平成19年度 「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」選定プログラムの概要及び選定理由(視・聴覚障害学生の専門性を高める学習支援)

大学・短大・高専名 筑波技術大学
プログラムの名称 視・聴覚障害学生の専門性を高める学習支援
‐視覚障害学生に対する情報アクセス支援と聴覚障害学生に対するコミュニケーション支援‐
プログラム担当者 石原 保志
(プログラムの概要)  本学は、視覚や聴覚に障害のある学生のみを受け入れる国内唯一の高等教育機関である。我々はこれまで、障害毎に異なるニーズに対応した特別な学習支援環境を整えてきた。しかし学生を取り巻く状況が変化するなか、更なる専門性を高めるためには、視覚障害学生においては情報源に直接アクセスするための迅速で安全な移動を確保する仕組みが、聴覚障害学生においてはどこでも構築できるコミュニケーション支援環境が必要であることが分かってきた。そこで本プログラムでは、視覚障害学生向きには肉声に近い音声合成技術を用いたグループウェアの開発と、マルチモーダルな誘導システムの試験的導入を、聴覚障害学生向きには汎用性のあるオールインワン・パッケージの支援機器の開発及びこれを使用するための専門性を有する人材育成を行う。
 本プログラムで得られた成果は、日本学生支援機構などを通して、視・聴覚障害者が学ぶ一般大学に還元できる。
(選定理由)  筑波技術大学においては、視・聴覚に障害のある学生のみを受け入れる国内唯一の高等教育機関として、障害学生に対する支援を具体的かつ組織的に実施されており、障害者に対する種々のハードウェア・ソフトウェアを利用した障害補償システムの開発や障害に伴うこころの問題に対するケアにおいて、大きな成果を上げていると言えます。
 また、今回申請のあった「視・聴覚障害学生の専門性を高める学習支援−視覚障害学生に対する情報アクセス支援と聴覚障害学生に対するコミュニケーション支援−」の取組においては、専門性を生かし、障害学生に対するさらなる学習支援機器の開発や支援環境の構築が計画されています。今後、様々な分野(医歯薬看護分野も含めて)における高等教育において、視・聴覚障害者の修学機会が増加することが予想されるため、その修学補償システムの開発と運用は緊急の社会的な課題と考えられます。貴学の学生支援プログラムは、このような社会的要請に合致したものと思われます。
 本取組は、得られた成果を他の大学等にフィードバックすることも積極的に計画されており、大学等のみならず社会への還元も期待できる優れた取組であると言えます。

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-- 登録:平成21年以前 --