平成23年度「専門的看護師・薬剤師等医療人材養成事業」選定結果一覧等

「専門的看護師・薬剤師等医療人材養成事業」選定結果一覧(看護系)

区分

大学名

事業名称

1

国立

群馬大学

地域社会の要請に応えた高度専門看護師養成

2

公立

兵庫県立大学

チーム医療を担う高度実践看護師の育成

3

公立

高知県立大学

チームでLifeを紡ぐ高度実践看護師教育

4

公立

沖縄県立大学

島しょにおける「包括的専門看護師」の養成

5

私立

日本赤十字看護大学

各災害サイクルの高度実践看護職の育成

6

私立

聖路加看護大学

チームビルディング力育成プログラム

 

 「専門的看護師・薬剤師等医療人材養成事業」選定結果一覧(薬学系) 

区分

大学名

事業名称

1

国立

広島大学

高度医療専門職チーム力・臨床指導力の育成

2

公立

名古屋市立大学

チーム医療に貢献する薬局薬剤師の養成

3

私立

慶應義塾大学

地域で活躍する高齢者支援指導薬剤師の養成

4

私立

名城大学

臨床判断能力向上のための共育プログラム

 

選定取組の概要と選定理由及び選定委員会からの意見

事業責任者

群馬大学 二渡 玉江

取組名称

地域社会の要請に応えた高度専門看護師養成
-地域に対応した侵襲タスクとチームマインドを備えた専門的看護師を養成する大学院教育-

事業概要

 本プログラムでは、既設の大学院専門看護師(CNS)制度に、地域や他職種の要請に応えた侵襲タスク(看護職の役割拡大、侵襲技術)科目を開設、また、社会の要請に応えた、より高度な実践能力を備えた専門看護師を養成する。
 プログラムの推進に当たっては、「高度保健医療資格専門職養成推進室」が核となり、医学科、附属病院と地域関係機関とともに、「タスク検討委員会」を設置し、提言・評価・認定・公開を行う。
 これらの取組は、本研究科が、チーム医療教育に高い実績を持ち、大学院には職種横断型の教育システムを導入しており、チーム医療マインド育成体制を構築していることから、地域に有効的、かつ安全性の高い高度専門看護師の養成を目指すものである。

選定理由
及び意見

 地域社会が必要とする侵襲性の高いタスクをも実践できる能力を備えた専門看護師の養成を目的としており、本事業の趣旨に合致している。また、プログラムが具体的であり、保健学研究科研究・教育センター内に「高度保健医療資格専門職養成推進室」を設置して、プログラムを推進する体制が整備されていることは評価できる。
 他方で、現在の専門看護師養成プログラムとの違いに関する記載が乏しく、現在の体制で、侵襲タスクについて対応できない理由と、それを踏まえたプログラムであることの説明が必要と考える。また、チーム医療マインドの育成がどのように行われるのか、明確に示す必要がある。さらに、申請された設備備品と、具体的な課題との整合性についても更なる検討を期待したい。 

 

事業責任者

兵庫県立大学 片田 範子

取組名称

チーム医療を担う高度実践看護師の育成

事業概要

 本プログラムは、現行の専門看護師教育を強化し、健康状態の査定や種々の医療行為を医師との協働のもとに担い、チーム医療を推進することのできる高度実践看護師の育成を行うものである。
 教育プログラムは、1.健康状態や必要な医療内容の判断を行い医師と適切に協働して安全で効率の良い医療・看護の提供能力の涵養(かんよう)、2.専門看護師教育課程修了者への高度実践看護師への継続教育の実施、3.高度実践看護師を教育する指導体制の構築の3つから構成されるものである。
 特色として、医学・薬学科目の看護学への融合、県立病院等との協働によるキュアとケアを融合する実習の実施、及び、米国高度実践看護師養成大学院や国内高度実践看護師コースを持つ大学院との協力体制がある。

選定理由
及び意見

  これまでの我が国有数の専門看護師(高度実践看護師)育成実績に基づく、教育の強化プログラムであり、国内の看護系大学、さらに、米国の高度実践看護師の養成コースを持つ姉妹校等の大学院との連携も図れており、十分な実績を挙げうることが期待され、社会への貢献度も高いと思われる。
 他方で、貴学で養成している専門看護職との相違を明確化させること、養成する人材のチーム医療の中での役割・貢献に関する記述が示されていないことから、更なる取組を期待したい。

 

事業責任者

高知県立大学 野嶋 佐由美

取組名称

チームでLifeを紡ぐ高度実践看護師教育
-高度先進医療機関との連携によるクリティカルケア看護専攻教育課程の設置に向けて- 

事業概要

 本プログラムでは、高度な知識・技術を駆使して、重篤な患者の身体管理や治療に積極的に参画し、急激に生命を脅かす事態に直面した際に的確に判断し、多様なチームと協働してLifeを紡ぐ高度実践看護師(APN)を養成する。
 教育プログラムの骨子は、1.高知医療センターと連携・協働して、クリティカルケア看護専攻教育課程を開設、2.既存の高度実践看護師養成課程で、重篤な患者の身体管理や治療に参画する知識と技術を修得できるよう教育内容を強化、3.臨床と協働して教育課程を開発することで、チーム医療を推進する能力を育成、4.実習施設と協働して、高機能シミュレーターを活用した演習方法の開発の4つを特色とするものである。 

選定理由
及び意見

 我が国トップクラスの専門看護師教育の実績を基に、地域に密着した役割拡大を伴うクリティカルケア看護実践家養成を目指している。クリティカルケア看護の専門看護師が四国地方に絶対的に不足しており、プログラムを実施する必要性があることを説得力を持って説明している。また、大学全体で推進する体制が計画されており、社会的周知も念頭に置いていることなど、大変堅実なプログラムとなっている。
 他方で、本プログラムは、新たな教育課程の設置と既存の教育課程の再編の2つを企図していると思われるが、本事業の最終年度までに達成可能な目標設定が不明確である。また、高知医療センターとの連携体制は整備されているが、大学院における教育資源をどのように効果的に活用するのかも含め、より具体性をもった計画とするなど、今後の更なる取組を期待したい。 

 

事業責任者

沖縄県立看護大学 前田 和子

取組名称

島しょにおける「包括的専門看護師」の養成
-教育カリキュラム開発による看護の役割拡大- 

事業概要

 本プログラムは、保健医療福祉専門職の乏しい島しょ地域で求められる役割が発揮できる「包括的専門看護師」の養成を目的とするものである。
 島しょ地域では、子供から高齢者まで、健康の保持増進から看取りまであらゆる住民の健康ニーズに包括的に対応できる高度看護専門職者が求められている。したがって、分野別専門看護師では補えないプライマリヘルスケア領域に卓越した包括専門看護師が必要であり、教育カリキュラム開発を目指す本プログラムの実行によって、看護の役割機能の拡大が見いだせるものである。

選定理由
及び意見

 地域医療のニーズに応えられる包括的専門看護師を養成する教育カリキュラム開発プログラムであり、プライマリヘルスケアを担う専門職の育成として価値がある。また、本プログラムは、島しょ地区住民の様々な健康ニーズに対応して、包括的なプライマリヘルスケアを実践できる専門看護師の育成を目的としており、僻地や遠隔地等、医療貧困地域での高度実践者教育であり、地域に根ざした組織体制である。
 他方で、過去の大学GP「島しょ看護の高度実践指導者の育成」での取組から、何を継続・発展させ、何をさらに強化するのかを明確に示すこと、また、臨床指導者のFDや実習指導体制について、やや不明確であったことから、これらも踏まえた更なる取組を期待したい。 

 

事業責任者

日本赤十字看護大学 小原 真理子

取組名称

各災害サイクルの高度実践看護職の育成

事業概要

 本プログラムは、高度な実践能力を持つ、災害看護専門的看護師の育成を目指すものである。
 育成プログラムは、1.災害急性期を想定した数種のシミュレーションの実施、救命救急・緊急避難生活支援と多職種連携能力の獲得、2.災害中長期におけるシミュレーション演習及び臨床教授の指導を得て仮設住宅等での実習により、健康や生活上の諸問題への実践的な援助方法の開発、3.災害静穏期における地域、病院の防災・減災等の備えについて、訓練参加や企画実施評価の演習により、連携調整力、リーダーシップの習得の3つを特色とするものである。

選定理由
及び意見

 災害サイクルに沿った災害看護全般に亘る災害専門看護師の養成プログラムである。チーム医療を重視し、カリキュラム内容も極めて実践的である。また、本プログラムは、災害急性期から災害静穏期までの災害サイクルにおいて、それぞれの段階における高度な実践力を発揮する専門看護師の育成を目的としており、日本赤十字社を母体とする教育機関での実施により、全国レベルで優れた専門看護師の育成が期待できる。
 他方で、国内外の被災地や開発協力の現場に赴き実習する計画を含むにもかかわらず、臨床指導者のFDや実習指導体制について、やや不明確であったことから、安全面にも配慮した上で、これらも踏まえた更なる取組を期待したい。 

 

事業責任者

聖路加看護大学 菱沼 典子

取組名称

チームビルディング力育成プログラム
-チーム医療を牽引する高度看護実践家育成に向けて- 

事業概要

 本プログラムは、博士前期課程において、システムズアプローチと当事者中心の考え方のPeople-Centered Careを基本概念とし、チーム医療を推進できる高度看護実践家の育成を目指すものである。既存カリキュラムに、チーム力の育成を強化するプログラムを加える。
 チームビルディング力、モデルとなるチーム医療現場での演習、実習におけるチーム作りと段階に学び、チームを作る力を育成し、更にチーム医療の効果を評価する視点を養うものである。

選定理由
及び意見

 チーム医療を推進できる高度看護実践家の育成を目指すプログラムであり、大学全体で教育資源を効果的に活用できる体制が整備されている。また、上級実践を担う看護師養成の実績が豊富であり、海外や実習施設との連携体制も構築されている。大学院における教育資源を効果的に活用する体制が整備されている。
 他方で、入学時における学生のチーム力は個々で異なることから、学生の必要に応じてプログラムを活用するとされており、多職種とどのように連携しながら、知識・技能を身につけていくのか教育計画について十分に検討するとともに、養成人数が確保されるよう工夫が望まれる。また、プログラムの実績等を適切に評価できる組織体制整備や、評価結果を教育活動の質の向上・改善に結びつけるための更なる取組を期待したい。 

 

事業責任者

広島大学 大塚 英昭

取組名称

高度医療専門職チーム力・臨床指導力の育成
~薬学部・保健学研究科の協働によるチーム医療共育~ 

事業概要

 本プログラムは、既に地域医療の現場で活動している医療専門職を対象に、1.学部生・大学院生の指導を通して自らも学び育つ”チーム医療共育プログラム”、2.臨床研究力・実践指導力を兼ね備えた専門職の高度化を目指す”チーム実践力育成プログラム”を柱とする高度医療専門職教育を、薬学部と保健学研究科の実務家教員を中心とした指導チームが、地域実習施設と連携し、協働で実践するものである。

選定理由
及び意見

 学部学科生、大学院への教育のみならず、既に働いている職業人への教育という、社会的ニーズに基づく独創的な取組であり評価できる。また、これまでの実績の上に、職種間連携をベースとして、地域医療機関や地域内の他薬学部までを包括した、高度薬剤師教育を行う計画は、合理的で具体性もある。
 他方で、臨床研究力を備えることが、本事業の目的にもなっているチーム医療への推進に質する高度な看護師・薬剤師の養成にどのように繋(つな)がるのか、十分な説明が必要と思われる。
 また、大学が地域の実務実習指導薬剤師を養成する意義・使命は非常に大きいことから、指導能力に優れた多くの薬剤師の養成及び本事業の成果を社会に還元するなど、更なる取組を期待したい。 

 

事業責任者

名古屋市立大学 宮田 直樹

取組名称

チーム医療に貢献する薬局薬剤師の養成
薬学部、医学部、看護学部、附属病院が連携して実施する地域チーム医療に貢献する薬局薬剤師養成 

事業概要

 本プログラムは、医学部、看護学部、附属病院の支援の下に、愛知県内で在勤の薬局薬剤師を対象として、チーム医療の担い手として貢献できる高い臨床能力を育成することを目的としている。
 病院薬剤師と異なって必ずしも十分にチーム医療を担うための研修の機会がなかった薬局薬剤師に的を絞って、薬剤部のみならず医学・看護学部、附属病院で培ってきた医療研修プログラムを基礎にして、薬剤師の実践的な臨床能力の育成を図ろうとしている点が本プログラムの特色である。

選定理由
及び意見

 他学部、多職種との連携が組織的に計画されており、プログラムも明確であり、実現可能性が大きく、社会への貢献度も高い。また、地域の薬局薬剤師を対象に医療知識、シミュレーション教育、患者接遇、症例検討能力を涵養(かんよう)し、その能力を用いて学生の実務実習の質を上げようとする取組となっており、学部連携によって充実した学習環境整備が期待できる。
 他方で、参加薬剤師の学習アウトカムを測定する視点が不足していると思われる。アウトカム評価を行い、プログラム等を改善する考え方やチーム医療に貢献する薬剤師の評価等についても、更なる取組を期待したい。 

 

事業責任者

慶應義塾大学 福島 紀子

取組名称

地域で活躍する高齢者支援指導薬剤師の養成
教育プラットホームを利用した試み 

事業概要

 本プログラムは、実務実習の一環(いっかん)として、今後重要性が増す、地域で必要とされる高齢者支援ができる指導薬剤師の養成を目的としている。本学の6年制科目や生涯学習科目をプラットフォームとして拡大利用する独創的な試みである。
 高齢者支援のできる臨床能力の高い薬剤師の養成に重点を置き、体験学習を含むプログラムを展開するが、あわせて、指導者として広く実務実習上の問題の把握とその解決の方法を身につけることも狙いとしている。

選定理由
及び意見

 高齢者支援及び在宅医療の充実を図りながら、実務実習指導薬剤師の質的向上を目指す優れたプログラムであり、方略も十分に計画されている。本プログラムの社会的、地域的、臨床的ニーズは極めて高いものがある。また、プログラム参加者が、学習を通じて獲得した能力をアウトカム評価するシステムとなっており、クオリティーが高い。 
 他方で、具体的な養成数等が不明確であること、生涯学習的な教養教育のみではなく、スキルアップトレーニングも含めた研修を計画するなど、更なる取組を期待したい。 

 

事業責任者

名城大学 長谷川 洋一

取組名称

臨床判断能力向上のための共育プログラム
-気づきを与える指導薬剤師の養成を目指して- 

事業概要

 本プログラムは、実習施設と連携し、本学6年制学部教育で行っている適正な薬物療法実施のための臨床判断能力育成カリキュラムを薬剤師向けに提供する。さらに、薬剤師としての臨床判断能力と実務実習における指導者としてのコーチング能力を向上させるために、スクーリングとe-ラーニングを組み合わせた効果的な教育プログラムを構築し、実務実習を通して薬学部学生と薬剤師が共に育つ「共育」を目指すものである。

選定理由
及び意見

 薬物治療に薬剤師が主体的に取り組むことで、チーム医療の充実を図る社会的、臨床的ニーズの高いプログラムである。これから求められている薬剤師像に近い形で、プログラムが構成されており、新規性・独創性が感じ取れる。これにより、臨床判断能力とコーチング理論に裏打ちされた優れた指導薬剤師の輩出が可能になると思われる。
 他方で、これをチーム医療の中でどのように活用していくのかという観点、また、プログラムの実施により得られた成果がホームページでの公開記載しかないことから、本事業の成果を社会にどのように還元するかなど、更なる取組を期待したい。 

お問合せ先

高等教育局医学教育課看護教育係、薬学教育係

(看護教育係)辻、西尾、久保田(薬学教育係)吉田、野津
電話番号:電話:03-5253-4111(代表)(内線)2508、3326

-- 登録:平成23年10月 --