国費外国人留学生制度実施要項

昭和二十九年三月三十一日
文部大臣裁定

  (趣旨)
第一条  この要項は、日本の国費による外国人留学生の受入れに係る募集、選定、配置、給与の支給その他必要な事項を定めるものとする。

  (定義)
第二条  この要項において「国費外国人留学生」とは、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)別表第一の四の表の留学の在留資格をもって本邦に在留し、日本の国費により、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する大学若しくは高等専門学校若しくは同法第八十二条の三に規定する専修学校の専門課程(以下「大学等」という。)又は大学等への入学に先立ち実施される日本語等の予備教育(以下「日本語等予備教育」という。)を行う教育施設(以下「日本語等予備教育施設」という。)に在学し、学習又は研究を行う外国の国籍を有する者(二重国籍により日本の国籍を有する者を除く。)で、次の各号に掲げるものをいう。
  一  研究留学生(大学院の修士課程、博士課程若しくは専門職学位課程に在学する者(次号及び第三号に掲げる者を除く。)、大学の学部、大学院若しくは大学の附置研究所等において課程の修了を目的とせずに専門の分野について研究を行う者及びこれらに先立ち日本語等予備教育を受ける者をいう。)
  二  ヤング・リーダーズ・プログラム留学生(アジア諸国等の将来の指導的立場になる者の養成を目的とする大学院の課程に在学する者をいう。)
  三  教員研修留学生(大学院に課程の修了を目的とせずに在学し、初等中等教育における指導方法等に関する研修を受ける者及びこれに先立ち日本語等予備教育を受ける者をいう。)
  四  学部留学生(大学の学部の課程に在学する者及びこれに先立ち日本語等予備教育を受ける者をいう。)
  五  日本語・日本文化研修留学生(大学の学部に課程の修了を目的とせずに在学し、日本語能力及び日本事情・日本文化の理解を向上させるための研修を受ける者をいう。)
  六  高等専門学校留学生(高等専門学校の学科又は専攻科に在学する者及びこれに先立ち日本語等予備教育を受ける者をいう。)
  七  専修学校留学生(専修学校の専門課程に在学する者及びこれに先立ち日本語等予備教育を受ける者をいう。)

  (選定)
第三条  文部科学大臣は、次条各号に定める推薦方法による推薦に基づき、別に定める選考委員会の協議を経て、国費外国人留学生を選定する。

  (推薦)
第四条  国費外国人留学生の推薦は、次条に定める募集に応募した者の中から、次の各号に掲げる国費外国人留学生の区分に応じ当該各号に定める推薦方法により行うものとする。
  一  第二条第一号及び第三号から第七号までの国費外国人留学生 大使館推薦(在外公館が、海外に在住する者を現地における選考試験の結果に基づき推薦する方法をいう。)
  二  第二条第一号、第四号及び第五号の国費外国人留学生 大学推薦(大学が、海外の大学等と協力して海外に在住する者を推薦する方法をいう。)
  三  第二条第二号の国費外国人留学生 外国の推薦機関からの推薦(文部科学省が指定する外国の推薦機関が、海外に在住する者を推薦する方法をいう。)
  四  第二条第一号及び第四号の国費外国人留学生 国内採用(日本の大学が、当該大学に在学する外国人留学生を推薦する方法をいう。)
  五  第二条第六号の国費外国人留学生 高等専門学校推薦(高等専門学校が、海外の大学等と協力して海外に在住する者を推薦する方法をいう。)

  (募集等)
第五条  国費外国人留学生の募集は、前条各号に定める推薦方法ごとに、文部科学大臣が当該各号に掲げる機関を通じて行う。
2  募集分野、応募条件、応募手続き等については、別に定める。

  (応募の要件)
第六条  国費外国人留学生の募集に応募することができる者は、次の各号に掲げる国費外国人留学生の区分に応じ、当該各号に定めるとおりとする。
  一  研究留学生及びヤング・リーダーズ・プログラム留学生 我が国の大学院入学資格を有する者
  二  教員研修留学生 大学又は外国の教員養成機関を卒業した者で、現に外国の初等中等教育機関等において、教員として相当期間の在職経験を有する者
  三  学部留学生及び専修学校留学生 我が国の大学入学資格を有する者
  四  日本語・日本文化研修留学生 外国の大学に在学している者で、日本語又は日本文化に関する分野を専攻し、相当程度の日本語能力を有する者
  五  高等専門学校留学生 外国において、学校教育における九年の課程に引き続く学校教育の課程に二年以上在学した者

  (留学期間)
第七条  国費外国人留学生の留学期間は、次の各号に掲げる国費外国人留学生の区分に応じ、当該各号に定める期間とし、その始期及び終期は別に定める。ただし、第四条第四号の推薦方法による推薦に基づき選定される学部留学生及び研究留学生については、この限りではない。
  一  研究留学生 課程の修了を目的としない者については六か月の日本語等予備教育の期間を含め二年以内、大学院の修士課程、博士課程又は専門職学位課程に在学する者については六か月の日本語等予備教育の期間に当該課程の修業年限に相当する年数を加えた期間以内
  二  ヤング・リーダーズ・プログラム留学生 一年以内
  三  教員研修留学生 六か月の日本語等予備教育の期間を含め一年六か月以内
  四  学部留学生 一年の日本語等予備教育の期間に当該学部の修業年限に相当する年数を加えた期間以内
  五  日本語・日本文化研修留学生 一年以内
  六  高等専門学校留学生及び専修学校留学生 一年の日本語等予備教育の期間に当該高等専門学校又は当該専修学校の専門課程の修業年限(高等専門学校にあっては、編入学以後の修学年限)に相当する年数を加えた期間以内
2  文部科学大臣は、国費外国人留学生が次の各号のいずれかに該当する場合には、文部科学大臣が別に定める取扱要領に基づき、留学期間の延長を認めることができる。
  一  現に研究留学生である者で、留学期間満了後引き続き大学院の修士課程、博士課程若しくは専門職学位課程に入学することが許可された者又は大学院の修士課程、博士課程若しくは専門職学位課程の在学中に留学期間が満了する者
  二  現に学部留学生として大学の学部の最終年次に在学する者又は高等専門学校の専攻科の最終年次に在学する者で、留学期間満了後引き続き大学院修士課程、博士課程(前期二年及び後期三年の課程に区分する博士課程における後期三年の課程を除く。)又は専門職学位課程に入学することが許可された者
  三  現に高等専門学校留学生として高等専門学校の学科の最終年次に在学する者で、留学期間満了後、大学の三年次に編入学すること又は高等専門学校の専攻科に入学することが許可された者
  四  現に専修学校留学生として専修学校の専門課程の最終年次に在学する者で、留学期間満了後、大学の三年次に編入学することが許可された者
3  休学した期間は、第一項に定める留学期間に算入する。
4  前項の規定は、国費外国人留学生が長期にわたり欠席した場合に準用する。

  (国別割当)
第八条  第四条第一号に定める推薦方法により推薦される国費外国人留学生の国別割当は、外務省と協議して、文部科学省が決定する。

  (配置)
第九条  国費外国人留学生を入学させる大学等及び日本語等予備教育施設は、文部科学大臣があらかじめ当該大学等及び日本語等予備教育施設の長と協議して決定する。

  (給与)
第十条  国費外国人留学生の給与は、第七条に定める留学期間中支給するものとし、給与の額及び給与に係る事務の取扱いについては、文部科学省高等教育局長が別に定める。
2  国費外国人留学生が休学した場合は、前項の規定にかかわらず、休学期間中の給与を支給しない。ただし、月の中途から休学し又は復学した場合の当該月の休学期間についてはこの限りでない。
3  前項の規定は、国費外国人留学生が長期にわたり欠席した場合に準用する。

  (教育費)
第十一条  国費外国人留学生が、国立の大学等に入学する場合には授業料、入学料、検定料等(以下「教育費」という。)を徴収せず、公立及び私立の大学等又は国公私立の日本語等予備教育施設に入学する場合には教育費は国が負担するものとする。
2 前項に定める教育費の取扱いについては、文部科学省高等教育局長が別に定める。

  (旅費)
第十二条  国費外国人留学生に対しては、渡日旅費及び帰国旅費を支給する。
2  ヤング・リーダーズ・プログラム留学生に対しては、前項に定めるもののほか、研究旅費を支給することができる。
3  渡日旅費、帰国旅費及び研究旅費の支給額及び支給方法等については文部科学省高等教育局長が別に定める。

  (誓約)
第十三条  文部科学大臣は、選定の後、国費外国人留学生に対して、国費外国人留学生として遵守すべき事項について誓約させる。

  (給与支給の停止)
第十四条  文部科学大臣は、国費外国人留学生が次の各号のいずれかに該当する場合には、選考委員会の協議を踏まえ、給与支給の停止を行うことができる。
  一  前条に規定する誓約に係る事項を遵守していないことが判明したとき
  二  申請書類に虚偽の記載があることが判明したとき
  三  大学等又は日本語等予備教育施設において、退学(他の大学等に編入学等する場合を除く。)若しくは除籍等の処分を受けたとき又は学業成績が著しく不良であって課程を修了する見込みがないと判断されたとき
  四  日本語等予備教育施設における課程を修了できなかったとき
  五  入管法別表第一の四の表の留学の在留資格を他の在留資格に変更したとき
  六  第十条に定める給与以外の奨学金(使途が研究費として特定されているものを除く。)の支給を受けたとき
  七  前各号に掲げる場合のほか、在学する大学等の長又は日本語等予備教育施設の長が国費外国人留学生として不適当であると判断したとき
2  国費外国人留学生が、前項各号のいずれかに該当する事由が生じた場合には、在学する大学等の長及び日本語予備教育施設の長は、速やかに文部科学大臣に通知するものとする。

  (学事上の取扱い等)
第十五条  国費外国人留学生の入学、転学、転科及び諸学事報告等の学事上の取扱いについては別に定める。
2  前項に規定するもののほか、各大学及び各日本語等予備教育施設は、必要に応じ、国費外国人留学生の取扱いについて文部科学省と協議するものとする。

  (細則)
第十六条  この要項に定めるもののほか、この要項の実施に関し必要な事項は、文部科学省高等教育局長が別に定める。

  (事務処理)
第十七条  国費外国人留学生に関する事務は、文部科学省高等教育局学生・留学生課において処理する。

      附則 (昭和五十年四月十二日)
1 この要項は、昭和五十年四月一日から適用する。
2 (昭和五十年度分の給与の額の特例)
昭和五十年度分の給与の額については、この要項による改正後の国費外国人留学生制度実施要項第七の一の規定にかかわらず、学部留学生については月額八万千円、研究留学生については月額十一万千円とする。
      附則 (昭和五十一年三月五日)
  この要項は、昭和五十一年四月一日から実施する。
      附則 (昭和五十二年三月二十二日)
  この要項は、昭和五十二年四月一日から実施する。
      附則 (昭和五十三年四月十日)
1 この要項は、昭和五十三年四月十日から実施する。
2 国費外国人留学生制度実施要項(以下「実施要項」という。)第四の第二項第四号の規定により選定された研究留学生に係る授業料については、実施要項第八の規定にかかわらず、当分の間募集要項で定めるところによるものとする。
      附則 (昭和五十四年六月十一日)
  この要項は、昭和五十四年六月十一日から実施する。
      附則 (昭和五十四年八月二十四日)
  この要項は、昭和五十四年八月二十四日から実施する。
      附則 (昭和五十七年九月三十日)
  この要項は、昭和五十七年九月三十日から実施する。
      附則 (昭和五十九年六月三十日)
  この要項は、昭和五十九年七月一日から実施する。
      附則 (平成十一年三月三十一日)
  この要項は、平成十一年四月一日から実施する。
      附則 (平成十三年一月六日)
  この要項は、平成十三年一月六日から実施する。
      附則 (平成十八年四月二十六日)
  この要項は、決定の日から実施し、平成十八年四月一日から適用する。
      附則 (平成二十一年四月二十七日)
  この要項は、決定の日から実施し、平成二十一年四月一日から適用する。
      附則 (平成二十七年九月一日)
  この要項は、平成二十七年九月一日から適用する。
      附則 (令和三年三月三十一日)
  この要項は、令和三年四月一日から実施する。

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