平成22年12月10日
日中韓サミットに基づき開催された、日本・中国・韓国の有識者による会議において、パイロットプログラムを来年出来る限り早期に開始することなどが合意されました。
第2回日中韓サミット(平成21年10月)における鳩山前総理の提案に基づき設置された日中韓大学間交流・連携推進会議の第2回会議(於:北京)において、三国の代表が、さらなる高等教育の発展のため、以下に合意しましたのでお知らせします。(会議出席者とこれまでの経過:別添1)。
○ 大学間交流を促進するための単位互換や成績評価等に関する三カ国間のガイドラインについて大筋合意し、今後、更に国内外の意見を踏まえ、確定していくことに合意(別添2:ガイドラインの概要)。
○ パイロットプログラムを来年出来る限り早期に開始することとし、詳細については来年春に開催予定の第3回日中韓大学間交流・連携推進会議(於韓国)において引き続き議論していく(別添3:パイロットプログラムの内容と進め方)。
文部科学省においては、引き続き、パイロットプログラムの実施に向け、中国、韓国と調整を進めるとともに、来年3月には、中韓に加えASEAN各国の政府、質保証機関等を招き、東アジア質保証シンポジウムを開催する予定です。
【日本】
○ |
安西 祐一郎 |
中央教育審議会大学分科会長、慶應義塾学事顧問 |
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中鉢 良治 |
ソニー株式会社副会長 |
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寺島 実郎 |
財団法人日本総合研究所理事長、多摩大学学長 |
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平野 眞一 |
独立行政法人大学評価・学位授与機構長 |
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磯田 文雄 |
文部科学省高等教育局長 |
* |
濱田 純一 |
東京大学総長 |
【中国】
○ |
呉 博達 |
中国教育部学位・大学院生教育発展センター主任 |
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季 平 |
中国教育部高等教育教学評価センター主任 |
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楊 河 |
北京大学学長代理(副学長) |
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張 兆東 |
中国北大方正グループ株式会社総裁 |
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張 秀琴 |
中国教育部国際協力交流司司長 |
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劉 桔 |
中国教育部高等教育司副司長 |
【韓国】
○ |
ソン・テジェ |
大学教育協議会事務総長 |
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イ・ヒョンチョン |
祥明大学総長 |
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キム・インセ |
釜山国立大学総長 |
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キム・テウォン |
韓国教育開発院長 |
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ソン・キドン |
教育科学技術部国際協力局長 |
* |
ユン・ジョンヨン |
サムソン電子顧問 |
○:共同議長、*:今回欠席の委員
○第2回日中韓サミット(平成21年10月・北京)において、鳩山前総理より、3か国間で質の高い大学間交流を行うこと、これを検討する有識者会議の設置、及びアジアにおける質保証を考える国際シンポジウムの開催を提言、合意。
○第1回日中韓大学間交流・連携推進会議(平成22年4月・東京)を開催。本構想の名称を「キャンパス・アジア」とすること、専門的な議論を進めるため、大学間交流WG及び質保証WGの開催に合意。
○第3回日中韓サミット(平成22年5月・済州島)において、日中韓を中心にASEAN等への拡張を視野に入れた「キャンパス・アジア」構想の早期実現について合意。
○大学間交流WG及び質保証WG(平成22年8月・東京)を開催。
○第2回日中韓大学間交流・連携推進会議を、平成22年12月10日に北京で開催。
○平成23年3月17~18日に東アジア高等教育質保証シンポジウムを開催予定(東京)。
○次回日中韓大学間交流・連携推進会議(韓国)において、ガイドライン及びパイロットプログラムについて引き続き議論。
本ガイドラインは、第2回日中韓大学間交流・連携推進会議において大筋で合意し、今後、更に国内外の意見を踏まえ、決定していくこととなったもの。本日の議論を踏まえた案文については、中国側が作成次第公表することとしているが、現時点において議論されている内容については下記のとおり。
○ 大学、政府、質保証機関、及び産業界等の関係者が、単位互換や成績評価を伴う協働教育の実施に当たって努力すべき事項を明記し、提供される学位及び教育の質を保証し、ひいては国内外の高等教育の質の保証及び更なる向上につなげる。
○ 大学制度は、各国において個性と特徴を持っていることから、ガイドラインの作成は、各国の大学制度や大学教育の在り方を拘束するものではないことに留意する。同じく大学間交流は、各大学の自主的な方針と取組が前提であり、ガイドラインが各大学の教育や交流の内容・方法を拘束するものではないことにも留意する。
○ 各国におけるそれぞれの責任に基づき、大学、政府、質保証機関、及び産業界を含むその他の関係主体に対して、以下の措置をとるよう要請(各措置に対する説明内容は省略)。
<大学>
○内部質保証システムの構築
○交流プログラムの効果的実施
○学生に対する良好なサービスの提供
<政府>
○包括的で公正かつ一貫性、透明性ある質保証の枠組みづくり
○関係大学の交流プログラム参加促進
○質保証機関の活動支援
<質保証機関>
○手続の明確化と可視化
○共同指標や相互評価の検討
○スタッフの評価活動に関する資質の向上(キャパシティ・ビルディング)
<産業界を含むその他の関係主体>
○三カ国の交流の意義に対する理解
パイロットプログラムについては、下記の内容及び課題について審議がなされた。
1.パイロットプログラムの目的
○ 開放・広範・柔軟・自発・段階的実施の5原則の下、日中韓の大学において、単位互換や成績評価を伴う協働教育を試験的に実施し、その成果や課題に基づいて、将来的に三カ国の大学が大規模に協働教育を行えるようにする。
2.パイロットプログラムの内容
○ 日中韓の大学がコンソーシアムを組織し、単位互換や成績評価につながるような、ショートビジット、サマープログラム、ダブル・ディグリーなどの短期から長期に至る様々な協働教育を行う。
3.今後実施に向けて検討すべき課題
○ 公募に向けたプロセス
○ 交流プログラムにおける使用言語
○ 審査体制 等
課長 義本 博司(内線2476)、高等教育政策室長 榎本 剛(内線2473)、国際企画室専門官 大嶋 名生(内線3363)
電話番号:03-6734-3363
ファクシミリ番号:03-6734-3385
-- 登録:平成22年12月 --