」事業についての質問や提言などありましたら、daikaika@mext.go.jpまでメールを送信してください。
 お送りいただくメールの件名は必ず[大学改革GPナビ(件名)(学校名)」の形式でお願いします。
 なお、ご質問等に関しては、個別にお答えしてまいりますが、皆さま方にご紹介することが適当と思われるものなどについては、ご質問をいただいた方に確認の上、大学改革GPナビなどで回答する場合もあります。



大学改革GPナビ-Good Practice
編集長: 文部科学省高等教育局主任大学改革官 山崎 秀保
発行: 文部科学省高等教育局大学改革推進室
〒100-8959 東京都千代田区丸の内2-5-1



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国公私立大学を通じた大学教育改革の支援

特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)(フォーラム開催中)

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