2012年度国費外国人留学生(研究留学生)申請に当たっての留意事項(大学推薦)

1.募集について

 本募集は平成23年度に募集を開始しているが、平成24年度予算の成立をもって実施されるものであり、予算の範囲内での採用となるところ、特に一般枠の採用人数は前年度実績から大きく変動する可能性がある。

2.学業成績係数の導入について

 優秀な留学生を獲得するため、一般枠、特別枠、地球規模枠、特定地域枠のいずれにおいても直近2年間の学業成績係数が3点満点で2.30以上の者を対象とする。

3.特別枠の採用について

 特別枠については、優秀な留学生の獲得を推薦要件の一つとする一方、国費留学生の優先配置を行う特別プログラムの採択時にプログラムごとに指定した推薦可能者数の範囲内での採用を実質的に大学の裁量とする。文部科学省においては外形的要件(国籍、年齢、推薦可能者数、学業成績係数等)の確認を主として実施するため、各大学は推薦可能者数の範囲内において、他の枠と同様に、募集要項に記載された要件を必ず満たす者を推薦すること。要件を満たさない者は推薦要件違反となるため、推薦があったとしても審査対象とならない。
 また、外務省においても、文部科学省に提出された推薦書に対し、安全保障貿易管理の観点から確認を行うため、各大学にあっては「7.推薦対象者について」の「オ」に記載した確認を十分行った上で推薦すること。ただし、いずれにせよ各大学は外為法を踏まえた輸出管理上の確認を的確に行った上で推薦する必要がある。
 なお、優先配置を行う特別プログラムは支援期間を5年間としており、プログラム番号が「07」から始まっているものは、今回の募集による平成24年度秋学期の渡日が5回目となる。当該プログラムについては、評価を行った上で実施を検討するため、必要な手続きについては後日別途通知する。
 また、プログラム番号が「06」で始まっているものについて、平成24年度秋渡日の募集の可否は後日別途通知する。(参照:23文科高364号『「国費外国人留学生(研究留学生)の優先配置を行うプログラム」の評価及び募集(継続・新規)について(通知)』)

4.地球規模枠について

 独立行政法人科学技術振興機構が実施する「地球規模課題対応国際科学技術協力事業」に参加している大学が、相手国から優秀な博士課程の留学生を獲得することを目的とする。

【推薦可能大学】

 地球規模課題対応国際科学技術協力事業に採択され、討議議事録(R/D)を締結した課題に参加している大学(大学以外の機関は不可)。

【推薦可能人数】

 地球規模課題対応国際科学技術協力事業に参加しているすべての課題の合計で10人を上限とする。

【在籍課程】

 大学院博士後期課程(一貫制博士課程では3年次。非正規課程は認めない。)

【奨学金支給期間】

 正規課程の修了に必要な期間(標準修了年限)とする。一貫性博士課程では3年次以降とする。

【招へい対象者】

 採択課題の相手国にあり、課題に参加している機関に所属している者。

【学業成績】

 直近2年間の学業成績係数が2.30以上であり、奨学金支給期間中にそれを維持できる見込みがある者。

【その他】

 申請に当たっては、独立行政法人科学技術振興機構が実施する事前審査を受け、認められた者のみを推薦すること。事前審査については独立行政法人科学技術振興機構 地球規模課題国際協力室から各研究代表者宛に別途連絡がある。

上記以外の基準は、原則として国費外国人留学生(大学推薦)募集要項に準じる。

5.推薦方式について

 大学推薦の推薦方式は以下のとおりであり、該当する推薦方式により推薦すること。

1.【一般枠】

全ての国公私立大学が推薦可能

2.【特別枠】

平成19年度又は平成21年度「国費外国人留学生(研究留学生)の優先配置を行う特別プログラム」(以下、「特別プログラム」という。)に採択された大学のみ推薦可能。ただし、平成18年度「国費外国人留学生(研究留学生)の優先配置を行う特別プログラム」については、平成24年度秋渡日の募集が可となった大学に限る

3.【地球規模枠】

独立行政法人科学技術振興機構「地球規模課題対応国際科学技術協力事業」に採択された課題に参加している大学のみ推薦可能

4.【特定地域枠】

文部科学省から指定された大学のみ推薦可能

6.推薦対象者について

  次のいずれかに該当する者を推薦すること。

  1. 大学間等交流協定に基づき相手国大学から公式に推薦を受けた者
  2. 1.の場合以外で、当該大学と交流実績(交流実績には、組織間交流以外の交流も含む)のある外国の大学の学長又は部科長相当以上の者からの公式の推薦を受けた者
  3. その他、大学等としては交流のない場合であっても、大学の教育・研究の向上に資する者として当該大学長が推薦する者

(留意点)

ア 日本国政府と国交のある国の国籍を有すること。(また、申請時に二重国籍等により日本国籍を有する者でないことをよく確認すること。なお、無国籍者であっても推薦は妨げないが、奨学金支給期間終了後の帰国に際し支障がないことを確認すること。)

イ 過去に国費外国人留学生であった者については、奨学金支給期間終了後、採用時(奨学金支給開始月)までに3年以上の教育・研究等の経験のある者でなければ採用の対象とならない。
 ただし、大学学部を卒業した日本語・日本文化研修留学生及び帰国した日韓共同理工系学部留学生については、3年以内であっても差し支えない。〔その旨を推薦調書(別紙様式1)の備考欄に記載すること。〕

ウ 複数の大学による同一人物の推薦、日本政府(文部科学省)及び独立行政法人日本学生支援機構が実施している留学生を対象とした支援制度(留学生交流支援制度)との併願は認めないので、推薦に当たっては、当該事項について十分調査するとともに、候補者に事前にその旨を周知徹底させること。
 重複申請又は併願が判明した場合、その候補者の推薦を受理しないとともに、大学の推薦方法について協議を行い、何らかの問題がある場合は、当該大学の候補者全ての採用を行わない場合もある。
 なお、既に日本政府(文部科学省)及び独立行政法人日本学生支援機構が実施している留学生を対象とした支援制度により採用され、引き続き平成24年度の10月期の学期以降も在籍予定の者についても対象とならない。

エ 2012年度の10月期開始前に日本在住(又は在住予定)の者については、本募集において対象としている「新たに海外から留学する」者にあたらないため、採用の対象とならない。なお、2012年度の10月期開始前に日本在住(又は在住予定)の者で、前述の国費留学生申請条件を満たすことのみを目的として国籍国へ帰国する者についても採用の対象とならない。

オ 平成24年度に私費外国人留学生として本邦大学に在籍予定であり、10月期の学期以降も継続して在籍予定の者は対象とならない。このような者は「国内採用」の制度により申請すること。

(参考)

カ 平成18年3月24日付け17文科際第217号「大学及び公的研究機関における輸出管理体制の強化について」等に記されている大量破壊兵器等に関連する貨物・技術の違法輸出等に対する政府の対応方針及び平成21年11月24日付け21文科高第264号「大学及び公的研究機関における輸出管理について」を十分認識の上、大量破壊兵器等の製造・開発に転用される恐れのある研究分野を希望する学生については、本人の研究計画及び学習背景について面接等により十分に確認し、推薦を行わないこと。その際、経済産業省が発出する「外国ユーザーリスト」や「安全保障貿易に関する機微技術管理ガイダンス」等に留意すること。
 

7.学内募集・選考等

  1. 募集は、留学生の質の確保・向上という観点から、各大学において特に優秀な留学生の募集に努めること。
     
  2. 選考は、全学的な選考委員会等を設置し、客観的な選考基準により行うこととし、募集・選考に関係する資料(一般枠・特別枠(プログラム毎)・地球規模枠・特定地域枠の別)を申請書等と併せて送付すること。(募集要項「4(3)提出書類等)」を参照のこと。)
      特に、特別枠の場合は、募集・選考に関係する資料の中で特別プログラムへの応募者数、採用者数などについても記載すること。
      なお、候補者に対しては、当該大学教員が、可能な限り面接を実施すること。(面接を行うことができない場合は、インターネット等によるインタビューを適切に実施すること。)
     
  3. それぞれの枠ごとに、推薦順位を付した上で推薦すること。
     
  4. 一般枠及び特別枠の場合、推薦にあたり、以下のとおり候補者が特定国に偏ることのないよう配慮すること。(以下の基準については、特別枠の場合プログラム毎に適用する)
    • 一国当たり3名を上限とし、かつ推薦者全体に占める割合が50パーセント以内であること。
    • 大学の国際戦略等により、真にやむを得ず、これらの値を超える場合は、理由書 (様式自由)により、その理由について説明すること。
    • 選考においては、当該理由を考慮し、弾力的に取り扱う場合もあるが、単に「全学生が真に優秀であるため。」というような理由は認めない。
       
  5. 推薦可能人数は以下のとおりである。
    • 【一般枠】
        後述10<参考:平成23年度採用枠の配分方法>の表を参照し、平成23年5月1日現在の大学院に在籍する留学生数に対応した採用基本枠人数に加えて2名程度を上限とする。
        なお、採用基本枠が0人であっても、過去の推薦状況及び留学生在籍状況、調査書を考慮する場合があるので、1名を推薦することは差し支えない。
    • 【特別枠】
        特別プログラム採択時に示された研究留学生優先配置人数とする。特に、博士後期課程への奨学金支給期間の延長が認められた者のいる特別プログラムにおいては、「博士後期課程への優先配置人数-博士後期課程への延長者数=博士後期課程への推薦可能者数」となることに留意すること。例年、優先配置人数を超過した推薦が見受けられるので、十分注意すること。
    • 【地球規模枠】
        独立行政法人科学技術振興機構が実施する事前審査を受け、認められた課題のみとする。
    • 【特定地域枠】
        原則として、前年度と同数を上限とする
       
  6. 学業成績は正規課程の成績のみを用い、研究生や日本語学校などの成績を含めないこと。また、学業成績係数は各年度で算出し、年度途中の場合はその成績を含めないこと。ただし、セメスター制度を採用しており、前期の成績が判明している場合は、その成績が判明している直近2年間の学業成績係数を算出すること。  係数の算出ができない場合は、算出できない理由と学業成績係数が2.30以上に相当すると判断した根拠を記した書面を提出すること。この場合、単に「研究内容が優秀と認められるため」といった記載は認められない。必ず客観的事実を根拠とすること。
     なお、複数の大学等の成績により算出する場合には、後述の〔学業成績係数の算出方法〕に基づき、算出基準を合わせること。
     これらについては各大学において十分確認の上、適切と判断できる旨を総合成績評価報告書(別紙様式3)に記載すること。総合成績評価報告書の作成に要した書類は各大学において適切に保管するものとし、文部科学省の求めに応じて提出できるようにしておくこと。

〔学業成績係数の算出方法〕
 下記の表により「評価ポイント」を算出し、計算式に当てはめて計算すること。

区分

 成績評価

4段階評価

 

不可

4段階評価 

 

A

B

C

F

4段階評価

 

100~80点 

 79~70点

69~60点

59点~

5段階評価

S

A

B

C

F

5段階評価

A

B

C

D

F

5段階評価

100~90点

89~80点

79~70点

69~60点

 59点~

評価ポイント

3

3

2

1

0

(計算式)
{(「評価ポイント3の単位数」×3)+(「評価ポイント2の単位数」×2)+(「評価ポイント1の単位数」×1)+(「評価ポイント0の単位数」×0)}÷総登録単位数

(注1)履修した授業について単位制をとらない場合は、単位数を科目数に置き換えて算出すること。
(注2)編入学している場合は、編入学後の単位数を対象とすること。ただし、編入学前の成績評価(現大学の直前に在籍していた学校における成績)についても同様に学業成績係数を算出し、その在籍期間及び学校種を併せて推薦者一覧の備考欄に記載すること。
(注3)上表の成績評価にない評価(例えば、「認定」、「合格」など)は対象としないこと。
(注4)学業成績係数に端数が出る場合は、小数点第3位以下を切り捨てること。
(注5)現在在籍している大学の学業成績が2年に満たない場合かつ学業成績を半期毎で判定している場合で、それ以前に在籍していた大学が学業成績を学年毎で算出しているため1年未満の端数が生じる場合は、直近2.5年間の成績により学業成績係数を算出する。

8.文部科学省への推薦について

  1. 申請書類については、各大学で様式準拠のものを作成し、提出しても差し支えない。

  2. 別紙様式2については、電子データも提出期間内にメールにて提出すること。
      ファイル名は、大学番号(6桁)に大学名、一般枠・特別枠・地球規模枠・特定地域枠の別を付けることとし、メールの件名も例のとおり記入すること。
      また、特別枠については、プログラム毎にファイルを作成し、ファイル名の末尾にプログラム番号を記載すること。

    (例)
    メールの件名:123456大学推薦○○大学(研究)
    ファイル名:123456大学推薦○○大学(一般)
    ファイル名:123456大学推薦○○大学(特別)06001
     
  3. 調査書(別紙様式4)については、各大学の採用人数を決定する際に考慮するので、必要事項を記入の上、提出すること。(一般枠を申請する大学のみ。)
     なお、調査書(別紙様式4)に回答する内容のうち、数値については、別紙様式2の該当欄にも同様に入力すること。(一般枠のファイルのみ)

  4. ファイルは一般枠、特別枠、地球規模枠、特定地域枠毎に分けること。
     
  5. 申請留学生の氏名(中国人留学生は必ず漢字表記を付すこと。(電子データで漢字が表記できない場合はカタカナ表記とすること。))、生年月日、国籍、住所等については、査証申請・入国管理手続きの観点から、誤記が無いよう注意すること。誤っていると入国できず、留学できなくなる場合がある。
     
  6. 「募集要項4(3)[1]」は、公文書へ添付すること。(公文書は大学として1枚とすること。)また、必ず一般枠・特別枠(プログラム毎)・地球規模枠・特定地域枠毎に整理すること。
     
  7. 「募集要項4(3)[2]」は、個人ごとに左肩ホチキス止めのうえ、推薦枠ごとに推薦順位の順に並べ、「募集要項5(3)[1]」に示す書類の後ろに枠ごとに添付し、枠ごとにまとめて角2封筒に封入すること。
     
  8. 「募集要項4(3)[1]及び[2]」の提出書類を封入した封筒表には、「大学番号(6桁)大学推薦(一般枠・特別枠(プログラム毎に分け、プログラム番号を記載)・地球規模枠・特定地域枠の別)(研究留学生)申請書類在中」と朱書きすること。また、必ず一般枠・特別枠(プログラム毎)・地球規模枠・特定地域枠毎に封筒を分けること。
     
  9. 申請書類の提出期間は、一般枠、地球規模枠及び特定地域枠は平成24年2月13日(月曜日)~17日(金曜日)(当日消印有効)、特別枠は平成23年3月26日(月曜日)~30日(金曜日)(当日消印有効)の間とする。
     なお、提出期間以外に提出(郵送・持ち込み)のあった申請書は、一切受理しない。

書類提出先

〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
文部科学省高等教育局学生・留学生課
留学生交流室国費留学生係

電子データ提出先

ryuugaku@mext.go.jp 

9.採用方針について

 各推薦方式の採用方針は以下のとおりである。

【一般枠】

 各大学ごとの採用人数については、各大学の大学院に在籍する国費及び私費留学生数に応じた採用枠を基本としつつ、予算の状況、研究計画内容、調査書の内容(大学間交流協定実績、私費留学生の在籍状況、留学生の学位取得状況、外国人教員の割合)及び不法残留状況等を総合的に勘案する。

<参考:平成23年度採用枠の配分方法> 

(単位:人)

在籍留学生数

採用基本枠 

~25

0

26~300

1

301~700

2

701~900

3

901~1,300

4

1,301~1,700

5

1,701~1,900

6

1,901~

7

※1 この表はあくまで平成23年度実績であり、平成24年度の実際の数は予算額及び申請状況等により決定されるため未定である。
※2 参考とした在籍留学生数は、平成22年5月1日現在の日本学生支援機構調査による。

【特別枠】

 選考委員会で決定された国費外国人留学生の優先配置人数の範囲内で、推薦順位により採用する。

【地球規模枠】

 推薦のあった者について、推薦可能人数の枠内で採用する。

【特定地域枠】

 指定大学から推薦のあった者を採用する。

10.その他

  1. 結果通知については、特別枠以外については平成24年4月中を目処に、特別枠については平成24年6月中を目途に推薦のあった大学に対し文書にて通知する。
  2. 大学推薦による採用者は、当該大学で教育・研究指導を受けることを条件とするので、他大学への進学・転学は認めていないので予め候補者に周知すること。
  3. 大学推薦により採用された者の授業料、入学金、検定料等については、当該大学の負担とする。

お問合せ先

高等教育局学生・留学生課国費留学生係

(高等教育局学生・留学生課国費留学生係)

-- 登録:平成23年11月 --