本取組を始めた経緯は次の3点である。
1) 専門性や複雑性が増していく社会で、縦割りが進みすぎて風通しが悪い組織、コミュニケーションがとりづらい個人が生まれてくる一方で、社会と自分の関わり方に関心を持たず、内向きで、依存的な「思考停止社会」が顕在化してくることに大きな問題意識を持っている。
2) 生涯教育が求められていく中で、学校教育の知識獲得型の学習だけではなく、協働で意味を構成する学習(社会構成主義学習観)に基づいた教育の場面が地域コミュニティやさまざまな組織などで展開されるべきである。そのためには、協働で意味を構成する学習の方法としてワークショップを企画運営する人材の育成が必要であると課題を設定した。
3) これからの多元的共生社会において大学は、これまでの使命である教育、研究に続き、第3の使命として「社会貢献」に尽力すべきである。大学の人的資源や施設設備を利用した本取組は、社会人の学び直しとしての価値だけではなく、学校教育法に基づく履修証明制度を利用していることは、これからの大学の社会貢献のスタイルとして大きな意味を持つと考えた。
ワークショップデザイナー育成プログラム
児童館や地域のミュージアム等をはじめ、子ども達の活動の場所や場面で、コミュニケーションを基盤とした知識や技能を活用する活動プログラムを企画運営する専門職としてワークショップデザイナー(地域教育育成専門員)を位置づけ、地域教育の活性化を推進する人材として育成をする。
現在ほど地域の教育力の再生が期待されている時期はなく、また、子ども達にコミュニケーション力の向上を緊急な課題として取り上げられている時期もなかった。その原因は、子ども達に必要な協同性や創発性のようなコミュニケーションを基盤とした能力を育成するための有効な活動プログラム(ワークショップ)が少なく、それを企画運営する人材の絶対数が不足しているからである。本事業は、この地域教育の活性化を具体的な活動プログラム(ワークショップ)で実践できる人材として、ワークショップデザイナー(地域教育育成専門員)の養成を目指している。
(1)具体的内容及び方法
青山学院大学 7期(2011年7月現在)
大阪大学 5期(2011年7月現在)
鳥取大学 1期
※ 2011年10月現在、青山学院大学第8期、大阪大学第6期は受講中
医療系4%、企業系40%、公益系24%、アート系11%、教育系21%
修了生の活躍は、自分のフィールドで現場をよくしていく、新しいプロジェクトを修了生同士ではじめるなどさまざまな形で活動している。
ワークショップデザイナーを増やしていくことで、社会的な認知度を高め新しい学びのスタイルを広めていく。そのために、一般社団法人ワークショップデザイナー大学コンソーシアムを発足(2011年4月)させ、大学間の連携、拡大に努めていく。また、NPOワークショップデザイナー推進機構を基軸に、修了生を組織化しワークショップデザイナーの活動の場を広げてゆきたい。
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