平成23年度「チーム医療推進のための大学病院職員の人材養成システムの確立選定委員会」所見

 このたび、チーム医療推進のための大学病院職員の人材養成システムの確立選定委員会は、大学病院において、専門職種の積極的な活用、多職種間協働の推進、効率的なサービスの向上を図り、医療の質の向上や医療安全の推進を目的としたチーム医療や役割分担を推進するため、それに必要な医療スタッフの養成のための教育プログラムを開発・実践する大学病院の取組」について、本年6月に申請のあった52件のうち、特に優れた8件を選定した。
 近年の医師不足や医療の高度化に伴う業務の増大により医療現場が疲弊する中で、チーム医療推進のための大学病院職員の人材養成システムの確立は、質が高く、安心・安全な医療を提供し続けるための喫緊の課題であることを踏まえ、チーム医療・役割分担の優秀性・適切性、実施体制や評価体制などの構想の実現可能性の面から審査を行った。
 選定された取組においては、今日の大学病院が積極的に取り組んでいる周術期管理の一端を担う医療人材や、救命救急センターやICUなど急性期のチーム医療の現場で活躍する人材の養成、ロボット手術医療チームの安全性・効率性の向上のための取組や、チームとして患者一人一人の経済的事情等に考慮した退院支援や在宅医療に当たるような地域医療・地域社会と連携した取組など、魅力的な取組が多数見受けられた。今後は一層の医療の質の向上や医療安全の推進に向け、充実した取組を行うとともに、その内容や得られた成果等について、積極的に社会に発信することを期待したい。
 また、残念ながら今回不選定となった取組についても、各大学病院を取り巻く地域事情等を十分に踏まえ、創意工夫に富んだ取組が提案されていたことから、検討された取組を積極的に推進することをお願いしたい。

 我が国の医療を取り巻く状況は、関係各位の努力にも関わらず、いまだ大きな課題があることから、問題解決に向け長期的に取り組むことが望まれる。
 大学病院は、学部段階の教育から卒後の医師の教育まで行う唯一の医師養成機関であるとともに、地域医療の中核的機関としての役割を担っており、国民からの期待はますます大きなものとなっていることから、今後とも大学病院において更に取組が推進されることを期待したい。

平成23年9月7日
チーム医療推進のための大学病院職員の人材養成システムの確立
選定委員会委員長 河野 陽一

お問合せ先

高等教育局医学教育課

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-- 登録:平成23年09月 --