大学附属病院の医師等の適正な雇用・労務管理について(通知)

元文科高第181号
令和元年6月28日


附属病院を置く各国公私立大学長 殿


文部科学省高等教育局長
      伯井 美徳


大学附属病院の医師等の適正な雇用・労務管理について(通知)


 昨年10月、医療現場で診療行為を行っているのにも関わらず給与が支給されていない医師が複数の大学附属病院において存在するという報道がされました。
 文部科学省としては、上記報道を踏まえ、各大学が自らの責任において大学附属病院で診療に従事する医師等の雇用実態等を改めて明らかにした上で、今後、各大学において、自主的に適正な雇用や労務管理をより一層推進するための体制を構築することを強く促すことを目的に調査を行 ったところ、複数大学から別添のとおり、合理的な理由がなく給与が支給されていない事例が報告されました。
 労働基準法等の労働関係法令上の労働者とは、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいうものであり、一般的に、労働者に当たるか否かについては、仕事の依頼や、業務指示等に対する諾否の自由はあるか、業務を遂行する上で指揮監督を受けているか等の実態を総合的に勘案して個別具体的に判断されるものです。また、賃金とは、その名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が支払うすべてのものをいうもので、謝金等の各種手当ても含まれうるものです。これは医師等についても同様であり、診療従事の実態について十分に把握・考慮した上で、それに応じた適切な雇用・労務管理を行うことが必要です。
 各大学においては、引き続き、法人本部の労務管理部局と附属病院間での課題の共有、学内外の労務管理の専門家の意見を伺う等により、必要に応じて事務体制の強化や労務管理手続きの見直し等を行うなど、これまで以上に労働基準法等の労働関係法令及び社会保険関係法令に基づいた医師等の適切な雇用・労務管理等に取り組まれるようよろしくお願いします。
 また、労働者に当たるのであれば、当然に労災保険の対象者となりますので、保険料の支払い等遺漏のないようよろしくお願いします。
 最後に、本調査結果を踏まえ、各大学における改善方策の履行状況及び精査を実施している大学における対応状況などについて今後、フォローアップを行う予定としておりますので、御協力のほどよろしくお願いします。

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