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専門職大学院

法科大学院制度について

1.法科大学院制度の意義

  今後、国民生活の様々な場面で法曹需要が増大することが予想されていますが、これに対応するためには、その質を維持しつつ、法曹人口の大幅な増加を図ることが喫緊の課題と考えられています。
しかしながら、従来の法曹養成制度では、厳しい受験競争のため受験技術優先の傾向が顕著になっていたこと、大幅な合格者数の増加をその質を維持しながら図ることには大きな困難が伴うこと等の問題点が指摘されていました。
  一方、大学における法学教育は、法的素養を備えた人材を社会の多様な分野に送り出すことを主な目的としており、プロフェッションとしての法曹を養成するという役割とは異なる独自の意義と機能を担っています。
また、学生の受験予備校への依存傾向が著しくなって「大学離れ」と言われる状況を招き、法曹となるべき者の資質の確保に重大な影響を及ぼしているとも言われていました。
  このような状況の中、司法が21世紀の我が国社会で期待される役割を十全に果たすための人的基盤を確立するためには、司法試験という「点」のみによる選抜ではなく、法学教育、司法試験、司法修習を有機的に連携させた「プロセス」としての法曹養成制度を新たに整備することが不可欠であり、その中核をなすものとして、法曹養成に特化した教育を行うプロフェッショナル・スクールである法科大学院が構想されました。

新たな法曹養成制度の概要

  司法試験という「点」のみによる選抜ではなく、法学教育、司法試験、司法修習を有機的に連携させた「プロセス」としての法曹養成制度を新たに整備

2.法科大学院とは

  高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とする専門職学位課程のうち専ら法曹養成のための教育を行うことを目的とするものを置く専門職大学院(専門職大学院設置基準第18条第1項)  専門職大学院であって、法曹に必要な学識及び能力を培うことを目的とするもの(法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律第2条第1号)

3.法科大学院制度創設の経緯

<平成11年7月 司法制度改革審議会を設置(~平成13年7月)>
  内閣の下に委員として法曹三者(最高裁判所、日本弁護士連合会、法務省)が参加して設置されました。
平成13年6月 司法制度改革審議会意見書>(首相官邸ホームページへリンク)
  司法制度改革審議会のとりまとめた意見書で、法曹人口・法曹養成のあり方について以下の提言がなされました。

【司法制度改革審議会意見書の内容】
1.法曹人口の拡大
  平成22年ころには新司法試験合格者数の年間3,000人達成を目指す。おおむね平成30年ころまでには、実働法曹人口は5万人規模へ。

2.法曹養成制度の改革

(1)法科大学院
  法科大学院(仮称)を中核とした法学教育・司法試験・司法修習を有機的に連携させた「プロセス」としての法曹養成制度の整備。
  法科大学院は法曹養成に特化した実践的な教育を行う学校教育法上の大学院。
  法科大学院の設置認可は広く参入を認める仕組みとする。
  適切な機構を設けて法科大学院に対する第三者評価(適格認定)を実施する。

(2)司法試験
  司法試験は、法科大学院の教育内容を踏まえた新たなものに切り替える。
  法科大学院の修了者は、新司法試験の受験資格を有する。

(3)司法修習
  司法修習は、修習生の増加や法科大学院での教育内容に応じ、実務修習を中核として位置付けつつ、内容を適切に工夫する。
 
<平成13年12月 司法制度改革推進本部設置(~平成16年11月)>
  内閣総理大臣を本部長、全閣僚が構成員として設置されました。
平成14年3月 司法制度改革推進計画(閣議決定)>(首相官邸ホームページへリンク)
  司法制度改革審議会のとりまとめた意見書を踏まえ、政府が講ずべき措置について定めた「司法制度改革推進計画」が閣議決定されました。

【司法制度改革推進計画の内容】
  法曹人口の大幅な増加が急務となっていることを踏まえ、司法試験の合格者の増加に直ちに着手することとし、平成22年ころには司法試験の合格者数を年間3,000人程度とすることを目指す。
  法曹養成に特化した教育を行う法科大学院を中核とし、法学教育、司法試験、司法修習を有機的に連携させた新たな法曹養成制度を整備する。

<平成14年8月 中央教育審議会「法科大学院の設置基準等について(答申)」
  法科大学院の設置基準の在り方等について提言されました。
<平成14年11月 「学校教育法の一部を改正する法律」及び「法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律」の成立>
  大学院の目的規定に高度専門職業人を養成することを追加し、「専門職大学院」制度を創設し、法曹に必要な学識及び能力を培うことを目的とする専門職大学院を「法科大学院」と位置づけました。
<平成15年3月 専門職大学院設置基準の制定>
  専門職大学院設置基準の中に、法科大学院に関する1章を規定しました。
<平成16年4月 法科大学院開設>

4.設置認可について

  文部科学省では、文部科学大臣の諮問機関である「大学設置・学校法人審議会」で、専門職大学院設置基準等の法令に基づき、専門的な観点から慎重かつ厳正な審査を経て、法科大学院の設置認可を行っています。

5.入学者選抜について

(1)多様な人材の受け入れ
  法科大学院では、経済学や理数系、医学系など他の分野を学んだ者や、社会人等としての経験を積んだ者などを幅広く受け入れ、多様なバックグラウンドを有する法曹を輩出していくことが重要です。
  このため、法科大学院の入学者選抜では、入学者の3割以上を、非法学部出身者など学部段階で法律以外の専攻分野を修めた者や実務の経験を有する者などとするよう努めることとされています。
  法学以外の学部出身者や社会人などを積極的に受入れるため、入学者選抜で特別な取組を行っているところもあります。

(2)法科大学院適性試験
  法科大学院の入学者選抜では、法科大学院の志願者全てが「適性試験」を受けることとされています。
  法科大学院の適性試験は、平成22年度までは、独立行政法人大学入試センター及び公益財団法人日弁連法務研究財団が実施していました。平成23年度以降は、法科大学院協会、公益財団法人日弁連法務研究財団、公益社団法人商事法務研究会によって新たに「適性試験管理委員会」が組織され、適性試験を実施していく予定です。
  志願者はこの試験の成績を持って、各法科大学院で行われる入学者選抜を受験し、これに合格すれば法科大学院に入学し、法曹養成に特化した実践的な教育を受けることとなります。
※ 各法科大学院における個別の入学者選抜については、各法科大学院に直接お問い合わせください。

6.修了要件

  3年以上在学し、93単位以上修得することが修了要件とされています。ただし、法学の基礎を学んだ法学既修者は、1年以下・30単位以下を短縮することが可能です。
※ 各法科大学院における個別の法学既修者認定の実施については、各法科大学院に直接お問い合わせください。

7.教育内容について

  教育内容面では、法曹として備えるべき資質と能力を育成するために、少人数で密度の濃い授業を基本としつつ、憲法や民法、刑法をはじめとする法理論教育に加え、弁護士の監督指揮の下に、法律相談、事件内容の予備的聴取り、解決案の検討等を具体的事例に則して学ぶ「クリニック」や、法律事務所や企業法務部等で研修を行う「エクスターンシップ」など実務教育の導入部分をも併せて実施するなど、実務との架橋を強く意識した教育が行われています。

<法科大学院の科目群>
○ 法律基本科目群
  イメージ例 : 公法系、民事系、刑事系
○ 実務基礎科目群
  イメージ例 : 法曹倫理、法情報調査、法文書作成、模擬裁判など
○ 基礎法学・隣接科目群
  イメージ例 : 基礎法学、外国法、政治学、法と経済学など
○ 展開・先端科目群
  イメージ例 : 労働法、経済法、税法、知的財産法、環境法など
※ 各々の単位数は法科大学院の創意工夫によります。

8.中央教育審議会大学分科会法科大学院特別委員会

  中央教育審議会大学分科会法科大学院特別委員会では、法科大学院が司法制度改革で期待されている役割を果たすため、教育の質の向上のための改善方策について審議を行っています。

中央教育審議会大学分科会法科大学院特別委員会の議事録・配付資料はこちら

(高等教育局専門教育課専門職大学院室)

-- 登録:平成28年02月 --