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東北地方における医学部設置に係る構想審査会構想審査結果(平成26年8月28日)

東北地方における医学部設置に係る構想審査会構想審査結果

 

平成26年8月28日
東北地方における医学部設置に係る構想審査会

 

  「東北地方における医学部設置認可に関する基本方針」(平成25年12月17日復興庁・文部科学省・厚生労働省決定)において、震災からの復興、今後の超高齢化と東北地方における医師不足、原子力事故からの再生といった要請を踏まえ、特例として、東北地方に1校に限定して、医学部新設について認可を行うことが可能とされたことに基づき、本審査会として審査を行った結果を報告する。

一、審査結果
  本審査会としては、審査の結果、「東北医科薬科大学」(応募主体:学校法人東北薬科大学)の構想を選定することが適切と判断した。
ただし、同構想は、現時点において確認できる限りにおいてはおおむね基本方針に掲げる留意点に即していると考えられるものの、より適切に対応することを明確にするため、二に掲げる条件を着実に実施することを選定に当たっての条件とする。国においては、これらの条件について適切に対応ができていると認められるまでは、設置認可が行われないようにすることを求める。
具体的な選定理由は別紙「構想審査結果の理由」に、本審査会における主な意見の概要については別紙「構想審査会における主な意見」において示す。

二、選定に当たっての条件

以下の事項について対応することを選定の条件とする。
 
(1)  選定後速やかに、宮城県をはじめとする東北各県・各大学、関連教育病院、地元医療関係者等の協力の下で、運営協議会(仮)を立ち上げ、自治医科大学等の先行事例も参考に、教員等の確保や地域定着策をはじめとした、構想の実現・充実のために必要な協議を開始すること。また開学後は、将来にわたり、復興のための医学部設置という趣旨に基づいた医学部運営がなされているかを担保し、各地域のニーズを踏まえた人材育成を行っていくための仕組みとして活用していくこと。

(2)  上記協議会の活用等により、東北大学をはじめとする既存の大学との教育面、卒後の医師確保における役割分担と連携を整理し、東北6県全体の医師偏在解消につなげる枠組みを確立し、仙台への医師の集中とならないようにすること。

(3)  東北地方の各地域の医療機関と連携した教育について、医療現場の負担が過重とならないことや、異なる実習場所でも同じ目的のもとで教育効果が上げられるよう配慮しつつ、早期体験実習から卒前・卒後を通じ、「地域全体で医師を育てる」という観点から、総合診療医養成に積極的に取り組むこと。その際、こうした教育及び教育設計に卓越した指導力を有する教員・指導医を確保し、仙台以外の宮城県各地(例えば医師不足に悩む宮城県北部等)、東北各地域において滞在型の教育もできるよう体制や環境を整備していくこと。

(4)  教員や医師、看護師等の確保について、公募を行うに当たり、地域医療に支障を来さないことを担保する具体的な基準や指針を定めて対応すること。看護師の確保についても具体的な方策(年次計画、採用方法、採用後の育成方法等)を示すこと。附属病院の拡張整備に当たっても、県当局と相談の上、地域医療に支障を来すことなく進めること。

(5)  医師の東北地方への定着を促す修学資金の仕組みについて、宮城県等と制度の詳細について精査し、単に東北地方に残るようにするのではなく、地域偏在の解消に対してより実効性が高く、かつ持続可能な仕組みとした上で、東北各県と十分な調整を行うこと。かつ、修学資金だけでなく、入学者選抜から学部教育、卒後研修を見通した定着策の充実に取り組み続けること。

(6)  入学定員について、開学当初の教育環境の確保、地域定着策の有効性といった観点から適切な規模となるよう見直しを行うこと(例えば、臨時定員20名を設定せず、100名の定員で開学すること、学費全額相当の奨学金対象人数を増やすこと等)。また、将来的に、全国の大学において定員調整を行うこととなった場合には、他の大学と協調して対応すること。

(7)  上記のほか、本審査会において、別紙に掲げる意見・要望があったことを可能な限り採り入れ、東北地方における医学部新設の趣旨によりふさわしい大学とするよう努めること。

三、その他

○ 審査結果を踏まえ、国に対しては、以下の対応を要請する。

(1)  設置認可申請から開学までの準備はもとより、条件(1)の運営協議会の運営に当たり、適切な指導助言を行うとともに、関係大学・自治体等に対して協力を要請すること。

(2)  医学部新設による卒業生が活躍し始めるまでには10年以上かかる。既存の大学や地方公共団体が行う地域医療支援の取組について引き続き支援を行うこと。

(3)  今回の東北地方における医学部新設は復興のための特例措置であるが、今後の医学部新設や医師養成数に関しては、医師需給の見通しや定員増の効果の検証、医療制度改革の動向等を踏まえて、文部科学省と厚生労働省が連携し、適切に検討すること。

○ 今後の超高齢社会、人口減少社会の中で医療を支えていくためには、医学部の新設だけでは問題は解決しない。医師の偏在解消や働きやすい環境整備等のほか、効率的・効果的な医療提供体制の確保等様々な取組が必要である。設置される大学には、その理想の実現のため、設置が認められた後にも、不断の努力を求めるとともに、東北地方の各地方公共団体、各大学、関係団体等においては、設置される医学部と可能な限り相互に協力し、東北地方の震災からの復興、将来に向けた地域医療の振興のために、心を一つにして向かっていくことを期待する。

 以上

 

(別紙)構想の実施に当たり参酌すべき意見


以下の点については、一つ一つに対して対応することを設置認可の条件とするものではないが、これらの意見を可能な限り採り入れ、構想内容のさらなる充実を図ること。

 
(教育内容に関して)
・医師である以前に病める人、社会的弱者等への暖かい目等を涵養する豊かな人間教育を行うこと。
・地域立脚型の医学教育に関するカリキュラム設計ができる適切な人材を確保すること。
・医学教育の専門家や、保健師・看護師・リハビリテーション関係職種等の医療職や福祉関係者等の知見を幅広く取り入れることも含め、カリキュラムの検討体制を充実する等により、もう一段の工夫を行うこと。
・1年次から、薬剤師だけでなく看護師・リハビリテーション関係職種等の医療職や、福祉関係者等も含めた多職種連携教育を充実させること。
・1年次の早期体験実習、2年次以降の地域医療実習、臨床実習等に当たり、学生がそれぞれ同じ地域に、まとまった期間、何度も訪問、滞在し、愛着や使命感を持って学ぶことができる仕組みとすること。
・臨床実習においては、地域の中核病院で長期間滞在して実習を行い、そこを拠点に地域の診療所等での医療も経験できるようにすること。例えば石巻地域医療教育サテライトセンターを拠点に、石巻市立病院だけでなく、より前線の診療所や在宅医療の現場等も経験できるようにすること。
・地域医療実習を行うに当たり、地域の診療所や介護・老健施設訪問等が含められているが、その教育効果を高められるよう、各施設と十分に協議し進めること。
・地域医療実習を行うに当たり、受入先の医療機関や地方公共団体と連携し、指導体制はもとより、学生の生活環境・学習環境の整備等環境面の充実についても積極的に取り組むこと。
・放射線関連見学・実習に関し、関連施設の見学にとどまらず、福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センターの取組と連携し、充実を図ること。


(教員・医師・看護師の確保に関して)
・地域医療に支障を来さない方策としては、例えば応募に当たり施設長の意見を求めること等が考えられるが、運営協議会において十分に検討すること。
・国立病院機構仙台医療センター、労働者健康福祉機構東北労災病院を実習に活用するに当たり、現場の指導者の負担に配慮すること。本院でも大部分の教育ができることを基本とすること。
・地域医療実習に協力する病院等に対して、学生だけでなく教員、研修医等を合わせて派遣し、教育と医療支援の両方が可能となるよう体制を充実すること。
・開学後に予定されている附属病院の拡張に当たっても、地域医療へ支障を来さないように進めること。増床に関しては宮城県当局と十分に相談すること。


(卒業後の地域定着策について)
・生活面、学習面における学生の支援の体制(教職員による組織、先輩が後輩の世話をする仕組み等)を明確にすること。
・地域医療ネットワークについて、宮城県内にとどまらず、各県に展開できるよう、東北6県の自治体や医療機関との連携を広げること。
・東北各県における卒業生のキャリア形成のため、例えば人事交流や卒後研修センターを置く等により連携強化を図ること。
・前述の地域滞在型実習の実施と、卒業後の勤務地が一致するよう工夫すること。
・奨学生が卒業後勤務する機関や地域が偏らないように調整する仕組みを構築すること。

 

お問合せ先

高等教育局医学教育課企画係

電話番号:03-5253-4111(内線2509)

-- 登録:平成26年08月 --