平成19年度 「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」選定プログラムの概要及び選定理由(基礎学力習熟のための支援システムの構築)

大学・短大・高専名 北海道自動車短期大学
プログラムの名称 基礎学力習熟のための支援システムの構築
‐自動車整備士資格の取得支援システムを例として‐
プログラム担当者 加賀田 誠
(プログラムの概要)  本学では2級自動車整備士の養成教育を行っている。基礎学力が劣る学生には個人指導に近い教育を行って、教員の努力を傾注し、卒業直後に受験する二級自動車整備士の国家試験の高い合格率を維持してきた。しかし今後、能力・意欲の低い学生が増え続けることが予想され、教員の努力だけでは指導が立ち行かなくなる危険性がある。本プログラムでは、我々の指導ノウハウとe-learningシステムとを結びつけ、教員の仕事の一部をコンピュータシステムが肩代わりし、現行同様あるいはそれ以上の効果をもつ資格取得支援システムの構築を目指す。現行のCAI(Computer aided Instruction)の機能を強化し、学生の解答傾向の分析から、個々の学生の不得意とする問題の把握をし、きめ細かく弱点を分析する。その結果を教員へフィードバックして、入学時からの教育方法の工夫に反映させる。
(選定理由)  北海道自動車短期大学においては、学生支援の中心課題を就職と直結する二級自動車整備士資格取得と定め、基本的授業のクラス担任による実施や数学授業の習熟度別編成など個別指導充実の工夫を重ねた結果、平成15、16年度の整備士試験合格率60パーセント程度から平成17、18年度は99パーセントに上昇させることに成功しました。これは全学教職員の協力あっての実績と評価できます。
 今回申請のあった取組は、個別指導を一層充実するため、高度なコンピュータ支援学習システムCAIを導入し、1.基礎学力の定着、2.整備士試験問題練習、3.自動車工学各分野の学習プロセスの診断などを図ろうとしたものです。現在、すでに貴学は原始的なCAIシステムを運用して効果を上げていますが、さらに学生個人に適応した教材提示と苦手領域分析を可能にしようとする計画であり、コンピュータ利用の十分な経験を前提とした現実的な取組と言えます。
 特に、教員による個別指導の成功実績を基礎として、さらにCAIの特性を生かした指導を加える点は、教員の手抜きのために指導をコンピュータに丸投げする企画とは根本的に状況が異なっており、他の大学等の参考となる優れた取組であると言えます。

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